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キッチンのお役立ちコラム
排水トラップという場所は、キッチンの排水部分にある水を溜めておく場所です。排水トラップには種類が複数あり、その役割は排水口からの悪臭を防いだり下水からの虫の侵入を予防することが挙げられます。
排水トラップは水で排水管を一部分塞ぐことで、下水の臭いが排水口に上がってくることを防いでいます。臭いや害虫がシンクに上がってこないようにする機能と、溜まった水のことを封水といいます。封水が溜まっているのは、排水管の途中にある曲がりくねった場所です。
下水の臭いは封水で水の栓をつくってブロックしているため、もし封水が切れるとキッチンの排水口からは悪臭が漂います。アンモニア臭や便臭は壁などに沁みつきやすいため、封水切れを起こさないように注意する必要があります。長時間シンクに水を流さなかったりすることが、封水切れの主な原因です。封水が溜まっているのに排水口から悪臭がする場合は、排水トラップ自体が汚れている可能性があります。
排水トラップは、下水臭だけでなく害虫を防ぐ役割も果たしています。排水トラップ内から水がなくなると排水口と下水管が繋がるので、虫が配管をのぼってキッチンまで上がってきます。害虫とはハエやゴキブリなどです。ゴキブリの中には、封水が少ないと泳いで排水口までのぼってくる種類もいます。
排水口からの害虫を防ぐため、定期的にシンクに水を流し封水が減らないよう注意しましょう。家の中にコバエなどが増えてきたら、排水トラップをチェックしてみてください。トラップと排水口の接続部分が少しでもズレていると、そこから小さな虫が侵入してきます。
キッチンの排水トラップには、管タイプのS字トラップとP字トラップがあります。床と繋がった排水管がS字に曲がっているS字トラップは封水が溜まりやすく、多くのキッチンで使用されています。封水が溜まりやすい反面、S字部分に汚れも蓄積しやすくつまりが発生しやすい構造です。
P字トラップは、P字に曲がった排水管が壁に繋がって排水している構造です。管トラップは、大量の水を流すと水圧で封水まで流れてしまう時があります。P字トラップはその現象がおこりにくい構造のため封水が維持されやすいという利点があります。
同じ管トラップでU字トラップという種類もありますが、キッチンではなく屋外の水道で主に使用されています。ボトルトラップという、一部のメーカーのみで採用されている排水トラップも存在します。
もう一つ紹介する排水トラップが、おわん型トラップとも呼ばれているワントラップです。排水口におわん風の形状をしたワントラップが被せられており、外すと排水口に溜まった封水が見えます。
排水管に繋がる筒状の穴が排水口の中央にあり、穴の周りに水が溜まる仕組みです。水位が上がると余分な水は穴から排出されます。排水口にトラップがあり、シンプルな構造で掃除がしやすいのがワントラップの利点です。一方排水トラップの容量が少なく、封水切れが起こりやすい面もあります。
排水トラップを掃除する方法として、おすすめの方法をいくつか解説します。パイプクリーナーや重曹での一般的な掃除方法から、トーラーや高圧洗浄機といった掃除専用の道具を使った方法まで紹介します。
クエン酸は溶けにくいためお湯で溶かしてください。この掃除は重曹とクエン酸の化学作用を利用した方法です。2つが混ぜ合わさると泡が発生し、排水トラップ内にこびりついた汚れを浮かせます。
ワントラップ型の場合は最初のお湯の工程は省略しても大丈夫です。排水トラップだけでなく排水管の掃除もしたい場合は、お湯が効果的なので流してください。
お湯を流す際の注意点は、60℃以上のお湯は流さないことです。排水トラップも排水管も、耐えられる温度は60℃までです。排水トラップの破損を防ぐだけでなく、火傷をしないためにも50℃前後のお湯の使用をおすすめします。より排水トラップを綺麗にしたいときは、2L～3Lのお湯を流しましょう。
重曹とクエン酸を排水口に注ぐときは、必ず重曹から先に注いでください。重曹の上からクエン酸をかけることで汚れを浮かす泡が発生するので、順番が逆になると効果が落ちてしまいます。排水トラップ内の汚れを浮かすため、30分放置したあとお湯で流しましょう。トラップ内に重曹とクエン酸が残るとそれが詰まりなどの原因になるため、たっぷりのお湯で流してください。
吸い込んだ場合も体に有害なので、マスクの着用を推奨します。液体のパイプクリーナーも目に入ると同じく失明の危険があるため、できればメガネなどを着用して使用してください。
先にお湯を流し、汚れを浮かせてからパイプクリーナーを使うとより効果的なのでおすすめです。パイプクリーナーは、製品により推奨されている放置時間が異なります。記載されている時間より長く放置すると、排水トラップの中でパイプクリーナーが固まってしまうことがあるので注意してください。
トーラーとは排水管つまりを解消するための道具で、ワイヤーブラシの上位版です。ワイヤーブラシよりも長く機能も本格的で、業者が排水トラップの掃除に使う清掃道具のひとつです。電動と手動の2種類がありますが、電動のトーラーは家庭用でも数万円します。手動タイプは数千円で販売されており、家のどの排水管にも使用できます。
