カビは少量の場合はあまり臭いがしません。シンク下がカビ臭いと感じるなら、カビがかなり繁殖しているかもしれません。カビ臭くなる原因として考えられるのは、排水管の中やシンク下に置いてあるものにカビが生えている可能性です。ここではカビ臭さの原因として考えられることを解説します。
シンク下のカビ臭さは、排水管に蓄積した汚れが原因の可能性があります。配管の接続部分に隙間があると、そこから排水管内の臭いがシンク下に漏れ出します。カビが見当たらないのにシンク下がカビ臭いときは、排水管の中にカビが生えていることも考えましょう。
キッチンの排水管には油や食材のゴミ、洗剤の石鹸カスが溜まります。排水管内に溜まった汚れを放置していると、食材の破片などにカビが生えます。湿気は下に溜まる性質があるので、カビ臭が湿気と一緒に下へ降りシンク下に充満します。
シンク下は湿気がこもりやすく、カビが繁殖しやすい構造をしています。ガスやお湯の使用で高温多湿になりやすいキッチンは、カビが好む環境です。湿気は下に溜まるので、シンク下は位置的にもカビが生えやすい場所です。シンク下の扉を閉めたまま換気しないでいると、中に湿気が溜まったままです。カビは湿度が上がるほど動きが活発になるので、シンク下に湿気がこもっているとカビの繁殖スピードが上がります。
シンクの下で水漏れは発生していませんか?配管には水漏れを防止するパッキンがありますが、使用から約10年で劣化し機能しなくなります。排水ホースの経年劣化や、配管の接続部分のナットの緩みでも水漏れは起こります。
シンク下で水漏れが起こっている場合、木製の部分に水がかかるとその箇所が傷んで腐食します。腐食した木部は湿っており、カビが生えやすい環境です。ほんの少しの水漏れでも、放置していると木部の腐食とカビの繁殖は止まりません。シンクに木製の部分がなくても、水漏れによる湿気の充満によりカビは発生するので注意してください。
シンク下の収納に、野菜などの食材や調理器具を置いている方は多いでしょう。食材が傷んでいると腐食部分にカビが生えます。食材が新鮮でもシンク下に野菜の破片が落ちていると、カビがそれを食べて増殖するためこまめな掃除が必要です。またフライパンなどの調理器具に洗い残しがあると、そこにカビが繁殖します。
拭き残しのある食器などをシンク下に収納した場合、残った水分にカビが生えます。シンク下に物がたくさんあることも、通気性が悪くなりカビが増える原因です。カビを予防するには定期的にシンク下にある全ての物を外に出し、拭き掃除などでカビの胞子を取り除くことが大切です。
カビが生えた食品には、目に見えない菌糸が広がっています。目に見えるカビ部分を取り除いても、一見無事に見える部分もカビだらけです。カビを生えた食材を食べても、通常は胃酸によりカビは死滅します。しかし免疫が下がっているときにカビを食べてしまうと、アレルギーや消化器系の病気を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
カビ臭対策は、臭いの原因により対処法が異なります。原因場所により使用する洗剤や掃除方法も違うので、ぜひ参考にしてください。排水管や水漏れが原因と考えられる場合の解決方法や、シンク下の整理整頓方法などを紹介します。
排水管を洗浄する方法はいろいろありますが、ここでは自身でも試すことができる方法として重曹とクエン酸を使用する方法、高圧洗浄機を用いた方法の2つを紹介します。
排水管を洗浄する効果的な方法として、重曹とクエン酸があります。まずは重曹とクエン酸を用意する必要がありますが、この2つはキッチン以外の排水管掃除にも使えるので常備をおすすめします。洗浄は重曹2、クエン酸1の割合で行うのが効果的です。
重曹を200ccと、クエン酸小さじ1杯を溶かしたお湯100mlを用意しましょう。クエン酸は水にとけにくいので、50℃ほどのお湯で溶かしてください。重曹を排水口から注いだあと、クエン酸を重曹の上からかけます。重曹にクエン酸が加わることで汚れを浮かせる泡が発生するので、順番を逆にしないよう注意しましょう。
