エコキュートが故障する原因は大まかに分けると下記の3つのパターンに分けられます。
まずこれらの故障が何を意味するかについて簡潔に紹介します。
初期故障とは、エコキュートを使い始めてすぐに起きる故障のことを指します。
主な故障の原因としては、エコキュート本体の初期不良や、エコキュートを設置する業者の施工ミスなどが考えられるでしょう。
もしエコキュート本体の初期不良の場合、メーカー保証が適用されるため無償で交換できる可能性があります。
一方、設置業者による施工ミスや設置作業が原因による不具合ではメーカー保証の対象外になることがほとんどです。
ただし、設置後すぐなのであれば業者に連絡することで補償してもらえる場合があります。
いずれにしろ、エコキュートを使い始めて間もないタイミングで故障や違和感がある場合には、すぐにメーカーや設置業者に連絡しましょう。
初期故障だったとしても、一定の期間を過ぎてからメーカーや設置業者に問い合わせると、保証期間外になり実費で修理することになる場合もあります。
摩耗故障とは、エコキュートを使用し続けることによって内部の部品などが摩耗することによって起こる故障のことを指します。
一般的にエコキュートの耐用年数は約10年〜15年とされているため、エコキュートを使い始めて10年以上が経過しているのであれば摩耗故障の可能性があるでしょう。
経年劣化や老朽化による故障ではメーカー保証の対象外になるケースも多く、修理をしても別の箇所が故障する可能性もあります。
10年以上など長い間使用していて故障したのであれば、新しいエコキュートに交換(買い替え)することも視野に入れた方が良いかもしれません。
偶発故障とは、設置段階など比較的初期の段階で起きていた小さな不具合が、使い続けることにより大きな問題として故障に繋がることを指します。
施工業者のミスなどが原因で起こることがありますが、どの段階で故障の元となる不具合が発生していたのかをハッキリと証明することは難しいでしょう。
例えば、設置初期に起きていた小さな不具合が5年後に大きな問題となってエコキュートの故障に繋がったとしても、その事実を証明することが難しいためメーカー保証期間を遡って適用させることなども難しいのです。
そのため、エコキュート使用中に違和感がある場合や、少しでも不具合があった場合にはすぐに業者やメーカーに点検を依頼したり、定期的なメンテナンスを心がけることが大切です。
エコキュートは大きく分けると「貯湯タンク」と「ヒートポンプ」の2つのユニットによって構成されています。
どちらの設備が故障しているのか、またはどの部分が故障しているのかによって症状は異なります。
なお、エコキュートの故障でよくある事例と、その対処法を紹介すると下記のようなものが挙げられます。
故障事例 | 考えられる故障箇所 | 対処法 |
貯湯タンクからの水漏れ | 三方弁、混合弁、風呂循環ポンプなど | エコキュート使用に伴う排水ではない場合、業者による点検が必要です |
湯はり量が調節できない | 水位センサーや貯湯ユニット基板など | 湯はり中に水位が正しく検知できない状況を避けます。それでも改善しない場合は業者による点検が必要です |
お湯の温度が調節できない | 混合弁、貯湯ユニット基板、給湯サーミスタなど | 出始めなどはお湯が冷たい場合があります。使用中常に温度に異常がある場合は業者による点検が必要です |
お湯がでない | 湯はり混合弁、水量センサー、湯はり電磁弁、サーミスタなど | 断水や凍結など環境による原因ではない場合、業者による点検が必要です |
リモコンの操作ができない | リモコン本体 | 電源が入っていてもリモコンが操作できない場合、交換の必要があります |
エコキュートが故障した際の対処法は、大まかに分けると「自分で対処できるもの」と「業者への修理・点検依頼が必要なもの」の2つがあります。
エコキュート設備内部の故障の場合、ほとんどのケースでは業者への依頼が必要になることは覚えておきましょう。
エコキュートは電気でお湯を沸かす設備なので自分で分解して修理しようとすると感電や火災などの事故に繋がる危険性があるほか、修理の内容によっては資格が必要なものもあります。
改善しない場合や、故障の原因がよく分からない場合などを含め、無理に自分で修理しようとせず業者に一度見てもらった方が良いでしょう。
