エコキュートの交換工事にかかる費用の目安は約40万円〜50万円ほどが一般的とされています。
ただし、これはあくまでも目安であり、実際には依頼する業者やエコキュート本体の価格、設置状況による工事内容によって上下する場合があるため注意しましょう。
基本的にエコキュートの交換工事では「エコキュート本体代+標準工事費+その他の工事費」の3つの合計が費用としてかかります。
このなかでも「その他の工事費」は、エコキュートを設置する場所の現地調査をしてもらい、見積もりを出してもらわなければ把握することが難しい費用です。
例えば、現在使用している給湯器より新しく設置するエコキュートのサイズが大きい場合には、新しく基礎工事をしなければならないケースがあります。
その場合、コンクリート打設に伴う工事費が発生するため「その他の工事費」として上乗せされるでしょう。
このような工事前にはなかなか予想できない工事費が含まれる場合があるため、業者から現地調査をしてもらい、見積もりをもらうことからはじめることをおすすめします。
こちらの記事で費用の相場について詳しく解説しています。
エコキュートの交換工事の流れは、現在使用している給湯器の種類によって異なる場合があります。
ここでは、下記の3つのパターンを想定して、エコキュート交換までの流れを紹介するので参考にしてください。
あらかじめ交換工事の一連の流れを把握しておけば、工事当日のイメージも掴みやすくなるでしょう。
それぞれについて、以下で詳しく紹介します。
現在ガス給湯器を使用し、交換にあたりエコキュートへ変更する場合の流れは下記のとおりです。
ガス給湯器はガスの点火によって加熱されたパイプを水が通ることによってお湯を作る設備のため、エコキュートのように貯湯タンクが不要かつ設備のサイズもコンパクトで、壁にかけるようなタイプが主流です。
一方でエコキュートは「貯湯タンク」と「ヒートポンプ」の2つのユニットで構成され、それぞれを室外に設置するタイプの給湯器のため、サイズは基本的にガス給湯器よりも大きくなります。
ガス給湯器からエコキュートへの交換には、エコキュート本体を載せる基礎工事が必要な点は覚えておきましょう。(すでに基礎となる土台として代用できる部分への設置では省略される可能性があります)
電気温水器からエコキュートに交換するまでの流れは下記のとおりです。
電気温水器は電気を使って温水を作るという点ではエコキュートと同じですが、電熱ヒーターを使用するという点でエコキュートと異なります。
電気温水器の場合、ユニットが1つであるタイプが多いので、エコキュートに交換する際にサイズによっては設置場所を変更する必要性が出てくる可能性もあります。
また、電気温水器を載せている基礎のサイズが合わない場合にも、上記の流れのなかに「基礎工事」が含まれることになると考えておきましょう。
古いエコキュートから新しいエコキュートに交換するまでの流れは下記のとおりです。
エコキュートからエコキュートに交換する場合、サイズが大きく違わなければ設置場所の変更や基礎工事の追加などはないでしょう。
場合によっては配管を再利用する場合があり、その場合には工事時間の短縮が期待できます。
一方で、貯湯タンクの容量を多くするなどしてサイズが大きくなる場合、設置場所の変更や基礎工事が必要になる可能性があるので注意しましょう。
エコキュートの交換にかかる時間はおよそ4時間〜7時間が目安とされているため、スケジュールを調整するのであれば半日程度は空けておくことをおすすめします。
ただし、この工事時間に関してもあくまでも目安であり、実際には現地の状況や工事の内容によって異なる場合があります。
例えば「配管のみの交換」、「本体の交換」、「基礎からの施工」それぞれの工事ではかかる時間が異なるでしょう。
特に基礎からの施工の場合、コンクリート打設が必要となるため、コンクリートが固まる時間を考えると1日以上かかる可能性が高いでしょう。
そのほか、配管設備を工事し直す必要がある場合や、本体や部品の取り寄せに時間がかかる場合などは一般的な工事時間よりも長くかかる可能性があります。
そのため、ある程度具体的な工事時間を知るためには、まず業者選びの段階で現地調査に来てもらい、見積もりとともに工事時間について聞いておくと良いでしょう。
「エコキュートの一部の部品や配管のちょっとした工事なら自分でできるかも」と思われるかもしれません。
