キッチンで排水口からボコボコという音が聞こえると、何かトラブルが発生しているのではないかと不安になってしまう方も多いでしょう。排水口から聞こえるボコボコ音は、排水管内で空気や排水の流れが妨げられている場合に発生しやすく、状況によっては排水トラブルの前兆になることもあります。以下では、排水口からボコボコと聞こえてくる原因を4つ紹介します。
排水口からのボコボコ音の原因を理解して、不安を解消しましょう。
排水管の管壁に汚れがたまって詰まりかけていると、排水口からボコボコという音が聞こえてくることがあります。これは排水管内に汚れがたまってしまうと水の流れが妨げられ、排水管内にある空気が正常に排出されなくなってしまうことが原因です。排水管内にある空気が、排水管内にたまった排水を一気に押しのけるようなイメージで動かすため、ボコボコと音が発生します。
では、キッチンの排水管のつまりを引き起こす原因は何なのでしょうか。キッチンの排水管内のつまりの正体は、次第に蓄積する油汚れや食材カスです。料理に関わる油汚れや食材カスは、排水管の内側に徐々に付着して排水の流路を狭くし、排水の流れを悪化させます。排水がうまく流れないと、空気もうまく抜けないため、ボコボコという音が発生します。
排水管がつまりかけていて、ボコボコと音がしている状態をそのままにしておくと、排水管が完全に詰まってしまう可能性があります。最悪の場合は、逆流や悪臭といった二次的なトラブル引き起こしかねません。したがって、ボコボコ音がするようになったら、逆流や悪臭がする前に、排水管の清掃を行うことが重要です。
大量の水を一度に流すと、排水口からボコボコという音が聞こえてくることがあります。一度に大量の水を流すと、排水管に急激に多くの水が流れ込むために、排水管内部にたまっていた空気がうまく逃げられず、排水を押し出す形になり、ボコボコ異音が発生します。大量の水が一気に流れたことによってボコボコ音がする現象は、排水口や排水管の構造上自然に発生するものであり、通常は問題ありません。
たとえば、シンクにたまった水を一気に流したり、大きな鍋を洗って一気に大量の水を流すと、ボコボコという音が発生してしまいます。ボコボコと音が出ますが、一度に大量の水を流すことが原因で発生する音なので心配は不要です。
ただし、高頻度で起こったり、異臭や逆流が起こる場合は、排水管内に何らかのつまりや汚れが蓄積している可能性があります。頻回の異音や異臭、そして逆流が起こる場合は早めに清掃、もしくは状況に応じて業者への相談を検討すると良いでしょう。
ダブルトラップとは、1つの排水管の経路に対して、2つの排水トラップ(封水装置)が設置されている状態のことです。ダブルトラップ状態では、トラップが1つの場合のような通常の排水ができず、ボコボコという異音を発生させてしまいます。ダブルトラップに多く見られる状況は、まずシンクの下に1つ目のトラップ(住宅設備の排水トラップ)があり、排水経路の末端の排水枡にもう1つのトラップ(排水設備の排水トラップ)が設置されている場合です。ダブルトラップの状態は、水まわりのリフォーム後に見られることがあります。
ダブルトラップになってしまっている場合に聞こえるボコボコという音は、1本の排水経路上にある2つのトラップの間に空気が閉じ込められてしまい、排水の流れがスムーズにいかなくなるために起こります。空気が排水管にたまり、水の流れが阻害されると、圧力が不均衡になって排水と空気がせめぎ合って動いた結果、ボコボコという異音が発生します。
また、ダブルトラップ(二重トラップ)は建築基準法によって禁止されています。これはダブルトラップは正常に排水されないことがあるためで、逆流や悪臭が発生したりするリスクが高まるからです。もしダブルトラップが疑われる場合は、どちらか一方のトラップを撤去(多くは排水枡側)したり、配管途中の排水トラップの蓋を交換するなどします。ただし、簡単に対応できない排水設備もあるので、専門の業者に相談することが望ましいでしょう。ダブルトラップを未然に防ぐためには、リフォームや新築時に排水設備の設計をしっかり確認することが大切です。
