キッチンシンクから嫌な臭いが発生する原因は、主に以下の5つが考えられます。
まずは、キッチンのシンクから嫌な臭いがする原因が何なのかを特定しましょう。自宅のシンクに当てはまっていないか、ぜひ確認しながらお読みください。
排水口のゴミ受けにゴミが溜まったままになっていると、悪臭の原因となります。ゴミ受けに溜まった食品カスが腐敗したり雑菌が繁殖したりするためです。
また、排水口の蓋やゴミ受け、排水口の周囲がぬるぬるとしている場合、見た目にはわからなくても汚れが付着している証拠です。速やかに排水口や排水口周辺の掃除を行いましょう。
トラップに汚れが溜まっていたり破損があったりすると、トラップから悪臭が上がってきて、キッチンに漂うことがあります。トラップとは、排水口の蓋を外したところにある構造部分です。
ワントラップ型の排水口では排水管の入り口部分におわん型の蓋が設置されています。この部品が正しく取り付けられていなかったり、破損していたりすると、排水管からの臭いが漏れ出る原因となります。また、ワン自体が汚れている場合も、悪臭の原因となるため、定期的に取り外して掃除しましょう。
封水切れが起こることで、排水口から悪臭が上がってくることがあります。封水とは、トラップの中に溜まった水のことで、排水管の周りに一定の水位で常に溜まるようになっています。
日常的にシンクを使用して水を流している場合、封水切れが起こることはありません。しかし、排水トラップの故障や、排水管のつまりによって封水が引き込まれ、封水切れを起こすことがあります。また、マンションの上階で大量の水が流されたり、一軒家でお風呂など別の水場から一気に水が流されたりする場合も、キッチンの封水が切れることがあります。
それ以外には、旅行や出張などで長期間家を空ける場合に封水切れを起こすケースがあります。シンクの水が流されないため、蒸発した封水が補充されないことが理由です。1週間から10日ほどの不在であれば問題ない場合が多いですが、それ以上長く家を空ける場合には対策をしましょう。また、夏場は気温が高く封水の蒸発が起こりやすいので、1週間程度の外出でも封水切れの対策をすることをおすすめします。
排水管の中が汚れていると、嫌な臭いの原因になります。洗い物や料理でシンクを使用しているうちに、排水管にはどんどん油や食品の汚れがこびりついて蓄積します。特に、シンクに水を流したときに排水の流れが悪くなったと感じる場合は、排水管が汚れで詰まりかけている可能性が高いです。排水管のつまりに伴い、悪臭も発生します。
軽いものであれば自分で対処してつまりと悪臭を解消できますが、ひどいつまりの場合は自分での対処は難しいです。自分で排水管の汚れを掃除しても排水の流れが改善しない場合は、詰まって完全に水が流れなくなる前に、専門の業者に排水管の清掃を依頼しましょう。
排水桝が汚れている場合、キッチンシンクの悪臭につながることがあります。排水桝とは、屋外に設置された排水管と下水道をつなぐ設備です。排水桝では排水に含まれる固形物や油を分離し、家庭から出た排水をスムーズに下水道に流す役割を担っています。
一軒家では定期的に自分で排水桝の掃除を行う必要がありますが、排水桝の存在自体を意識していない家庭も多く、住み始めてから1度も掃除されずに放置されているケースも多いです。
トラップの掃除や排水管の掃除を行ってもシンクからの臭いが気になる場合は、排水桝の汚れが原因の可能性があるので、排水桝の掃除をしましょう。長い間排水桝の掃除を行っていない場合はかなり骨の折れる作業になるので、専門業者への依頼がおすすめです。
今まで紹介したシンクの臭いの原因別に、悪臭を解消するための対処法を紹介します。
悪臭を放置しているとキッチンを使う際に不快な気持ちになるだけでなく、衛生的にもいい状態とは言えません。ぜひ紹介する方法で掃除を行い、悪臭を解消してください。
ゴミ受けに溜まった食品カスなどの生ゴミは、放置せずに洗い物をした後すぐにゴミ受けから取り除きましょう。少し手間に感じるかもしれませんが、食器を洗った後に食品カスが少しでも残っていれば、その都度捨てる習慣をつけるのがおすすめです。
ゴミ受けに溜まったゴミを捨てやすくするためには、日頃から排水口ネットを利用するのがおすすめです。排水口ネットは100円ショップやスーパーで手軽に購入できます。100円ショップの場合、110円(税込)で40~50枚程度入っているものが多く、毎日ネットを1~2回取り換えたとしても、月にかかる金額は220円で済みます。大きさやネットのタイプなどさまざまな種類があるので、自宅の排水口に合ったネットを選びましょう。
