洗濯機を購入したばかりなどで、新しく洗濯機と排水ホースを使い始める場合には、以下の3ステップで排水ホースを取り付けます。
うまく取り付けができないと水漏れなどのトラブルの原因になるので、手順を守りながら慎重に作業をしましょう。また、自分では対応できそうにないと感じたら業者に作業を依頼するのもおすすめです。数千円ほどの作業費はかかりますが、トラブルなく洗濯機を使えるようプロが取り付け作業をしてくれます。
作業に失敗して大規模な水漏れが発生してしまうと、自宅の床が水浸しになるだけでなく、集合住宅の場合は階下へ被害が広がりかねません。自分で取り付けに挑戦してみるなら無理のない範囲で作業していきましょう。ここからは、洗濯機の排水ホースを取り付ける作業手順を詳しく解説します。
まずは排水ホースを洗濯機本体側に接続します。排水ホースを取り付ける場所は、洗濯機の接続口と呼ばれる排水するためのパイプが少し出ている場所です。
接続口はおおむね洗濯機の下の方に付いていますが、細かな場所はメーカーや機種によっても異なります。場所がわからなければ紙やインターネット上の取扱説明書を参照しましょう。Panasonicのように必ず洗濯機の設置前に排水ホースを取り付けることを呼び掛けているメーカーもあります。
接続口を見つけたら、接続口から出ているパイプに排水ホースの口をかぶせるようにして差し込んでいきます。排水ホースはホースクリップが付いている方を接続口に差し込んでください。
接続口に排水ホースを差し込んだら、ホースクリップを接続口側にずらして、接続口のパイプとホースをしっかり固定しましょう。ホースクリップとは排水ホースを固定するために使う金属の留め具のことです。ホースクリップによる固定の仕方が緩いと水漏れなどの原因になるので、固定できるまで奥にずらして、しっかり留めてください。
最後に排水口側に排水ホースを接続します。排水ホースの先端にはスリーブと呼ばれる凹みのある部品が付いていることがありますが、スリーブは外さずに排水エルボに差し込んでください。スリーブを外してしまうと排水ホースの先端が変形して水漏れが発生することがあります。
排水ホースを差し込む排水エルボとは、排水口に取り付けられているL字型の管がついた部品です。排水トラップが設けられているほとんどの住宅では、排水口と排水ホースを水漏れすることなく接続するのに排水エルボが必要です。賃貸住宅であれば部屋に備え付けられており、本来であれば大家や管理会社側が用意するものです。しかし、万一購入が必要になってもECサイトなどで安価に購入できます。
排水エルボに排水ホースを差し込む時は、排水エルボを一旦排水口から取り外して差し込んでください。排水エルボと排水ホースはホースクリップで固定します。接続部分の上からビニールテープを巻き、結束バンドで固定するとより水漏れしにくくなります。排水エルボと排水ホースを接続できたら、排水エルボを排水口に戻しましょう。
なお、排水トラップがない古い住宅で、床に穴だけが開いている排水口を使う場合には、排水エルボを使わずに排水口に直接排水ホースをつなぎます。排水口につなぐ時は、排水ホースをしっかりと排水口の中に差し込みましょう。
差し込み方が甘いと、排水ホースが排水口から抜け出てしまい水漏れが発生します。洗濯機から排水する際には水圧や水の流れによる振動もあるので、多少の動きがあっても抜け出ないようにしましょう。一方で、排水ホースを差し込みすぎて、排水ホースの先端が排水口の壁面で塞がれていないかも確認してください。
排水パイプの先端が塞がれてしまうと、排水の流れが悪くなります。また、排水口に差し入れた排水ホースの先端が水につかっていると、排水時間が長くなってしまいます。調整がやや難しいですが、ほどよい場所に先端が来るように設置しましょう。
排水トラップがない住宅では、排水口に直接排水ホースをつなぐだけだと排水口のにおいが逆流してくるおそれがあります。においの逆流を防ぐためには、簡易トラップホルダなどの道具を使って、排水ホースが上向きに少しだけ曲がるようにして設置します。
