キッチンシンクが汚れる原因は、主に以下の6つです。
それぞれ酸性だったりアルカリ性だったりとさまざまな性質を持っているため、効果のある洗剤や掃除方法が異なります。汚れを付着をなるべく予防する方法もあるので合わせてチェックしておきましょう。ここからは、それぞれの汚れについて見た目や付着する原因などを詳しく解説していきます。
水垢は水がたまる場所やキッチン水栓などに付着する白いウロコ状の汚れです。水道水に含まれるケイ酸や無機質成分が他の汚れと混じりあうことで汚れとして付着します。
水垢を放置すると次第に積み重なり、落ちにくくなってしまいます。時間が経つと黄ばみ・黒ずみになる場合もあり、見た目も良くありません。水垢はアルカリ性の汚れなので、酸性のクエン酸水を使うと落としやすくなります。また、毎日キッチンシンクを使い終わった後に乾拭きをすることで、付着の予防ができます。
石鹸カスは石鹸成分が流れ出すところに付着する白い汚れです。石鹸成分の脂肪酸ナトリウムと水に含まれるカルシウムイオンが反応して付着します。
石鹼カスを放置すると水垢と同じくこびりついて除去しづらくなります。アルカリ性の汚れなので、クエン酸水による掃除が効果的です。軽い石鹼カスであれば柔らかいスポンジでこするだけでも落ちる場合があります。しつこい汚れにならないうちにこまめに掃除しておきましょう。
ぬめりは排水口カバーやゴミ受けなど水分がたまる場所にできやすいぬるぬるとした茶色い汚れです。雑菌の繁殖によって発生します。放置するとイヤな臭いや排水口のつまりの原因となります。
ぬめりは酸性の汚れなのでアルカリ性の重曹などが効果的です。また、ぬめりを発生させる雑菌がエサにしている食べカスや生ごみを取り除くのも効き目があります。普段からキッチンシンクに食べカスや生ごみを長時間放置しないようにすれば、ある程度ぬめりの発生を防げます。排水口などのこまめな掃除が重要です。
油汚れは排水口周りなどに付着しやすい樹脂のような汚れです。料理などに使った油が、光や熱の影響で酸化し固まることで付着します。放置するとイヤな臭いが発生し、3~6ヵ月ほど経つと一般の洗剤では落としにくくなります。
油汚れは酸性の汚れなので、アルカリ性の重曹で掃除すると落ちやすくなります。油はそもそも排水管トラブルの原因になりやすいので、なるべくキッチンシンクに流さないようにする工夫が大切です。余った油は流さずキッチンペーパーなどに取って捨てるなどの対策を取りましょう。
キッチンシンクにできるカビは黒カビが多く、シンクと壁の継ぎ目にあるパッキンなどに繁殖します。繁殖の原因となるのは水分や適温、カビの栄養となる汚れなどです。放置すると、カビがさらに繁殖するほか根を深く張り落としにくくなります。
カビは菌なので、掃除には除菌効果のある漂白剤が効果的です。また普段から、カビが繁殖する原因になる水や汚れをキッチンシンクの周囲に残さないようにしましょう。
錆びは金属にできる赤茶色い腐食です。キッチン水栓や給水管などのメッキ製品にも発生することがあります。錆びの原因となりやすいのは、湿気や排水から上ってくる腐食性のガスです。包丁や缶詰などにできた錆びが移る「もらい錆び」によって錆びができることもあるので要注意です。
放置すると錆びがさらに広がってしまい、金属がボロボロになり穴が開いてしまうこともあります。軽い錆びであれば、磨いて落とせる場合もあります。しかし、重度の錆びが一旦できてしまうと、なかなか落とせません。場合によってはシンクごとリフォームした方がよいでしょう。
キッチンシンクは毎日こまめにお手入れをし、汚れができたら早めに掃除をすることが重要です。汚れを蓄積させないようにすれば、キッチンシンクを長く清潔な状態で使うことができます。ここからは、キッチンシンクの毎日のお手入れ方法や、頑固な汚れができたときの掃除方法を解説します。
毎日できるお手入れとして、キッチンシンクを使い終わった後は乾拭きをするのがおすすめです。1日の終わりにキッチンシンクから水分を取り除けば、水垢などの汚れが付着するのを未然に防ぐことができます。
乾拭きの際には乾いたふきんかキッチンペーパーを用意して、キッチンシンクに残っている水滴を拭き取りましょう。
定期的な掃除として、台所用中性洗剤を使ったお掃除もおすすめです。台所用中性洗剤はキッチンシンクの素材を傷めにくく、軽い汚れを落とすのに向いています。用意するものは以下の通りです。
まず、水で湿らせた柔らかいスポンジに台所用中性洗剤をつけます。そして、そのスポンジでシンクを洗ってください。ステンレスの場合は、ステンレスの目に沿って洗うと光沢を傷つけません。その後、汚れや洗剤を水でしっかり洗い流します。それから、乾いたふきんで水分を拭き取れば完了です。
