重曹とクエン酸は、ナチュラルクリーニングと言われるほど、環境にやさしい洗剤です。有毒ガスなども発生しないので、人体に影響が少ない洗剤を使用したい場合におすすめです。重曹とクエン酸は、それぞれ性質が異なるので、ふたつ合わせることでさまざまな汚れを落とすことができます。お風呂掃除以外にも使用できるので、家庭に常備しておくと良いでしょう。
お掃除用品として知られる重曹とクエン酸は、どちらもお風呂掃除に役立ちます。重曹とクエン酸は、どちらか片方を使用することもできますし、混ぜて使用することも可能です。重曹とクエン酸を混ぜることで、酸性の汚れとアルカリ性の汚れを同時に落とすことができます。
重曹は、酸を中和する働きがあり、皮脂汚れや石鹸カス、赤カビを除去するのに適している洗剤です。また、重曹には消臭効果や湿気を吸収する効果があるので、お風呂掃除に適しています。
対して、クエン酸はアルカリ性の汚れを落とす働きがあり、水垢を除去するのに適しています。水道水を使用するお風呂場では、鏡や蛇口などの水垢汚れが気になるもの。クエン酸にはアルカリ性である水垢を中和させる働きがあるので、キレイに水垢を落とすことが可能です。
重曹もクエン酸も、お風呂掃除に最適な洗剤です。ただ、酸には重曹、クエン酸にはアルカリ性など、汚れの特性に合わせて洗剤を使い分ける必要があります。汚れにあった洗剤を使いわせることで、赤カビや石鹸カス、水垢汚れなどをキレイに落とせます。
近年は、重曹やクエン酸は環境負荷の低い洗剤として注目を集めています。重曹、クエン酸だけでもスプレータイプの商品や粉末状の商品など、種類が豊富です。掃除する箇所に適した形状の洗剤を選ぶことで、より簡単に汚れを落とすことができるでしょう。
重曹とクエン酸以外の洗剤をお風呂掃除で使用する場合も、汚れに適したものを使用することで、汚れを効率的に落とすことが可能です。なんとなく使用するのではなく、汚れや洗剤の特性に合わせて、適した洗剤を選ぶようにしましょう。
セスキ炭酸ソーダとは、重曹の代わりに使用できる洗剤です。セスキ炭酸ソーダはアルカリの働きを重視するときに、重曹はアルカリの働きに加え、研磨が必要なときに使用するのがおすすめです。
セスキ炭酸ソーダは、重曹と炭酸ナトリウムからできており、環境負荷の低い洗剤として注目されています。重曹が粉状なのに対し、セスキ炭酸ソーダは結晶状なので、水に溶けやすくてアルカリ濃度が高いです。
また、近年人気が高いセスキ炭酸ソーダは、結晶状だけではなくスプレータイプの商品が販売されていることがあります。スプレータイプであれば、結晶を溶かさずに使えるので、手軽にセスキ炭酸ソーダを使用したいときにおすすめです。スプレータイプのセスキ炭酸ソーダは、ドラックストアや薬局、100円均一などで販売されています。
重曹とクエン酸は、同時に使用しても有毒なガスが出たり、効果が打ち消されたりすることはありません。むしろ、重曹とクエン酸を混ぜて掃除に活用することで、酸性の汚れとアルカリ性の汚れを同時に除去できます。本項では重曹とクエン酸を効果的に使う方法を解説します。
汚れが気になるところに、重曹とクエン酸をふりかけることで汚れを落とすことができます。重曹とクエン酸を振りかけるのがおすすめなのは、汚れが広範囲にわたる浴室の床や浴槽の底です。重曹とクエン酸は、粉のまま合わせて振りかけることで発泡します。泡の力で汚れをかき出すことができるので、汚れがひどいところに使用するのがおすすめです。具体的な手順は以下の通りです。
重曹とクエン酸をふりかけて使用する場合は、最後によく洗い流すようにしましょう。また、重曹は研磨剤のように浴室や浴槽の床を削ってしまう場合があるので、こすり洗いをするときはやさしく洗うのがポイントです。
重曹をペースト状にすることで、落ちにくい頑固な汚れや、細かい隙間をキレイに掃除できます。ペーストにした重曹は、細かい隙間やなかなか落ちない頑固な黒ずみなどに最適です。重曹だけではなく、クエン酸を混ぜても問題ありません。具体的な手順は以下の通りです。
重曹やクエン酸をペースト状にするときは、水を少なくすることで硬めのペーストを作ることが可能です。ペーストが重力で落ちてしまう場所には、硬めのペーストを作って使用しましょう。重曹を使った硬めのペーストは、こすり洗いに適しています。頑固な汚れがついているところや、傷がついても問題がない場所には、ペーストを使用するのがおすすめです。