大雨が降ると、排水口からボコボコという音がしばらく聞こえることがあります。大雨時は、大雨によって通常よりも大量の水が配管や下水道に流れ込みます。通常より水が増えてしまい、排水管から排水を押しのけて空気が排出される際に音が発生します。特に低地にある住宅や、生活排水と雨水を同じ管で処理する下水道システムを採用している場合、排水口からボコボコという音が聞こえる現象が起こりやすくなります。
また、大雨時には、排水管内の水の流れが逆流しやすくなることもあります。このとき、空気が水に押し出されてボコボコ音が生じます。大雨が降っている時に聞こえてくるボコボコという音は、大雨が原因で一時的に発生するものであるため、問題はありません。ただし、音が長時間続く場合や頻繁に起こる場合は、排水管や下水道に異常がある可能性も考えられるため、注意が必要です。
排水口から聞こえるボコボコ音は、排水管にたまった油汚れや食材カスが原因であることが多いです。排水管の詰まりを解消するためには、排水管の汚れを取り除く必要があります。以下では、ボコボコ音を解消する方法として、排水管の汚れを落とす方法を4つ紹介します。
日常的に手軽にできる方法や化学的な方法、そして物理的な方法があるので、状況に応じて洗浄方法を選んで実施すると良いでしょう。
排水管内にたまった油汚れや食材カスは、お湯を使って柔らかくし、洗い流すことで解消できる可能性があります。キッチンの排水口は、料理に使った油が排水管内で冷えて固まってしまい、排水の流れを邪魔してボコボコ音が発生することがあります。お湯を用いた排水管洗浄は、日頃のメンテナンスとしても手軽にできて効果的です。汚れが蓄積するのを防ぎ、ボコボコ音の発生を予防することに繋がります。
まず、キッチン排水口の周辺の掃除をしてトラップを外します。トラップが外された排水口に、タオルや雑巾などを用いて栓をして塞ぎます。排水口を塞いだら、シンクに40℃〜50℃のお湯をためましょう。お湯がたまったら、排水口を塞いでいるタオルなどを一気に取ります。大量のお湯を一気に流すことで、湯温で軟らかくなった油汚れを、排水管の内側から水圧で押し流しながら落としていきます。事前に重曹とクエン酸で排水管洗浄を行っておくと、さらに効果的が期待できます。
注意すべき点として、熱湯の使用は避けましょう。熱湯を用いると、排水管内の油がより軟らかくなると思う方もいるでしょう。しかし、配管の耐熱温度は60℃ほどのため、熱湯を流すことで配管を傷めたり、パイプの接続部分に影響を与えたりする可能性があるため、避けるべきです。そして、定期的にお湯を流して洗浄しても改善が見られない場合は、専門業者に相談するようにしましょう。
薬品を使った排水管の洗浄は、蓄積した汚れを化学反応で溶かして落とします。アルカリ性の性質を持つ薬品が、排水管内にたまっている油汚れや食材カスなどのタンパク質汚れを溶かします。即効性があり強力な方法ですが、頻繁に行うと排水管や環境に負荷がかかることがあります。定期的なメンテナンスの一環として行う場合は、薬品の使用頻度を控えるほうが望ましいです。
排水管洗浄に用いる薬品は、液体やジェル、粉末などのタイプがあります。排水管の素材やつまりの原因に適した薬品を選びましょう。
まずは、排水口周辺を片付け、薬品がこぼれても問題がない状態にします。ゴム手袋などを着用し、必要に応じて換気しながら作業をしましょう。次に、排水管洗浄剤の説明書に従って、適量の薬品を排水口に注ぎます。薬品は、使用量や放置時間を指示通り正確に守ることが大切です。薬品を排水口に注ぎ入れた後は指示通りの時間放置して、化学反応でつまりが分解されるのを待ちます。放置時間が経過したら、大量の水を流して排水管内の分解された汚れをしっかり洗い流しましょう。
薬品を使用する際に注意すべき点としては、適切な使用量を守ることです。汚れが良く落ちそうだから、と考えて薬品を過剰に使用するのは逆効果です。薬品が残留してしまう可能性があり、残留した薬品が配管を劣化させたり、排水の流れを妨げてしまいかねません。
また、異なる性質の薬品を混ぜることも絶対に避けましょう。「まぜるな危険」と記載のある酸性やアルカリ性の薬品を混ぜると、有毒なガスが発生する場合があり非常に危険です。薬品を使用する際は、必ずラベルや取扱説明書に記載されている内容に従って使用しましょう。