30分ほど放置したあと、1Lくらいの約50℃のお湯で流します。お湯を流すのは重曹とクエン酸が排水管内に残らないよう溶かすためと、洗浄効果が上がるからです。排水管が耐えられる温度は60℃なので、それ以上熱いお湯は流さないでください。重曹とクエン酸が残っているとつまりの原因になるので、最後にたっぷりの水で流しましょう。
もうひとつの効果的な排水管の掃除方法は高圧洗浄です。高圧洗浄機を持っていない場合は、購入するか業者に洗浄を依頼しましょう。高圧洗浄機の購入代金と業者に頼んだ場合の費用はほぼ同じです。購入した方が自分で何度も繰りかえし洗浄できますが、家庭用の高圧洗浄機は業者が使用する業務用と比べると威力は劣ります。
高圧洗浄は排水管のつまり予防にも効果的です。つまり解消で行う場合は追加料金が必要になることもあるため、3~5年に一度排水管の高圧洗浄をおすすめします。高圧洗浄を自分で行う場合、戸建てなら排水口と屋外の排水桝から洗浄できます。
マンションなどの集合住宅では、高圧洗浄は各部屋の排水口からしか行えません。もし洗浄が失敗すると排水管が破損し、他の部屋に水漏れなどが起きる可能性があります。そのため管理会社などに無断で行わず、事前に高圧洗浄の許可を得てから作業をしてください。
排水桝は家の外にあり、家の各排水管と繋がっています。いくつも排水桝がありキッチンに繋がる桝が不明なときは、シンクから水を流して確認してください。排水桝と排水口のどちらから洗浄する場合も、汚れが周囲に飛び散る可能性が高いです。排水口から洗浄するときは、シンクまわりが汚れないよう新聞紙などで養生しましょう。排水管の洗浄には配管掃除用のホースが必要です。配管が傷つかないようホースをゆっくり挿入し、水圧で中を掃除してください。
シンク下にカビが生えてしまった場合、生えているカビを除去してもまたすぐにカビが生える可能性が高いです。カビは胞子をまき散らすので、一部でもカビが生えていたらシンク下にはカビ菌が広がっています。カビを取り除いたあとは、シンクの下全体にカビ再発防止のための消毒が必要です。
シンク下のカビを取り除くのに用いるのはアルコールです。カビの除去法としては塩素系漂白剤を思いつきますが、シンク下の掃除には不向きです。シンク下の木部や配管の金属部分にアルカリ性の塩素がかかると、変色や変形といった弊害が起こります。酸素系の漂白剤も弱アルカリ性なので、使用はおすすめしません。アルコールでカビが除去できず漂白剤を使いたい場合は、木や金属部分にかからないよう注意して使用してください。
まずはシンク下に収納してあるものを全て外に出し、収納品にカビが生えていないかチェックしましょう。ホコリや食材の破片はカビの栄養源なので、カビと一緒にそれらも除去してください。カビを発見したら、アルコールを含ませたティッシュやウエットティッシュで拭き取ります。このとき、カビに直接アルコールはかけないでください。アルコールを吹きかけたときの圧力でカビの胞子が飛ぶため、カビがキッチンに広がってしまいます。
目に見えるカビの除去が終わったら、シンク下全体をアルコールを含ませた雑巾などで拭きましょう。シンクの下に収納していたものもアルコールで拭いてください。そのあとはシンク下や収納品を乾燥させます。アルコールにも水分が含まれているので、十分に乾燥させないとカビが増える元になります。定期的にアルコールで消毒すると、シンクの下にカビが生えづらくなります。
水漏れは酷い場合は業者に頼む必要がありますが、軽度だと自分で修理することも可能です。シンク下の水漏れを放置していると、カビはどんどん増殖しキッチン全体に広がります。キッチンの壁や床にまでカビが生える可能性があり、そのカビを吸い込めば健康被害も発生します。マンションなどで下の階に浸水してしまえば、損害賠償を請求されることもありえます。
水漏れは水道を使い続けているのと同じ状態です。水道代が突然高額になることもあるので、水漏れを発見したらすみやかに修理を行ってください。床下にまで水漏れが広がると、修理費用が100万を超える可能性もあるので注意しましょう。業者に修理を頼んだ場合の費用は状態にもよりますが8,000円~で、そこに水漏れの原因となっている部品の交換代がプラスされます。
