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重曹とクエン酸でカビ取り!しつこいカビを簡単に落とす方法をプロが紹介:イメージ
掃除 更新日:2024年9月30日

重曹とクエン酸でカビ取り!しつこいカビを簡単に落とす方法をプロが紹介

夏場や梅雨の時期など湿気の多い季節は、しつこいカビに悩まされている家庭も多いのではないでしょうか。本記事では、カビの種類と発生原因、効果的なカビ取りの掃除方法、カビの繁殖を予防する方法について解説します。
目次
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カビの種類と発生する原因

カビにはさまざまな種類がありますが、住居で繁殖する代表的なカビは赤カビと黒カビの2種類です。それぞれ発生する原因や特徴が異なり、それらを把握したうえで適切な対策を施す必要があります。

赤カビの正体と原因

浴室の床や排水口などに発生するピンクのぬめりが特徴の赤カビですが、厳密にはカビではなくロドトルラという酵母菌の一種です。ロドトルラは空気中に常に存在している菌で、20℃〜30℃の高温多湿な場所で、皮脂や石鹸カスなどを栄養源にして繁殖します。空気中に浮遊しているため発生源を絶つのが難しく、繁殖スピードも2〜3日と早いのが特徴です

黒カビと異なり根を張っていないので、掃除すればすぐに落ちますが、洗剤への耐性があり、菌が残っているまたすぐ繁殖するので注意が必要です。人体への被害はほとんどありませんが、黒カビの原因になるため除去する必要があります。

黒カビの正体と原因

黒カビはその名の通り黒い色合いを持ったカビで、クラドスポリウムと呼ばれる菌によって引き起こされます。菌糸と胞子でできており、空気中に飛散して壁や水まわりに付着して増殖します。赤カビと同じく水気のある高温多湿な場所で発生しますが、浴室や洗面所といった水まわりだけでなく、エアコンのフィルターなどにも発生するのが特徴です。

主に赤カビや石鹸カス、皮脂などを養分にして繁殖し、床や壁などに根を張ると表面の掃除や拭き取りでの除去は困難になります。また、赤カビと異なり、胞子を吸い込むとアレルギーや喘息などの健康被害につながるおそれがあるため、早急な掃除・除去と繁殖を抑える対策が必要です。

カビが繁殖しやすい環境

カビはいかなる環境でも空気中に浮遊しているといわれており、通常は目に見えないほど小さい微生物です。しかし、条件が揃うとたちまち増殖して赤カビや黒カビとして目に見える状態になります。カビが繁殖しやすい条件は主に以下の3点です。

カビが繁殖する条件
  • 温度:20℃〜30℃前後
  • 湿度:60%以上
  • 皮脂やホコリなど栄養分が豊富

特に目立って発生しやすいのは、浴室、キッチン、トイレ、洗面所、洗濯機などの水まわりです。ほかにも上記の繁殖条件が整いやすい北向きの部屋、日当たりや風通しが悪い場所、部屋の隅、凹凸がある壁、結露が多い場所でも発生しやすい傾向にあります。押し入れ、戸棚、クローゼットなど空気がこもりやすい場所での発生も少なくありません。家具の裏側、エアコンや加湿器の内部など掃除が行き届きにくい場所も、カビが繁殖しやすいため注意が必要です。

カビが繁殖した環境に長時間いると、多量の胞子を吸い込んでアレルギーや喘息、肺炎などの健康被害をもたらす可能性があります。また、住宅の建材劣化やシロアリの発生にもつながるため、発生が確認されたら放置せず早期に対処しなければなりません。

なぜカビには重曹とクエン酸が有効なの?

前述したように、赤カビであれば拭き掃除ですぐに落ちる場合が多いですが、黒カビが根を張ってしまうと簡単には除去できなくなってしまいます。そんなときに有効なのが重曹とクエン酸を使った掃除方法です。ここでは、重曹とクエン酸がカビ取りになぜ効果があるのかについて解説します。

化学反応でカビを浮かせることができる

クエン酸とはレモンなどの柑橘類に含まれる酸味成分です。クエン酸は酸性のため、アルカリ性の性質をもつ水アカや尿石などの掃除に効果を発揮します。また、揮発性がなく酸の成分がそのまま残るため、雑菌などの繁殖を抑える場合にも有効です。一方、重曹は弱アルカリ性で酸を中和する働きがあります。人体に無害で手肌にも刺激が少ないため、掃除に適しています。

いずれも単体ではそれほど強い効果はありません。しかし、酸性のクエン酸とアルカリ性の重曹を混ぜると化学反応が起こり、二酸化炭素の泡が勢いよく発生します。この発泡作用を利用してカビ汚れを浮かせることができ、赤カビや軽い黒カビであれば洗い流すことが可能です。ただし、あくまで雑菌の繁殖を抑える抗菌作用にとどまり、雑菌そのものを死滅させる殺菌効果はありません。

