換気扇の異音を放置すると換気性能が下がるだけでなく、最悪の場合、換気扇の寿命を縮めることにもつながります。原因は、単なる汚れや部品の摩耗から深刻な故障の兆候までさまざまですが、異音のタイプで原因の判別が可能です。ここからは、異音のタイプ別に考えられる原因を紹介します。
換気扇は、基本的に空気を吸い込んだり吐き出したりするため正常時でも空気音は発生します。しかし、「ブォー」「ゴォー」というほど異常に音が大きくなっている場合は、ホコリや油などの汚れが溜まっている可能性が高いです。換気扇に汚れが溜まると、ファン自体が重くなり回転のバランスが悪くなるため、回転時に空気を含んだ異音となります。ホコリや油汚れなどがファンの回転を邪魔していることが原因です。
換気扇から「キュルキュル」「シャリシャリ」といった乾いた感じの擦れる音が発生している場合は、回転軸の潤滑油が不足している可能性が高いです。換気扇の回転軸部分には、ファンがスムーズに回転するように潤滑油が塗られています。潤滑油は、換気扇を使用すれば減少していくため、不足してくれば回転時に異音を発生させる原因となります。
「ジジジ」「ジー」など擦れるような音は、お風呂やキッチンといった場所の換気扇で起こりやすいサビが原因の異音です。お風呂やキッチンの換気扇はどうしても湿気が多くなるため、サビやすい環境にあります。サビにより生じたわずかなズレや隙間で換気扇の動きが悪くなり、異音を発生させています。
「カラカラ」「カタカタ」という異音が換気扇から発生している場合は、モーター軸の破損・変形または接続部分がズレている可能性があります。潤滑油が不足したまま使い続けていると、回転軸が摩耗して変形や破損に繋がる場合もあります。変形や破損をしたまま使い続ければ、故障に発展する可能性もあるため注意してください。
「キーン」などの高い音を換気扇が発している場合は、故障や経年劣化が原因の可能性があります。換気扇の寿命は、10年~15年程度。音が合わさって複合的に高い音が出ている可能性もあるため、原因の特定が難しいことも多く注意が必要です。
換気扇の異音が聞こえている状態でそのまま放置すると、騒音がますますひどくなるだけでなく、換気扇そのものが故障してしまうリスクもあります。原因をしっかり理解して適切に対応するために、ここからは異音のタイプと原因別の対処方法を紹介します。
「ブォー」「ゴォー」といった換気扇の異音の原因はホコリや汚れによるもの。そのため、換気扇を掃除すれば異音は解消する可能性があります。異音の原因となる汚れを取り除くための掃除方法、用意するもの、具体的な手順については、後ほど換気扇の設置場所ごとに解説しますので、そちらを参考にしてください。
「キュルキュル」や「シャリシャリ」といった擦れるような異音が聞こえるときには潤滑油の不足が原因です。潤滑油が不足すると、部品同士が直接擦れ合い異音が発生するだけでなく、摩耗によって部品の寿命が短くなる可能性もあるので速やかに潤滑油を補充しましょう。
まず、換気扇の電源を必ず切り、コンセントを抜きます。このときに換気扇の下に新聞紙などを敷いておくと、潤滑油や汚れが床に落ちないので後の片付けが楽です。ゴム手袋を着用して作業を行いましょう。ドライバーを使って換気扇のカバーを取り外すと、ファンやモーター部分が見えてきます。取り外し方は換気扇の機種によって異なるので、取扱説明書を確認しながら行いましょう。
つぎにファンを固定しているネジを外してファンを取り外します。ファンの奥にあるモーターの軸受け部分がシャフトの回転している部分で、この部分に潤滑油が不足すると異音の原因となります。潤滑油を補充する前に、柔らかい布で軸受け部分の汚れやほこりを拭き取ります。この時、軸受け部分に直接水分が入らないように注意しましょう。汚れをしっかりと拭き取れば、新しい潤滑油の効果がより発揮されるので意外と大切な作業です。
拭き終わったら、潤滑油を少し軸受け部分に塗り(吹付)ます。適量はほんの少量程度ですが、換気扇の機種や状況に応じて調整してください。必要以上に潤滑油をつけると、周囲に飛び散って汚れの原因となる可能性があるため適量を心がけましょう。潤滑油を補充したら、ファンを元の位置に戻し、ネジでしっかりと固定します。換気扇のカバーも元に戻し、すべての部品を正しく元に戻せたことを確認できれば完了です。
換気扇に使用できる潤滑油は、ホームセンターやネット通販でも簡単に手に入ります。手軽に塗りやすく、使いやすいスプレータイプがおすすめです。