食材が腐ったことでカビが生えているのであれば、シンク下の整理整頓が必要です。野菜だと常温保存に適した種類がありますが、シンク下で保存するとなれば少し勝手がちがいます。シンク下は湿度が高いので、湿気に弱い野菜の収納には適していません。いつも特定の食材が傷みやすい場合は、ほかの収納場所に保存するようにしましょう。
シンク下にものがギュウギュウに詰め込まれていると、通気性がないためカビが生えやすくなります。シンク下のカビをチェックするついでに、不要な収納品を捨てたりかさ張るものを他の場所に移すなど、管理方法を見直しましょう。
シンク下からカビ臭がするということは、目に見えなくてもカビが生えているということです。今はただカビ臭いだけかもしれませんが、放っておくとカビはどんどん繁殖します。カビは放置すればするほど増え、シロアリなどの害虫が発生したり人体に影響を及ぼしたりといった弊害が生じます。
カビは放っておいても自然に消えることはありません。むしろ放置すればするほどカビは繁殖し、広がっていきます。カビはシンク下などの表面に根付き、菌糸を伸ばしながら広がっていきます。カビは最初白っぽい色をしており、胞子を飛ばす段階になったら黒っぽい色に変化します。つまりシンク下に黒カビを発見した段階で、シンク全体にカビの胞子が飛んでいるということです。そのため、カビの存在に気付いた時点ですぐに対処しなければいけません。
シンク下のカビや木部の腐食をそのままにしていると、発生する可能性があるのが害虫であるシロアリです。シロアリもカビと同じく湿気を好み、なおかつ木を食べて繁殖します。放置していると腐食やカビが広がり、シンク下の床下にまでシロアリが到達することがあります。床下がシロアリに食べられると、高額な工事が必要なほど被害を受けることもありえます。もしシロアリが家の土台や柱部分を食べてしまうと、地震などの際に家が倒壊する危険性があるため早めの対処が必要です。
カビを放置した場合に起こることのひとつが、カビをエサとするダニの繁殖です。カビの胞子がリビングや寝室にまで飛んでしまった場合、カーペットや寝具にもカビが付着します。すると元々布団などにいたダニがカビを食べて繁殖し、ダニが大量発生する二次被害を起こします。
カビは嫌な臭いがするだけでなく、吸い込むことにより健康被害が発生します。カビが原因の病気として多いのが、呼吸器系の疾患です。カビを吸い込み続けると、喘息や気管支肺アスペルギルス症などの病気を発症します。呼吸困難や肺炎をひき起こす病気になってしまうと、継続的な治療が必要になります。重篤症状が出ると命をおとす可能性もある危険な病気です。
ハウスダストアレルギーも、カビが原因により発症します。一度発症してしまうと、少量のカビを吸い込んだだけで咳や鼻水が止まらないといった症状が出ます。アレルギーは治らないことも多く、カビを放置しただけで生涯苦しむことにもなりかねません。このように、カビを放置すると健康被害が発生します。自分や家族を健康から守るためにも、カビを見つけたらすぐに退治しましょう。
シンク下で最もカビの被害を被る箇所は、木で造られている部分です。水漏れしていなくても、換気が不足すると木部は湿気を吸収して湿った状態になります。カビは水分がある所に発生するので、木部が湿っているとそこにカビが生えやすいです。
生えてしまったカビを放置すると、だんだんと木の部分が腐っていきます。腐食を放置していると木部がめくれ、シンク下の床板がはがれていきます。床板がはがれると床底が剥き出しになるため、新しい床板との交換が必要です。このようにカビにより木部が傷むと、キッチンの寿命を縮めることに繋がります。
キッチンを傷める原因のひとつが水漏れです。シンク下のカビの増殖は、水漏れにより起こっている可能性があります。水漏れによりシンク下が濡れ続けると、水が床下や壁にまで浸透します。キッチンの床下や壁が水漏れにより腐食すると、床材や壁紙の張替えが必要になります。水漏れは酷くなればなるほど大規模な工事が必要になり、修理代が高くなります。
カビ臭の予防は、カビを掃除したあと改善した状態を維持することです。こまめな掃除や換気など、カビを再発させない方法を紹介します。
