洗濯パンは防水パンとも呼ばれ、洗濯機の下に設置することで水漏れや結露によるトラブルを防ぐ役割を果たしています。新しく洗濯機を設置する際や、既存の洗濯機の交換時に併せて、洗濯パンの設置や交換を検討すると良いでしょう。特にマンションや集合住宅では、漏水トラブルのリスクを軽減するために防水パンの設置をおすすめします。以下では、洗濯パンの具体的な役割や効果について詳しく解説していきます。
洗濯パンは、漏水による被害を最小限に抑えるための重要な役割を担っています。設置された防水パンは、万が一洗濯機から水漏れが発生した際に、漏水を一時的に受け止めることで床や周辺への浸水を防ぎ、漏水被害を軽減します。アパートやマンションなどの集合住宅であれば、下階への漏水被害を回避できることが大きなメリットです。
たとえば、洗濯機の排水ホースが外れたり排水口が詰まってしまった場合でも、洗濯パンがあることで漏れた水が留まって広がることがないため、迅速に対処できます。逆に、洗濯パンがない場合は漏水が床や壁を通じて広がってしまい、高価な床材を用いている場合など修理に高額な費用がかかることもあります。そのため、洗濯パンの設置は安心して生活するための必須アイテムと言って良いでしょう。
洗濯パンを設置することで、排水口の掃除を簡単にする効果も期待できます。洗濯パンを設置すると、排水口のつまりや悪臭の発生を防ぐことができ、採用する洗濯パンの種類によっては日常的なメンテナンスが容易になります。特にかさ上げタイプの洗濯パンを使用すると、洗濯機と床面の間に隙間ができるので、掃除がしやすくなります。
洗濯パンがない場合、排水口の位置が洗濯機本体と近いため、掃除をする際には洗濯機の移動が必要になり手間が増えてしまいます。一方、かさ上げタイプの洗濯パンを設置することで洗濯機を移動させることなく掃除ができ、排水トラップの定期的なメンテナンスも簡単になります。洗濯パンは掃除の利便性を高めて洗濯機周りを長く快適に使用するための大切なアイテムです。
では、洗濯パンはどのように選べば良いのでしょうか。洗濯パンは、設置場所や洗濯機のサイズに合わせたものを選ぶことが重要です。適切な洗濯パンを選ぶことで洗濯機の設置がスムーズになり、漏水や排水のトラブルを防ぐことができます。また、採用する洗濯パン次第で掃除やメンテナンスが簡単になります。以下では、洗濯パンを選ぶ時のポイントを詳しく解説しますので、最適な洗濯パン選びの参考にしてください。
洗濯パンを選ぶ際は、まず洗濯パンの設置場所に合うサイズを選びましょう。適切なサイズの洗濯パンを選ぶことで、洗濯機が安定します。もし、洗濯パンのサイズが設置場所に合わなければ、洗濯機が不安定になってしまい、振動の原因にもなってしまいます。従って、設置場所のスペースを正確に測定し、適した洗濯パンのサイズを選びましょう。
一般的に、洗濯機本体の幅や奥行きより少し大きめの洗濯パンを選ぶのが理想的です。少し大きめの洗濯パンを選ぶことで、洗濯機をスムーズに置けるだけでなく、作業も容易にできます。さらに、ドラム式洗濯機の場合はサイズが大きく重量もあるため、ドラム式洗濯機の場合も少し大きめの洗濯パンを選ぶと良いでしょう。以下に洗濯パンのサイズを3つ示します。
幅640mmの正方形タイプの洗濯パンは標準的縦型や賃貸およびマンション向け、幅800mmと幅740mmの長方形タイプの洗濯パンはドラム式洗濯機にも対応できる大きさです。
洗濯パンを選ぶ際には、設置場所のサイズや洗濯パンの大きさだけでなく排水口の位置にも注意が必要です。排水口の位置が合っていないと、ホースの接続が難しくなってしまい、接続不良による水漏れや詰まりの原因になってしまいます。スムーズな排水の流れに大きく影響するので、必ず設置前に床下の排水口の位置を確認し、排水口の位置に対応する洗濯パンを選びましょう。洗濯パンの排水口の位置は以下の3種類です。
たとえば排水口が床の端にある場合は、排水トラップが合うように小さめの洗濯パンを選ぶこともあるでしょう。一方で排水口が中央に位置している場合には、サイズにゆとりのある幅広の洗濯パンでも対応できます。また、排水口の位置によっては、エルボなどの接続部品で排水ホースの曲がりを少なくし、詰まりにくい状態にしましょう。
かさ上げが必要かどうかは、設置場所の状況によるでしょう。かさ上げを行うと、洗濯機と排水口の間にスペースができて排水の流れがスムーズになります。洗濯機の下ある排水ホースが長い場合や、ドラム式洗濯機の場合には適しています。真下排水の場合も、排水ホースが洗濯機のモーターと接触しないようにするために、かさ上げを行うと良いでしょう。
そして、マンションやアパートといった集合住宅ではメンテナンスの高圧洗浄が定期的に行われるため、排水口から高圧洗浄作業ができるようにかさ上げしておくと手間が少なく済みます。以下にて、洗濯パンを3種類の形状に分けて説明します。
