風呂釜とは、浴槽に溜めた水を沸かしてお湯にする装置のことです。製品によってお湯の供給やシャワーの使用ができるものもあり、次のような特徴があります。
なお、利便性と安全性の高い給湯器が普及したことにより、新規で風呂釜が設置されることは少なくなっています。
もちろん現在使用されている風呂釜も安全性に配慮されてはいますが、浴室内に設置していることから、不具合が起こった際のリスクは決して低くありません。場合によっては一酸化炭素中毒や本体破裂などのリスクがあるため、風呂釜の異変に気付いた際には、早めの交換が勧められています。
風呂釜を長く使用し続けていれば、やがて経年劣化や故障などにより不具合を起こしてしまいます。不具合をそのままにしておくと事故に繋がることもあるため、ここで説明する症状が出た場合には交換を検討しましょう。
ガスのにおいや焦げたようなにおいがする場合、ガス漏れや不完全燃焼を起こしている可能性があります。風呂釜の部品劣化や、何らかの事情による故障が考えられるため、業者に点検や交換を相談しましょう。
一見問題なくお湯が沸かせても、不完全燃焼をしていると一酸化炭素中毒を招く恐れがあります。危険なのでそのまま使用し続けることは避けてください。
お湯が沸かせない、沸かしても温度が低いという場合、電気系統の故障や部品の劣化などが考えられます。
シャワーを使えるタイプの風呂釜の場合、不意に熱湯が出たり水になったりすることも多く、入浴が快適にできなくなります。お湯が全く沸かなくなってしまうと入浴もできなくなるため、早めに業者に相談しましょう。
着火の際に「ボンッ」と大きな音がする場合、着火用の熱交換器に不具合が起こっている可能性があります。
音の正体は、風呂釜内に溜まったガスに引火した際の爆発音です。そのため、大きな音が頻発しているにも関わらず、そのまま対処せずに使用し続ければ、ガスの影響で風呂釜が破裂する恐れもあります。着火のときの音が気になるのであれば、普段通りお湯を沸かせていたとしても業者へ相談するほうが安心です。
種火がつかない場合、熱電対(温度センサー)や着火装置の不具合が考えられます。立て続けに種火をつけようとすると、風呂釜内部にガスが充満し、着火時に破裂や変形する恐れがあり危険です。
種火がつかなければお風呂に入ることができないので慌ててしまうかもしれませんが、無理に使用するようなことは避け、業者に相談するようにしてください。
風呂釜の耐用年数はおおよそ10年とされています。この耐用年数を超えた風呂釜で不具合が生じた際には、修理ではなく交換を検討するのが望ましいでしょう。
軽度の不具合や、設置から数年程度の風呂釜の故障であれば修理で対応できることもありますが、現在の一般家庭で設置されている風呂釜は10年以上経過しているものが大半です。そのため、修理後も度々不具合を起こしたり、製品によっては部品の製造が終了したりしているケースも珍しくありません。
修理の方がその場でかかる費用は抑えやすい傾向にありますが、先々のことを考えると修理費用がかさんだり、安全性が保ちにくかったりする可能性が高いため、交換がおすすめです。
温かいお風呂に欠かせないのが、風呂釜や給湯器の存在です。それぞれどんな特徴があるのか、そして本体費用はどのぐらいになるのかは気になるところですので、ここで紹介します。
風呂釜の特徴や費用は種類によって異なります。例えば、家庭で使用されていることが多いバランス釜、屋外に設置するガス風呂釜の場合は次のようになります。
<バランス釜(BF式)>
特徴 | 浴槽の横に設置される風呂釜です。お湯を沸かす際のガスの燃焼に必要な空気の給気・排気をバランス良く屋外で行なうため、不完全燃焼が起きにくいという特徴があります。 設置場所の関係上、浴槽が狭くなりがちです。追い炊き専用、シャワー付など、いくつか種類があります。 |
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本体費用 | 追い炊き専用:約4.5万円~ シャワー付:約6.5万円~ |
※2021年2月時点
<屋外設置のガス風呂釜(RF式)>
特徴 | 屋外に設置されるガス風呂釜には、据置きタイプ、壁掛けタイプがあります。 据置きタイプは浴槽から壁を隔てた位置の地面に設置し、壁掛けタイプは設置場所を選ばずお住まいの外壁などに設置するのが一般的です。 いずれも設置した本体から空気の給気・排気を行なっており、リモコンで温度調整、タイマー設定などが可能です。 |
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本体費用 | 据置きタイプ:約3.5万円~ 壁掛けタイプ:約6万円~ |
※2021年2月時点
給湯器の特徴や費用も、種類によって変わってきます。家庭で一般的に使用されている従来型の給湯器、エコジョーズの場合は次のようになります。
<従来型の給湯器>
特徴 | 従来からある標準的な給湯器で、本体費用を抑えられる反面、月々のガス代がエコジョーズに比べると高くなる傾向にあります。 据置きタイプや壁掛けタイプなどがあり、マンションか戸建てかによって設置場所は変わってきます。機能によって本体費用は変動するため、生活にあったものを選ぶことが大切です。 |
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本体費用 | 追い炊き機能 無:約2.5万円~ 追い炊き機能 有:約5万円~ |
