配管からの水漏れを放っておくと、部屋の湿度が上がってカビや害虫が発生したり、漏れた水により水道料金が思わぬ額になったりなど、さまざまな二次被害につながるおそれがあります。
集合住宅の場合は階下などへ漏水し、家財が濡れる、カビが生えるなどの損害を与えてしまうかもしれません。そういった被害が起こると、多額の損害賠償を請求されてしまうこともあります。
火災保険に個人賠償責任保険が付帯されていれば、保険で損害を賠償できる可能性もあります。しかし、保険の種類や損傷の内容によっては水漏れによる損害が補償されないケースもあるので、被害が出る前に補修するのが重要です。
配管の水漏れ補修でまずすべきことは、水漏れ箇所の止水栓や住宅の水の元栓を閉めることです。
住宅内の水道配管には、水を供給する「給水管」と使用後の水を外に出す「排水管」があります。このうち給水管には、蛇口から水がきちんと出るよう圧力がかかっています。そのため、止水栓や元栓を閉めずに作業すると、給水管から水が噴き出すおそれがあるのです。
先に水漏れしている箇所が給水管か排水管かを調べ、給水管から漏れている場合は必ず止水栓や元栓を閉めましょう。
止水栓はキッチンのシンク下やトイレの壁側など、給水管の途中に付いています。住宅の水の元栓があるのは、多くの場合水道メーターと同じ場所です。どちらも時計回りに回すと閉まります。
配管の補修に使える代表的な補修材は、水漏れ専用テープとパテです。ここでは、水漏れ専用テープやパテの種類ごとに特徴を解説します。水漏れを発見したら速やかに補修できるよう、あらかじめ準備しておくといいですね。
水漏れ専用テープとは防水性を持つテープで、配管の水漏れ箇所に巻き付けて補修するものです。価格は300円〜2,000円程度で、次のような種類や特徴のテープが販売されています。
自己融着テープは合成ゴムでできており、伸ばして重ねるとテープ同士がくっつく特徴を持っています。粘着剤を使っていないので手にペタペタ張り付かず、補修作業を簡単に行える点もポイントです。ゴム製のため防水性が高く、配管の水漏れ補修に向いています。
自己融着テープの代表的なものはスリーエムの「融着テープ」です。プロ仕様で品質も高く、ナットなど凹凸がある部分の配管にもよく馴染むので細かい作業がしやすい特徴があります。
防水補修テープとは、高い防水性があるクラフトテープのような形状のテープです。非常に強い粘着力があり、粘着面を配管の水漏れ箇所に巻いて補修します。剥離紙が付いているタイプのものは、必要な分の剥離紙を剥がして使用してください。
代表的な防水補修テープの一つは、ニトムズの「強力防水補修テープ 白ブチル 片面粘着」です。柔らかい材質のためテープに柔軟性があり、コーナー部分にもしっかり馴染みます。耐久性が高く粘着力が強いことも特徴です。
水道用ラップテープとは、食品包装用のラップのように、テープ同士がくっつく特徴を持ったシリコンゴム製のテープです。補修中に手に張り付かず、剥がした後の配管に粘着剤が残ることもありません。シリコンゴム製のためよく伸び、配管のような曲面にもぴったり密着します。
代表的な水道用ラップテープには、ロックタイトの「漏れ止めテープ シーリングラップ1.2.3」があります。剥離紙を剥がす、テープを伸ばす、巻く、の3ステップで手軽に補修が可能です。
パテとは粘土状の補修材で、配管の傷やひびの上に貼り付けるように盛って水漏れを補修します。価格はおよそ500円〜2,000円です。以下では、配管補修に向いた主なパテの種類とその特徴を解説します。
金属用パテとは、補修用主剤と硬化剤の2つを混ぜ合わせて使用するパテで、耐久性の高さが特徴です。完全に硬化すると金属のように硬くなるので、配管の水漏れを強力に補修したいときに向いています。
代表的な金属用パテの一つは、セメダインの「穴うめ・成形 エポキシパテ 金属用」です。通常の金属用パテは補修用主剤と硬化剤を別々の容器から出して混ぜる必要がありますが、こちらは補修用主剤と硬化剤が2層1体になっています。必要な分をカットして練り合わせるだけで使えるので、手間がかかりません。
防水粘土パテは、補修中に手にくっつきにくく、練りやすい性質のパテです。金属用パテより比較的安価なことも特徴で、軽い水漏れに手軽に対処したいときに向いています。プラスチックやタイルなどにも使えるので、汎用性の高いパテを常備したい人にもおすすめです。
代表的な防水粘土パテには、サンホーム「配管用パテ」があります。手で揉むだけで柔らかくなり、配管にパテを盛るのも手で行えます。特別な道具がいらない簡単さが魅力です。