結論からいうと、エコキュートの工事を自分で行うことは難しいといえます。
なぜなら、エコキュートは工事内容によって下記のような資格が必要となるためです。
無資格で工事をすると罰則が課せられる可能性があるほか、自分で工事すると保証の対象外となるため施工不良などが起こると、修正・修理にかかる費用が高額になる可能性もあります。
また、エコキュートは電気にてお湯を沸かす設備なので、知識なく工事をすると感電や火災などの事故に繋がる可能性があります。
そのため、無資格であれば絶対に業者に頼むことが必要であり、万が一資格保有者だとしても安心・安全にエコキュートへ交換するには業者への依頼がおすすめです。
エコキュートの交換工事を依頼する業者としては大きく分けると「メーカー」もしくは「給湯器専門業者」の2つがあります。
それぞれどのような場合ではメーカーが良いのか、どのような場合には給湯器専門業者が良いのかの判断基準について紹介します。
それぞれのメリット・デメリットもわかりやすく紹介するので参考にしてください。
エコキュートには基本的にメーカー保証が無料でついており、メーカー保証期間内の故障などであれば無償にて修理できる場合があります。
購入した時点で付帯している無料のメーカー保証期間はおよそ1年〜2年ほどですが、メーカーによっては別途料金を支払うことで最大10年の延長保証を付帯できる場合があります。
例えばエコキュートを販売している有名メーカーそれぞれのメーカー保証を簡単に紹介すると下記のとおりです。
メーカー | 標準保証期間(無料) | 延長保証(有料) |
パナソニック | 1年間 | 5年間/8年間/10年間 |
三菱電機 | 2年間 | 5年間/8年間/10年間 |
ダイキン | 1年間 | 10年間 |
コロナ | 2年間 | 5年間/8年間/10年間 |
日立 | 1年間 | 7年間/10年間 |
もしメーカーの保証期間内であれば、基本的にメーカーへ問い合わせて修理依頼を出すことをおすすめします。
ただし、メーカー保証の対象は「修理」であり、「交換工事」は対象となっていないことがほとんどです。
つまり、購入したエコキュートに対する保証であり、新しく購入するエコキュートの交換工事には適用できないということです。
また、もしメーカー保証を利用して修理を依頼する場合でも、不当な扱い方をするなどして故障した場合には保証の対象外となるので注意しましょう。
メーカーに依頼する場合のメリット・デメリットを簡単にまとめると下記のとおりです。
メリット | ・製造会社のため安心して依頼できる ・一定にサービスの質が保証されている ・製品に対する知識が豊富 ・専門業者を探す手間が省ける ・保証期間内であれば修理費用を抑えられる |
デメリット | ・保証期間をすぎると修理代が満額かかる ・割引キャンペーンなどがない ・修理・交換はそのメーカーの製品に限られる ・修理・交換業者はメーカー委託になる ・対応時間が限られている場合が多い |
もしメーカー保証期間内かつ修理で間に合うのであれば、メーカーに問い合わせましょう。
一方で「エコキュートを修理ではなく、新しいエコキュートに交換する」といった場合には基本的に通常通り工事費がかかるため、メーカーへの依頼でもできますが、後述する給湯器専門業者への依頼がおすすめです。
メーカー保証期間が終了しており、メーカーに修理を依頼しても満額の修理代がかかる場合などは基本的に給湯器専門業者への依頼がおすすめです。
前述のとおり新しいエコキュートへの交換工事はメーカー保証期間内でも工事費がかかるので、給湯器専門業者も選択肢として考えましょう。
もちろん購入するエコキュートのメーカーにも交換工事の依頼はできますが、割引キャンペーンなどがないことが多いほか、給湯器専門業者よりも臨機応変な対応は期待できません。
給湯器専門業者では「24時間年中無休対応」や「連絡から最短20分で駆けつけ」といったサービスを提供している業者もあり、給湯器のような日常生活になくては困る設備の依頼をするときに便利です。
給湯器専門業者のメリット・デメリットを簡単にまとめると下記のとおりです。
メリット | ・割引キャンペーンなどがある ・メーカーよりコストを抑えられる可能性がある ・サービスやアフターケアが充実している ・24時間年中無休で対応してくれる業者もある |
デメリット | ・業者が多いため比較・検討に手間がかかる ・悪質な業者もあるため注意が必要 |
