浴槽に発生する黒ずみの主な原因は、水垢・皮脂汚れ・カビの3つです。一口に黒ずみといっても原因によって掃除方法が異なるので、それぞれに適した掃除方法について解説します。しつこい黒ずみを適切な掃除方法で効率よくきれいにしましょう。
浴槽の黒ずみは、長時間放置されてこびりついた水垢が原因の場合があります。水垢の原因は水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分で、浴槽に残った水分が蒸発してミネラル成分だけが残ると水垢になります。
浴槽に残った水垢に、さらにミネラル成分や皮脂などの汚れが付着し、白っぽい水垢が徐々に黒ずみに変化していくのです。
水垢が原因の黒ずみには、クエン酸やクレンザーを使った掃除方法がおすすめです。クエン酸(酸性)には水垢(アルカリ性)を分解する性質があり、この性質を利用することでこびりついた黒ずみをきれいに落とせます。
その際は、クエン酸スプレーが便利です。クエン酸スプレーは、200mlの水に小さじ1杯分のクエン酸を入れて混ぜるだけで作れます。
キッチンペーパーを黒ずみのある場所に当て、クエン酸スプレーを吹きかけキッチンペーパーを貼り付けて2時間ほど放置し、クレンザーを使ってスポンジの柔らかい面で優しくこすります。
クエン酸やクレンザーを使用する場合は浴槽に使用しても問題がないか、バスタブの素材などを調べてから使ってしてください。賃貸の場合は、特に注意が必要です。
クエン酸スプレーを作るのが面倒な方は、サンポールでも代用できます。
浴槽に浸かった際に身体から流れ出た皮脂や垢も、黒ずみの原因の一つです。皮脂や垢が浴槽に付着したまま放置されると雑菌が繁殖し、黒ずみが発生します。
皮脂は酸性なので、アルカリ性の洗剤や炭酸水素ナトリウム、重曹が効果的です。今回は、重曹を使った黒ずみの掃除方法を紹介します。
また、重曹と水を3:1の割合で混ぜた「重曹ペースト」を黒ずみに塗り付けたり、重曹を直接汚れに振りかけたりして使うこともできます。
重曹ペーストを使う際は、研磨効果によって浴槽を傷つけるおそれがあるので、強くこすらないようにしましょう。強くこすると素材によってはコートがはがれたり、ホーローの浴槽の場合は傷からサビが発生したりすることもあります。
また、バスタブの素材によっては変色するおそれもあるので、使用する際は十分注意してください。
浴槽に発生する黒ズミは、水垢や皮脂汚れなどではなく黒カビの可能性もあります。お風呂のように湿度が高く、皮脂や石鹸カスなどの栄養が豊富な場所は、カビにとって繁殖しやすい環境といえます。
このように一定の条件が揃うと黒カビはあっという間に繁殖し、一度繁殖するとなかなか落ちないため、早めの処置が必要です。
黒カビが原因の黒ずみ掃除には、「カビキラー」や「強力カビハイター」などの塩素系漂白剤が効果的です。実際の掃除方法について見ていきましょう。
特に浴槽は塩素系漂白剤が流れやすいため、キッチンペーパーやラップを使ってパックするとよいでしょう。
塩素系漂白剤は、カビの根である「菌糸」まで浸透して除菌するという強力な洗浄力があるがゆえに刺激が強いため、使用する際はゴム手袋やゴーグルを使って皮膚や目に洗剤が付着しないようにしましょう。
またマスクを付けて、換気しながら掃除することも忘れてはいけません。
ここまで原因別の掃除方法を紹介しましたが、ここからは黒ずみの予防方法について解説します。入浴後の浴槽を清潔に保てば黒ずみの発生を予防できるため、掃除の手間を減らせるでしょう。
黒カビが原因の黒ずみを予防するには、お風呂場を常に換気することが大切です。黒カビはお風呂場のように湿気が多い場所で発生しやすいため、換気をしないとあっという間に繁殖してしまいます。
黒カビが広がって手がつけられなくならないように、入浴後や掃除後に窓を開けたり、換気扇を回したりして空気を循環させる必要があります。
常に換気することを心がければ、お風呂場のようにカビが発生しやすい場所でもカビを予防でき、掃除が楽になるはずです。
入浴後の浴槽の水切りや掃除を行うことも、黒ずみの防止につながります。浴槽のお湯を翌日まで張ったままにしている方は多いでしょう。お湯や水滴をそのままにすると水垢が発生するだけでなく、温度が下がりにくいためカビも発生しやすくなります。