水漏れ用の補修テープを選ぶときは
などのポイントを押さえてください。
水漏れしている配管が直線型なら幅広のテープで補修できますが、ナットのある部分や曲がっている部分に幅広のテープを使うと、細かいシワができてしまい水漏れを防げないことがあります。凹凸や曲線がある箇所には、幅の狭いテープや、伸びながら自己融着するテープがいいでしょう。
配管の補修に慣れていない人は、自己融着テープや水道用ラップテープなど、手にくっつきにくい粘着剤不使用のテープがおすすめです。補修テープには片面タイプと両面タイプがあります。配管補修には、巻き付けて使う片面タイプの補修テープを選びましょう。
以下では、配管補修の具体的な手順や作業のポイントについて解説します。手軽に補修したいときは「テープを使う方法」、強度を増してしっかりと補修したいときは「テープとパテを使う方法」を参考にするといいでしょう。
テープを使う補修方法の手順は次の通りです。
テープをしっかり密着させるため、配管に水分や汚れが付いていたら拭きましょう。配管の亀裂や穴のみに巻くのではなく、広範囲を覆うように周辺まで巻くのがコツです。
テープの隙間から水漏れしないよう、引っぱりながら巻いて密着させてください。テープにシワができると隙間から水漏れするので、シワを作らずに巻くように気を付けましょう。
最後にビニールの粘着テープなどを保護テープとして上から巻くと、補修テープの剥がれなどを防止できます。
テープとパテを使う補修方法の手順は次の通りです。
配管に汚れや水分が付いているとパテが密着しないので、あらかじめしっかり拭いておきましょう。比較的短時間で硬化してしまうので、素早く盛るのがコツです。
パテは配管への密着度が高いアイテムですが、水を流すと内側からの水圧の影響を受けて隙間ができるケースもあります。上から補修テープを巻き付けることで内側からの水圧を押さえてパテを密着させる効果が期待できます。
補修材を使って配管の水漏れに対処するときは、以下で説明するような注意点や必要な心構えがあります。これらを踏まえておかないとしっかり補修できずかえって被害が大きくなることもあるので、よく確認しておきましょう。
補修材は用途によって向き不向きがあるので、水漏れをしっかり補修するには正しく使うことが重要です。
例えば、幅広の補修テープはシワができやすいため凹凸の多い箇所には向きません。また、配管に補修テープを密着させるには、引っぱりつつ巻き付けるのがポイントです。
こうした正しい使い方を守らないと、テープの隙間から水が漏れたり、テープが剥がれたりなどのトラブルにもつながりかねません。製品によって注意点が異なる場合もあるので、パッケージの説明書きをよくチェックしましょう。
補修テープやパテで補修できるのは、配管の小さな傷などから発生する小規模の水漏れです。水の勢いが強い水漏れや、重度の水道管破裂、壁内の配管からの水漏れなどは自分で補修できません。
配管の傷には水圧がかかっているため、最初は小規模の水漏れでも時間が経つと大規模になることがあります。しかし、資格を持たない人が行える対処には限りがあり、水道工事のなかには資格なしで行うと違法になるものもあるので、安易に自分で工事しないよう注意してください。
補修材を持っていても対応できない水漏れがあるので、気軽に修理を依頼できる専門業者をピックアップしておくといいでしょう。
配管の水漏れ補修は、根本的な解決ではなくあくまで応急処置です。水漏れが配管の劣化によるものなら、1箇所を補修してもまた別の箇所から水漏れが起こるでしょう。
解説したように、小さな水漏れが時間とともに大きくなり、補修材では防げなくなることもあります。ポタポタ漏れているような水漏れを見つけたら、症状が深刻になる前に専門業者へ連絡しましょう。
自分で補修を行ってから専門業者へ相談・依頼すると、水漏れの被害拡大を抑えつつ、落ち着いて適切な解決策を決められるので安心です。
水漏れの対処はスピーディーさが肝心です。被害が広がらないうちに応急処置の補修を行い、早めに専門業者に連絡しましょう。
なるべく短期間で来てくれるよう、営業拠点の多い業者がおすすめです。費用の面でも安心して依頼したいときは、無料で見積もりを出してくれる業者を検討してみてください。
経験豊富な業者であれば配管の劣化も調べてくれるので、水漏れの再発防止にも役立ちます。気になる水漏れは根本から解決し、安心して水道を使えるようにしましょう。
Copyright©株式会社イースマイル【町の水道屋さん】.All Rights Reserved.