洗濯機の設置が自分でできるか判断するために、設置作業がどのくらい大変かを知っておきましょう。ここからは洗濯機の設置作業で特に難しいポイントを紹介します。
洗濯機は基本的に2名で運搬するものです。一般的な縦型洗濯機は30kg~40kg、ドラム型洗濯機は80kg~90kgの重量があり、1人で運搬するのは現実的ではありません。さらに、洗濯機を運ぶ際には住居の壁や柱などを傷つけないように運ぶ必要があります。
洗濯機のホースは給水ホース・排水ホースともに正しく接続しなければなりません。ホースの接続がうまくできていないと、水漏れが発生します。洗濯機では大量の水を使うため、水漏れが発生すると被害が大きくなりやすく、周囲が水浸しになる可能性もあります。
業者に依頼するかしないかにかかわらず、洗濯機を設置する前には確認すべき事があります。確認をしていないと自宅に洗濯機が入らず泣く泣く処分する事態も考えられるので、以下の最低限のチェックはしておきましょう。ここからは設置前に確認すべきことを解説します。
まずは外から洗濯機置き場まで洗濯機を運搬する経路が確保できているか確認する必要があります。洗濯機を運搬するには、本体の大きさに加えて10cmの余裕を確保しなければなりません。洗濯機を支える手が壁にぶつからないようにしなければならないからです。
洗濯機置き場の排水口の位置と高さも確認しておきましょう。排水口の位置と高さによっては、洗濯機の設置の際に特別な作業や部品が必要になるからです。
たとえば排水口が洗濯機本体の左右や後ろにある場合は、基本的に追加で必要な部品はありません。しかし、洗濯機本体の真下に排水口があり、洗濯機がタテ型洗濯機の場合は真下排水用ホースなどの部品が必要です。
排水口が置かれる予定の洗濯機本体に対してどの位置にあるか確認しましょう。排水口にあるL字型のパイプである排水エルボがあるかもチェックしておいてください。
引っ越しをするなら、旧居で使っている洗濯機を新居に持って行く方もいるでしょう。洗濯機を取り外す時には以下の手順を守る必要があります。
まずは洗濯機に給水している水栓を閉める必要があります。開いた水栓からは水が出ている状態なので、閉めずに取り外し作業をすると辺りが水浸しになります。水栓は洗濯機から出ている給水ホースの先にあるので、手で栓を閉めましょう。これからの作業で水が出てこないようにしっかり閉めるのが大切です。
次に水栓から給水ホースを外しましょう。水栓を閉めても給水ホースの中に水が残っていることがあるので注意が必要です。ホースの端をタオルで押さえながら左回りに回してゆっくり外してください。
なお、古い水栓では「ニップル」という部品で水栓と給水ホースが繋がっていることがあります。ニップルが付いている場合は、ドライバーなどでニップルを取り外してから給水ホースを外しましょう。
水栓を閉めて給水ホースを外しても洗濯機の中にはまだ水が残っています。水が残った状態で運搬をすると水漏れが発生するので水抜きの作業をしておきましょう。水抜きの仕方は製品によって異なるので詳しくは取扱説明書を確認してください。
一般的には、まず洗濯機を空にした状態で電源をつけ、数分後にオフにします。その後、再び電源をつけた後に脱水モードで1~2分運転させます。洗濯機内部の水が全部なくなったら、残った水分をタオルなどで拭き取りましょう。
ドラム式洗濯機の場合は、糸くずフィルターの水抜きも行っておきましょう。脱水後、糸くずフィルターを外し、溢れてくる水を流します。その後、糸くずフィルターを洗って水分を拭き取り、フィルターがあった場所の水分も拭き取ります。それから糸くずフィルターを元に戻したら完了です。
水抜きが終わったら電源コードとアース線を抜きます。アース線は緑や黄色のカバーがついた線です。電源コードとアース線はコンセントに繋がっています。
感電防止のために自分の手や周囲が濡れていないか確認してから、電源コードを先に抜きましょう。アース線の取り外し方にはいくつか種類があります。アース線を穴に差し込むだけの「ワンタッチタイプ」は、アース線を固定しているレバーを押し上げてアース線を引き出しましょう。
コンセントに付いているつまみにアース線が引っかかっているなら、つまみを手で緩めてアース線を取り外してください。ネジでアース線が固定されている場合には、ドライバーでねじを緩めてアース線を抜きましょう。
次に排水ホースを外します。水漏れを防ぐために排水ホースは必ず洗濯機本体側を先に、排水口側を後に外しましょう。新しい排水ホースであればホースクリップという金属の留め具でホースが固定されているので、ペンチやドライバーを使ってホースクリップを緩めます。
排水口側のホースは古い住宅でなければ「排水エルボ」というL字型のパイプで排水口につながっているはずです。洗濯機本体側の排水ホースを取り外したら、排水エルボごと排水口から排水ホースを取り外しましょう。