上向きに曲げすぎると排水がうまく流れなくなる原因になるので注意しましょう。排水ホースが床から10cm以上浮かないようにするのが目安です。タテ型洗濯機は製品によってはより低い立ち上がりが推奨される場合があります。排水の流れ方を見て、立ち上がりの高さを調節しましょう。
排水ホースが劣化して水漏れが発生していたり、排水ホースの周囲から悪臭がするようになったら、交換の目安です。排水ホースを定期的に掃除していない場合は、詰まりや劣化が発生しやすくなるので使い始めてから2~3年で新しいホースに交換した方がよいでしょう。
お手入れしながら使っていたとしても、トラブルを防ぐために5年程度で交換するのがおすすめです。古い排水ホースから新しい排水ホースに交換する場合は以下の手順で作業します。
交換手順を読んでみて難しいと感じた場合は無理をせずに業者に交換作業を依頼しましょう。交換作業の費用は新しい排水ホース代などを含めて総額10,000~20,000円ほどが相場です。自分で交換する場合でも水漏れなどのトラブルが発生しないように、作業手順を守った作業が必要です。ここからはそれぞれの作業手順を詳しく解説します。
まずは、古いホースを取り外していきます。その前に、洗濯機を脱水し、必ず洗濯機の電源を落として給水栓を閉めましょう。洗濯機をあらかじめ脱水しておくと、古い排水ホースを取り外す時に出てくる排水の量を減らすことができます。
脱水をしても排水が完全になくなることはないので、念のため周囲にタオルや雑巾を敷いておきましょう。洗濯機の電源を落とすのは、作業中に洗濯機が誤作動するのを防ぐためです。うっかりボタンに手が触れて洗濯機が動き出さないように、電源をオフにするだけでなくプラグを引き抜いて元から電源を落としてください。
また、作業中に洗濯機を動かすことによって、給水ホースが外れてしまうことがあります。給水栓を開けたまま給水ホースが外れると周囲が水浸しになるため、給水栓を閉めておきましょう。
古いホースを取り外すために必要なものは、ホースクリップの種類によって異なります。ホースクリップがねじ式の場合はドライバーを、ばね式の場合はペンチを用意しましょう。それぞれに合った道具を使い、古い排水ホースを固定していたホースクリップを緩めて外します。
その後、古い排水ホースを外していきます。古い排水ホースを外す時は、水漏れを防ぐために洗濯機本体側から外し、後で排水口側を外しましょう。また、排水口側を外す時は排水エルボごと排水口から取り外してください。
なお、古い洗濯機の中には排水ホースの接続にホースクリップではなく接着剤を使っている場合もあります。接着剤を使った排水ホースは一般の方が交換作業をするのは難しいので業者に交換を依頼するのがおすすめです。
自分で作業をする場合は、接着剤で接続されている古い排水ホースの接着剤の部分をはさみで切ってホースを取り外してください。結合部に古い接着剤が残っていたら、新しいホースを取り付ける前に拭き取ったりサンドペーパーで擦るなどして除去しておきましょう。
古い接着剤が残っていると、新しい排水ホースを接続した時に隙間ができて水漏れの原因になります。古い接着剤はなるべくきれいに取り切ってください。固まってしまった接着剤はドライヤーの温風で暖めると柔らかくなり取れやすくなることがあります。サンドペーパーで擦る前に試してみましょう。
ホースクリップと接着剤のどちらで接着されている場合でも、排水ホースやホースクリップが固くて取り外すのが難しい時は無理をしないことが大切です。無理に取り外そうとすると、排水ホースやホースクリップが破損するほか、最悪の場合は洗濯機本体が破損する可能性があります。どうしても古い排水ホースを取り外せない時は、無理をせず業者に作業を依頼しましょう。
次に、新しい排水ホースにホースクリップをつけます。ホースクリップを交換しない場合は、古い排水ホースで使っていたホースクリップを新しいホースでも使えます。また、ホースクリップがない場合には、代用品として結束バンドも使用可能です。ホースクリップを緩くつけていると水漏れしてしまうので、きつめに取り付けましょう。
