引っ越しをする前にしておくべき下準備を3つ紹介します。この準備を怠ると、新居に洗濯機を運んでも洗濯機が置けずに、困ってしまうケースも。洗濯機を運搬する前に、必ず紹介するポイントを確認しましょう。
まず、新居に今持っている洗濯機が問題なく設置できるか、スペースを確認しましょう。チェックすべきポイントは洗濯機を置くスペースの幅・奥行き、蛇口と排水口の位置、そして防水パンの高さです。設置スペースの幅や奥行きには、洗濯機本体だけでなく電源コードやホース類の出っ張りも考慮する必要があります。
左右に5cmずつ、奥行きも5cmほど余裕を持たせると安心です。また、ドラム式洗濯機の場合、扉の開閉スペースも確保する必要があります。蛇口の位置が低くて洗濯機に当たってしまう場合には、「延長偏心管」という部品を使えば蛇口の高さを調整できます。特に築年数の古い物件では、蛇口の位置が低いケースが多いため、高さをしっかり測っておきましょう。
排水口周辺のスペースも、ある程度余裕を持たせれば掃除がしやすくなります。また、防水パンの高さが合わず洗濯機が設置できない場合は、防振ゴムを洗濯機の下に敷いて高さを調整すると良いでしょう。
排水口周辺のスペースも、ある程度余裕を持たせれば掃除がしやすくなります。また、防水パンの高さが合わず洗濯機が設置できない場合は、厚みのある防振ゴムやかさ上げ台を洗濯機の下に敷いて高さを調整します。
防振ゴムやかさ上げ台はホームセンターや家電量販店でも買えます。事前に防水パンの高さを測っておいて、底上げが必要そうなら購入しておき、設置のときに取り付けするとスムーズに設置が終わるでしょう。
洗濯機が新居に運び込めるかどうか、事前に搬入経路もチェックしておきましょう。確認すべきポイントは以下の通りです。
間口を測る際は、実際に通れる部分のサイズを測ります。例えば玄関ドアなら、ドアの枠の大きさを測るのではなく、ドアを開いた際に実際に通れる幅を測りましょう。
しっかり測っておけば、間口不足で洗濯機が搬入できない事態を減らせるので、ぜひ参考にして搬入経路を測ってください。
戸建て・集合住宅関係なく確認すべき点は、玄関や室内廊下・ドアの幅です。目で見て大丈夫だと思っても、意外に幅が狭く洗濯機が入らないことがあるので注意が必要です。玄関の手すりやシューズボックスの出っ張りなど、狭くなっている部分がないか特に確認しましょう。
また、設置スペースまでに廊下を曲がらなければならない場合、角に柱が出っ張っているケースがあります。曲がり角の柱に引っかかって洗濯機を通せず、搬入が難しいケースもあります。部屋によってサイズや構造が異なるため、「ここを測れば確実に搬入できる」と一概には言えません。幅が狭い部分の見落としがないようにしっかり確認し、不安な場合は業者に事前相談しましょう。
玄関からの通常搬入が難しい場合、窓から搬入するのも1つの選択肢です。1階の住宅ならベランダや庭の掃き出し窓まで移動してそのまま搬入できますが、2階以上への設置で窓から搬入する場合は、吊り上げ作業を行わなければならないため、業者依頼が必須です。
集合住宅で忘れずに確認したいのは、建物の入り口部分です。建物の入口は広くとられていることが多いですが、植栽や装飾で通り道が狭くなっている可能性があります。
また、自動ドアの片側だけが開くようなタイプの入口だと間口が足りず搬入が難しいケースも。明らかにどんなサイズでも通れる入口以外は、しっかりと間口を測ってメモしておきましょう。
エレベーターは奥行きが不足している場合、洗濯機を載せられないこともあります。洗濯機と人が一緒に乗る必要があるので、エレベーターが小さい集合住宅の場合は注意が必要です。
特にマンションやアパートの2階以上の部屋に運ぶ場合、エレベーターが使えないと洗濯機を手で持って階段で運ぶ必要があります。大型のドラム式洗濯機の場合は80kg近い重量なので、エレベーターなしで自分で運ぶ場合、かなり大変な作業になります。業者に依頼する場合でも、エレベーターの使用ができない場合は追加料金がかかるケースが多いです。
階段の踊り場のサイズも測っておきましょう。広そうに見えても手すりが出っ張っていて見た目以上に狭かったり、踊り場が狭い階段も存在します。
また、例えば螺旋階段など特殊な階段・設備がある集合住宅の場合は、洗濯機を運んでも搬入できない可能性も。特殊な階段や狭そうな階段がある場合、無理に自分で運ぼうとせず、事前に業者に相談してください。
洗濯機の運搬を自分でする場合でも業者に依頼する場合でも、事前に水抜きと呼ばれる作業が必要です。水抜きとは、洗濯機を輸送している間に水がこぼれないよう、洗濯機の中に残った水を抜いておくことを指します。
