古い浴室を持つ家の中には、「バランス釜」と呼ばれる風呂釜を設置していることがあります。
バランス釜とは浴槽の横に設置されるタイプの給湯機器です。浴槽内には水の吸い込み口と吐き出し口があり、U字型の連結管で浴槽と接続しています。浴槽内の水が吸い込み口からバランス釜に移動して温められた後、吐き出し口から浴槽に戻るしくみです。また、ガスを燃やして水を温めるため、排気口と吸気口が浴室外の外壁に付いています。
バランス釜には、主に4種類あります。
このような症状が出てきたら、風呂釜の修理を検討する必要があります。
それぞれの症状について、以下で詳しくみていきましょう。
風呂釜のトラブルの中でも多いのが、お湯の温度を思い通りに調整できないという症状です。使用中にお湯がぬるくなるだけなら物足りないと感じるだけですむかもしれませんが、場合によっては熱いお湯が急に出ることもあります。
この症状の主な原因は、電気系統の故障や部品の劣化、浴槽内フィルターの汚れなどです。浴槽内フィルターを掃除しても症状が解消されない場合は、そのまま使い続けるとやけどをするおそれがあって危険なので、風呂釜の修理を依頼しましょう。
風呂釜の耐用年数は約10年といわれています。長期間にわたって使い続けていると、風呂釜の劣化によってガス臭いにおいが発生する場合があります。
ガス管に緩みや破損が生じていたり、ガス管と風呂釜本体の接続部分が腐食して穴が開いていたりすると、そこからガス漏れや不完全燃焼が発生するおそれがありとても危険です。すぐに専門の業者に依頼して、点検や修理をする必要があります。設置してから10年近く経っている場合は、新しい風呂釜か給湯設備に交換するほうがよいでしょう。
お風呂を沸かしたりシャワーを使ったりするとき、種火の点火がなかなかできないという症状も、長く使っている風呂釜にはよく発生します。
この場合は、着火装置や熱交換器が故障している可能性が高いです。何度も点火しようとするとガス漏れや不完全燃焼が起きる心配があります。点火しにくいときは無理に使おうとせず、早急に専門の業者へ連絡し、点検・修理をしてもらいましょう。
風呂釜に着火するとき、「ボン!」といった大きな爆発音がする場合があります。この状態で使い続けると、最悪の場合は風呂釜が破裂するなど、大事故につながりかねません。
この症状の原因としては、着火用の熱交換器に異常が起きていることが考えられます。風呂釜を長く使用していると熱交換器にゴミが詰まることがあり、トラブルにつながります。早めに、専門の業者に点検・修理してもらってください。
停電時でも使えることが風呂釜のメリットですが、以下のようなデメリットも存在します。
上記に加えて、一般的な風呂釜の耐用年数は約10年とされており、長期間使っていると「風呂釜の修理を検討すべき症状」でも説明したような症状が出てきます。
不具合が発生した風呂釜を無理に使い続けると、
といったリスクが高まります。
風呂釜の調子が悪くなったら、早めに専門の業者に点検・修理や交換を依頼して、リスク回避を心がけましょう。
風呂釜にトラブルが発生した場合に修理と交換のどちらをするのがよいか、迷う人もいるでしょう。
長く使っている風呂釜は、修理をしても新たなトラブルが発生する可能性もあります。長い目でみれば、修理よりも交換するほうがコストパフォーマンスもよく、安全面からもベターかもしれません。
設置してから10年以上経っている風呂釜は修理用の部品が製造中止になっていて入手できず、本体ごと新製品に交換しなければならないケースもあります。
風呂釜の修理や交換をDIYで行ってコストを抑えられないかと考える人もいるかもしれません。しかし、風呂釜はかなり複雑な構造をしており、専門知識と経験のない人が分解しても手に負えないケースがほとんどです。
また、風呂釜を含む給湯器はガスと水道に関わる装置のため、専門資格保有者でなければ設置や交換ができないと法律で定められています。
素人が風呂釜の修理・交換をすると違法になる場合があるだけでなく、ガス漏れや爆発などにつながるリスクもあります。事故を起こせば、自分だけでなく家族や近所にも被害が及びます。自分で作業するのは絶対にやめましょう。
風呂釜を交換する場合は、新品のバランス釜へ交換するだけでなく、新しいタイプの風呂釜や給湯設備にリフォームするという方法もあります。
リフォームする場合のメリットや工期・費用の目安を紹介するので、検討してみてください。
ホールインワンタイプ(壁貫通型風呂釜)とは、浴室の壁に埋め込むタイプの風呂釜です。浴槽周りのスペースをとらないため、バランス釜設置時よりも浴室や浴槽を広くできることがメリットです。リモコンパネルで温度調節やお湯張りなどを自動制御できるといった、バランス釜にない機能を搭載した製品もあります。
ホールインワンタイプにリフォームする場合はバランス釜で使っていた排気口・給気口を活用できるので、比較的少ない工数でリフォームが可能です。多くの場合は1日で工事が完了します。
バランス釜からホールインワンタイプへのリフォーム費用の内訳
ただし、設置工事を行う業者から製品を購入すればかなり安くなることがあり、製品代と工事費を合わせて20万円前後が目安となっています。
ユニットバスとは、浴室の天井や壁・床・浴槽などのパーツがあらかじめ製造されていて、設置する現場で組み立てるタイプの浴室です。
主なユニットバスの種類
ユニットバスは浴室の種類の中でも最新タイプで、掃除がしやすく機密性・断熱性が高いことが特徴です。段差が少ないバリアフリー設計の製品や高機能の製品も多く出ています。
ただし、工期は1~2週間と長めで、工事が終わるまで自宅のお風呂を使えないのがネックです。費用は製品代と取付工事費の合計で約80万円~となり、その内訳の目安は以下の通りです。
風呂釜の交換やリフォームについて気になる方は、こちらの記事も参照してください。
風呂釜の修理にかかる費用や対応は、業者によって異なります。業者の中には相場よりも高い費用を請求してきたり、修理に必要な資格や経験が不足していて適切な対応ができなかったりするケースもあります。
そのため、複数の業者から見積もりを取って比較したうえでの選択がおすすめです。
見積書で作業内容と費用が明白に提示されているかどうかをチェックしてください。また、「風呂釜を自分で修理・交換するのは危険!」で紹介した資格を持つスタッフに対応してもらえるかどうかも、しっかりと確認しましょう。
風呂釜の修理や交換にかかる費用は、浴室や住居などの環境によっても異なります。修理と交換のどちらがよいかもケースバイケースです。
とはいえ、新品への交換やリフォームをするほうが長期的にはトータルでコストを抑えられるかもしれません。費用や欲しい機能について相談に乗ってくれる業者もあるので、修理だけでなく、交換やリフォームも検討してみてはいかがでしょうか。安心で快適なバスタイムを過ごすために、プロのアドバイスを役立ててください。
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