トーラーは奥までワイヤーを入れ、回転させることで汚れを取り除く道具です。S字トラップやPトラップなど、排水管の奥にあるトラップを掃除したい時に使います。トーラーは先端部分を取り外すことができ、掃除の用途によりパーツをつけ替えられます。パーツを替えれば掃除だけでなく排水管内の異物の除去も可能なので、一家にひとつあれば便利な代物です。
排水管内の汚れがシンクの周囲にまで飛び散る可能性があるので、新聞紙などで養生しましょう。トーラーを使用する前に約50℃のお湯を流し、汚れをふやかせると尚よいです。
作業中の注意点は、排水管や排水トラップを傷つけないことです。勢いよくトーラーを回したり、早いスピードで抜き差しすると排水管やトラップが破損する可能性があります。掃除後のトーラーは汚れているので、布などで拭きながら排水口から抜きましょう。そうすることでキッチンや服に汚れがはねる可能性が低くなります。
トーラーがなく普通のワイヤーブラシで代用する場合は、短すぎて排水トラップに届かない可能性があります。またワイヤーブラシは強度がなく、排水管の奥まで入れると途中で折れてしまう危険性があるため注意してください。
高圧洗浄機は、強い水圧で排水管や排水トラップを洗う機械です。キッチンの排水口と室外の両方から、水圧で排水トラップにアプローチして洗浄します。業者に高圧洗浄機での掃除を頼む場合、費用は約30,000円です。つまりの解消が目的で依頼するときは、高度な洗浄が必要になるため追加費用がかかる場合があります。
高圧洗浄機は業者が使用するイメージがあるかもしれません。業者が使用するものは業務用の高圧洗浄機ですが、一般の方が使う用の家庭用が市販されています。ホームセンターなどで15,000円~30,000円ほどで購入が可能です。購入後も繰り返し使用できお得ですが、家庭用の洗浄機は業者の業務用洗浄機と比べて威力が劣ります。確実に汚れを落としたいなら、業者への依頼をおすすめします。
戸建ての場合排水桝(ます)は家の外にあり、キッチンなどの汚水が流れていく側溝に繋がる場所です。排水管の掃除や点検をするためにも使われています。家の各排水管と繋がっており、汚水桝と呼ばれています。ほかにも雨どいと繋がっている桝もあり、すべての桝の総称が排水桝です。
排水桝は固形の汚れを分解する場所なので、油汚れなどが溜まっています。排水管の掃除の前に、桝の中のゴミや汚れを取り除きましょう。スコップなどで汚れを取り、ビニール袋などに入れるとそのまま捨てることができ便利です。
水や汚れが飛び散る可能性が高いため、シンクまわりを新聞紙などで養生しましょう。洗浄にともない部屋の中に悪臭がただよう可能性があるため、換気しながら掃除してください。ホースを無理に入れると排水管が傷つくため、回しながらゆっくり入れましょう。高圧洗浄機での掃除の目安は3~5年に1回です。自分で高圧洗浄してもつまりが解消されない場合は、業者に依頼し威力の強い業務用洗浄機で対応してもらうことを推奨します。
排水トラップの掃除には、いくつかの注意点が存在します。注意事項を守らないと、破損からの水漏れや破損などに繋がります。掃除を頑張った結果、キッチンが壊れてしまっては元も子もないので注意しましょう。洗剤を多用した場合の人体への悪影響についても解説しています。
キレイにしようとするあまり奥まで無理に掃除したり、ワイヤーブラシやトーラーで排水管をゴシゴシこすると、排水管が傷ついてしまいます。高圧洗浄で強すぎる水圧で洗った場合も、配管の破損に繋がります。
もし排水管が破損すると水漏れがおこります。水漏れの修理費用は10,000円~30,000円です。修理費用には差があり、排水管の破損がひどく交換する必要がある場合は料金が高くなります。高圧洗浄機などで地中の配管が破損したときは、地面から配管を掘りだす作業を行うため費用も高額になります。
キッチンの排水管や排水トラップには耐熱温度があり、限界の温度は60℃です。60℃以上のお湯を流すと、排水管にヒビが入ったり変形する可能性があります。排水管が変形すると水の流れが悪くなるうえ、変形した部分に汚れが溜まり、つまりの原因にもなります。
排水トラップの掃除でお湯を流すときは、温度は50℃前後にしましょう。キッチンの掃除では、水よりも45℃以上のお湯の方が汚れが落ちます。50℃だと手にお湯がかかっても火傷にはならないため、掃除にはおすすめの温度です。
色んな洗剤を一度に使うと掃除が楽だし、汚れもよく落ちそうだしと思いがちです。しかし洗剤を混ぜるというのは危険な行為です。洗剤には相性があり、酸性の洗剤とアルカリ性の洗剤を混ぜると有毒物質が発生します。上記で掃除方法として紹介したクエン酸とパイプクリーナーですが、この2つは酸性とアルカリ性です。同時に使用すると、非常に危険な塩素ガスが発生します。