「ジジジ」や「ジー」といった擦れるような換気扇の異音は、主に内部の金属部品にサビが発生していたり、部品のズレが原因。こうした状態を放置すると、音がますます大きくなったり、換気扇の寿命が縮むおそれがあります。以下では、サビを取り除くための手順を解説しますので、参考にしてください。もしサビ取りを行っても異音が改善されない場合は、換気扇の交換を検討することをおすすめします。
まず、換気扇の電源を必ず切り、コンセントを抜きます。このときに換気扇の下に新聞紙などを敷いておくと、潤滑油や汚れが床に落ちないので後の片付けが楽です。ゴム手袋を着用して作業を行いましょう。ドライバーを使って換気扇のカバーを取り外すと、ファンやモーター部分が見えてきます。次に、ファンやファンブレードを取り外します。取り外し方は換気扇の機種によって異なるので、取扱説明書を確認しながら行いましょう。
ファンやモーター周辺の金属部品のどこにサビが発生しているかを確認します。サビを見つけた場合、その部分を中心に作業を行います。特にモーターのシャフト部分やファンの取り付け部分は、原因となって異音を発していた可能性が高いため、念入りにチェックしましょう。
錆びている部分にサビ取り剤を塗布し、しばらく置いてサビを浮かせます。サビ取り剤の用法に従って時間を置いたら、金属用ブラシを使ってサビを落とします。サビがひどい場合は、サンドペーパーでサビを研磨して除去しましょう。ただ、あまり強くこするのは、サビを再度発生させる原因となるキズが付くため禁物です。サビを取り除いた後は、柔らかい布でサビ取り剤を残さず拭き取ります。
サビ取りを行った後、ファンブレードやモーターの部品がズレていないか確認します。少しの部品のズレが異音の原因となることもあるので、緩んでいるネジを締め直し、部品が正しく固定されているかも確認しましょう。換気扇を取り外したついでに、シャフトなどの金属部品の可動部分に潤滑油を少量塗布します。金属同士の摩擦が軽減されるため、異音が解消される可能性があります。潤滑油をつけすぎると飛び散るおそれがあるので、必要以上に塗らないように注意してください。
すべての部品を元の位置に戻し、換気扇を元通りにします。電源を入れて換気扇を動作させ、異音が解消されていれば完了です。サビ取りや部品の締め直しを行っても異音が改善されない場合は、換気扇内部の部品が劣化している可能性が高いです。この場合は、部品の交換や修理が必要となります。特に古い型の換気扇の場合は、部品のみの交換が難しいことも多いため、換気扇全体の交換も視野に入れておきましょう。
「カラカラ」や「カタカタ」といった換気扇の異音は、主に換気扇のファンやモーターが軸ズレを起こしていることが原因。軸ズレになると、ファンが他の部品に接触したり、回転のバランスが悪くなることで異音が生じます。放置すれば、パーツが摩耗したり、モーターに過度の負担がかかり、故障にも繋がります。軸ズレの修正は素人には難しく、パーツが破損していることも多いため業者の修理が必要です。
「キーン」という高い音を換気扇が発している場合、原因は経年劣化や内部機器の故障であることが多いです。機械の高音は、モーターの不具合や回転部分が摩耗しているときに発生しやすく、全体の劣化や電子部品の故障が原因で異音が発生することもあります。パーツの故障や破損が発生すると、修理での対応は難しいため、換気扇の交換の検討が必要です。
換気扇は、キッチンや浴室など湿気や油分の多い環境で使用されるため、定期的に掃除を行うことが大切です。掃除とともに定期的にメンテナンスを行えば、異音が発生し始めてから困ったというトラブルを防止できます。ここからは、簡単にできる換気扇の掃除方法と、日常的な手入れのポイントについて紹介します。
浴室換気扇には湿気や水蒸気、ホコリなどが混ざり合って、さまざまな汚れが付着しています。浴室換気扇に付着しやすい汚れの特徴として、まず挙げられるのがカビです。浴室は湿気が多く、換気扇内部にもカビが発生しやすい環境。特に、換気扇のフィルターや内部にカビが付着すると、換気扇が作動するたびにカビ菌が舞い、健康にも悪影響を及ぼす可能性もあります。
また、浴室には衣類の繊維やタオルの毛羽立ちなどのホコリも舞っています。ホコリが湿気と混ざり合うと、換気扇のフィルターやファン部分にこびりつき、通常の掃除では取り除きにくい頑固な汚れとなりやすいです。さらには、浴室で使われる石鹸やシャンプーといった成分が蒸気とともに換気扇に吸い込まれ、フィルターや内部に付着します。成分が固まれば、ベタつきや石鹸カスのような汚れとなります。
