まずは水まわり掃除のポイントを3つ紹介します。
水まわりは特に水垢やぬめりなど水が原因の汚れが発生しやすい特徴があります。水まわりをきれいに保つためには、汚れの特性を理解し、適切な方法で掃除を行ってください。
はじめに水まわりはこまめに掃除しましょう。休みの日ににまとめて水まわりの掃除をする人も多いですが、少しずつ毎日掃除を行うことが鍵です。
例えばお風呂を使用した後に床や壁をスポンジやブラシで軽く掃除し、鏡や壁、湯船周辺の水滴をしっかりと拭き取ると、カビの発生を抑えられます。キッチンも同様に、キッチンを使い終わったタイミングでシンクやコンロ台を軽く拭くときれいな状態を保てます。
水まわりの掃除と聞くと、大がかりで大変な作業をイメージしがちですが、毎日わずか1分~5分程度のお手入れで、掃除の負担を大幅に軽減可能です。日々の使用の延長で掃除を行えば、掃除の習慣化ができるため掃除が苦でなくなります。さらに、常にきれいな状態が保たれているので心地よく生活できるでしょう。ぜひ、日常生活の一部として水まわりの掃除を取り入れてみてください。
水まわりの汚れにはそれぞれ特性があるので、その特性に応じて適切な掃除方法を選びましょう。例えば、シンクや蛇口に見られるウロコ状の白い汚れは水垢です。水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が原因で発生します。水垢はアルカリ性なので、クエン酸スプレーなど酸性洗剤の使用が効果的です。
キッチンの油汚れや、浴室の石鹸カスなど、それぞれの汚れに適した掃除方法があります。汚れの特性を理解し、それに合った方法で掃除すれば、無駄な労力をかけずに水まわりをきれいにできます。
汚れてから掃除をするのではなく、汚れの発生を防ぐ工夫も大切です。汚れが一度ついてしまうと、除去するのに手間がかかるだけでなく、見た目にも不快感を与えます。汚れを未然に防ぐための対策を取り入れることで、掃除の手間を大幅に軽減でき、いつも気持ちよく水まわりを使えます。
たとえばお風呂では、市販の防カビ剤を使用することで、カビの発生予防が可能です。代表的な商品にはライオンの「お風呂の防カビくん煙材」があります。また、お風呂の残り湯に重曹を1カップほど入れ、風呂椅子や桶を浸けておき、翌朝にブラシでこすって洗い流すと、お風呂の小物類のカビ予防に効果的です。
トイレの場合は、小林製薬の「ブルーレットおくだけ」やSCジョンソン「スクラビングバブルトイレスタンプ」など、簡単に汚れを予防するための便利なグッズが多数販売されています。汚れを予防するグッズを活用すれば、掃除の手間を減らせて楽に清潔な状態を保てます。
本項ではキッチンのおすすめ掃除方法を3つ紹介します。
キッチンは食べ物を扱う場所なので、毎日の使用で汚れや臭いが発生しやすいです。簡単で効果的なキッチンの掃除方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
お湯を使って油汚れを掃除しましょう。油汚れは、料理の際に発生しやすい厄介な汚れですが、40℃~60℃のお湯を使えば、固まった油を溶かせるので汚れが落ちやすくなります。
特に、コンロの五徳やグリルなど、取り外しが可能なパーツは、60℃ほどのお湯と漬け置き用洗剤を混ぜて、しばらく漬け置きすれば汚れが浮いてくるでしょう。
ただし、あまり高温すぎるお湯は、漬け置き用容器の耐熱性がなかったり、掃除の際やけどの原因となるため危険です。また、シンクの油汚れを落とす場合も、60℃を超える熱いお湯の使用はしないでください。配管の耐熱温度は一般的に60℃ほどとされており、それを超えるお湯を流すと配管が痛んでしまいます。40℃~60℃のお湯で十分に油汚れは溶けるので、熱いお湯ではなく適温のお湯で掃除してください。
排水口のゴミは、洗い物が終わったらすぐに捨てることを心掛けましょう。後でまた洗い物をするときにまとめて捨てようと思って排水口にゴミを放置すると、数時間のうちに悪臭を放ち始めたり、シンクにぬめりが発生したりします。排水口のゴミを毎回捨てれば、悪臭やぬめりを予防できます。
さらに、排水口ネットの使用で掃除がしやすくなり、排水管の詰まりも予防可能です。排水口ネットにはストッキングタイプや不織布タイプなどがあり、どれも100円ショップやスーパーで手に入ります。シンクの形状に合ったものを選び、自分にとって使いやすいものを見つけてください。
キッチンを常に清潔に保つためには、シンクのコーティングが効果的です。コーティングを施すことで、水垢などの汚れが付きにくくなり、掃除の頻度を減らせます。コーティング剤にはスプレータイプと液体タイプの2種類があり、それぞれのメリットとデメリットがあります。