ゴミを頻繁に取り除いていても、排水口の蓋やゴミ受けがぬるぬるとするケースがあります。ぬめりは汚れが付着しているサインなので、放置すると雑菌が繁殖してしまいます。ぬるぬるしている部分を食器洗い用の中性洗剤をスポンジに含ませて、こすって洗い落としましょう。汚れがひどい場合は、重曹とクエン酸を使って古い歯ブラシや掃除用ブラシでこすり洗いをすると効果的です。
トラップに汚れが付着している場合は、食器洗い用の中性洗剤とシンク用のスポンジやブラシを使い、汚れをしっかりこすって洗い落としましょう。ワンは、ツマミをつかんで反時計回りに回すと外れます。ワンについた汚れも同様に、中性洗剤とスポンジやブラシを使って洗浄していきましょう。汚れがひどい場合、漂白剤やカビ取り剤を使用しての掃除もおすすめです。
掃除の後は、ワンをしっかりと元の位置に取り付けます。緩んでいたり取り付け方が間違っていたりすると、せっかく掃除をしても悪臭の発生が収まりません。ワンを排水管の入り口に被せ、ツマミをもって時計回りに止まるまで回せば取り付けができます。トラップは日常的にシンクを使用しているとすぐに汚れる場所なので、定期的に掃除を行って異臭がしないように心がけましょう。
また、ワンに亀裂があったり割れていたりなど破損がある場合は、交換が必要です。排水口の外径サイズを測り、そのサイズ用のワンをホームセンターやネットショップで購入します。ファミリー向け住宅の家庭用キッチンの排水口は180ミリ、一人暮らし用のミニキッチンの排水口は115ミリサイズのことが多いです。大きすぎたり小さすぎたりすると取り付けできないので、しっかりサイズを確認してから購入しましょう。
ワンは大体1,000円以内で購入でき、交換も手で取り外して新しいものに付け替えるだけ。工具も必要なく、簡単に取り換えできます。ワンに破損が見られた場合は早めに交換しましょう。
封水が切れている場合は、シンクの蛇口から水を流して封水を補充するだけで悪臭の解消ができます。
もし旅行や出張などで長期間家を空ける際には、排水口をラップで覆い、封水の蒸発を防ぎましょう。空気の流れができないよう、なるべくラップを密着させるのがコツです。マスキングテープなど、跡の残りにくいテープを使ってラップを固定するとより効果的に封水の蒸発を予防できます。
また、封水蒸発防止剤という、薬剤の膜を作って封水の蒸発を防ぐ商品もあります。しかし、量が多く使い切る前に劣化してしまう可能性があり、個人で使い切るには難しいでしょう。頻繁に家を長期間空ける人は封水蒸発防止剤を使い、あまり家を空ける機会のない人は、ラップを使って蒸発防止をする方が手軽にできるのでおすすめです。
排水管に汚れが溜まっている場合はパイプユニッシュなどのパイプクリーナーを使ってつまりを解消する以外にも、お湯を一気に流して排水管の汚れを取る方法もあります。
排水口の蓋やワンを外し、排水口にタオルを詰めてシンクにお湯を張れるようにします。この際、タオルを誤って排水管に流してしまうとそれが原因となって詰まってしまうので注意が必要しましょう。60℃程度のお湯をシンクいっぱいに溜めてから、タオルを取り外してお湯を流します。一気にお湯を流すことで、排水管に付着した汚れの除去や軽いつまりが解消され、悪臭もなくなります。
なお、60℃より熱いお湯を使うと排水管にダメージを与えて寿命を縮めてしまうので注意が必要です。最悪の場合、水道管が破損して水漏れする可能性があるため、お湯の温度には十分注意しましょう。
また、他には排水管を掃除する用のワイヤーブラシを使って掃除する方法もあります。ホームセンターで2,000円~3,000円ほどで売っているため、つまりが発生するほど大きく汚れる前に、ワイヤーブラシで排水管を掃除をするといいでしょう。
ただし、長年掃除しておらずすでに詰まりかけている排水管や、奥の方でつまりが発生している排水管にワイヤーを使うと、つまりを悪化させて、逆流を引き起こすおそれがあります。排水管の外側から見てもつまりはどこで発生しているかわからないため、長年掃除していない場合は業者に頼んだ方が無用なトラブルを引き起こさず、安心できるでしょう。
排水桝の汚れを除去する方法を紹介します。排水桝を開けたら、中で固まっている油汚れや底に沈んでいる汚れをひしゃくやスコップなどで取り除き、水分を取ってから捨てます。排水桝の掃除をする時は、周囲の壁や地面に汚れが飛び散る可能性があるので、ビニールシートなどを使って養生してから行いましょう。また、服も汚れる可能性があるので、汚れてもいい服で掃除をするのがおすすめです。