フラットタイプは、かさ上げが不要な設置場所に適しています。見た目はスッキリしていますが、排水ホースのスペースに余裕がない場合は使用が難しいでしょう。枠ありのかさ上げタイプは高さを出せるため、排水ホースが潰れないようにしながら洗濯機の下に排水ホースを通すことができます。枠なしのかさ上げタイプは見た目がすっきりでありながら、かさ上げもします。洗濯機下のスペース確保が必要な場合に適しており、排水ホースの潰れを防ぎつつ設置できます。
洗濯パンのかさ上げは、洗濯機下の掃除もしやすくなるため、ホコリやカビの発生を防ぐ効果も期待できます。設置後のメンテナンスを考えると、かさ上げを検討することは長期的なメリットになるでしょう。
水栓の位置も、洗濯パンを選ぶ際に気をつけておきたいポイントです。特に、かさ上げタイプの洗濯パンを選ぶ際には、水栓の位置を確認することが大切です。かさ上げタイプを採用すると、洗濯機の高さがかさ上げしない場合よりも高くなります。洗濯機の位置が高くなるため、水栓と洗濯機や蓋の位置関係に注意しなければなりません。かさ上げによって洗濯機が高くなりすぎると、蓋の開閉が難しくなったり水栓に干渉することがあります。
例えば、かさ上げで洗濯機が5cmほど高くなる場合、設置前に水栓から洗濯機までの高さを測定し、干渉しないか事前に確認しましょう。ドラム式の高さと水栓の位置関係だけでなく、縦型の洗濯機の場合は上部が広く開くタイプが多いため、水栓が蓋の開閉の邪魔にならないよう設置前にしっかりと計測することが大切です。もしも、洗濯パンのかさ上げによって水栓に干渉してしまう場合には、水栓の位置を変更する工事を検討するか、蛇口延長ホースを使用して水の出し入れを容易にしても良いでしょう。
洗濯パンは、洗濯機からの漏水を防ぐために設置される重要な設備です。新しく取り付ける場合だけでなく交換する場合にも、手順を正しく理解して作業を行うことが大切です。以下では、洗濯パンの取り付け方法として、既存洗濯パンの撤去から新しい洗濯パンの設置までの手順を解説します。
最初のステップは、既存の洗濯パンを安全に撤去することです。洗濯パン取り付け作業を始める前には必ず洗濯機の電源を抜き、給水する蛇口を閉めましょう。感電や水漏れを防ぐために大切です。その後洗濯機をゆっくりと移動させ、給水ホースや排水ホースを外します。ホース類を外す時には、ホースに残っている水がこぼれないように注意しましょう。
次に、古い洗濯パンを固定しているビスを外します。ビスがすべて外れたら、洗濯パンを持ち上げて取り外します。洗濯パンを持ち上げて取り外す際は、排水管まわりの状態を併せて確認し、汚れやつまりがないかもチェックしておくとよいでしょう。特に排水口が汚れて詰まりかけていると、新しい洗濯パン設置後に排水不良が発生するリスクがあります。古い洗濯パンを取り外し、排水口の掃除や排水ホースの汚れをチェックしたら、次の仮置き作業に進みます。
古い洗濯パンの撤去後は、新しい洗濯パンを仮置きします。新しい洗濯パンを仮置きして、排水口の位置と洗濯パンのサイズが合っているか確認します。また、水平器を使ってパンの設置面の水平もチェックしましょう。
水平でない場合は設置後の排水の流れが悪くなり、水漏れの原因になることがあるため注意しておきましょう。設置面が水平でなければ、洗濯機の振動による音やズレも発生しやすくなります。もし水平でない場合はかさ上げなどの調整を行いましょう。仮置きをして排水口の位置や洗濯パンのサイズ、そして水平に問題がなければ新しい洗濯パンを固定する準備に入ります。
新しい洗濯パンの仮置きが終わって固定する前に、排水トラップの設置をしましょう。排水トラップは、排水管と洗濯パンをつなぎ、排水不良や悪臭の逆流を防ぐ役割を果たします。まず、排水トラップを排水口に合わせてセットし、芯を合わせて高さを確認してしっかりと固定します。ゴムパッキンがしっかりと取り付けられているかを確認し、水漏れが発生しないようにすることがポイントです。
次に、洗濯パンと排水トラップがしっかりと取り付けられているかどうかを確認し、余分な隙間がないかをチェックします。洗濯パンと排水トラップがしっかりと取り付けられていれば排水がスムーズに行われ、トラブルの防止にもつながります。状況に応じて、エルボを用いましょう。すべての接続が完了したら、最後に水を流して漏水がないかを確認して排水トラップの設置作業を終えます。
排水トラップの設置が済んだら、新しい洗濯パンをしっかり固定します。新しい洗濯パンを正しくしっかりと固定することで、洗濯機の振動を吸収してズレを防ぎ、洗濯機の動作も安定させます。もし、固定が不十分だと不安定になるだけでなく、床下から排水管を通じて悪臭や害虫が侵入するリスクも高まってしまいます。