静菌効果で繁殖を抑えられる

重曹には菌の活性化を抑える静菌効果があり、カビの繁殖を抑えられます。ただし、静菌効果は殺菌効果や除菌効果とイコールではないため、菌の繁殖は抑えられるものの菌の数を減らすことはできません。

静菌効果がある重曹にクエン酸を組み合わせることで、赤カビや軽い黒カビであれば汚れを浮かせて落とせるようになりますが、根を張った頑固な黒カビには効果が期待できないため注意が必要です。重曹もクエン酸もあくまで初期のカビ取りや繁殖を抑える予防策として認識しておくようにしましょう。

効果的なカビ取りの掃除方法

カビを除去する掃除方法はいくつかあります。ここでは特に効果的な3つの方法をみていきましょう。

クエン酸と重曹水を使った方法

自然成分由来のクエン酸と重曹を使った方法は、刺激が強い洗剤を使いたくない場合におすすめです。用意するものと手順は以下のとおりです。

用意するもの
  • 重曹
  • クエン酸
  • スプレーボトル
  • 歯ブラシ
  • 乾いた雑巾
掃除手順
  1. お湯200ccにクエン酸小さじ1を溶かす
  2. 溶かした液体をスプレーボトルに詰める
  3. カビが生えている箇所にスプレーボトルの液体をかける
  4. 重曹を歯ブラシにつけてこする
  5. 水で洗い流して乾拭きする

クエン酸スプレーはトイレの尿石や水まわりの水垢などアルカリ性の汚れが付着する場所であればさまざまな場所で有効なので作っておくとよいでしょう。作成から2週間ほどで使い切れる量を作り、時間が経ったものは捨て、新たに作り直してください。頑固な汚れの場合にはキッチンペーパーやラップで1時間ほどパックをして浸透させてから磨くと効果的です。

重曹は人体への害は少ないですが、濃度が高いと手荒れの原因になるので、掃除する際は手袋を着用しておいたほうがよいでしょう。また研磨作用が強いので、テフロン加工がしてあるものをゴシゴシこするとテフロンがはがれて錆びの原因になるので注意が必要です。木製の製品などに使うと変色するおそれがありため事前に使用できるかは確認しておきましょう。

クエン酸は、大理石やセメントに使うと色がくすんでしまうのと、鉄も錆びの原因になるので使用は避けましょう。

重曹ペーストを使った方法

重曹をペースト状にしてカビに塗布する方法も効果的です。ペースト状にすることによって液だれしにくくなり、天井や壁でも掃除しやすくなります。ゴムパッキンや細かい溝など、粉末やスプレーでは汚れにうまく浸透させるのが難しい場所にも便利です。基本的に家にあるもので作れるため、特別な道具や材料を買う必要もありません。用意するもの、手順は以下のとおりです。

用意するもの
  • 重曹
  • 小さな器
  • かき混ぜる棒
  • 雑巾
掃除手順
  1. 重曹と水を3:1の割合で混ぜる
  2. 液だれしない程度の硬さになるまで混ぜて調整する
  3. 重曹ペーストを雑巾につけてカビの発生箇所に塗布する
  4. 汚れを落ちやすくするために20分〜30分放置
  5. 雑巾で磨いて汚れを落とし、水で洗い流す

分量は使用場所に合わせて変えてください。混ぜ合わせる容器は、混ぜてもこぼれないように深めのものを用意するとよいでしょう。水分を入れすぎるとペースト状ではなくなってしまうため、水の分量は一定にしておく必要があります。重曹は粒子が細かく研磨効果もありますが、強くこすりすぎると傷がつく場合もあるため注意して作業しましょう。特にゴムパッキンなどの柔らかい素材の掃除では避けるのが無難です

つけ置きをして掃除する方法

浴室の場合、重曹でつけ置きして掃除する方法は手間がかからずおすすめです。重曹は弱アルカリ性で人体へ害はないため、浴槽に入れても問題ありません。用意するもの、手順は以下のとおりです。

用意するもの
  • 重曹
  • スポンジ
掃除手順
  1. 浴槽の残り湯にカップ1杯程度の重曹を入れる
  2. かき混ぜて重曹を溶かし、一晩つけ置きする
  3. 翌日水を抜いてシャワーで軽く洗い流す
  4. 汚れが残っていればスポンジなどでこすり洗いする

入浴後、お湯が冷めないうちに重曹を混ぜると汚れが落ちやすくなります。つけ置きする際は、洗面器、浴室用の椅子、子どものおもちゃなどの小物類も一緒に入れるとまとめて掃除できて便利です。浴槽のふたやシャワーヘッド、シャワーカーテンなども一緒に入れて構いません。