排水ホースの交換や取り付けを繰り返していると、ホースクリップは次第に緩んでいってしまいます。ホースクリップが緩んだまま排水ホースの使用を続けると水漏れの原因になるため、十分に締め付けられなくなったホースクリップは交換してください。
排水口側に排水エルボを設置します。排水エルボは排水ホースと排水口の口径に合ったサイズのものを準備する必要があるため、サイズを確認のうえ入手しましょう。排水エルボの材質には、主流となっているプラスチック製と、寿命が短い代わりに排水ホースに負担をかけにくいゴム製があります。排水ホースに合った排水エルボを選ぶのが重要です。
排水エルボには主にクリップ、スナップ、ネジの3種類のホースクリップが使われます。クリップ式は、排水パイプをはさんで固定するホースクリップです。洗濯ばさみのように手ではさむと緩むため使い方が簡単です。スナップ式はプラスチックのギザギザ部分を噛み合わせて締め付け方を調整するホースクリップです。嚙み合わせを横にずらすと簡単に取り外せます。
ネジ式はねじを締めたり緩めたりして締め付けを調節するホースクリップです。手でねじを締められる蝶ねじタイプとドライバーを使って締めるタイプがあります。
次に新しい排水ホースを洗濯機本体と排水エルボに取り付けます。取り付けの際には、先に洗濯機本体に排水ホースを取り付けてから、後で排水エルボに取り付けましょう。
排水エルボに排水ホースを取り付けた後は、ホースクリップを留め、水漏れを防ぐためにホースとエルボの結合部分にビニールテープを巻いてください。その後、ビニールテープの上から結束バンドを巻くとさらに効果的に固定できます。
古い排水ホースがホースクリップではなく接着剤で洗濯機と接続されていた場合には、新しい排水ホースも接着剤を塗ってから接続します。使用する接着剤は水漏れを防ぐために強力なものを選び、排水ホースに均一に塗布するようにしましょう。
瞬間接着剤やボンドではうまく接着できないので、ホームセンターやECサイトなどで安価に購入できる塩ビ管用接着剤など排水ホースに合った接着剤を使うようにしてください。さらに接続した部分の上からホースクリップで固定すると水漏れしにくくなります。排水エルボへの取り付けはホースクリップがある場合と変わりありません。
接着剤での固定が必要になる場合は、うまく接着剤を使えないと水漏れが発生しやすく、一般の方がきちんと接続するのは難しいこともあります。トラブルを防ぐために、業者に作業を依頼するのもおすすめです。なお、接着剤で接続した場合には、水漏れを防ぐために接着剤が乾ききるまで絶対に洗濯機を使わないようにしてください。
洗濯機の排水ホースを交換しようとすると、長さが合わないこともあるかもしれません。排水ホースの長さの調節方法にはいくつか守るべきルールがあります。ここからは、長さの調節方法について詳しく解説します。
新しい排水ホースの長さが足りない場合には、延長ホースでホースを継ぎ足しましょう。延長ホースは長さが2m未満のものを使ってください。長すぎる延長ホースを使うと、排水の流れが弱くなり、糸くずなどのゴミがホースに詰まりやすくなります。
延長ホースを新しい排水ホースに差し込んで接続する際には、排水ホースの先端に付いているスリーブは外さないようにしてください。排水ホースと延長ホースを接続したら、ホースクリップなどでしっかり固定しましょう。
短くしたいときは、排水ホースを縮めて使ってください。排水ホースの先端にスリーブがついている場合、排水ホースを切ってしまうとスリーブの取り付けができなくなることがあります。
排水ホースの中にはハサミなどで切って長さを調節できるものもありますが、本当に切ってもよい商品かどうかは商品説明などを読んで確認しておきましょう。
排水ホースを縮めて短く使う際には、排水ホースが立ち上がったり折れたりしないようにすることが大切です。洗濯機と排水口との距離が短くてどうしても排水ホースが立ち上がってしまう場合は、排水ホースの取り出し口を変えたり、部材を使ったりするなどの対策を取る必要があります。