ワイヤーブラシを使った排水管洗浄は、手軽かつ効果的で日頃の掃除にも良い方法です。ブラシの硬い毛が排水管の内壁に付着した油汚れや食べカスを、物理的にこすって直接取り除きます。他の方法と併用するとより効果が期待できるでしょう。
排水管のサイズに合うワイヤーブラシを選びます。排水管の直径に合ったブラシを選ぶことで、効率よく汚れを除去できます。まず、ワイヤーブラシを排水口から挿入し、ゆっくりと回転させながら管内に押し込みましょう。ブラシを回転させると、ブラシの毛がこすれて、排水管の内側にこびりついた汚れが剥がれ落ちます。ブラシを何度か押し引きしながら回転させて、汚れをしっかりと取り除きましょう。
つまりがひどい場合は、少しずつブラシを上下に動かします。作業中に抵抗を感じたら無理に進めず、一度ブラシを引き抜いてから再度挿入しましょう。ブラシで汚れを取り除いた後は、大量の水で排水管内を洗い流します。
ワイヤーブラシを使用する際の注意すべき点としては、排水管の材質を傷つけないようにすることです。特に古い配管やPVC製の配管の場合、力を入れすぎると配管を傷つける可能性があるため、優しく丁寧に作業を行いましょう。また、途中で抵抗がある場合、力ずくでワイヤーブラシを進めると、つまりの原因を押し込んで悪化しかねません。ワイヤーブラシを一度抜いた後、再度優しくブラシを入れてみて、解消されない場合は専門業者に相談すると良いでしょう。
高圧洗浄機は、強力な水圧を利用して排水管内の汚れやつまりを一気に除去するために非常に効果的な道具です。長期間放置された汚れや頑固なつまりに対しては、物理的に汚れをそぎ落とすイメージである高圧洗浄機を用いた洗浄が最適です。高圧洗浄機による排水管洗浄は、定期的に行うことで汚れの蓄積を防ぎ、排水トラブルを予防する効果があります。しかし、排水管が古くなっている場合や自力での洗浄が難しいと感じた場合は、無理をせず専門業者に依頼することをおすすめします。
高圧洗浄機のホースを排水口に挿入できるようにセットします。ホースが排水管内で誤って外れないようにしっかり固定しましょう。ホースの準備が整ったら、排水口にホースを入れます。高圧洗浄機を稼働させ、ホースから排水管内に高圧の水を噴射します。噴射しながらホースをゆっくりと前後に動かし、排水管全体を均等に洗浄しましょう。水圧によって排水管内の汚れやつまりが一気に押し流されます。
洗浄が完了したら、水を流して排水がスムーズになったか確認が必要です。もし流れが改善されない場合は、再度高圧洗浄を行うか、専門業者に相談することを検討しましょう。
高圧洗浄で注意すべき点としては、適切な水圧の選定です。高圧洗浄機の水圧が強すぎると、排水管が破損する場合もあります。使用する際には、適切な水圧に設定してから作業を行いましょう。
排水管のつまりを防ぐためには、日常的につまりの原因になるものを排除するように意識することが大切です。以下では、排水管を詰まらせないために、日頃からできることを4つ紹介します。
定期的に簡単にできることから取り組んで、排水管の汚れが蓄積されるのを軽減しましょう。
油汚れは、排水管を詰まらせる大きな原因の1つです。調理後のフライパンや皿に残った油は、そのまま水で流すのではなく、まずキッチンペーパーで拭き取ってから洗うようにしましょう。
排水管に流れ込む油を減らしてつまりを予防することができます。油が残った状態のままで、お湯を使って洗うと、一時的に油が溶け出して流れやすくなっています。しかし、洗い物が終わって排水管内に残ってしまった油は、冷えると再び固まって蓄積するリスクが高まってしまいます。
料理や食事の後に出る食材カスやゴミをそのまま流すと、排水管のつまりの原因となります。たとえ小さなカスであっても、積み重なることで排水管内に蓄積し、やがて流れが悪くなります。そのため、皿や鍋を洗う前に、食材カスやゴミをしっかりと取り除くことが大切です
特に、肉や魚の骨、野菜の皮などの大きめのゴミは流れにくいだけでなく、排水管内にとどまってしまったら腐敗し、悪臭の原因にもなります。食材カスやゴミは確実に取り除くようにしましょう。