シンク下のカビの予防に必要なのは、こまめな掃除や換気です。上記に記載したアルコールによる消毒が、効果的な掃除方法になります。カビが繁殖してから掃除すると、シンク下の収納品までアルコールで拭く手間のかかる方法になります。カビが生える前なら胞子が飛ばないため、シンク下に直接アルコールをスプレーすることも可能です。カビ予防のため、週に一度くらいのペースでアルコールをスプレーしましょう。スプレーしたあとは、完全に乾くまで乾燥させてください。ホコリや食材の破片があるとカビが繁殖するため、それらもこまめに取り除きます。
カビ予防に使うアルコールは70~80%の濃度の高いものがおすすめです。濃度が低いものは、消毒効果が低くカビにあまり効きません。かといって濃度が100%近いとスプレーした瞬間に蒸発してしまうため、カビが死滅する前に消毒効果がなくなります。目に見えないカビが生えている可能性も考え、2~3ヶ月に一度はアルコールで拭き掃除をしましょう。
シンク下のカビ予防で、最も簡易で効果的な方法が換気です。カビは高い湿度を好むため、湿気がこもるシンク下はカビが繁殖しやすい場所です。シンク下の湿気を減らせばカビの生育環境が整わなくなるので、カビの繁殖を抑えられます。方法は簡単で、ただシンク下の扉を開けるだけです。換気の頻度はシンクで洗い物をしたあとや、調理の度に行うのが理想です。水道を使ったり料理をすることで水蒸気が発生し湿気が増えるので、その都度数分間換気するのがおすすめです。
キッチンを使う度にシンク下を換気するのが手間なときは、日に一度の頻度で換気しましょう。1日1回でも30分〜1時間換気しておけば、カビの繁殖は抑制できます。湿気を吸収してくれる除湿剤をシンク下に入れておけば、カビ予防に効果があります。
カビは汚れを食べて繁殖するため、ホコリなどに気付いたタイミングで消毒と除菌を行いましょう。シンク下の木部や金属部分にカビが生えても、変形変色するので漂白剤は使用できません。そのためカビが発生する前にアルコールで消毒・除菌することが大切です。漂白剤を使えない場所に頑固なカビが生えると、アルコールでは退治できないときがあります。木部の交換などが必要な場合は費用が高くなる可能性があります。カビが繁殖する前にアルコールでの消毒と除菌を徹底することにより、被害を最小限に抑えられます。
カビの消毒と除菌に適したアルコールは、濃度が70~80%のものです。市販されているアルコールには濃度が40~55%のものが多く、カビにはあまり効果がありません。濃度40~55%のアルコールで除菌効果があるのは細菌やウイルスです。カビは高濃度のアルコールで消毒しないと除菌できません。しかし上記でも記載しましたが、濃度が100%に近いアルコールはスプレーした瞬間蒸発します。カビ予防には、カビが死滅するまで蒸発しないアルコールが必要です。アルコールを用意するときは濃度に注意してください。
カビを退治しても、シンク下にしみついたカビ臭さが取れない場合があります。そんなときには消臭剤を活用しましょう。消臭剤の中には除菌効果があるタイプや、カビ専用の商品もあります。消臭スプレーは振りかける手間がありますし、スプレーの圧力でカビの胞子をまき散らしてしまう可能性があります。そのため、シンク下には置き型の消臭剤が適しています。置くタイプの消臭剤は中身がなくなるまで効果が続くため、持続時間も約2ヶ月と長いです。
カビの臭いやガスの臭いがキッチンからしたときは、すぐに原因を突き止めましょう。異臭を放置しても自然に消えることは少なく、正しい対処を行わないと状況の悪化に繋がることが多いです。シンク下がカビ臭い原因が水漏れなどの場合、放っておくと床下浸水などの二次被害が発生します。原因が分かれば安心ですし、効果的な対応を取ることが可能です。
カビの臭いはカビが繁殖している証拠です。シンク下の異臭を放置すると健康被害や害虫の発生、キッチンの劣化といった損失が生まれます。カビは換気や消毒などで予防できます。適切なカビ対策で、キッチンを長く使えるようキレイに保ちましょう。
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