ステンレスやホーローのキッチンシンクを掃除する際には、表面の光沢やツヤ出し加工を傷つけないように必ず柔らかいスポンジを使いましょう。傷が付くと見た目が悪くなるほか、細かな汚れが傷に入り込んで落としにくくなる可能性があります。
汚れがひどいときは酸素系漂白剤で拭き上げるのがおすすめです。用意するものは以下の通りです。
ステンレスのシンクでも塩素系漂白剤は使えますが、素材を傷めやすいので、酸素系漂白剤の使用をおすすめします。酸素系漂白剤は塩素系漂白剤よりも刺激が少なめではあるものの、使うときは必ず換気をし、皮膚に付かないようゴム手袋をしましょう。
また、漂白剤が服に付くと脱色してしまうので、気になる方はエプロンなどの着用がおすすめです。準備ができたら洗いおけに40~50℃ほどのお湯をため、酸素系漂白剤を説明書に記載された濃度を守りながら溶かしていきます。
それからふきんやスポンジを酸素系漂白剤の溶液に浸して軽く絞ってから、ステンレスの目に沿って拭いてください。そして、水拭きをして汚れと酸素系漂白剤を拭き取り、最後に乾いたふきんで水分を拭き取りましょう。
なお、塩素系漂白剤は天然大理石などの天然石やステンレス以外の金属などには使えません。向いていない素材に使ってしまうと、変色や腐食の原因となります。また、他の洗剤と混ぜると有害なガスが発生する可能性があるので絶対に混ぜないようにしましょう。
ステンレスも塩素系漂白剤に長時間さらすと錆びができてしまいます。どうしても塩素系漂白剤を使う場合は、漂白剤にさらす時間を5分程度に留めましょう。また、塩素系漂白剤を使った後は水でしっかりと洗い流して、漂白剤の成分を残さないことが重要です。
シンクだけでなく、水栓や排水口の汚れが気になる方も多いでしょう。それぞれ付着しやすい汚れが異なるので、場所に合った洗剤や方法で掃除することが重要です。ここからはキッチン周辺の掃除方法を場所ごとに解説します。
キッチン水栓(蛇口)はクエン酸水で拭き上げるのがおすすめです。クエン酸水は酸性なので、キッチン水栓に付着しやすいアルカリ性の水垢をよく落とせます。用意するものは以下の通りです。
まずは、キッチン水栓全体をキッチンペーパーでくるみます。その上からクエン酸水をスプレーして5分間パックしてください。5分経ったら、キッチンペーパーを剥がして、ふきんで水拭きします。その後、乾いたふきんで拭き上げれば完了です。
軽い汚れであれば、キッチンペーパーを使ってパックしなくても落ちる場合があります。簡単に落ちそうな汚れであれば、クエン酸水を直接スプレーしたあと、水拭きをして乾拭きをしてみましょう。
掃除の頻度は1週間に1回程度がおすすめです。気になった時に掃除できるよう、クエン酸水の入ったスプレーボトルをシンクの近くに置いておくのもよいでしょう。
クエン酸水はクエン酸パウダーを水に溶かして作ります。ドラッグストアやスーパーなどで販売されている掃除用のクエン酸パウダーを使いましょう。
溶かす分量は、水1カップ(200mL)に対してクエン酸小さじ1/2です。クエン酸水は雑菌が繁殖するのを防ぐために2~3週間で使い切る必要があります。作り置きしておくと便利ではありますが、あまり作り過ぎないようにしましょう。
排水口の掃除には重曹がおすすめです。重曹はアルカリ性なので、排水口に付着しやすい油汚れやぬめりなど酸性の汚れをよく落とせます。用意するものは以下の通りです。
まずは排水口カバー、ゴム蓋、ごみ受け皿を取り出し、全体に重曹をまぶします。それから、使い古した歯ブラシなどでこすって汚れを落としましょう。こすり終わったら、水でしっかりすすいでください。
さらに、ごみ受け皿の下にあった排水トラップも取り外し、同じように重曹をまぶしてこすります。排水トラップの内側と外側にはぬめりがたまりやすいので、しっかり落としましょう。水ですすいだら、それぞれの部品を元に戻して終了です。
掃除の頻度はできれば毎日がおすすめです。排水口は汚れが蓄積しやすい場所ですが、毎日掃除しておくとぬめりにくくなります。
キッチンシンクを掃除する際にはいくつか注意点があります。注意点を守らないと、キッチンシンクの素材が傷んでしまったり、有害なガスが発生したりするなどトラブルの原因になります。ここからはキッチンシンクを掃除するにあたって気を付けておきたいポイントを解説します。
掃除する際には、キッチンシンクの素材に合った洗剤や方法を用いることが大切です。素材に合わない方法で掃除すると、素材を傷めてしまいます。