※2021年2月時点
<エコジョーズ>
特徴 | 従来型に比べると少ないガス量でお湯を沸かせられます。従来型より本体費用は高くなるものの、月々のガス代がお得になるというのが特徴です。 従来型と同様に設置場所などはお住まいによって異なり、本体費用は機能や号数などによって変動します。 |
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本体費用 | 追い炊き機能 無:約5万円~ 追い炊き機能 有:約6万円~ |
※2021年2月時点
メーカーや業者により本体代は異なるため、上記はあくまで参考となります。
明確な本体代が気になる場合には業者に無料見積もりをお願いしてみると良いでしょう。
給湯器の選び方が気になる場合は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
先ほど「風呂釜の寿命は10年」でもお伝えしたように、既に設置されている風呂釜の多くは、設置から長い年月が経過しています。風呂釜の耐用年数が約10年ということを踏まえると、不具合が生じたときには修理ではなく交換がおすすめです。
ただ、昨今では使い心地や安全性を踏まえ、風呂釜ではなく給湯器を設置することが主流となっています。今後も現在のお住まいで生活を送る場合や、出産や親との同居などで家族が増えるなど広い浴槽が必要になりそうな場合は、給湯器への交換やリフォームを検討してみるのも1つの手段です。
風呂釜を交換するときにかかる時間は、交換する製品や工事内容によって変わってきます。おおよその目安としては次の通りです。
■新しい風呂釜へ交換する場合=2~4時間程度
同じ種類の風呂釜に替えるのか、バランス釜から屋外設置の風呂釜に替えるのかなど、製品や状況によって必要な時間は異なります。
■給湯器へ交換する場合=1日程度
浴室やドアの大きさなどにより必要な器具や製品が運び込めない場合は、追加のリフォーム工事などでさらに時間がかかることもあります。
■ユニットバスへリフォームする場合=おおよそ数日~2週間
施工方法などによって工期は変動します。
必要となる時間は様々な理由で変わってきます。リフォーム工事中はお風呂の使用ができないので、予め業者に工期(工事の期間)を確認しておくと良いでしょう。
風呂釜の不具合によっては修理で改善を図ることも可能です。しかし、風呂釜の交換や浴室のリフォームには次のようなメリットがあります。
新しい風呂釜に交換する場合
給湯器へ交換する場合
ユニットバスへリフォームする場合
いずれの場合にもメリットがあるため、現在の生活などに合わせて検討してみると良いでしょう。
風呂釜の交換を検討しているのであれば、風呂釜や給湯器のメーカー、もしくは販売業者に相談してみると良いでしょう。それぞれの特徴を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
■風呂釜や給湯器のメーカー
ノーリツやリンナイをはじめとするメーカーなら、その認知度から安心して相談しやすい傾向にあります。実際の交換対応はメーカーが委託している業者が行なうことになりますが、現在の風呂釜と同じメーカーの商品を検討したい際には頼りになるでしょう。
■風呂釜や給湯器の販売業者
販売業者では幅広いメーカーの製品を扱っており、修理や交換だけでなくリフォームの対応も行なっています。
費用の割引率が高い、地域密着で対応がスピーディー、といった特徴もあります。
生活にあった製品への交換やリフォームを望む場合の相談先としておすすめです。
風呂釜の設置や交換工事には資格が必要となるケースがあります。ガスの取り扱いは一歩間違えば爆発、一酸化炭素中毒など、危険な事故に繋がる可能性があるためです。
自身での交換は避け、下記のような資格保持者のいる業者に任せましょう。
ガス消費機器設置工事監督者 | 風呂釜を始めとする、特定のガス機器の設置や交換工事に必要な知識・技術があることを証明する資格です。 |
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ガス可とう管接続工事監督者 | ガス機器とガス栓の接続に必要な知識・技術があることを証明する資格です。 |
液化石油ガス設備士 | LPガスを使った設備の設置工事などに必要な知識・技術があることを証明する資格です。 |
ガス機器設置スペシャリスト | ガス機器の設置に必要な知識・技術があることを証明する資格です。 |
簡易内管施工士 | 都市ガス配管の工事に必要な知識・技術があることを証明する資格です。 |
交換作業や工事内容によって必要な資格は変わってきます。また、狭い場所や集合住宅などでは作業自体が行えないケースもあるため、現地の様子を踏まえた上での判断も重要です。
少しでも分からないことがあれば、資格保有者のいる業者に気軽に相談してみましょう。
風呂釜の不具合は一酸化炭素中毒などの事故に繋がりかねないため、早めの点検や交換が重要となります。
ただ、風呂釜の交換は頻繁に行なうものではないため
「どの風呂釜にすべきか」
「風呂釜より給湯器の方がいいのか」
など、自分自身だけでは判断しきれないこともあるかもしれません。
迷ったときには、ここで紹介した資格を持つ業者に相談し、専門的なアドバイスをもらうようにしましょう。
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