洗濯機の水が少ししか出ない場合、まず給水異常の原因を把握する必要があります。考えられる原因は主に以下の7つです。
給水異常が見られる場合、断水の可能性がありますが、そもそも断水している場合は水が出ません。逆に言えば、少しずつでも水が出ている場合は断水が原因ではないといえるでしょう。他の場所の蛇口をひねってみて正常に水が出ていれば、他の原因を探る必要があります。
また、生活インフラである水道が予告なく急に止まるケースはあまり考えられません。水道工事などによるお知らせが来ていないか確認してみましょう。集合住宅の場合、建物の設備点検やメンテナンスで断水することもあります。オーナーや管理会社から告知がなかったか確認しましょう。なお断水の場合、工事などが終われば水道は復旧します。
水道の元栓が閉まっていないかも確認しましょう。元栓が閉まっている場合もそもそも水が出ないため可能性としては低いですが、水道管の中に水が残っていればちょろちょろと出ることはあります。
また、普通に生活している場合、水道の大元である元栓を1回1回閉めるということは考えにくいでしょう。考えられるとすれば、引っ越ししたばかりで開け忘れている、他の場所で水栓工事をする際に業者が元栓を閉めてそのままになっているといったケースです。
元栓は通常水道メーターの横についており、開ける場合は反時計回りに回します。水道メーターは、集合住宅の場合は玄関横の鉄扉に、戸建住宅の場合は敷地内の地中に埋まっているケースが多いです。元栓が閉まっていることが原因かどうかも、ほかの場所の蛇口をひねってみればすぐにわかります。レアケースではありますが、一応確認してみましょう。
元栓が開いているのに水が出ない場合は、洗濯機の給水用蛇口が閉まっていないか確認しましょう。元栓と同じで蛇口が閉まっている場合はそもそも水が出ませんが、閉め方が甘くて半開きになっていると水の出が悪くなります。
洗濯を毎日している場合、いちいち閉めていないという家庭も多いかもしれませんが、時々違う人が使用して閉めていることもあるため一応確認しておきましょう。蛇口が閉まっていることが原因であれば、開けるだけですぐに水が出ます。
冬場は水道管が凍結して水の出が悪くなる可能性があります。外気温がマイナス4℃以下になると水道管が凍結するとされており、寒冷地や屋外に洗濯機を設置している場合は注意が必要です。
凍結しているだけであれば時間とともに解消されますが、すぐに対応したい場合は蒸しタオルを被せる、お湯をかけるなどの方法で解凍が可能です。蛇口とホースの接合部分を蒸しタオルで包めば徐々に氷がとけていきます。お湯を使う場合は、蛇口を閉めてから給水ホースを外し、中に40℃〜50℃前後のぬるま湯を注いで直接氷をとかすとよいでしょう。水道管が破裂する危険があるので熱湯の使用はNGです。
また、凍結によって給水ホースが破損・断裂して、水漏れしていることも考えられます。その場合、給水ホースの交換・修理が必要になるため業者に依頼しましょう。
蛇口から正常に水が出ているにもかかわらず、洗濯機への給水量が少ない、給水できない場合は、給水フィルターの目詰まりが原因になっている可能性があります。フィルター掃除の手順は以下のとおりです。
給水フィルターを掃除する際は取り外さず、使い古しの歯ブラシなどで付着している細かいゴミを取り除きます。フィルターを掃除しても症状が改善されない場合は、他の原因を探りましょう。
単水栓のコマパッキンの固着も原因の一つとして考えられます。コマパッキンとは、ハンドルの付け根部分に付いている、水栓の開閉や水量調整に必要な部品です。蛇口を閉めたまましばらく使用してないと、このコマパッキンが固着して水が出なくなることがあります。旅行や出張などでしばらく家を空けていたときによく起こる症状です。
コマパッキンは使用しているうちに劣化してくるため、通常数年に1回ほどの頻度で交換が必要になります。コマパッキンの固着が原因となっている場合、交換することで直るケースが大半です。コマパッキンはインターネットやホームセンターなどで購入できます。交換手順は以下のとおりです。
コマパッキンを交換してもトラブルが解消されない場合、単水栓自体を交換しなければならない可能性があります。修理業者に依頼してみてもらいましょう。
給水ホースが外れていないかも確認しましょう。緊急止水弁付き水栓では、何らかの理由で給水ホースが外れてしまった場合、自動的に水が止まるようになっています。地震が発生した後などに給水異常が起きた際は、一度確認が必要でしょう。緊急止水弁が作動してしまった場合の対処法は以下のとおりです。
緊急止水弁が固くて押し込めない場合は、水道の元栓を閉じて、別の場所の蛇口を開けて水圧を下げてからもう一度試してみましょう。
給水ホースが正常に取り付けられた状態になっているか確認し、正しく付いているにもかかわらず水が出ない場合は緊急止水弁が破損している可能性も疑われます。洗濯機用水栓が壁に埋め込まれているタイプの場合、自力で対応するのは困難です。水道修理業者に依頼しましょう。
洗濯機に不具合が起こった際は、操作パネルにエラーコードが表示されます。同じエラーでもメーカーごとにエラーコードが異なるため注意が必要です。給水異常が起こったときの主要メーカーのエラーコードはとおりです。
Panasonic製品で給水異常が起こった場合、「U14」というエラーコードが表示されます。このエラーコードが出たら、「給水ホースから水が出ていない」「給水フィルターにつまりがある」「本体の故障」のいずれかが考えられます。給水ホースから水が出ていない場合は、「元栓・給水蛇口が閉まっている」「水道管や給水ホースが凍結している」「断水している」のいずれかが原因です。