例えば天然大理石に塩素系漂白剤などのアルカリ性の洗剤や酸性の洗剤を使うと変色や腐食が起きてしまいます。キッチンシンクに使われやすい素材と取り扱いの注意点は以下の通りです。
ステンレスは表面にツヤ出し加工が施してあります。そのため、研磨効果のある重曹や硬いスポンジ・タワシ類を掃除で使うのは避けましょう。表面に傷が入ると、光沢が失われるだけでなく汚れが入り込みやすくなってしまいます。
また、塩素に弱いので、塩素系漂白剤に長い時間さらすのもよくありません。塩素系漂白剤は短時間のみ使うか、酸素系漂白剤を使いましょう。
ホーローもステンレスシンクと同じく表面が傷つきやすいので、重曹や硬いスポンジ・タワシ類は使わないようにしましょう。ホーローの掃除には弱酸性洗剤・弱アルカリ性洗剤・中性洗剤が向いています。重たくて硬いものを落とすと割れる可能性があるので注意しましょう。
人工大理石は熱に弱い特徴があります。掃除の時に熱湯を使うのは厳禁です。お湯は40℃程度までの温度にしましょう。人工大理石はステンレスやホーローに比べると頑丈なので、柔らかいスポンジ以外にも、メラミンスポンジやナイロンタワシといった道具で掃除できます。重たくて硬いものを落とすと割れる可能性があるので注意しましょう。
キッチンシンクの素材に合わない洗剤や方法で掃除して腐食や変色が起こってしまうと、なかなか元には戻せません。少し確認するのに手間はかかりますが、新しい掃除方法を試す時には、自宅のキッチンシンクに使っていい方法かチェックしてみましょう。
洗剤を使うときは必ず用法用量を守りましょう。特に以下のような使い方はしてはいけません。
洗剤の量をむやみに増やしても、洗浄力は上がりません。また、大量に使うと掃除後にも洗剤が残り汚れとして付着する原因にもなります。洗剤を使うときには説明書や注意書きなどをよく読んで、決められた濃度や使用量を守りましょう。
洗剤を流さずに放置すると、キッチンシンクの素材が傷む原因になります。特に、塩素系漂白剤など強い効果を持つ洗剤は腐食を発生させることもあるので、長い時間放置しないようにしましょう。
洗剤同士を混ぜるのも厳禁です。アルカリ性の洗剤と酸性の洗剤を混ぜると有害なガスが発生する可能性があります。特に塩素系漂白剤と酸性の洗剤の組み合わせは塩素ガスを発生させて危険です。うっかり危ない組み合わせを作ってしまわないためにも洗剤は併用せず、1つずつ使ってください。
汚れがひどく、どうしても自分できれいにできない場合は専門の業者に依頼するのも選択肢の一つです。クリーニングやリフォームには費用がかかるものの、きれいな状態になれば日頃の快適さがぐんと向上します。
ここからは、業者に依頼できるキッチンシンクのクリーニングやリフォームについて解説します。
なかなか落ちない頑固な汚れは、クリーニング業者に依頼してきれいにしてもらうのもよいでしょう。業者に依頼すれば、プロがキッチンシンクの素材や汚れの種類に合った方法で掃除してくれます。
業者によっては除菌仕上げやフッ素コートもしてくれるので、気になる方はサービス内容を確認してみましょう。費用は、シンクだけでなくコンロやグリルなどの掃除も含めて20,000円前後が相場です。
長年使っているキッチンであれば、リフォームもおすすめです。キッチンシンクの耐用年数は15~20年ほどなので、15年以上使っているなら、リフォームを視野に入れましょう。
たとえば、水垢や油汚れが付着しにくい人工大理石やホーローの素材を使ったキッチンシンクにすれば、毎日のお手入れも簡単になります。また、ひどい錆びが発生していて落とせない場合は、掃除よりもリフォームが有効です。費用は交換箇所がシンクのみかどうかや、シンクのサイズなどによって異なり、5万円~20万円ほどが相場です。
今回はキッチンシンクの掃除について解説しました。キッチンシンクの掃除では、掃除場所や汚れの種類によって洗剤や掃除方法を変えると、きれいに汚れを落としやすくなります。
キッチンシンクは食品を扱う場所だからこそ、きれいな状態を保ちたいものです。毎日のこまめなお手入れや、定期的な掃除で清潔な状態にしておきましょう。掃除をする際にはキッチンシンクの素材を傷めないためにも、素材に合った洗剤や掃除方法を選ぶことが大切です。
また、どうしても自分では汚れを落とせない場合は、業者にクリーニングを依頼したり、リフォームしたりするのも選択肢の1つです。自宅に合った方法でキッチンシンクをお手入れしてください。
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