スプレータイプはコーティングしたい部分に吹き付けるだけでコーティングが完了する手軽さがあります。トイレや洗面所など他の水まわりにも使用できるため便利ですが、効果の持続が1ヶ月~2ヶ月程度と短めな点はデメリットです。一方、液体タイプは効果の持続が1年~2年と長持ちしますが、コーティング作業には時間と手間ががかかります。コーティング剤が乾くまでシンクを使用できない点がデメリットです。
また、賃貸物件では液体タイプのシンクコーティングが禁止されている場合があります。賃貸でシンクのコーティングを行なうなら、スプレータイプの方が無難でしょう。どうしても液体タイプでシンクコーティングしたい場合は、契約内容を確認してください。
液体タイプのコーティング剤を使ったシンクコーティングの方法を紹介します。用意するものは以下の通りです。
なお、コーティング剤には付属品で手袋、スポンジ、布がついている商品が多いです。もしコーティング剤のみで付属品がない商品の場合は、同じものを用意してください。
まずスポンジと中性洗剤でシンクをしっかりと洗い、汚れや水垢をきれい取り除きます。次に、キッチンペーパーでシンクの水気を拭き取り、30分~1時間ほどかけて完全に乾燥させます。シンクが乾燥したら、コーティング剤を布やスポンジで丁寧に塗り込みます。この時、塗り重ねないように1回だけ塗るようにしましょう。塗る順番は、蛇口周辺→縁のへこみ→シンクの側面→シンクの底面とすると効率的です。コーティング剤を塗った後は、3時間~6時間ほど乾燥させます。
乾燥させている間はシンクを使用できないため、夜寝る前に行ったり、キッチンを使用しない時間を見計らって作業しましょう。作業の際はしっかり換気しながら作業し、手荒れしないように必ず手袋着用の上対応するように注意してください。
この項ではお風呂のおすすめ掃除方法を以下の通り3つ紹介します。
お風呂は、湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい場所です。カビは放っておくと繁殖してしまい、掃除が大変になるだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。ぜひ紹介する方法で掃除を行い、きれいなお風呂を保ってください。
お風呂のカビには黒カビと赤カビが存在します。黒カビは皮脂や石鹸カスを栄養源に繁殖し、胞子がぜんそくやアレルギー反応の原因となることがあります。しっかりと根を張るので繁殖すると除去が難しくなるため、お風呂で黒い点を見つけ場合は早めの対処が重要です。黒カビには塩素系のカビ取り剤が効果的です。広範囲に薬剤を掛けられるスプレータイプと、ピンポイントで置けるジェルタイプがあるので、場所によって使い分けましょう。
赤カビと呼ばれるピンク色のぬめりは、実はカビではなく空気中の酵母菌ロドトルラです。水だけでも増える性質があり繁殖スピードが早く一気に広がります。特に人体に悪影響はありませんが、黒カビの栄養源となるため赤カビも見つけたら早めの除去が大切です。赤カビは酸性の汚れなので、アルカリ性の重曹を使っての掃除が効果的です。
お風呂で使用する風呂椅子や洗面器などの小物類は、定期的に漬け置きして汚れを落としましょう。具体的な掃除方法は、お風呂の残り湯に重曹を1カップ入れて、一晩漬け置きし、翌日にブラシやスポンジでこすって洗い流します。その後、乾いた布で水気を取ると良いでしょう。
翌日洗う時間がない方は、漬け置き時間が短い漬け置き洗剤の活用がおすすめです。箱に書いてある時間分漬け置きをした後、重曹を使う場合と同じようにこすって洗い流します。お湯が温かい方が効果が高いので、入浴後すぐに行いましょう。
入浴後は、お風呂場の水切りを習慣にしましょう。湿気を少なくすることで、カビの発生を防げるためです。換気扇を回すだけでなく、水切りワイパーで壁や床に残った水分を取り除いてください。
水切りワイパーは安いもので500円以内、柄が伸びるものや収納しやすいものなど機能性が高いタイプは1,500円~3,500円と幅があります。毎日使うものなのである程度は機能性があり使いやすいものがおすすめです。また、水切りワイパーではなく雑巾を使って水気を取っても問題ありません。
また、浴室乾燥機が備わっている家の場合は、活用すればカビが生えにくくなります。
ここではトイレのおすすめ掃除方法を2つ紹介します。
トイレは独特のアンモニア臭や、尿石などのしつこい汚れが発生しやすい場所です。放置するとトイレの清潔さが損なわれてしまいます。ぜひ紹介する方法で掃除を行い、気持ちよく使えるトイレを維持してください。