換気扇の掃除を開始する際に必ず電源を切っておいてください。カバーは引っかけるタイプがほとんどなので難なく外せますが、取扱説明書の記載通りに外しましょう。浴室で一般的に使われているシロッコファンは、中心部にあるネジ部分を回せば簡単に外れます。製品によっては、工具などが必要になる場合もあるので取扱説明書を確認してください。
カバーは水で濡らしてしまう前にできるだけホコリを掃除機で吸い取りましょう。ホコリは濡れるとこびりついて取れにくくなります。汚れに洗剤を馴染ませることで取れやすくなります。汚れや臭いがひどければ、1時間前後つけ込むと改善できます。細かい部分や気になる部分があれば歯ブラシや綿棒などで汚れを掻き出してください。最後にパーツをしっかり乾燥させた後、元の位置で組み立てれば完了です。
キッチンの換気扇は、料理中に発生する油や蒸気を排出するため、油汚れや食品の微粒子が非常に付着しており、ベタつくという特徴があります。 特に、揚げ物や炒め物などの料理をする際には、油分が換気扇のフィルターや内部に付着します。 油汚れは非常に粘着性が高く、ホコリや食材の微粒子と混ざり合うことで、換気扇の表面やフィルターにこびりつく頑固な汚れとなりやすいです。
また、時間が経つと、油汚れは酸化してさらに頑固さが増し、取り除くのも難しくなります。キッチンの換気扇汚れはこびりつきやすい環境にあるため、特に定期的な掃除が不可欠です。 家庭での料理の頻度や内容によって汚れる度合いは異なりますが、一般的には月に1回~2回の掃除が望ましいです。
沸騰させたお湯1Lに対して重曹を大さじ5杯を混ぜて重曹水を作ります。1度沸騰させたら粗熱を取るために置いておきましょう。油汚れが床に付着するのを防ぐために、換気扇周辺の床を新聞紙などで養生しておきましょう。換気扇の電源を切り、フィルター、ファンなどの部品を外します。念のため、換気扇の電源プラグを抜くのも忘れないでください。
粗熱が取れた重曹水と取り外した部品をゴミ袋に入れて1時間~2時間程度漬け置きます。時間が経ったら洗剤と汚れをお湯で洗い流します。こびりついた頑固な汚れは、いらない歯ブラシでこすって落としてください。部品を乾燥させた後、元の位置に取り付ければ完了です。
部品の漬け置きをしている間に、取り外せないレンジ周りを拭き掃除しておきましょう。こびりついた油汚れには、重曹水を浸したキッチンペーパーを乗せ、ラップでパックしておくと取れやすくなります。
トイレ換気扇には、湿気や臭い、ホコリなどの汚れが付着しやすいです。トイレは常に湿度が高く、換気の頻度が高いため、換気扇がその影響をより受けます。まず、湿気が換気扇内部に留まりやすい環境にあるため、発生しやすいのがカビや黒ずみです。特に、換気扇のフィルターやファン部分はカビの温床になりやすいです。
また、トイレの使用中に発生する臭いも換気扇に吸い込まれたはいいものの、内部に残ることがあります。悪化すれば、換気扇から不快な臭いが漏れ出すことも。トイレットペーパーなどによるホコリもトイレの換気扇に付着し、時間が経つとこれが湿気と混ざり合い、こびりつく汚れとなります。
トイレ換気扇は湿気や臭いの影響を多く受けるため、少なくとも6ヶ月に1回の頻度で掃除を行いましょう。使用頻度やトイレの環境によっては、もう少し頻度を上げてに掃除を行うのがおすすめです。
まずは換気扇の電源を切り、カバーを取り外します。簡単に取り外せるものがほとんどですが、取扱説明書の記載通りに行いましょう。カバーや換気扇本体に付いているホコリを掃除機でできる限り吸い取ります。その後、雑巾で細かい部分のホコリや汚れを取ります。
取り外したカバーを水で流し、ホコリや汚れを落とします。シャワーで行った方がホコリが落ちやすいためおすすめです。取り外したカバーを乾燥させた後、元の位置に戻せば完了です。
換気扇から発する異音は、特徴的なものも多いため、自身でも原因を特定できます。音のサインをよく聞いたうえで、適切な対処を行えば、掃除などで改善する場合も多いです。しかし、原因が特定できない場合や、自分で対処するのが難しい場合は、専門の業者に相談しましょう。換気扇の異常をずっと放置していれば悪化していく可能性も高いため、異音に気づいた際は、早めに対処をしていくことが大切です。
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