水抜きをしないままで洗濯機を輸送すると、洗濯機の中に残った水が想定外の部分に入り込んで洗濯機が故障したり、移動中に他の家具や家電を水濡れさせる原因となります。
水抜きは、可能なら引っ越しをする前日までに行っておきましょう。洗濯機を移動させる前までにやっておけば問題はないですが、前日までに行っておくと水分がしっかり乾燥するので安心です。
洗濯機を移動させる前に必要な水抜きの方法を紹介します。手順は以下の通りです。
ドラム式洗濯機の場合は上記手順に加えて、糸くずフィルターの水抜きも必要です。忘れやすい部分なので、注意しましょう。
水抜きは、手順さえ知っていれば難しい作業ではありません。ぜひ、紹介する手順に沿って引っ越し前日までに洗濯機の水抜きを行ってください。
最初に、給水ホースの中に残った水を抜きます。まず、洗濯機に接続されている蛇口を完全に閉め、洗濯機への水の供給を止めてください。
その後、洗濯機のフタを閉めて、標準モードで運転をスタートします。ドラム式洗濯機の場合は「ドライ」や「槽洗浄」コースを選びましょう。1分ほど運転させてから停止させると、給水ホースの中に残っていた水が洗濯機の中へと抜けます。
給水ホース内の水を抜いたら、蛇口から取り外します。この際、給水ホース内に残っている水がこぼれてくる可能性があるので、タオルやぞうきんで吸い取ったり、洗面器やバケツで受け止めたりしながら取り外しましょう。
ホースの取り外し方は、ロックレバーを外すタイプやネジを緩めるタイプがあるので、それぞれの方法に合わせて取り外してください。蛇口から給水ホースを外した後は、洗濯機からも給水ホースを外します。洗濯機から給水ホースを外すときは、ナット部分を手で回せば簡単に外れます。
給水ホースが外れたら洗濯機を脱水モードで運転し、洗濯機本体の中の水分を完全に抜いてください。
ドラム式洗濯機の場合は、糸くずフィルターにも水が溜まっていることがあります。洗濯機の脱水運転が終わった後に、糸くずフィルターを少しずつ緩めて取り出しましょう。
糸くずフィルターは排水に含まれる糸くずを取って排水口が詰まるのを防いでおり、洗濯機の下の方についていることが多いです。メーカーや機種によっても異なるので、見てすぐに糸くずフィルターの場所が分からない場合は説明書やメーカーのサイトで確認してください。
糸くずフィルターを外すと溜まった水が流れ出てくるので、洗面器などで受け止めます。糸くずフィルターをきれいに掃除し、タオルやぞうきんで水気を拭き取りましょう。糸くずフィルターの取り付け部分から流れてくる水が止まったら、取り付け部分もタオルやぞうきんで水気を拭き取ります。
最後に糸くずフィルターを元の位置に取り付けたら、糸くずフィルターの水抜きは完了です。
最後に、排水ホースを排水口から取り外します。ずっと掃除していない場合、排水ホースは汚れがひどいケースもあるので、手が汚れるのが嫌な人はゴム手袋で手を保護しましょう。また、漏電の危険を防ぐためにも、排水ホースを外す際は洗濯機の電源プラグとアース線をを抜いてから行ってください。
排水ホースを取り付ける方式には、以下の3種類があります。
クリップ式は多くの住宅で使われているタイプです。排水ホースと排水口にあるL字型の部品(排水エルボ)を留めているクリップをつまんで取り外せば簡単に取り外しできます。ネジ巻き式は排水ホースと排水エルボを金具で留めているタイプで、ネジを緩めると金具も緩み、ホースを外せます。
スナップ式は、結束バンドのようなプラスチックのバンドで排水ホースと排水エルボを留めているタイプです。ツメをずらすとバンドが緩んで外せる仕組みですが、硬くて動かなかったりスペースが狭いとなかなか外せなかったりします。無理に外そうとすると指や爪のケガにつながるので、緩めるのが難しい場合はバンドを切ってしまっても問題ありません。
排水ホースを外す際も、中に水が残っている可能性があるので、タオルや洗面器などで水を受け止めましょう。排水口側についたL字型の排水エルボは部屋の付属品なので、取り外してはいけません。間違えて新居に持って行かないよう注意してください。
洗濯機を運搬するときの注意点を2つ紹介します。ぜひ引っ越し前に確認をし、紹介する点に注意しながら洗濯機の運搬をしてください。
引っ越し業者に洗濯機の運搬を依頼する際、水抜きをしていないと追加料金を請求される場合があります。引っ越し当日に無料で水抜きしてくれる業者もありますが、基本的には追加料金がかかると考えておきましょう。
