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露出配管とは?メリットやデメリット、おしゃれに見せる工夫を紹介:イメージ
排水管 更新日:2024年9月19日

露出配管とは?メリットやデメリット、おしゃれに見せる工夫を紹介

壁の中に隠さずに表面に配管を設置する露出配管。インダストリアルデザインやヴィンテージ風のインテリアが人気となる中、あえて配管を見せることで空間に個性的なアクセントを加える手法として注目されています。

そんな機能性だけでなく、デザイン性を兼ね備えた露出配管には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。また、無機質になりがちな露出配管をおしゃれに見せる工夫についても一緒に解説します。配管のインテリアに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
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露出配管とは?

露出配管とは、どのようなスタイルの配管のことを言うでしょうか。ここでは、露出配管の定義について解説します。

むき出しになった配管

露出配管とは、本来なら壁の中や床下、天井などに収めて隠しておくべき給排水用配管や電気配管が剥き出しになっている状態のことです。通常、新築住宅では建築の段階で配管を壁の内部や床下に埋め込んでしまうため、意図して取り入れない限り露出配管が見られることはあまりありません。

しかし、リフォームやリノベーションの場合、既存の構造上、配管を隠すことが難しい場合が多く、後から追加された設備や修繕された部分については露出配管になることもあります。

最近ではデザインとしても注目されている

近年では、あえて配管を露出させることで、無機質で剥き出しの配管が持つデザイン性が改めて注目されています。一般の住宅ではまだあまり見かけることが少ないものの、カフェや居酒屋、さらにはデザイン性を重視したショップやオフィススペースなどでは、露出配管を積極的に取り入れられています

露出配管が演出するのは、インダストリアルな雰囲気を際立たせたスタイリッシュモダン。剥き出しの配管が単なる機能的な要素にとどまらず、デザインの一部として重要な役割を果たし、独特の雰囲気を作り上げられます。

露出配管のメリット

露出配管はデザイン性だけに注目されがちですが、意外とメリットがあります。ここからは、露出配管のメリットについて解説していきましょう。

露出配管のメリット
  • 工事にかかるコストの削減
  • 以降のメンテナンスがしやすい
  • スペースを有効に活用できる

工事にかかるコストの削減

露出配管にすることで、工事費用を削減できるメリットがあります。配管を壁の中に隠す埋設配管の場合、壁を一度壊してから配管を設置し、再度壁を補修する作業が必要です。配管を壁の中に埋め込むことで施工にかかる時間と手間が増えるため、その分コストが上がります。しかし、露出配管にしておけば配管を直接表面に設置するため、壁を壊す必要がなく施工工程がシンプルで済みます

たとえば、リフォームで設備の工事費用が20万円〜30万円ほどなのに対し、露出配管にしておけば15万円~20万円ほどで済むことが多いです。このように露出配管での施工は壁の補修や塗装にかかる費用を大幅にコストを削減できます。露出配管にしておくだけで工事費用が5万円~10万円ほど抑えられるため、できるだけコストを抑えたい人にとって選択肢の1つです。

以降のメンテナンスがしやすい

露出配管にすることで、修理・交換といったメンテナンスが格段にしやすくなるというメリットもあります。埋設配管の場合、配管が壁の中に隠れているため、漏水や故障が疑われたらまず壁を壊して原因を特定し、修理した上で再び壁を修復していく必要があります。壁の取り外しと修復に余分な時間と手間がかかり、結果的にメンテナンス費用が高くなるケースも多いです。

一方、露出配管なら配管が外からでも直接確認できるため、何かトラブルが発生した場合でも素早く問題箇所を見つけられます。加えて、修理や交換も配管に簡単にアクセスもできるため、壁を壊す手間が省いてスムーズに作業を行えます。露出配管はメンテナンスのしやすさという実用的なメリットは大きいです。

スペースを有効に活用できる

露出配管の大きなメリットのひとつは、配管を隠すためのスペースの確保が必要がないため、限られた空間を最大限に有効活用できる点です。通常の埋設配管の場合は、配管を壁の中・天井裏・床下などに隠すため一定のスペースを設ける必要があります。結果として部屋の中で居住空間として使える面積や体積が減ってしまうことにつながります。特にあまりスペースが取れない部屋や天井が低い場所では、埋設配管で使える空間が狭まってしまい、圧迫感を感じることもあります。