排水桝は庭など自宅の敷地内の地面にいくつか埋められており、シンクの悪臭を断つためにはキッチン用の排水桝を掃除しなければなりません。キッチンからの配管の近くに塩ビでできた小さいマンホールのようなもの、もしくはコンクリート製の四角い排水桝があるので、その中を掃除しましょう。
特にコンクリート製の排水桝の場合は、中に木の根が入り込んでつまりを起こしている場合も。その場合、個人では対処できないので、プロの業者に依頼して木の根を除去してもらう必要があります。
マンションやアパートなど集合住宅の場合は、複数の部屋の排水桝が1カ所にまとまっているため、借主が掃除する必要はありません。ゴミ受けのゴミやトラップ、排水管の掃除をしても悪臭が収まらない場合、管理会社に排水桝の清掃状況や次回の清掃予定などを問合せし、相談してみましょう。
キッチンシンクから発生する嫌な臭いを予防するための方法を2つ紹介します。日頃からしっかり対策をしておけば、シンクから悪臭が発生して不快な思いをせずに気持ちよくキッチンを使えます。ぜひ紹介する予防法を実施し、キッチンの臭い対策をしてください。
排水口やその周辺をこまめに掃除する習慣をつけ、清潔な状態を保ちましょう。排水口の周辺は水垢やぬめりがつきやすいため、毎日の洗い物の延長で中性洗剤を使ってゴミ受けや蓋、トラップなどを洗います。
週に1回程度は重曹とクエン酸もしくはお酢を使ってしっかりと掃除を行うといいでしょう。いつも通り中性洗剤で掃除を行った後、ゴミ受けの底が見えなくなるくらいまで重曹を振りかけます。その上からクエン酸もしくはお酢をかけると重曹と化学反応を起こしてシュワシュワと泡立ちます。泡立っている状態のまま30分ほど放置し、その後40℃ほどの湯で洗い流せば、汚れと臭いを効果的に除去できます。
排水管の洗浄を定期的に行うことで、つまりや臭いを予防できます。先ほど紹介したお湯を使った方法で汚れを流した後に、パイプクリーナーを排水管に注ぎます。クリーナーを注いで30分ほど置いてから洗い流すと効果的です。使用する薬剤によって流す量が変わるので、説明書をよく読んで適切な量を守って使いましょう。
お湯を流して汚れを流す掃除は週に2~3回、パイプクリーナーを使っての掃除は2週間に1回ほどを目途に行うといいでしょう。料理の頻度が高い家庭の場合は、もっと掃除の頻度を高くすると汚れが蓄積しにくくなり、詰まりや悪臭の予防になります。
キッチンの排水口の仕組みを解説します。キッチンの排水口は、蓋・ゴミ受け部分と排水トラップに分かれています。排水口の仕組みを知って、ぜひ普段の掃除に活かしてください。
ゴミ受けは、排水に含まれた食品カスなどのゴミが流れないよう、受け止める役割を果たしています。食品カスを配管に流してしまうと、排水管や排水桝でつまりを起こす原因となるからです。
ゴミ受けには排水口ネットをつけると、より細かい食品カスもキャッチでき、ゴミ受けから食品カスを取り除くときもネットを取り換えるだけなので便利です。排水管や排水桝のつまりを防ぐためにも、排水口ネットを使用しましょう。
排水トラップは、排水管の入り口に蓋をする「ワン」と、排水管の周りに溜まった「封水」で成り立っています。排水管に被せたワンの先が封水に浸かるようになっており、新しく水を流した際に古い封水が排水口内に流れ込む仕組みです。
ワンが排水管に蓋をしてワンの隙間を封水で覆うことで、排水管からの悪臭や害虫やネズミなどの侵入を防ぎつつ、洗い物や料理で出た排水を可能にしています。
長い間シンクに水を流していないと封水が蒸発し、嫌な臭いや害虫発生の原因となります。出張や留学などで長期間使用しない場合や、事務所として使っていてキッチンシンクの使用を全くしないという場合は、いつのまにか封水切れを起こしてしまうので、注意しましょう。
キッチンシンクが臭い時の原因や対策、掃除方法を解説しました。キッチンは利用頻度が高いため、気づかないうちに排水管や排水桝の汚れが溜まって嫌な臭いが発生しやすい場所です。
排水トラップや排水口の掃除を習慣化すれば、嫌な臭いを防げるだけでなくキッチンを清潔に保てて快適に料理ができます。ぜひ紹介した方法でキッチンの掃除を行いましょう。
長い間、排水管や排水桝を掃除せずに放置してしまった場合、自分たちだけでは掃除が難しいこともあります。その場合は、詰まりや排水管の破損など大きな水道トラブルが起こる前に、プロの業者に清掃を依頼しましょう。
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