黒ずみを防ぐためには、浴槽の水切りや掃除の習慣化が効果的です。水切りワイパーを使えば簡単に浴槽の水切りができるので、持っていない方は購入するとよいでしょう。
水切りワイパーがない場合は、入浴後の浴槽に熱いシャワーをかけてから、拭き取り用のクロスで水気を拭き取るだけでも効果があります。カビは熱に弱いので、カビの予防にもなります。
水垢が発生した場合は、クエン酸スプレーを吹きかけて5~10分放置した後で洗い流し、水分を拭き取ればきれいに水垢を落とせます。入浴後にすぐに掃除ができるように、掃除用品は風呂場にまとめておくとよいでしょう。
浴槽をきれいに保っていても、その他の原因で黒ずみやカビが発生することもあります。シャンプーやリンスのボトルを洗面台の周りや浴槽のふちに置いている場合は、注意が必要です。その場所は水気が多く、風通しも悪いため、液体ぬめりやカビが発生しやすいからです。
カビやぬめりを発生させないためにも、ラックやフッククリップを使って小物を床から浮かせて収納することをおすすめします。また、シャンプーやリンスの詰め替え容器をそのまま吊るして使えるアイテムも便利です。
掃除用品の一つとして紹介した重曹は、実は入浴剤としても使えることをご存じでしょうか。
重曹は天然成分なので人体に影響はなく、浴槽に皮脂汚れが付着するのを防ぐので入浴後の掃除の手間を減らせます。重曹を入浴剤として使った後は、浴槽を軽く流すだけで大まかな汚れは落ちます。
重曹は入浴剤としても優秀で、乾燥肌の改善や疲労回復、体臭予防などの効能があります。重曹を入浴剤として使う場合は、200Lのお湯に対して40gの重曹を入れましょう。重曹をたくさん入れたからといって効果が高くなるわけではないので、分量を守って入れてください。
ただし、重曹入りのお風呂に毎日入ると肌が荒れることがあるので、週に1~2回を目安にしてください。アロマオイルを使って、お好みの香りにするのもおすすめです。
黒ずみが浴槽に発生すると見た目が悪くなるだけでなく、人体に悪影響を及ぼすおそれもあります。ここでは、黒ずみが人体に及ぼす恐ろしい影響を紹介します。
浴槽に黒ずみがあると、それが原因で水虫になることがあります。水虫は、カビの一種である白癬菌が皮膚の上で増殖して起こる感染症です。
湿度や温度が高く、栄養となる皮脂などの汚れがあるお風呂場は、カビの一種である白癬菌にとっても増殖しやすい環境といえます。
水虫の主な症状は、足裏の痒みや水泡などです。水虫は一度感染すると、感染した人が使ったマットや触れた箇所から他の人に感染することがあります。
家族の誰かが水虫に感染した場合は、他の家族も感染した人と同様に治療を受けなければ感染を防ぐことはできないでしょう。
浴槽に発生したカビは、アレルギーを引き起こすこともあります。カビはアレルギーの原因であるアレルゲンとなってアレルギー反応を引き起こした場合は、鼻の詰まりや鼻水、喉の痛みといった症状が現れます。
アレルギー反応だけではなく、さらに重い症状が出る「真菌感染症」に感染するおそれもあります。
空気中のカビを体内に取り込み、カビ毒(マイコトキシン)と呼ばれる毒素が体内で細胞の機能不全を引き起こすことで、血管や消化器系、呼吸器系などに悪影響を与えます。
真菌感染症にかかった場合はデトックスによる治療で対処できますが、大切なのはカビが発生しないような環境を保つことです。
今回は、浴槽の黒ずみやカビの原因や掃除方法について解説しました。黒ずみやカビは、換気や入浴後の掃除を習慣化することで予防できます。黒ずみやカビが発生した場合は、汚れや原因に応じて適切な掃除を行えば、こびりついた汚れもきれいに落とせるでしょう。
ここで紹介した方法でも落とせない黒ずみやカビが発生した場合は、専門の業者に依頼しましょう。イースマイルでは24時間365日いつでも電話を受け付けており、出張や見積もり無料なのでお気軽にご相談ください。
また、下記の記事ではお風呂の黒カビの清掃方法について解説していますので是非こちらも参考にしてみてください。
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