また、直接ふりかけて使用するときと同様に、擦りすぎることでお風呂を痛めてしまう可能性があります。ペーストを使用するときは、なるべく傷をつけないように軽い力でこすり洗いをするように気をつけましょう。こすり洗いをしたことで傷ができると、傷に汚れが溜まりやすくなります。なるべく傷をつけたくない場所や、コーティング加工がされている場所には、こすり洗いは適していません。
重曹とクエン酸があれば自宅でスプレーを作ることが可能です。ただ、最近ではスプレータイプの重曹やクエン酸が販売されているので、スプレータイプを使用する場面が多い場合は、事前に購入しておくと良いでしょう。重曹やクエン酸のスプレーは、粉がつきにくいお風呂の壁などに活用するのがおすすめです。具体的な分量や手順は以下の通りです。
重曹やクエン酸は、水にも溶かすことができます。ただ、冷たい水だと溶けにくくなってしまうので、ぬるま湯を使用するのがおすすめです。また、汚れがひどい場合には、重曹やクエン酸の分量を少し多くすることで、汚れを落としやすくすることができます。
上記の項目で紹介したスプレーは、キッチンペーパーやラップなどでパックすることで、頑固な汚れを落とすことができます。また、重曹やクエン酸がとどまりにくい場所でも、パックすることで汚れに溶液を浸透させることが可能です。壁や棚、手すり、タイルの目地などに頑固な汚れがある場合は、重曹やクエン酸のパックを試してみましょう。
重曹やクエン酸をパックして掃除するときは、汚れにスプレー溶液が密着するように気をつけましょう。汚れに水溶液をしっかり密着させることで、汚れを落としやすくできます。また、汚れが落ちにくいときは、何度か繰り返し行うことで、少しずつ汚れを落としていくのがおすすめです。
お風呂の椅子やボトル、ブラシなどの小物類にはつけ置きがおすすめです。重曹やクエン酸でつけ置きすることで、水垢やカビで汚れてしまった小物類をキレイにすることができます。カビ汚れには重曹、水垢汚れにはクエン酸と、汚れによって洗浄剤を分けてみましょう。具体的な手順は以下の通りです。
粉タイプの重曹やクエン酸は、湯船に溶けにくい場合があるので、事前に溶かしてから湯船に投入するのがおすすめです。粉タイプの重曹やクエン酸を溶かすときは、ぬるま湯を使うと溶けやすくなります。また、おもちゃなど浮かんできやすいものを浴槽の中に入れるときは、浴槽の蓋を使用することで、うまくお湯の中に沈めましょう。
環境や人体にやさしい重曹とクエン酸ですが、お風呂掃除に使用するときは注意しなければいけないことがあります。実際に掃除に使用する前にお確認しておきましょう。
重曹とクエン酸をお風呂掃除で使用するときに注意したいのが、お風呂で使われている材質です。重曹は大理石、クエン酸は、金属、天然木、大理石、漆やニスで塗装されている場所、アルミと相性が悪い洗剤です。重曹とクエン酸をお風呂掃除に使用するときは、お風呂に上記の素材が使われていないかを必ず確認しましょう。
相性の悪い洗剤を使用することで、素材が劣化したり、傷をつけてしまったりしてかえって汚れが溜まりやすくなる可能性があります。お風呂で洗剤を使用する場合は、床や浴槽、壁、小物などの材質を事前にチェックしておきましょう。
クエン酸をお風呂掃除に使用するときは、塩素系の洗剤と一緒に使用してはいけません。クエン酸と塩素系の洗剤が混ざると、有毒なガスが発生します。お風呂掃除でクエン酸と塩素系の洗剤を使用するときは、混ざらないように気をつけましょう。
とくに注意したいのが、流し忘れによって洗剤が混ざってしまうことです。塩素系洗剤とクエン酸を前後して使用する場合は、必ずしっかりと洗い流す必要があります。洗い流しが不十分だと、塩素系漂白剤とクエン酸が混ざってしまいます。有毒ガスを発生させないように、洗い流しには十分に注意しましょう。
最後に、お風呂の汚れの種類別に適した掃除方法を解説します。落としたい汚れに合わせて掃除方法を変えることで、お風呂の汚れをスッキリ落とすことができるでしょう。今回は、お風呂で発生しやすい汚れを中心に紹介します。
お風呂の水垢を落とすときは、クエン酸やメラミンスポンジを使用するのがおすすめです。水垢は水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムが固まることで発生します。