塩素ガスを吸い込み過ぎると死亡することがあると可能性があると、聞いたことはないでしょうか。塩素ガスは少し吸い込むだけでも有毒で、肺水腫という呼吸が苦しくなる病気にかかることがあります。クエン酸の代わりに酢を代用する場合も、パイプクリーナーとの併用は禁物です。塩素系の洗剤は、酸性のものならレモン汁などでも塩素ガスが発生します。
せっかく掃除するならと、細部まで完ぺきに洗浄したいと思うかもしれません。しかし無理に分解するのは危険です。手で外せるパーツなら外しても破損の可能性は低いです。ただレンチなどの工具を使ってまで分解すると、元に戻せなくなる確率が上がります。分解洗浄する場合はパーツを外すまえに元の状態の写真を撮っておくと、復元できなくなる可能性を減らせます。
ネットでは、自分で分解して掃除できるといった記事や動画があります。排水管やトラップ部分を分解する掃除方法は、配管などの知識がないと危険です。動画や写真を参考に見よう見まねで細部まで分解することは、排水管の破損に繋がります。分解して徹底的に掃除したい場合は業者に頼むことをおすすめします。
排水トラップの交換は、結論から述べると自分でできます。しかし手間もかかるので、人によっては業者に頼んだ方がよいかもしれません。自分で交換するときはどんな道具が必要なのか、もし失敗した場合はどうすればよいのかなどを解説します。業者に依頼したときの相場の費用も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
排水トラップの交換は自分でできますが、それは必要な工具や知識がある場合です。排水トラップには種類があるため、どれを購入して交換すればいいのかなどの知識が要ります。トラップだけでなく排水ホースやパイプ、パッキンなども交換する場合は更に手間がかかります。交換に必要な道具は、ナットのつけ外しに必要なスパナです。
管トラップなどはナットで固定されているため、工具がないと外すのが大変です。自分で交換する際、注意しなければいけないのが排水管の破損です。排水トラップが固定しているナットは、かなり固く取りつけられているので外すだけでも一苦労です。トラップのつけ外しの際に力加減を誤ったり、無理に取りつけたりすると排水管にヒビが入るなどの可能性があります。
交換のときにパッキンがずれたり、ナットの閉めが甘かったりすると水漏れを引きおこします。とくに女性が交換作業をする場合、力が足らずナットの開け閉めに苦労する傾向があります。古い排水トラップを外すときに汚水が手にかかる可能性があるので、必ず手袋をしてください。トラップ内の水がこぼれる可能性も考慮し、排水管まわりにある物を移動させるか養生しておきましょう。
ワントラップで排水口に被せるトラップのみの交換なら、同じサイズのものを購入するだけでよいので自分の取り替えも簡単です。排水トラップはサイズが数mmちがうだけで水漏れをおこします。間違ったものを購入しても開封してしまうと返金してもらえない可能性もあるので注意が必要です。製品により外し方の詳細が異なるため、必ず取扱説明書を読んでから交換しましょう。
排水トラップ交換時は排水トラップから大量に水が漏れ出ることを防ぐため、キッチンの水栓を閉めましょう。各水まわりにはその場所だけの水を遮断できる止水栓というものがあります。止水栓で水の排出量を調整しているので、交換後は元の水量まで戻す必要があります。止水栓を閉める際、何度回したか記憶しておきましょう。
新しい排水トラップを購入しても、いざ交換となると上手く行かないこともあるでしょう。そういったときは、業者に交換だけ依頼しても大丈夫です。その場合は排水トラップの代金を差し引いた金額での対応となります。
もし交換を失敗して排水管などを破損させたときは、早めに業者に相談しましょう。配管の破損などにより水漏れが発生した場合、時間が経つにつれてヒビ割れなどが酷くなります。早めに対応できると少しの補修で済むので、修理代金もその分安くなります。
元々工具を持っていれば別ですが、排水トラップのために購入するのなら業者に依頼した方が費用は安いです。工具の金額は約5,000円です。排水トラップは交換頻度の多いパーツではないので、工具を購入しても一度の使用で終わってしまう可能性もあります。
業者に依頼した場合の相場は、排水トラップも含めた金額で2万ほどです。排水トラップ自体の価格は約5,000円~7,000円です。自分で交換するよりは高額ですが、失敗のリスクを考えると2万円の依頼料は安いといえるでしょう。
排水トラップは、下水の臭いや害虫をシャットアウトしてくれる大切な部品です。しかし排水トラップ自体が汚れていると、悪臭やつまりが発生します。トラップの状態をきれいに保つため、まずはできそうな掃除方法から試してみてください。掃除の際は、注意点の項目をなどをぜひ参考にしてください。定期的に排水トラップを洗浄して、快適な生活を楽しみましょう。
自分で掃除をするのが困難なケースやなかなか改善しないときはイースマイルまでご相談ください。イースマイルでは24時間365日対応をしているので急なトラブルでも安心してご相談ください。
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