下記の方法を試しても改善しない場合や頻繁にエラーが出る場合は、給水弁やコントローラーなどの機器が故障している可能性があり、点検・修理が必要です。販売店あるいはPanasonic修理ご相談窓口へ連絡し、点検・修理を依頼しましょう。
元栓・給水蛇口が閉まっている場合は、それぞれ開栓すれば解決します。水の勢いが弱い場合もエラーが出ることがあるため、半開きなどになっていないかも確認が必要です。万が一の水漏れ防止のため、洗濯機を使用しないときは給水蛇口を閉めておきましょう。
水道管が凍結している場合は一度電源を切り、水道管を温めてから洗濯機を使用することで解消されます。温める方法は以下のとおりです。
家にあるほかの給水栓からも水が出ないときは、断水している可能性があります。電源を切り、断水が終わったあとにキッチンや洗面所などほかの蛇口から水を出し、濁った水が出なくなったことを確認してから洗濯機を使用しましょう。
水道水に含まれる不純物が給水フィルターに付着すると、給水フィルターが目詰まりして水の出が悪くなってエラーの原因になります。特に、井戸水を使用している場合は、不純物が多くゴミがたまりやすくなるため注意が必要です。本体側の給水ホースを外し、給水フィルターのゴミを取り除くことで症状は解消されます。
前述した対処法で改善しない場合は、一度電源を切り、電源プラグを抜いたあと5秒以上待ち、電源プラグを差し込んで再度運転してみましょう。
SHARP製品では、給水を開始して運転開始の時間までに設定された水量の水がたまらない場合、給水の異常として「E01」というエラーコードが表示されます。考えられる原因は以下のとおりです。
給水中に、本体から「ゴボゴボ」「ジャー」といった音が聞こえる場合、給水した洗濯槽内の水がそのまま排水されている可能性があります。脱水時間「3分」の脱水運転を行ったあと、再度洗濯をスタートし、改善されていれば問題ありません。改善されない場合、本体の排水弁が正常に閉じていない可能性があるため、メーカーへ連絡してみてもらいましょう。
排水音が聞こえない場合、給水フィルターのつまりが原因になっている可能性があります。水道蛇口から水が正常に出る事を確認したあと、本体の給水弁フィルターを掃除しましょう。水道蛇口の確認、給水弁フィルターの掃除手順は以下のとおりです。
これらを試しても改善しない場合、本体が故障している可能性があります。メーカーへ修理依頼しましょう。
HITACHI製品では、給水異常が起こった場合「C1」または「C01」というエラーコードが表示されます。給水口から水が出ない場合は、以下の5点を確認してみましょう。
給水フィルターの掃除をする場合は、まず給水ホースの水抜きを行います。手順は以下のとおりです。
給水フィルターは以下の手順で掃除します。フィルターを掃除し終わったら、給水ホースから水が出るか確認しましょう。まだ水の出が悪い場合、給水ホースのつまりも考えられます。問題なければ、最後に給水ホースを取り付けて作業完了です。
水は出るものの洗濯槽内に溜まらず排水されてしまう場合は、本体の不具合の可能性があります。販売店あるいは修理相談窓口へ点検・修理を依頼しましょう。
給水されるまでに時間がかかってしまう場合は、運転コースを確認してみましょう。「お湯取運転」「すすぎ運転」の場合は、すぐに給水が始まりません。お湯取り運転は、風呂の水を10分~15分間吸い上げる動作を行うため、給水されるまでに時間がかかります。すすぎ運転から始める場合はまず排水処理を行うため、すぐに給水されません。
すべて試しても改善しない場合や、「C01」や「C1」のエラーコードが頻繁に表示される場合は、給水弁に何らかの不具合が発生している可能性があります。点検や修理を依頼しましょう。
東芝製品では、「水が給水されない」「少しずつしか給水されない」といった給水トラブルが起こった際に「C51」というエラーコードが表示されます。以下の点を確認しましょう。
給水栓の開閉確認、水道管・給水ホースの凍結確認を行って問題がないようであれば、給水口のフィルター汚れを確認しましょう。フィルターにゴミが溜まっている場合、水道の水圧が下がって給水量が少なくなり(毎分約3L以下)、エラー表示が出る場合があります。上記の点をチェックして正常に水が出るかを確認し、しかるべき措置をとりましょう。
また、止水弁付きの水栓、緊急止水弁洗濯機用水栓など水栓の種類によっては、メーカーの給水ホースと適合しないものがあります。メーカーでは日本電機工業会規格(JEM1206)に準拠した水栓が推奨されているため、給水されない場合や適合しているかわからない場合は一度問い合わせてみましょう。
洗濯機の水が出ない、少しずつしか出ないといったトラブルが起きると、「故障してしまったのではないか?」と不安になってしまうこともあるでしょう。しかし、「断水していた」「元栓や蛇口が閉まっているだけだった」というケースもあります。また、水道管や給水ホースの凍結や、給水フィルターの目詰まりなど多くの場合、自分で対処できるケースも少なくありません。
もしできることを試してみて解消されない場合は、水道管の問題であるか洗濯機本体の故障の可能性があります。販売店やメーカー、水道修理業者に連絡して点検・修理を依頼しましょう。
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