一方、露出配管では、配管を隠すための追加スペースが必要ないため、壁や天井の厚みを削減して空間を広々と使うこと可能。限られたスペースを無駄なく活用でき、室内をより開放的な広い空間に見せることができます。また、露出配管が空間デザインする一部分となってインテリアのアクセントにもなり、狭い空間でもスタイリッシュに演出できるというメリットもあります。

露出配管のデメリット

露出配管はおしゃれさと機能性を両立できますが、メリットばかりではありません。ここからは、露出配管のデメリットについて解説します。

露出配管のデメリット
  • 劣化や破損のリスクがある
  • 場所によっては景観を損なう
  • スケルトンの場合は冷暖房効率の悪化

劣化や破損のリスクがある

露出配管には、見た目のデザイン性やメンテナンスのしやすさなどのメリットがありますが、配管が常に外気や湿気、衝撃にさらされているため、劣化が早まりやすいというデメリットもあります。特に外に設置されている配管の場合、紫外線や雨風の影響をモロに受けやすく、金属配管なら錆びてしまうことも多いです。また、配管が見える場所に剥き出しになっているため、物理的な衝撃を受けて破損する可能性もあります。

劣化や破損のリスクを防ぐために、露出している配管に被覆カバーを取り付けるのが効果的です。被覆カバーは、配管を紫外線・湿気・衝撃などから保護する役割を果たし、劣化を軽減する効果があります。特に屋外の配管など温度変化が激しい場所で耐候性や断熱性に優れた被覆材を使用すれば、配管の寿命を大幅に延ばすことができるため露出配管への工夫は欠かせません。

場所によっては景観を損なう

露出配管はインダストリアルを演出できるためスタイリッシュな空間のおしゃれさはありますが、場所や求めるテイストによっては悪目立ちすることも。たとえば、住宅のリビングや寝室などには落ち着きや温かみが求められる傾向にありますが、露出配管だと無機質さが目立ち、温かく居心地のいい空間とは離れてしまいます。また、配管のレイアウトもしっかりと考えておかないと、部屋全体が配管で散らかった印象になりやすいため注意が必要です。

さらに、露出配管は見た目のデザイン性を保つためにメンテナンスにも気を遣う必要があります。ホコリがたまったり、配管がくすんでくると、せっかくのスタイリッシュなデザインも美しくありません。定期的に配管の掃除や再塗装を行えば清潔感とデザインの美しさを維持できますが、埋設配管よりやはりメンテナンスは多く必要になる傾向があります。

スケルトンの場合は冷暖房効率の悪化

露出配管の代表例として挙げられるのが、壁や内装部分を極力取り除いたスケルトン構造です。スケルトン構造では、配管や配線をあえて隠さずに露出させることでシンプルな内装デザインの中にアクセントが加わり、洗練されたモダンな空間が演出できます。壁や天井も最小限に抑えられているため、限られたスペースをより広く効率的に使えます。特に都市部の狭小住宅や、自由度の高いデザインを追求したい場合には、スケルトン構造は大きな選択肢のひとつです。

しかし一方で、スケルトン構造では壁や天井が極力少なくなるので、断熱効果が低くなるというデメリットもあります。よくある普通の住宅では、壁や天井が外気の温度変化を防ぐ役割を果たしますが、その壁や天井が極力ないため断熱が十分に機能せず、夏場は熱がこもりやすく、冬場は寒さが室内に伝わりやすいという状態です。そのため、室内を一定温度に保つのが難しく、冷暖房の効率が悪いのが課題です。

スケルトン構造では見た目のスタイリッシュさだけでなく、住み心地を重視した間取りや設備への工夫はやはり不可欠です。たとえば、断熱性の高い窓を導入したり、断熱材を適切に配置することで、外気の影響を軽減する必要があります。スケルトン構造では、住む人のライフスタイルを考えた柔軟な対応が大切です。

あえて露出配管にする取り組み

露出配管は見た目のスタイリッシュさもありながら、工事費用やメンテナンス費用を抑えられるため、あえて露出配管にしておくのも選択肢のひとつです。ここからは、露出配管の活用について紹介します。