排水口に専用のネットを設置することで、ゴミや食材カスが排水管に流れ込むのを防ぐことができます。調理後の油汚れや小さな食材カスは排水管内でたまりやすく、つまりの原因になりえるため、排水口ネットの使用が推奨されます。排水口のサイズに合う排水口ネットを用意しましょう。
排水口ネットは、使い捨てタイプや洗って再利用できるタイプがあります。いずれの場合も定期的に交換や洗浄を行って清潔に保つことが大切です。再利用できる排水口ネットは、目詰まりしていると排水の流れが悪くなるため、目詰まりしないように定期的に洗浄しましょう。一方で、使い捨てネットは毎日交換するのが理想です。
排水管のつまりを防ぐためには、こまめな掃除が有効です。定期的に排水口の周りや排水管を洗浄することで、排水管内での油汚れや食べ物のカスの蓄積を防ぎます。
排水管を洗浄する場合は、ワイヤーブラシや排水管専用の薬品を使用すると良いでしょう。また、定期的に40℃〜50℃程度お湯を流すことで、排水管内の油汚れを流しやすくすることもできます。さらに、排水管の洗浄と同時に、排水口のゴミ受けやネットもきれいにしておくと良いでしょう。大きなゴミやカスが排水管に流れ込むのを防ぎます。
普段の小さな手間がつまりを未然に防ぎ、ボコボコ音や排水トラブルを防ぐことに繋がります。
排水口は日常的に使われるため、汚れや臭いがたまりやすい部分です。また、油汚れや食材カスが排水管に蓄積するとつまりの原因となるため、排水口の掃除も欠かせません。以下では、排水口と排水管の日常的な掃除方法について説明します。
アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸は、混ぜて発生する泡が汚れを浮かび上がらせて落とします。作業も簡単なため、日頃の排水口掃除に適しており、週に2〜3回を目安に掃除をすると良いでしょう。また、重曹とクエン酸は食品添加物です。食材を扱うシンク周辺で、薬品を用いることに抵抗がある方でも、安心して掃除ができます。
クエン酸は塩素系洗剤と混ぜると有毒ガスが発生するため、絶対に混ぜないよう注意が必要です。そのため、カビ取りの薬品を使用する場合は別日が望ましいです。また重曹は、アルミ製品の変色を引き起こすため、アルミ鍋などのアルミ製品との接触は避けましょう。
市販のパイプクリーナーは、強力な洗浄成分を含んでいます。強力な洗浄成分が排水口の奥深くまで届き、奥深くの汚れや詰まりを解消します。排水の流れがスムーズになるだけでなく、悪臭や菌の繁殖を抑えることにも繋がります。また、使い方も簡単で、液体を排水口に流し込んでしばらく放置した後に水で流すのみで、1〜2週間に1回の使用がおすすめです。
市販のパイプクリーナーを使用する際は、まず排水口に溜まった水をできるだけ取り除きます。次に、パイプクリーナーを説明書に従って適量を排水口に直接注ぎ入れます。製品によって放置する時間が決められているので、必ず製品の説明書に従いましょう。最後に、十分な量の水で洗い流しながら、排水状況を一緒に確認します。
また、注意すべき点として、排水管の素材によってはダメージを与えることがあるため、必ず製品のラベルを確認してから作業をしましょう。また、塩素系のパイプクリーナーと酸性の洗剤を混ぜて使用することは、有毒ガスが発生する可能性があるため、絶対に避けてください。さらに、パイプクリーナーを使用して洗浄した後も、排水口のカバーや周辺部分を定期的に清掃することも欠かせません。排水口を入り口から奥まで清潔に保ち、排水口のつまりを防止しましょう。
キッチンの排水口からボコボコと音がする場合、それは排水管のつまりや不具合の前兆である可能性があります。ボコボコという異音を無視すると、つまりを放置することになり、大きなトラブルに発展する可能性があります。ボコボコ音に気づいたら、早めに原因を確かめて対策をすることが大切です。
排水管のつまりを防ぐために自分でできる対策としては、排水管の掃除や日常のメンテナンスです。しかし、日々の掃除の中で、不安がある場合や異音が続く場合は、専門業者に相談することを検討しましょう。早めの対応で、トラブルを未然に防ぎ、安心してキッチンを使い続けましょう。
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