次に水平器を使って、洗濯パンと排水トラップが床に対して水平になっているかをチェックしましょう。洗濯パンと排水トラップが床に対して水平でないと、排水がうまくいかず水漏れの原因になります。水平が確認できて位置が決まったら、パンの四隅をビスや固定具を使って床にしっかり固定します。
ただし、ビスを締めすぎると洗濯パンが割れてしまう可能性があるため、適度な力で締めるように注意しましょう。また、小石のような固いものが洗濯パンの下にあると、重量のある洗濯機が洗濯パンの上に乗った時に、洗濯パンが割れてしまう可能性もあります。固い物があれば必ず取り除くようにしましょう。
洗濯パンを固定した後、周囲に隙間がある場合はコーキングで埋めると良いでしょう。洗濯パンと壁の隙間をコーキングで埋めることで、隙間にゴミやホコリが溜まりにくくなり、清潔な環境を保てます。また、洗濯パンと床面の間に生じた隙間をコーキングでしっかりと埋めることで、水漏れがある場合でも漏水が床下に浸入するのを防ぐことができます。機密性も高まるので結露の発生を抑制し、壁や床の劣化、カビの発生を防ぎます。
コーキング処理をする前には、埋めたい隙間の部分をきれいに掃除しておきましょう。ホコリや汚れが残っているとコーキング材の密着が悪くなり、後々隙間ができることがあります。掃除が終わったら、マスキングテープで養生しながらコーキング材を均一に塗布し、ヘラなどで滑らかに仕上げましょう。塗布後はしっかりと乾燥させることで、より強力な防水効果が期待できます。
洗濯パンがしっかりと設置できたら、最後に洗濯機を設置していきます。洗濯機を慎重に持ち上げて、洗濯パンの上に置きましょう。洗濯機を置く時に、排水ホースがねじれたり折れたりしないように注意しながら設置してください。また、ドラム式洗濯機は重く危険なので、1人で無理をせず2人で置くようにしましょう。
洗濯パンの設置には、新規設置または既存の洗濯パンと交換があり、作業内容によって費用が異なります。さらに、現場の状況によっては追加費用が発生することもあります。以下では、新規設置の場合と既存洗濯パンと交換するケースについて詳しく解説します。
洗濯パンを新規に設置する場合、費用の相場は約15,000円〜25,000円です。新規設置の費用には、洗濯パンの本体価格(材料費)と取付工事費が含まれます。新しい住まいやリフォームを行う際に、初めて洗濯パンを設置する場合が新規設置に該当します。
洗濯パンの本体価格は約4,000円〜で、高価なものだと35,000円のものもあります。洗濯パンの価格は製品の大きさやタイプによって異なり、フラットタイプは安価、かさ上げタイプや機能的な洗濯パンが高価な傾向です。採用する洗濯パンによって新規設置費用は変動します。
新規に洗濯パンを設置する場合でも、設置状況によって追加工事で設置費用は変動するため、事前に複数の専門業者に見積もり依頼をすると良いでしょう。
既存の洗濯パンを新しい洗濯パンに交換する場合、交換費用の相場は20,000円〜35,000円です。交換費用には、新しい洗濯パンの本体費用と洗濯パン設置費用だけでなく、既存の洗濯パンの取り外しや処分、場合によっては排水トラップ設置の費用が含まれます。大きな洗濯機への買い替えに伴って洗濯パンを交換するだけでなく、既存の古い洗濯パンが破損していたり、劣化による水漏れが発生している場合が該当します。
交換費用も新規設置費用と同様、採用する洗濯パンのタイプだけでなく、状況に応じた追加工事の内容によって費用が変動します。事前の調査と、見積りを複数の専門業者からとっておくと良いでしょう。
設置状況によっては、新規設置または交換を問わず、追加の工事費用が発生することがあります。例えば、洗濯機のかさ上げをすると洗濯機の高さが変わって、水栓の位置と洗濯機が干渉することがあります。洗濯機と水栓が干渉する場合には水栓の位置変更の追加工事が必要になり、追加費用が必要です。
また、取り付け時に床面の調整や排水口の位置を変更する場合、床下の配管の移設や新しくする必要がある場合にも、追加の工事費用が発生します。複雑な工事になる可能性もあるので、事前に複数の専門業者から見積もりをとっておくと良いでしょう。
洗濯パンは一見簡単な構造に見えますが、排水トラップや排水管との接続を伴うため、設置や交換には正確な施工が求められます。もし、DIYで洗濯パンの設置をしても接続部分がうまくいかないと、せっかくの防水機能が発揮されずに漏水のリスクが高まります。集合住宅であれば、階下にまで被害が広がってしまいます。こうした失敗を避けるためにも、専門の業者に依頼すると安心です。
イースマイルでは洗濯機周辺設備の移設や高圧洗浄も対応可能なため設置工事の際にも一貫して依頼できます。年中無休なのでお休みの日など都合に合わせてお伺いすることもできるのでぜひ一度ご相談ください。
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