30分~1時間ほどあれば水抜き作業は完了するため、時間に余裕を持って前日までに行っておいてください。引っ越しには何かとお金がかかるので、無駄な出費はなるべく抑えたいもの。自分で水抜きをしておけば、追加料金を支払わなくて済みます。
洗濯機を自分で運搬する際は、必ず2人で作業しましょう。洗濯機はかなり重い家電なので、1人で無理をして運ぼうとすると新居や旧居の内装を傷つけたり、マンションの共有部分を壊してしまったりします。また、万が一足の上に落としてしまったりバランスを崩したりするとケガにつながるおそれもあります。
例えば大容量12kgの洗濯機では、ドラム式が約80kg、縦型は約55~60kgほど。1~2人暮らしに適した容量7kgの洗濯機でも、ドラム式なら約70kg、縦型で30~35kgほどの重さがあります。特にドラム式は重量があるため、1人での運搬作業は非常に危険です。
設置スペースまでの搬入にも注意が必要です。壁にこすってしまうと消えない跡や傷が残ったり、床を引きずるとフローリングに傷がついたりします。また、ぶつけたことによって洗濯機自体が故障し、買い替えを余儀なくされる場合も。
特に重量のあるドラム式洗濯機や大容量の縦型洗濯機は、素人が運ぶには骨の折れる作業です。なるべくなら業者に運搬を依頼し、どうしても自分で運びたい場合でも安全のため必ず2名で運ぶようにしましょう。
洗濯機の設置を依頼できる業者と、それぞれの費用相場を紹介します。洗濯機の設置の依頼先には選択肢があるので、予算や状況に合わせて選びましょう。
洗濯機の設置作業は、引っ越し業者にそのまま依頼できます。今まで浸かっていた洗濯機を新居でも継続して使う場合は、引っ越し業者に依頼すると引っ越し後もスムーズに洗濯機を使えて便利です。
縦型洗濯機の場合の取り外し費用は1,500円~3,000円、取り付け費用は3,000円~5,000円程度です。ドラム式洗濯機では、取り外しに3,000円~5,000円、取り付けは6,000円~10,000円ほどが費用相場でしょう。
洗濯機の取り外し料金は運搬費に含まれているケースもありますが、業者によっては家電の取り外しと設置は別で電気工事の業者に委託していることもあります。外部委託している業者の場合はそれだけ費用も高くなりやすいので、引っ越しをする前に見積もりを確認しておきましょう。
引っ越しに伴って洗濯機を新しく購入した場合は、購入店舗の設置サービスを利用する手もあります。家電量販店やネットショップでは、洗濯機の配送のついでに設置まで行うオプションサービスがあることがほとんどです。
設置料金の相場は1,000円~3,000円ほどで、集合住宅の場合はエレベーターの有無や室内の中でも2階に置く場合など、設置先の条件によって異なります。配送と一緒に取り付けまで対応してくれるので作業立ち合いが1回で済み、手間がかからないメリットがあります。
洗濯機の設置は、洗濯機の設置を専門に行う業者や、水道業者への依頼も可能です。自分で洗濯機を運搬したものの、どう取り付けて良いか分からない場合や設置スペースのサイズがギリギリで自分での取り付けが難しい場合など、困ったときに頼むと良いでしょう。
専門業者や水道業者に依頼すると、単純に洗濯機を設置するだけでなく、あらゆる状況に柔軟に対応できるメリットがあります。例えば洗濯機の底上げが必要だったり、蛇口が低すぎたりする場合などでも、必要な部品を持ち歩いていることがほとんどなので、後日とならずその場で対応可能です。
水道業者・設置業者の取り外し・取り付けの費用相場は6,000円~18,000円が一般的ですが、設置場所の状況、機種などによって変動します。緊急で洗濯機を使わなくても良い状況なら、複数の業者に見積もりを取り、比較検討してから決めると安い業者や信頼できる業者を選べます。
洗濯機の設置について、事前に準備することや注意点を紹介しました。洗濯機は重量があるため、素人が運ぶにはリスクが伴います。洗濯機が故障して買い替えなければならなくなったり、部屋の内装に傷や跡をつけてしまうと、結局は洗濯機の運搬費以上のコストがかかるかもしれません。
洗濯機の設置はプロの業者に依頼する方が、搬入のときに内装に傷をつけてしまったり洗濯機自体を壊してしまったりするリスクが少ないです。また、その後使用していて水漏れしたり、故障したりするトラブルも減らせます。
容量の大きい洗濯機やドラム式洗濯機は特に重いため、料金がかかっても業者への設置依頼がおすすめです。
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