ガス給湯器はタイプによって費用が変わってきます。例えば給湯専用であれば約16~23万円、追い炊き機能付きであれば約30~50万円など費用に幅のある給湯器ですが、その金額は次のようなポイントで変わってきます。
・給湯専用
蛇口からお湯を供給する、追い炊き機能がない給湯器です。下記2種類の給湯器に比べると、本体価格が控えめです。
・オート
お湯はり、追い炊き、保温が自動でできる給湯器です。
・フルオート
お湯はり、追い炊き、保温、足し湯まで自動でできる給湯器です。給湯専用、オートの給湯器よりも少し本体価格が高めです。
・従来型
標準的な給湯器です。エコジョーズに比べて給湯器の費用は抑えられますが、月々のガス代は高くなってしまいます。
・エコジョーズ
従来型よりも少ないガス量でお湯を沸かす給湯器です。従来型に比べると給湯器の費用は高くなる一方、月々のガス代がお得になります。
号数とはお湯を出す能力のことで、10号、16号、20号、24号、28号など種類があります。号数が大きいほど複数ヵ所でお湯を沢山使いやすくなり、給湯器の費用も高くなっていきます。
マンションか戸建てかなどによって給湯器の設置場所が変わってきます。壁掛けタイプ、据え置きタイプなど、設置する場所によって選べる給湯器が異なるため、費用もあわせて変動します。
先ほども説明したとおり、号数とは、お湯を出す能力のことです。号数の数字は「水温+25℃のお湯が1分間に出る量(L)」を示していて、16号の場合は1分間に16Lのお湯が出せ、20号の場合は20Lのお湯が出せます。
各号数の能力の目安は下記のとおりです。
■10号
1ヵ所だけで少量のお湯を使用する、1人暮らしに向いています。
■16号
年間通して安定的にシャワーが使えます。複数ヵ所で同時にお湯を使用する場合には少し物足りなさがあるので、1人暮らしに向いています。
■20号
シャワーとキッチンなど、複数ヵ所で同時にお湯を使用できます。同時にお湯を沢山使うことが少ない場合は2~3人の生活に向いています。
■24号
シャワー、キッチン、洗面所など、複数ヵ所で安心して同時にお湯を使用できます。パワーがあるので3~5人の暮らしに向いている号数です。
■28号
28号以上は業務用で使用されることが多いです。シャワーと同時に3ヵ所以上でも沢山のお湯を使用できることから、5人以上いる環境や大家族に向いています。
ガス給湯器は号数が小さいほど費用は安くなっていますが、日々の生活にあったものを選ぶことが重要です。夏と冬では水温が違うため、1分間に出る湯量にも差がでてきます。
どの号数を選べば良いか迷う場合は、業者に相談して最も適切なものを選ぶようにしましょう。
家庭用で一般的に使用されることが多い、16号・20号・24号のガス給湯器の本体代の例は下記のようになっています。
■従来型の場合
給湯専用 | オート | フルオート | |
16号 | 約2.5万円~ | 約5万円~ | 約5万円~ |
20号 | 約2.5万円~ | 約5.5万円~ | 約6万円~ |
24号 | 約3万円~ | 約6万円~ | 約6.5万円~ |
※2021年1月時点
■エコジョーズの場合
給湯専用 | オート | フルオート | |
16号 | 約5万円~ | 約6万円~ | 約7万円~ |
20号 | 約5万円~ | 約7万円~ | 約7.5万円~ |
24号 | 約5.5万円~ | 約7.5万円~ | 約7.5万円~ |
※2021年1月時点
メーカーや業者により本体代は異なるため、上記はあくまで参考となります。
明確な本体代が気になる場合には業者に無料見積もりをお願いしてみると良いでしょう。
ガス給湯器を交換するときにかかる費用の内訳は、次のようになっています。
■給湯器の費用
業者によっては給湯器の本体代が50~60%割引されることも珍しくありません。給湯器の費用には、リモコンの費用が含まれているのが通常です。
■工事費用
交換に伴う主な工事費用は次のとおりです。
・取り付け工事費
・給水結び替え費
・給湯結び替え費
・リモコン結び替え費
・ガス結び替え費
・撤去した給湯器の処分費
なお、給湯器の設置には資格が必要です。工事費用も重要ですが、資格を保有している業者への依頼が大切であることを覚えておきましょう。
■その他費用
業者によっては出張費用などがかかることがあります。排気カバーなど部品や器具が別途必要となる場合には、その費用が追加で加算されます。
どのようなタイミングで給湯器の交換や修理をすればいいのか、ここではその目安をお伝えします。
給湯器の耐用年数は約8~10年となっています。この耐用年数を超えた給湯器で不具合が発生した場合は、修理よりも交換がおすすめです。
8~10年以上使用している給湯器で次のような不具合が発生した場合は、交換を視野に入れましょう。
このような症状があるとき、給湯器が不完全燃焼を起こしている可能性が高い状態です。不完全燃焼で一酸化炭素中毒になれば命に関わるため、早めに業者に相談してください。
湯温が安定しなかったり、水漏れがある場合、経年劣化による故障や配管の亀裂などが考えられます。快適に給湯器を使用するためにも、早めの点検や交換が望ましいでしょう。
給湯器は、お湯の使い方によって適切な号数が変わってきます。そこで、ライフスタイルが変化する次のようなタイミングで、交換を検討してみると良いでしょう。
出産などで家族が増え、複数ヵ所で同時に使用する湯量が増えそうな場合、号数の見直しをしましょう。家事や子育てで忙しくなるようであれば、フルオートの給湯器に交換すると便利です。