シャワーヘッドはクエン酸のつけ置きもおすすめです。シャワーヘッドにたまる汚れの原因は主にカルシウムでアルカリ性のため、酸性のクエン酸で落とすことができます。洗面器などにお湯をためて、クエン酸大さじ1程度を溶かし、つけておきましょう。また、クエン酸はお酢で代用することもできます。お酢の場合、1.2リットルのお湯に対して200ccのお酢という配分が目安です。いずれの場合も、1時間ほどつけ置きしたら、古い歯ブラシなどで磨くときれいに汚れが落ちます。

カビを予防するためにできること

カビの予防で重要なのは、前述したカビが繁殖する条件を作らないことです。具体的にどのような予防法があるのか、代表的なものを紹介します。

使用後にお湯をかける

カビ菌は50℃以上のお湯をかけると死滅します。そのため、浴室やキッチンのシンクなどのカビ予防にはお湯をかける方法が効果的です。胞子が成長してカビになるまでには1週間から10日ほどかかるため、週に1回程度のサイクルでカビの発生しやすい箇所にお湯をかけるようにすれば繁殖を抑えられます。

カビの繁殖しやすい温度は20℃〜30℃ですが、40℃程度であれば生育できます。水やぬるま湯は逆にカビの栄養源となってしまうため、50℃ほどのお湯を使用するようにしましょう。また、お湯は5秒以上かけなれば効果がないので注意が必要です。お湯をかけたあとも、冷めてしまうと同様にカビの栄養源となるため、水気を拭き取るようにしてください。

お湯をかける方法は、あくまで除菌効果であって滅菌はできません。定期的に行ってカビの生育環境を作らないことが重要です。また使用するお湯の温度は50℃~60℃が目安です。これはお風呂や排水管の材質の耐熱温度です。温度が高すぎると破損してしまうことがあるので温度を守って試してください

普段から水気を切る意識を

水まわりに関しては、使用後に水気を切るのが基本です。入浴後に床や壁の水気を拭き取り、換気をすれば湿度を低く保てます。拭き取りが大変という場合は、窓の拭き掃除などに使用するハンドスクイジーを使うのが便利です。お風呂場や洗面所の鏡や壁などに使うと楽に掃除できます。細かい箇所や凹凸のある箇所は乾いた雑巾などを使い、平らな箇所はスクイジーを使用するというように使い分けるとよいでしょう。

湿気がこもらないよう換気をする

カビは湿度60%以上の環境で繁殖しやすくなります。天気が良い日は積極的に窓を開けて換気を行いましょう。換気扇を回すのも効果的です。キッチンでは調理時に換気扇を回すことが多いですが、洗い物をする際も水を使うため換気扇を回しておくのがよいでしょう。

入浴後の浴室は特に温度と湿度が上がりやすいため換気が欠かせませんが、窓を開けて換気をする場合、外の湿度が60%以上だと逆効果になってしまいます。また、浴室の換気扇は家の中全体の湿度にも影響があるため、基本的に年中つけておくことをおすすめします。

押し入れやクローゼットも閉めたままだと湿気がたまってきます。定期的に開けて換気するようにしましょう。

こまめに掃除をする

皮脂や石鹸カス、ホコリが少しでも残っていると栄養源となってカビが繁殖してしまいます。可能な限り毎日掃除するように心がけ、カビが繁殖しにくい環境を保つことが大切です。該当箇所が多い場合は掃除が大変なため、家族で分担して掃除を行いましょう。

カビは浮遊して周囲に付着するため、床だけでなく壁、天井も含めて掃除が必要です。天井は手が届きにくい箇所ということもあり、カビが発生しやすくなります。掃除をする際は、水をかけるのが難しいため、湿らせたスポンジや柄のついたモップでこするとよいでしょう。

掃除後は除菌を行う

根を張らない赤カビの発生は除菌スプレーで予防するのが効果的です。除菌スプレーは市販のものを購入してもよいですが、重曹を使って自作もできます。作り方は、500mlのお湯に重曹を大さじ3入れて溶かすだけです。

次亜塩素酸水も除菌スプレーと同様の効果があり、カビの繁殖を抑えることが可能です。また、臭いの元となる有機物質を分解・酸化する作用があるため、消臭効果も期待できます。人体への影響は少ないですが、濃度によっては腐食性があるため、金属製品への使用は避けてください。これらの成分はほかの洗剤と混ぜると有害物質が発生するので混ぜないように注意して使用してください。

カビ取りは工夫をして賢く行いましょう

カビは赤カビや軽い黒カビの段階であれば、重曹とクエン酸を活用することで除去できます。しかし、黒カビが根を張ってしまうと除去するのが難しくなってしまうため、カビの繁殖を予防することが重要です。

カビの予防法はさまざまで、対策する場所によって効果的な方法は異なりますが、こまめに掃除する、定期的に換気を行うといった対策はどのような場所においても共通してできる対策方法です。特に黒カビはアレルギーや喘息といった健康被害につながるおそれもあるため、しっかり対策して繁殖を食い止めましょう。

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