エコキュートが故障した場合、修理もしくは交換という選択肢があります。
できれば修理して長く使用したという方もいるかもしれませんが、場合によっては新しいものに交換した方が良いケースもあります。
エコキュートが故障した際に、修理した方が良いのか、交換した方が良いのかの判断基準について紹介するので参考にしてください。
まず、初期故障のようなメーカー保証が適用される期間中であれば、メーカーに修理依頼を出すことをおすすめします。
エコキュートには1年間〜2年間のメーカー保証が無償で付帯していることが一般的なので、保証期間中なのであればメーカーに修理依頼を出しましょう。
1年〜2年などであればエコキュート本体もそれほど極端に劣化していないはずなので、修理をすることでその後も長く使える可能性があります。
摩耗故障や経年劣化(老朽化)であれば、エコキュート自体の寿命の可能性があるため、新しいものへの交換も視野に入れましょう。
一部の部品が摩耗故障を起こすということは、その他の部品もそれなりに劣化していることが考えられるため、修理をしても別の部分が故障する可能性があります。
なお、エコキュートの一般的な寿命は約10年〜15年とされているので、10年以上同じエコキュートを使い続けているのであれば買い替えのタイミングかもしれません。
もちろん修理して使い続けることもできますが、修理の頻度が多くなると結果的に維持コストが高くなり「買い換えた方が安上がりだった」ということになる場合もあります。
また、使用年数が長くなると部品の製造が終了し、修理の際に部品を取り寄せる必要が出てくるなどして修理代も高くなりがちです。
摩耗故障や経年劣化での故障の場合はエコキュートを新しいものに交換することも考えましょう。
エラーが多発するのであれば交換のタイミングと考えましょう。
紹介したとおり、エコキュートは「貯湯タンク」と「ヒートポンプ」の2つのユニットによって構成されていますが、どちらか一方の設備が故障すると、その影響により別の部分も故障する場合があります。
故障箇所にもよりますが「修理したのにまたすぐ不具合が起こった」というケースも稀にあります。
例えば、長く使用しているエコキュートであれば、故障部分だけを新しくしても、他の部分が故障することによってエラーが多発するといったこともあるでしょう。
このように、エラーの頻度が高くなると、結果的に修理や点検にかかる費用が高額になるため、エコキュート一式を新しいものに交換した方が良い場合があります。
エコキュートの修理にかかる費用があまりに高額な場合も、新しいものに交換した方が良いでしょう。
エコキュートの故障に伴う修理費用は一般的に「技術代+部品代+出張料」の合計になりますが、故障部位が精密な箇所で技術代が高額になるケースや、部品の生産が終了していて取り寄せに伴う費用が高額になるといったケースがあります。
後ほど詳しく紹介しますが、エコキュートの交換費用の相場は約40万円〜50万円程度なので、もし修理代がそれに近い金額になるのならば、修理ではなく交換することを検討しましょう。
エコキュートの故障に適用できるメーカー保証は、各メーカーによって異なるほか、契約内容によっても異なります。
例えば、購入後標準で付帯しているメーカー保証は一般的に1年間〜2年間ですが、有料オプションにて最大10年間まで保証期間を延長できるようになっているメーカーがほとんどです。
メーカー | 標準保証期間(無料) | 延長保証(有料) |
パナソニック | 1年間 | 5年間/8年間/10年間 |
三菱電機 | 2年間 | 5年間/8年間/10年間 |
ダイキン | 1年間 | 10年間 |
コロナ | 2年間 | 5年間/8年間/10年間 |
日立 | 1年間 | 7年間/10年間 |
上記のように、有料の延長保証を付けていない場合と付けている場合でメーカー保証期間は異なるので、使用しているエコキュートの保証期間を確認してみましょう。
なお、延長保証に加入できる期間はメーカーによって定められています。
例えば、購入後半年までが延長保証の加入期間であれば、1年後や3年後に「エコキュートが故障したので延長保証を付けたい」といった場合でも加入できない点には注意しましょう。
メーカー保証が適用できれば修理は無償もしくは一部のみの負担になりますが、なかには保証対象外になるケースがあります。