洗濯機の設置場所の状況を見てどういった対策を取るか判断しなければならないので、自分で対応できない場合は無理をせず業者に依頼しましょう。
排水ホースを交換する時にはいくつか注意点があります。注意点を守らずに作業すると水漏れをしたり排水がうまく流れなくなったりするなどのトラブルが発生するので、確認しておきましょう。ここからは、排水ホースの交換時に気をつけるべきことを詳しく解説します。
まず、排水ホースは使用している洗濯機に合ったものを購入するのが大切です。メーカーが提供している純正品の排水ホースを使用するとサイズもぴったりと合うので、基本的には多少高くても純正品を使うのがおすすめです。
しかし、製造から10年以上経過した古い洗濯機になると純正品の生産が終了している場合もあります。純正品が手に入らない場合はホームセンターやECサイトなどで代用品を購入して使いましょう。代用品を選ぶ際には、純正品とホースの差し込み口の直径が同じものを選ぶのが大切です。
長さは実際に洗濯機の接続口から排水口までの長さを測ってみるのがおすすめですが、わからなければ調整のしやすい少し長めの物を購入しましょう。
排水ホースを取り付ける際には、ホースが立ち上がらないようにしましょう。ホースが立ち上がるとは、ホースが上向いて床から10cm以上浮いてしまう状態です。排水ホースが立ち上がっていると、うまく排水ができなくなるおそれがあります。
うまく排水できない状態になると、洗濯機がエラーを起こして止まってしまったり、故障してしまったりするため、スムーズに排水できる状態を維持しましょう。
洗濯機の使用中はなんとか水を流せる状態でも、使用後に排水ホースの中に水が溜まって微生物やカビが繁殖したりゴミが溜まったりすることもあるので、特に理由がなければなるべく立ち上がりを避けるのが大切です。
排水ホースの立ち上がりは、排水ホースが長すぎる場合に起こりやすくなります。まずは排水ホースを縮めて長さを調節してみましょう。ホースを縮めてもまだ立ち上がる場合は、ホースの取り出し口の変更か部材を使った対策が必要です。また、排水ホースの種類によってはハサミなどで切って長さを調節できることもあります。
排水ホースの取り付けでは、排水ホースが折れていないかも注意しましょう。特に障害物のある狭い場所に排水ホースを取り付けると、排水ホースが折れてしまう場合があります。
排水ホースが折れると、うまく排水できなくなるほかゴミが詰まるおそれがあります。洗濯機のエラーや故障、悪臭などのトラブルにつながるため折れないようにホースを設置しましょう。
排水ホースが折れないようにするためには、排水ホースを設置する場所に障害物となるものを置かないなどの工夫が必要です。また、排水ホースが長すぎて折れる場合には、縮めて長さを調節しましょう。
洗濯機を設置する場所の兼ね合いでどうしても折れてしまう場合は、そのまま無理に使うのではなく、業者に対応を相談しましょう。
今回は洗濯機の排水ホースの取り付け方法や交換方法について解説してきました。近年はECサイトで購入した洗濯機に無料の取り付けサービスが付属していないことなどから、自分で排水ホースの取り付け・交換を行おうという方が増えています。
しかし、排水ホースは取り付け方を間違えると水漏れなどのトラブルを発生させ、自宅や周囲の家に被害を及ぼすこともあります。また、日立などいくつかのメーカーは自分で排水ホースの調節をすることを推奨していません。
業者に依頼をする場合は会社によって異なりますが費用は5,000円~20,000円ほどです。作業が難しいと感じた際には無理をせずプロに相談しましょう。自分で排水ホースの取り付け・交換をする際にはトラブルを防ぎ安心して洗濯機を使うために作業手順や注意点を守り、正しく接続してください。
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