子どもが独立して夫婦だけでの生活に戻ったときなど、使用する湯量が少なくなるときは、号数の見直しをしてみても良いでしょう。今後の生活を長い目で見たときにランニングコストが気になるのであれば、エコジョーズへの交換もおすすめです。
給湯器の号数を上げる場合、ガス会社に配管工事を依頼することがあります。マンションであれば、マンションの管理規約により号数を上げられないケースもあります。予め業者やマンションの管理会社、オーナーに確認するようにしましょう。
次のような場合は、交換よりも修理を検討してみましょう。
メーカーの保証期間内であれば無料で修理を受けられます。保証期間は一般的に購入から1~2年ほどなので、保証書を確認の上、期間内であれば修理の依頼をしましょう。
また、購入後の保証期間が過ぎていても、給湯器の耐用年数となる8年が経っていないのであれば、修理の方が望ましいこともあります。
賃貸に住んでいる場合、管理会社やオーナーが費用負担をしてくれることがあります。給湯器の交換を検討する前に、まずは管理会社やオーナーなどに相談しましょう。
ガス給湯器の交換についての相談先には、次のようなものがあります。
<ガス会社>
東京ガスや大阪ガスなど、ガスを提供している会社でも給湯器の相談を受け付けています。
普段から馴染みのある会社なので安心感があるのが大きな特徴です。ただ、注意したいのは給湯器の割引が少なく、交換費用が高い傾向にあるという点です。選べる給湯器の種類も少なくなっているため、依頼する際には予めサイトなどを確認するのが好ましいでしょう。
<給湯器メーカー>
リンナイやノーリツなど、給湯器メーカーでも対応可能です。
メーカーということで安心感があります。ただ、給湯器の割引が少ないため費用が高くなりがちです。また、メーカーだからという理由で選んでいても、実際の工事はメーカーが委託した業者が行うことも珍しくありません。
<ホームセンター>
ホームセンターでも給湯器の購入から取り付けまでを対応しています。
実際の商品を店頭で見られるのがホームセンターの特徴です。ただし、商品の購入・見積もり依頼・工事依頼などで度々店頭に足を運ばなくてはなりません。また、費用が高い傾向にあるため、可能であれば業者などの見積もりと比較しましょう。
<ネット系給湯器販売業者>
ネット上で見積もりができるネット系給湯器販売業者にも取り付け・交換の相談ができます。
写真を添付するだけで見積もりを出してもらえる手軽さが特徴です。ただ、給湯器の設置や交換に必要な資格の有無を明確にしていない業者が複数あります。
<給湯器販売業者>
電話相談後に見積もりに駆けつけてくれる給湯器販売業者も、相談先の優良な候補に挙げられます。
給湯器や設置場所の様子を見た上で、見積もりを出してもらえます。ネットだけで手早く見積もりをすませたい人には少し手間かもしれませんが、1時間以内に駆けつけてくれる業者もあり、スピード感と安心感があります。また、対面で業者と話せるため不安を解消しやすく、納得した上で交換しやすいというメリットもあります。
ガス給湯器の交換を安心して業者に依頼するために、おさえておきたいポイントをご紹介します。
給湯器の設置や交換には、知識だけでなく資格が必要です。例えば業者のHPに次のような資格の記載があるか確認しましょう。
・液化石油ガス設備士
LPガスを使った設備の設置工事などに必要
・ガス可とう管接続工事監督者
給湯器とガス栓を繋ぐ工事をする際に必要
・ガス消費機器設置工事監督者
ガス機器の設置や交換工事をする際に必要
・簡易内管施工士
都市ガス配管の簡易な工事に必要な知識・技術があることを証明
・給水装置工事主任技術者
水道法に関する国家資格で、給水工事の知識・技術があることを証明
技術や知識がない状態で給湯器の設置や交換を行なうと、事故につながる可能性があり危険です。安心して依頼するためにも、予め資格の有無を確認しておきましょう。
保証などがない業者に給湯器の交換を依頼してしまうと、不具合が生じたときに改めて業者を探して点検や修理のお願いをしなくてはなりません。費用や手間がかかってしまうため、
などを確認して業者を選ぶようにしましょう。
見積もりの内訳が細かく記載されている業者を選びましょう。
ガス給湯器の交換には、先ほど「ガス給湯器の交換にかかる費用の構成」で説明したように、給湯器本体と工事に費用がかかります。
そのため、細かな内訳が見積もりに記載されていない場合、後々別途費用が発生する可能性もゼロではありません。見積もりの金額も重要ですが、内容が分かりやすいかどうかも業者選びの判断基準にしましょう。
なお、見積もりは複数の業者から取ることで、費用や内容の細かさが比較しやすくなります。
中にはガス給湯器専門の業者もありますが、お風呂、キッチン、トイレなど、幅広く対応してくれる業者を選ぶと良いでしょう。また、電気給湯器の対応をしてくれるかどうかも事前に確認しておくと、オール電化にした際などにも便利です。
住宅設備を日常的に使っていれば、水漏れや排水口のつまりなど、給湯器以外の問題が発生することもあります。そういった場合にも対応してもらえる専門の「かかりつけ業者」を選んでおけば、何かあったときに慌てる必要がなく安心です。
不具合があるガス給湯器をそのまま使用し続けると、ある日突然お湯がでなくなったり、不完全燃焼を起こしたりする可能性があります。ガス給湯器に異変を感じたら、早めに交換を検討しましょう。
また、その際には複数の業者から見積もりをとることが重要です。見積もり内容、給湯器の設置などに必要な資格の有無、保証やアフターサービスの質などを踏まえ、最も納得して依頼できる業者を選びましょう。
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