水垢汚れはアルカリ性なので、酸性の洗剤でキレイに落とせます。発生してすぐの水垢汚れであれば、比較的簡単に落とすことができるでしょう。水垢汚れを発見したら、汚れが蓄積してしまう前に水垢を取り除くようにしましょう。それぞれの手順を以下で詳しく解説します。
メラミンスポンジは、傷がついても問題のないものの水垢を落とすのに向いています。メラミンスポンジを使用する掃除方法は、傷がついて困る鏡や、浴槽内には向いていないので注意しましょう。
また、水垢を予防するためには、お風呂に入ったあとに水滴を残さないことが大切です。入浴後にお風呂の壁や鏡、浴槽内を軽く拭き上げることで、水垢汚れの防止に役立ちます。
お風呂の皮脂汚れを落とすときは、重曹を使用するのがおすすめです。皮脂汚れは酸性で、アルカリ性である重曹でキレイに落とすことができます。浴槽の中の皮脂汚れは残り湯を利用して、頑固な皮脂汚れは重曹をペースト状にして掃除するのがおすすめです。具体的な手順は以下の通りです。
重曹をお風呂掃除で使用する場合は、手袋をして作業を行うことがおすすめです。長い間重曹が肌についていたり、肌が弱かったりする人は、手荒れを起こしてしまう可能性があります。また、浴槽内を重曹で掃除するときは、翌日の湯船に重曹が残らないよう、よくすすいでからお湯をためましょう。
お風呂の石鹸カスを落とすときは、石鹸カスの性質によって使用する洗剤を変えましょう。白い石鹸カスは金属石鹸と呼ばれる汚れで、アルカリ性の性質を持っています。対して、黒っぽくてベタベタしているのは酸性石鹸と呼ばれ、酸性の性質を持っている汚れです。
金属石鹸は、石鹸の成分と水道水に含まれるミネラルが反応して汚れです。ミネラルを含んでいるので、アルカリの性質を持っており、水垢と同様にクエン酸で落とせます。対して酸性石鹸は、石鹸と皮脂などの汚れが反応してできる汚れです。酸性石鹸は、皮脂などの酸性の汚れを含んでいるので、アルカリ性の重曹で落とすことができます。それぞれの掃除手順を下記で解説します。
黒い石鹸のカス汚れである酸性石鹸を落とすときは、汚れがあるところに合わせてスプレーとペーストを使い分けましょう。石鹸カスの汚れは、体を洗うときなどに泡が飛び散ることで蓄積されます。放置するほど石鹸カスが落ちにくくなってしまうので、汚れを見つけたら早めに掃除するのがおすすめです。
赤カビは、他のカビと同様に湿度と温度が高く、エサとなる汚れがある場所に発生します。具体的には、湿度が60%から80%、温度が25℃から30℃で、石鹸カスや皮脂汚れなどがある場所です。
赤カビは、黒カビとは異なり根を張らない代わりに繁殖が早いという特徴があります。赤カビは、放置することで黒カビの発生源となってしまいます。赤カビは落としやすいですが、繁殖もはやいので、なるべく早く対処することが大切です。赤カビは、酸性の特性を持つ汚れなので、塩素系漂白剤や重曹を使って掃除するのがおすすめです。
赤カビ掃除に塩素系漂白剤を使用する場合、スプレータイプか液状のタイプがおすすめです。とくに、赤カビが広範囲に広がっている場合は、スプレータイプの塩素系漂白剤を使用することで、手軽に赤カビを除去できます。
黒カビは、根を張るタイプのカビ汚れです。発生条件は赤カビと同じで、湿度が60%から80%、温度が25℃から30℃で、石鹸カスや皮脂汚れなどがある場所に発生します。黒カビは根を張るカビで、落としにくいことが特徴です。お風呂の黒カビを掃除する方法は、塩素系漂白剤を使用する方法と、重曹とクエン酸を使用する方法があります。
黒カビをしっかりキレイにしたい場合には、塩素系漂白剤の使用がおすすめです。ただし、塩素系漂白剤は他の洗剤と混ざることで有毒ガスが発生する強い洗剤です。なるべく安全性の高い方法で黒カビを除去したい場合には、重曹とクエン酸を使用した掃除方法で、黒カビを除去しましょう。
また、黒カビを除去したあとは、50℃前後のお湯を流しかけることで、黒カビの予防効果があります。掃除のあとにはお風呂場をしっかり換気して黒カビの発生条件である湿気を取り除くことが可能です。
お風呂は湿度と温度が高く、さまざまな汚れが発生しやすい場所です。汚れは、種類によって性質が異なるので、性質に合った方法で掃除することが大切です。汚れに合った方法で掃除して、お風呂の汚れをキレイに落としましょう。
Copyright©株式会社イースマイル【町の水道屋さん】.All Rights Reserved.