下記のような故障理由はメーカー保証の対象外となるため注意しましょう。
また、メーカー保証が適用される場合でも、修理費用の上限が定められていることもあるため、メーカー保証に関する注意事項などはよく確認しておくことをおすすめします。
エコキュートは屋外設備として、火災保険が適用されるケースがあります。
火災保険には「風災補償」と呼ばれるサービスがあり、風災補償では屋外設備や建物が風、雨、雪、雹(ひょう)、砂塵(さじん)、などで被害を受けると補償の対象となります。
例えば、台風の日に敷地外部から飛来物があり、エコキュートにぶつかって故障した場合には火災保険が適用できる可能性があるでしょう。
火災保険によっては風災補償が標準付帯している場合や、任意で付帯しなければならない場合などもあるため、まずはご自身が加入している火災保険の契約内容を確認し、もし適用できそうな場合は加入先の会社に問い合わせると良いでしょう。
エコキュートを修理・交換する際の費用が気になる方もいるのではないでしょうか。
続いては、エコキュートを修理する場合と交換する場合に分けて、それぞれの費用の相場について紹介します。
エコキュートの修理にかかる費用は、一般的に「技術料+部品代+出張料」の合計が請求されます。
しかし、それぞれの金額は依頼する業者によって異なる可能性があるほか、修理の内容によっても金額が上下するため、ハッキリとした金額は業者から見積もりを出してもらうことが大切です。
なお、ダイキンでは各故障内容に対するそれぞれの修理費用の目安は下記のとおりとしています。
故障内容 | 修理費用の目安 |
タンクから水が漏れている | 25,000円〜45,000円程度 |
お風呂からお湯がでない | 26,000円〜30,000円程度 |
お湯の温度調整ができない | 25,000円〜49,000円程度 |
お湯の量が設定より多い・少ない | 24,000円〜51,000円程度 |
あくまでも目安であり、実際にかかる金額は異なる可能性があるため、まずはどのような故障なのかを診断してもらい、見積もりをだしてもらいましょう。
エコキュートの交換にあたっては「本体代+標準工事費用+その他工事費用」の合計が請求されることが一般的です。
エコキュートの性能や、依頼する業者によっても金額は異なりますが、エコキュートの交換にかかる費用の相場は約40万円〜50万円程度とされているので、目安として覚えておくと良いでしょう。
エコキュートが故障した場合、修理・交換を依頼できる業者として「メーカー」や「給湯器専門業者」が挙げられます。
どちらに修理・交換を依頼した方がお得か、安心かについてや、それぞれの業者のメリット・デメリットについて紹介するので参考にしてください。
もしエコキュートのメーカー保証期間中であれば基本的にメーカーに修理の依頼をしましょう。
保証の対象となる場合には無償で修理してくれる可能性があるため、自分で業者を探す必要もありません。
また、エコキュートを販売しているメーカーという安心感があるのもメーカーに依頼するメリットの一つです。
ただし、メーカー保証期間外の場合や、保証が適用できないケースでは修理代が満額請求されるほか、給湯器専門業者のように割引キャンペーンなどがないためお得感は少ないので注意しましょう。
メーカーに依頼するメリット・デメリットを簡単にまとめると下記のとおりです。
メリット | ・製造会社のため安心して依頼できる ・一定にサービスの質が保証されている ・製品に対する知識が豊富 ・専門業者を探す手間が省ける ・保証期間内であれば修理費用を抑えられる |
デメリット | ・保証期間をすぎると修理代が満額かかる ・割引キャンペーンなどがない ・修理・交換はそのメーカーの製品に限られる ・修理・交換業者はメーカー委託になる ・対応時間が限られている場合が多い |
もしメーカー保証期間外や保証の対象外となる場合には、後述する給湯器専門業者も修理・交換を依頼する業者として検討することをおすすめします。
給湯器専門業者とは、給湯器の修理や交換を専門としてサービスを提供している業者のことを指し、さまざまなメーカーの給湯器の修理・交換に対応してくれます。
また、メーカーの小売希望価格よりも大幅な割引金額でエコキュートの部品や本体を提供している場合があるため、コスト面で考えるとお得なケースが多くあります。