賃貸住宅の場合は、排水エルボは住宅に備え付けの部品です。勝手に新居に持って行くと大家や管理会社に迷惑をかけるので、排水ホースから取り外して排水口に戻しておきましょう。
洗濯機がドラム式洗濯機の場合は輸送ボルトを締めておきましょう。輸送ボルトはドラムを固定するためのものです。輸送ボルトを締めないまま運搬すると故障のリスクが跳ね上がります。
輸送ボルトは洗濯機が運ばれてきた時に外されてどこかにあるはずです。捨てたり紛失したりした場合はメーカーから取り寄せましょう。輸送ボルトを用意したら、洗濯機の取扱説明書を確認しながら、輸送ボルト取付穴にスパナなどを用いながら締め込んでください。
洗濯機の取り付けでも以下の手順を守って作業する必要があります。
新しく購入したり、旧居から持ってきたりした洗濯機を自分で取り付ける場合は、手順を守りながら作業をしましょう。ここからはそれぞれの手順について詳しく解説します。
まず排水ホースを接続します。接続する際には、洗濯機本体側を先に、排水口側を後に接続しましょう。洗濯機本体側では、洗濯機下部の接続口に排水ホースを差し込み、ホースクリップでしっかりと固定します。ホースクリップが緩んでいると水漏れの原因になるためきつめに締めてください。
排水口側では排水口から排水エルボを取り出し、排水エルボに排水ホースを差し込みます。それからホースクリップで固定し、さらに水漏れ防止のために結合部に防水テープを巻き付けたあと結束バンドで固定しましょう。排水ホースと接続された排水エルボを排水口に戻したら完了です。
なお、排水ホースが上向きに10cm以上立ち上がった状態になっていたり、折れ曲がったりしていると、排水がうまく流れなくなってしまいます。排水が流れないと悪臭や洗濯機の故障の原因になるため、水がスムースに流れるよう排水ホースを設置しましょう。
次に給水ホースを接続します。給水ホースは蛇口側から先に接続するようにしましょう。給水ホースについているつまみを下にスライドさせながら蛇口の奥にホースを差し込みます。水漏れを防ぐためにしっかり奥まで差し込むようにしてください。
新しい蛇口であれば給水ホースが外れてしまったときに自動で水が止まるようになっていますが、古い蛇口は止まりません。そのため、ホームセンターなどで購入できるニップルという部品を取り付けて水漏れを防ぐのがおすすめです。
次に電源・アース線を接続します。アース線とは感電を防ぐために洗濯機から漏れ出た電気を外に流すものです。まずはアース線から接続していきます。
コンセントの下部にアース線のための取り付け口があるので、取り付け口の穴にアース線を差し込んで接続します。接続方法は、差し込むだけで接続できるものやつまみに引っかけるもの、差し込み口のねじに巻き付けるものがあります。
アース線の接続ができたら、電源プラグをコンセントに差し込んで接続しましょう。接続の際には感電防止のため必ず自分の手や周囲が濡れていないかを確認してください。
取り付けが完了したら水栓を開け試運転をして水漏れがないか確認しましょう。試運転では電源をつけ運転をスタートし、洗濯槽の3分の1程度に水が溜まったら運転を終了します。それから脱水モードで運転して、排水がきちんとできるか見てみましょう。水漏れがないかどうかと洗濯機が正常に動作するかどうかをチェックしてください。
洗濯機の設置に不安を感じるなら業者に依頼するのがおすすめです。業者に依頼すれば、トラブルの発生も抑えられ、自分で難しい作業をする必要もありません。ここからは設置を依頼できる業者と依頼する際の費用相場を紹介します。
洗濯機の設置を依頼できるのは主に上記の業者です。家電量販店は、その店で洗濯機を購入した場合に依頼できます。洗濯機の選び方から相談に乗ってくれるので、搬入経路や洗濯機置き場の排水口周りの情報を控えてから店に行くと購入から設置までスムースでしょう。
依頼する際の費用相場は数千円~2万円ほどです。費用の内訳は作業者の人件費や出張費などです。また、追加で部品が必要になる場合は部品代がかかることもあります。たとえば、真下排水用ホースは1,000~2,000円程度、ユニット代は6,000~7,000円程度が相場です。
今回は洗濯機の設置を自分でできるかの判断基準と設置方法などを解説してきました。洗濯機は大人2人でやっと運べる重たい製品です。また、正しくホースを接続しないと水漏れのリスクもあります。自分できちんと設置できるか不安なら無理をせずに業者に作業を依頼しましょう。
万一大規模な水漏れが発生して損害賠償が必要になれば、業者に依頼するよりずっと高くつきます。業者に依頼したとしても数千円~2万円程度なので、安心のために依頼するのもおすすめです。プロの力をうまく借りながら安全に洗濯機を設置してください。
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