給湯器専門業者は全国展開している業者もあれば、地域密着型の業者もあり、メーカーに比べて選択肢が多いといえます。
給湯器専門業者に依頼する場合に最も注意するべき点は「悪徳な業者を選ばないこと」でしょう。
独立行政法人国民生活センターによると、水周りのトラブルを解決するような生活のレスキューサービスを提供している業者と消費者との間でのトラブルは年々増加しているとされています。
2016年から2020年までの相談件数と、そのうち電子広告が関わっている割合を紹介すると下記のとおりです。
年 | 相談件数 | 電子広告が関わるもの |
2016年 | 2,437件 | 19.2% |
2017年 | 2,805件 | 21.7% |
2018年 | 3,386件 | 25.6% |
2019年 | 3,771件 | 28.9% |
2020年 | 5,882件 | 41.1% |
上記のように、年々インターネット上の広告(電子広告)から依頼した業者とのトラブルも増えていることがわかります。
そのため、給湯器専門業者を選ぶ際には、事前に安心して依頼できる業者選びのポイントを抑えておくことが大切です。
業者選びのポイントについて後述するため、エコキュートへの交換を検討している方は参考にしてください。
エコキュートの交換工事を依頼する業者をメーカーではなく、給湯器専門業者から選ぶ際には下記のような点に注目して選びましょう。
それぞれのポイントについて、以下で詳しく紹介します。
1つ目のポイントは、対応してくれる時間や日時についてです。
エコキュートのような給湯器が使用できない時間が長くなると「お風呂やシャワーが使えない」といった生活に支障が出る方もいるのではないでしょうか。
もし給湯器が壊れたタイミングが土日祝日やGW、年末年始などで対応していない業者が多い場合、困る方も多いはずです。
給湯器専門業者のなかには深夜・早朝はもちろん、24時間365日年中無休で対応してくれる業者があります。
エコキュートへの交換工事だけではなく、今後給湯器が突然故障した際の修理などでも便利なので、24時間年中無休で対応してくれる安心できる業者をひとつだけでも知っておくと便利です。
2つ目のポイントは、連絡から駆けつけてくれるまでの時間です。
業者のなかには連絡した翌日以降に駆けつけるなど、対応してくれるまでの時間が遅いケースもあります。
しかし、一方でなかには「連絡から最短20分」といった、すぐに駆けつけてくれる業者もあります。
連絡から駆けつけてくれるまでの時間は営業所の場所にもよりますが、いずれにしても早く現場に向かうことをサービスのひとつとして心がけている業者がおすすめです。
前述した、24時間年中無休で対応してくれる業者かつ、連絡からすぐに駆けつけてくれる業者であれば、交換工事だけでなく困ったときに頼れます。
3つ目のポイントは、水道局指定の安心して工事を頼める業者かどうかです。
水道局指定の業者は「指定給水装置工事事業者」と呼ばれており、各自治体が認める水道法施行令に定められた基準に合う水道工事ができる業者のことを指します。
指定給水装置工事事業者として認定されるには一定の条件を満たす必要があるほか、一定の期間ごとに更新時には基準を満たした運営をしているかの確認がなされます。
指定給水装置工事事業者は業者の公式ホームページなどで確認できるほか、各自治体などでも業者名を一覧にして公表しているため、安心できる業者を選ぶ際に活用すると良いでしょう。
4つ目のポイントは、実績や知名度がある業者かどうかです。
公式ホームページなどで「実績業界No1」と書くことはサイト運営者ができるため、あまり信用する要素とならないかもしれませんが、インターネット上で実際にその業者を利用した方からの口コミ・評判は業者選びの際の材料となるかもしれません。
また、芸能人を起用したテレビCMなど放送している業者であれば比較的安心して依頼できる可能性が高いでしょう。
悪徳な営業をしている業者からのCM出演依頼がきても、芸能事務所が所属タレントの起用を許可するとは考えにくいからです。
そのため、知名度が高い芸能人を起用してテレビCMを流しているなども、安心できる業者を見極めるひとつの目安としましょう。
5つ目は、有資格者が在籍しているかどうかです。
エコキュートの交換工事には資格が必要な作業があるため、依頼する業者に資格保有者がいるかどうかは確認しておきましょう。