さらに、業者によっては24時間年中無休で対応してくれたり、近くに営業所がある場合にはすぐに駆けつけてくれるなど、柔軟性の高さも期待できるでしょう。
給湯器専門業者に依頼するメリット・デメリットを簡潔にまとめると下記のとおりです。
メリット | ・割引キャンペーンなどがある ・メーカーよりコストを抑えられる可能性がある ・サービスやアフターケアが充実している ・4時間年中無休で対応してくれる業者もある |
デメリット | ・業者が多いため比較・検討に手間がかかる ・悪質な業者もあるため注意が必要 |
給湯器専門業者は料金的にもお得な可能性が高く、柔軟性の高さが魅力的ですが、もっとも注意するべき点として「悪質な業者を選ばないようにすること」があります。
独立行政法人国民生活センターでは、水回りのトラブルを解決する業者と消費者の間において「最初に説明された金額と違い、高額請求をされた」といった内容の相談件数が年々増えているとされています。
このような業者に修理・交換を依頼しないように、安心して依頼できる業者選びのポイントを抑えておきましょう。
業者選びのポイントとして、下記の点に注目することをおすすめします。
24時間年中無休で素早く対応してくれるなどの臨機応変さを含め、水道局指定の安心して依頼できる業者を選ぶことが大切です。
水道局指定の業者は「指定給水装置工事事業者」と呼ばれており、各自治体が認める水道法施行令に定められた基準に合う水道工事ができる業者のことを指します。
指定給水装置工事事業者に認定されるためには、適正に施行ができるかなどを含めた一定の基準を満たす必要があるため、指定給水装置工事事業者であれば安心して修理・交換の依頼ができるということになります。
また、業者の口コミや評判、テレビCMなどの有無も安心して依頼できるかどうかを判断する指標として役立つでしょう。
例えば、インターネット上の広告はお金を払えばどんな業者でも検索トップを獲得できるかもしれませんが、芸能人起用のテレビCMや、テレビ番組内でのサービスを紹介されるなどは一定の信頼がなければ難しいでしょう。
安心して依頼できる業者を見つけたら次は見積もり料金の有無などを確認しましょう。
業者のなかには見積もりだけでも料金が発生する場合があり、それが悪いというわけではありませんが「まずは見積もりをとっておおよその料金を知りたい」という場合には、無料見積もりをしてくれる業者がおすすめです。
このようなポイントに注目して業者を選べば、コスト面でも経済的かつ安心して修理・交換してくれる業者が見つかるでしょう。
修理費用を抑えるために故障をDIY(自分自身による修理)によって直そうと考えている方もいるかもしれません。
結論からいうと、エコキュートは修理・交換にあたって資格が必要になるケースがあるほか、感電や火災に繋がる恐れがあるため自分での修理はおすすめできません。
また、メーカー保証期間中に自分で分解などをすると、その後の故障は保証の対象外となる場合もあります。
デメリットやリスクが大きいため、修理・交換はメーカーもしくは給湯器専門業者に依頼することをおすすめします。
修理費用は業者によって異なるため、まずは複数の業者から見積もりを出して比較することが大切です。
複数の業者から見積もりをとればおおよその相場がわかるため、修理にするか、いっそのこと新しいものに交換した方がお得かの判断もしやすくなるでしょう。
まずは「修理を依頼する」という意識ではなく「見積もりをとって費用の相場を知る」という感覚で問題ありません。
お得に済ませたい場合には、24時間年中無休で柔軟に対応してくれるほか、無料見積もりに対応している業者に依頼することをおすすめします。
エコキュートの故障の原因は大きく分けて「初期故障」、「摩耗故障」、「偶発故障」の3つがあります。
修理を依頼する業者としては「メーカー」や「給湯器専門業者」がありますが、メーカー保証期間中ならメーカーへ、メーカー保証期間外であれば給湯器専門業者への依頼がおすすめです。
もしメーカー保証期間外で給湯器専門業者に依頼する場合には、紹介した安心して依頼できる業者選びのポイントを参考にしつつ、まずは見積もりをとることからはじめてみてください。
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