尿石は飛び散った尿が原因でできるトイレの厄介な汚れです。蓄積すると臭いの原因になったり見た目に不快感があったりと、問題が生じます。尿石はアルカリ性のため、酸性のクエン酸を水に溶かしたクエン酸水を使うと効果的に取り除けます。
クエン酸水はクエン酸パウダー小さじ1/2を水200mlに溶かし、スプレー容器に入れるだけなので簡単です。作ったクエン酸水を尿石ができた部分に吹きかけ、その上にトイレットペーパーを貼り付け、再度スプレーします。10分ほど放置した後、トイレットペーパーを取り除き、トイレブラシで尿石をこすり落としてください。
もし、尿石が完全に落ちない場合は、クエン酸の濃度を上げるか、クエン酸水の上から重曹を振りかけて放置することで、より落ちやすくなります。それでも落ちない場合には、より強力な酸性洗剤を使用する必要があります。
トイレ掃除では、目に見える部分だけでなく、見えない部分も忘れずに掃除するようにしましょう。特に忘れがちなのは、以下の3ヶ所です。
上記の3ヶ所は普段あまり目に見えないため、汚れが溜まりやすく見逃されがちなポイントです。便器の淵の裏は、トイレブラシやトイレシートを使って徹底的にこすり、汚れを取り除きましょう。尿石ができやすい部分でもあるので、クエン酸を使ってしっかり落としましょう。
ウォシュレットのノズルは、掃除モードに設定して中性洗剤をノズル全体にかけて掃除します。汚れがひどい場合は、中性洗剤を染み込ませたトイレットペーパーで10分ほどパックしてから捨てても良い布で拭き取ります。ノズル内部の汚れは古い歯ブラシなどで掃除します。その後、水やお湯でしっかりと洗い流してください。ウォシュレットは体を洗うものなので、塩素系などの強い洗剤ではなく、肌に優しい洗剤を使ってください。
便器と便座の結合部分は多くの人が見逃す箇所ですが、尿が飛び散ったりホコリが溜まったりと、実は非常に汚れやすい場所です。ほとんどのトイレでは便座が取り外せるようになっているので、便座を取り外し、結合部分をしっかりと拭き掃除しましょう。
最後に洗面台のおすすめ掃除方法を2つ紹介します。
洗面台は水はねや石鹸かす、整髪料などで地味に汚れやすい場所です。紹介する方法で掃除を行い、きれいな洗面台で身だしなみを整えましょう。
鏡には「ウロコ汚れ」と「白く曇ったような汚れ」の2種類があります。ウロコ汚れは、鏡についた水滴が蒸発した際に水道水に含まれるカルキが鏡表面に残ってしまったもので、水垢と同じ原理で起こる汚れです。この場合はトイレの尿石取りでも活躍するクエン酸スプレーが有効です。
クエン酸パウダー小さじ1/2を水200mlに混ぜてクエン酸スプレーを作り、鏡全体に吹きかけた後、キッチンペーパーを貼り、さらに上からスプレーします。その上にラップを貼り付け、1~2時間放置した後、ラップとキッチンペーパーを取り除き、水で洗い流してください。汚れが残っている場合は、ラップで軽くこすり落とせば落ちるでしょう。
白く曇ったような汚れは、鏡の表面のガラス成分が水に濡れて化学反応を起こし発生したものです。軽い汚れなら、重曹を使って簡単に落とせます。スプレーボトルに水100mlと重曹小さじ1杯を入れ、よく振り混ぜて重曹水を作ります。重曹水をタオルに吹きかけ、鏡を拭いた後、水に濡らして硬く絞ったタオルで拭き、最後に乾拭きして水気を取ればきれいな鏡が復活します。もし重曹で汚れが落ちない場合は、鏡専用の研磨剤を使ってみましょう。
定期的にパイプクリーナーで排水管を清掃しましょう。洗面台の排水管は、髪の毛や歯磨き粉の残り、石鹸カスや皮脂が溜まりやすい場所です。特に髪の毛は配管の中で絡まって他の汚れと一緒に固まってしまい、雑菌が繁殖して悪臭の原因になることがあります。定期的にパイプクリーナーを使って排水管を掃除し、詰まりや悪臭を予防しましょう。週に1~2回の掃除が推奨されています。
代表的なパイプクリーナー「パイプユニッシュ」の場合は、ボトルから直接排水口に注ぎ、15分~30分放置してから十分な水で流すだけなので簡単に詰まりの解消・予防が可能です。ただし、メーカーごとに使用手順が異なる場合があるため、使用前に使い方をよく確認してください。
指定時間以上に放置すると、溶けた汚れが逆に配管を詰まらせることがあるため、指定された時間を守って掃除を行いましょう。
水まわり掃除のコツを紹介しました。それぞれの場所には特有の汚れがあり、その特製に合った方法で掃除すれば、効率的に汚れを落とせます。
また、水まわり掃除は一気に行うのではなく毎日ちょっとずつやってきれいを保つのがおすすめです。ぜひ、習慣として毎日の掃除を取り入れてみてください。
Copyright©株式会社イースマイル【町の水道屋さん】.All Rights Reserved.