悪徳な業者では無資格にてエコキュートの交換工事を行うことも考えられ、施工不良などでエコキュートが故障するリスクがあるほか、知識不足な職人による施工は火災などの重大な事故に繋がる危険性もあります。
前述した「指定給水装置工事事業者」には、適切に業務を行える技能や資格等を有している従事者が在籍しているなどの状況も認定の基準となっています。
しっかりとした安心できる業者ではホームページに資格保有者情報を記載しているので参考にすると良いでしょう。
6つ目のポイントは、交換工事以外にかかる費用がかかるかどうかです。
エコキュートの交換工事では基本的に「エコキュート本体代+標準工事費+その他工事費」の3つの合計が請求額となります。
しかし、業者によってはそれ以外に下記のようなサービスにも料金が発生することがあるため注意しましょう。
これらの料金が発生する業者が悪徳業者というわけではありませんが、予想外の金額にならないためにも上記のような料金がかかるかどうかは事前にチェックしておくことが大切です。
特に、交換工事を依頼するにあたって複数の業者から見積もりを出してもらうことになるはずなので、見積もり料金がかかるかどうかは確認しておくことをおすすめします。
「まずは無料で見積もりをしてもらう業者から頼んでみる」といった順序で業者選びをスタートするのも良いでしょう。
ここまでエコキュートの交換工事にかかわる必要な情報を紹介してきました。
最後に「交換工事を決めた場合には、今すぐまずなにをやるべきか」について簡単に紹介します。
工事費や工事にかかる時間については理解できたものの、今から何をすればよいのか迷っている方は参考にしてください。
まず交換を検討する前に、メーカーの保証期間内であるかどうかを確認してみましょう。
もしメーカー保証期間中であれば、少しの不具合などは無償で修理できる場合があるため、エコキュートを交換せずに済む可能性があります。
一方で、メーカー保証の期限が切れている場合や、新しいエコキュートに交換する場合には修理・交換にかかる費用が発生するため、業者選びのために複数社から見積もりを出してもらうことからはじめましょう。
もしお住まいが賃貸マンションやアパート、賃貸の戸建ての場合は給湯器の修理・交換責任が管理側にあるため、管理者に連絡・相談しましょう。
賃貸の場合、給湯器交換に伴う工事費用も、特別な契約などがない限り管理者側の負担となります。
お住まいによっては設置できる給湯器の型やメーカーが指定されている場合もあるので、管理者に連絡せずに交換することは避けた方が良いでしょう。
なお、分譲マンションでは修理・交換にかかる費用は自己負担になるほか、依頼する業者も基本的に自分で探す必要があります。
ただし、交換工事などでマンションの共有部分(廊下など)を使用する場合には事前に管理会社に連絡・相談して許可を取っておきましょう。
お住まいがマンションやアパート、賃貸の方がまずやるべきことは「管理者への連絡・相談」です。
もし前述の2つに該当しないのであれば、自分で業者を選びエコキュートへの交換工事を依頼することになります。
「悪徳な業者に騙されないか心配」という方もいると思いますが、まずは紹介した業者選びのポイントを踏まえつつ「依頼」ではなく「見積もり」からはじめると良いでしょう。
特に見積もり無料の業者であれば気軽に頼めるほか、複数業者から見積もりを出してもらうことで交換費用の相場感覚も掴めると思います。
エコキュートの交換工事にかかるおおよその費用の相場は約40万円〜50万円、かかる時間は4時間〜7時間が一般的とされています。
しかし、これらはあくまでも目安であり、実際にかかる費用や時間は設置場所や工事内容によって上下することがあるため、まずは業者に現地調査してもらったうえで見積もりを出してもらうことが大切です。
なお、マンションや賃貸の場合、給湯器を交換する前に管理者への連絡が必要になる点は覚えておきましょう。
交換工事は「メーカー」もしくは「給湯器専門業者」がありますが、おすすめはお得なキャンペーンなどがあり24時間年中無休で対応してくれるなどの融通も効く給湯器専門業者です。
紹介した安心して依頼できる給湯器専門業者選びのポイントを抑えつつ、まずは見積もりから依頼してみましょう。
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