配管をデザインの一部として活用

露出配管のデザイン性をうまく活用した例として、やはりインダストリアルスタイルのカフェやバーが挙げられます。たとえば、天井や壁に大きめの配管を配置することで、無機質さがありながらも洗練された雰囲気を演出し、都会的でスタイリッシュな空間になるでしょう。また、ヴィンテージ風のインテリアと組み合わせれば、配管の無機質な質感と温かみのある家具が調和した個性的でおしゃれな部屋にもなります。

露出配管をよりおしゃれに見せるためには、以下のポイントを参考にしてみてください。

全体的なカラーを統一させる

配管の色と部屋のインテリアのカラーを合わせると、空間全体に統一感が生まれます。たとえば、配管の色を部屋のインテリアや家具のカラーに合わせれば、露出配管の無機質な印象は和らぎます。シックなモノトーンの部屋なら、黒やグレーの家具でそのままでも配管が映える一方、ナチュラルな木目調の家具が多い部屋では、柔らかなベージュやホワイトの配管を取り入れれば雰囲気を壊さず温かみのある空間が作りが可能です。

素材の風合いを活かす

鉄や銅など、配管の素材をそのまま活かしたデザインは、無機質ながらも味わい深い風合いを楽しめます。特に、長く使った経年変化で生まれた錆やくすみは、それこそがインダストリアルデザインにおいて大きな魅力のひとつ。新品のピカピカの状態では味わえない、使い込まれた素材の持つ深みや渋さが空間に個性を加え、ヴィンテージ感を演出してくれます。

しかし、露出配管の異素材感が気になるなら、配管と同じ素材や色調が使われている家具やインテリアをどこかに取り入れるのがおすすめ。異素材間同士がマッチして空間にまとまりが出ます。

照明と組み合わせる

天井にある配管と照明を意識してインテリアを考えると、コントラストが生まれ、より一層立体的なデザイン性が楽しめます。たとえば、配管に沿って照明を取り付けたり、配管をフレームに見立てて照明を吊したり、配管自体は単なる実用的な設備ではありませんが上手く活用することでインテリアの一部として空間を際立たせられます。特に裸電球やエジソンランプは、配管ととても相性が良く、おしゃれな雰囲気が高まるのでおすすめです

緑を取り入れる

取り入れるのには少し手間が掛かりますが、配管に植物を絡ませたり吊るしたりすると、無機質な配管にナチュラル要素が加わり、少し柔らかくリラックスした印象になります。具体的には、アイビーやポトスのようなツル性の植物を配管に沿って巻き付けると配管が植物の一部となって目立ちにくくなります。

また、吊すタイプの植物を天井から掛けておけば空間全体に動きが出て、視覚的にも楽しいインテリアが可能です。室内に植物があれば無機質感が和らぐので積極的に取り入れるのがおすすめですが、植物を育てる自信がなければ造花でも十分に効果があります。少し工夫するだけで、露出配管は単なる無機質な機能的設備から、空間のデザイン性を引き立てるおしゃれなアクセントに変えることも十分に可能です

公共事業で採用されるケースもある

露出配管はデザイン性だけでなく、実用的な理由からも公共事業などで採用されるケースもあります。露出配管の整備は、コストを抑えながらより早く下水道工事を行う方法として地方自治体にも注目されています。通常の地中に管を埋める工事に比べ雨風・紫外線・凍結のリスクはありますが、露出配管は水路や側溝に配管を配置できて工事が簡単で安価です。

加えて、配管が露出していることでトラブルにも早期対応できるため、メリットがリスクよりも大きいと積極的に注目されています。特に劣化や破損のリスクを考慮し、あえて配管を見せるスタイルにしておくことで、問題が発生した際にすぐに気づけるという利点は大きいと言えます。

メリットとデメリットを理解して選択しましょう

露出配管は、工事費用を抑えられる・メンテナンスがしやすい・デザイン性も高いといったメリットがある一方で、埋没配管よりも劣化や破損しやすく、場所や見た目によっては逆効果になりうるデザインの場合もあります。

メリットとデメリットを踏まえた上で、自分の住まいや空間に合った配管スタイルを選ぶことが大切です。見た目・機能性・コスト面など、自分のライフスタイルや優先したいことを考えつつ、快適かつおしゃれな空間づくりに取り入れてみてください。

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