住宅設備などの話を聞いていると、ときどきカランという言葉を耳にします。次の項目で、カランをわかりやすく説明します。カランには、水の出し方や取り付け方など製品によって違いがあります。
カランとは、水道の蛇口のことを指しているオランダ語です。一般的には蛇口と呼ばれることが多いですが、カランや水栓とも呼ばれます。カランは給水管の先端に取り付けることで、水を出すだけではなく出る水の量を調節したり、お湯と水を切り替えたりすることが可能です。それぞれ適した場所に適した種類のカランを設置することで、快適に水を使用できます。
カランには、ハンドルをひねって水を出すものや、レバーを押し上げて水を出すもの、センサーで水を出すものなど、さまざまなタイプの水栓が販売されています。形状の違い以外にも、単水栓や混合水栓などの機能の違いや、壁付き、台付きなどの取り付け方が異なるカランがあります。
まず、水を出す方法が異なるハンドル式とレバー式について説明します。ハンドル式とは、ハンドルを時計回りや反時計回りに回すことで、出る水の量を調節できるカランのことを指します。学校の水道や公共のトイレなどに設置されている昔ながらの蛇口をイメージするとわかりやすいです。対して、レバー式のカランはレバーを下げたり上げたりすることで水の量を調節できます。レバー式のカランは、一般家庭のキッチンや洗面所、お風呂などで使用されることが多く、ハンドル式よりも一般的な形状で知られています。
また、単水栓と混合水栓といった違いもあります。単水栓は水かお湯どちらか一方が出るタイプのカランのことを指します。対して、混合水栓はレバーなどを操作することで、水とお湯を切り替えることができるカランです。一般家庭では混合水栓を設置するケースがほとんどで、単水栓は庭の散水栓など用途が限られている場所に設置されるケースが多いです。
カランには、壁付きと台付きの2種類の取り付け方があります。壁付きは壁から突き出している形で設置するカランのこと。対して、台付きはカランに台座が取り付けられているタイプの商品です。キッチンや洗面所に設置されているカランは台付きタイプで、洗濯機のカランを交換するときは壁付きなど、設置方法に合わせたカランを選択する必要があります。
キッチンにおすすめのカランは、タッチレス水栓と浄水器付き水栓です。キッチンでは、料理や洗い物に水を使用したり、飲み水として水を利用したりします。キッチンに最適なカランを設置することで、今よりも快適に料理や洗い物ができるでしょう。
タッチレス水栓とは、センサー部分に手を近づけることで水を出せるカランです。洗い物や料理で手が汚れているときなど、水栓本体を触らずに水を出すことができるので、カラン自体の汚れを防ぐことができます。タッチセンサーで水とお湯を切り替えることができるカランも販売されているので、カランに触らずに水を使用したい場合には、タッチセンサーの機能に注目してみましょう。
キッチンで使うカランは、水垢をはじめ、洗剤汚れや油汚れなどで汚れてしまいがちです。タッチレス水栓であれば、カラン本体を触る機会が減るので、カランの汚れ防止に役立ちます。手軽に水まわりをきれいにしておきたい人は、タッチレス水栓がおすすめです。
浄水器付き水栓とは、蛇口の先端に浄水器の機能がある部品が取り付けてあるカランです。浄水器付き水栓であれば、浄水されたキレイな水を飲み水や料理の水として活用できます。
浄水器付き水栓は、頻繁に料理を作る家庭や、水道水を飲み水として活用する家庭におすすめです。浄水器付き水栓であれば、いつでも不純物が取り除かれたキレイな水を口にできます。とくに、子供がいる家庭では水道水を自分で飲んでくれると助かるもの。浄水器が付いていることで子供が自分で水道水を飲んでも、安心して見守ることができます。
浴室におすすめなカランは、サーモスタット混合水栓とプッシュ式水栓です。浴室は、毎日体をキレイに洗うために水栓を使うので、お湯を快適に使用できるカランを取り付けるのがおすすめです。
サーモスタット混合水栓は、カランの内部で水とお湯を混ぜて最適な温度のお湯を出すことができます。一般家庭では、浴室に設置されるケースが多いカランです。
サーモスタット混合水栓のメリットは、給湯器の設定温度と水栓から出るお湯の温度を変えることができる点です。例えば、キッチンや湯船で使うお湯は41℃にしたい場合、シャワーで41℃のお湯を使用すると熱く感じることがあります。そんなときに、給湯器の設定温度を41℃のまま、カランを操作して38℃のお湯を出すことが可能です。
プッシュボタンを押すことで一定の量のお湯を排出できるカランのことをプッシュ式水栓といいます。公共の温泉施設や公共のトイレにある、ボタンを押したら一定量の水が出るカランを思い浮かべてみたら、わかりやすいかもしれません。
プッシュ式水栓は、浴室でやってしまいがちな水の出しっぱなしを防ぐことができます。シャワーなど、浴室では毎日大量の水を使用します。プッシュ式水栓を浴室に設置すれば、必要以上のお湯を出してしまう前に自動で水がストップするので、水道代の節約が可能です。
洗面台におすすめなのは、シャワー水栓とプッシュ式水栓です。洗面台は、身支度を整えるだけではなく、手洗いや洗濯物を洗うときに使用します。自分だけではなく、家族も頻繁に使用する洗面台のカランは、家族と使い方を相談しながら設置するカランを選ぶことがおすすめです。
シャワー水栓とは、浴室で使うようなシャワーの状態で水を出してくれるカランのことを指します。シャワー水栓は、直流水栓とは異なり水ハネしづらく、広範囲に水をかけることができる点がメリットです。
洗面台にシャワー水栓を設置すれば、洗濯物を手洗いするときなどに便利です。さらに、蛇口が伸びるタイプのホース引き出しタイプのシャワー水栓を設置すれば、頭を洗ったり、洗面台を掃除したりするときに使いやすいでしょう。直流水栓よりもシャワー水栓の方が使い勝手がいいので、洗面台での作業が多い場合にはシャワー水栓がおすすめです。
プッシュボタンを押すことで一定量の水が出るプッシュ式水栓は、使用する水の量を減らしたい家庭におすすめです。一定量の水が出たあと、自動で水を止めてくれるので節水に役立ちます。歯磨きや洗顔だけで、洗濯物を洗うことが少ない家庭では、プッシュ式水栓がおすすめです。
水を出しっぱなしにしてしまいがちな洗面所にプッシュ式水栓を設置することで、朝の身支度時などに必要以上に水を出してしまうのを防ぐことができるでしょう。
洗濯機には、緊急止水弁付き水栓と単水栓がおすすめです。洗濯機のカランは、直接洗濯機に繋がっているので、あまり注目して見たことない人も多いのではないでしょうか。設置してある洗濯機や、設置する予定の洗濯機に合わせてカランを選ぶことで、安心して毎日洗濯機を使うことができます。
緊急止水弁付き水栓とは、カランに取り付けてあるホースなどが外れたときに、自動で水を止める機能が搭載されているカランです。緊急止水弁付き水栓を設置することで、万が一カランから給水ホースが外れた場合の水漏れ対策を行うことができます。
止水弁がついていないカランの場合、給水ホースが外れてしまっても水栓を止めない限り水が出続けてしまいます。水が出続けているのに気づかずに放置してしまうと、床下浸水などが起こる可能性があります。緊急止水弁付き水栓であれば、万が一給水ホースが外れてしまっても自動で水を止めてくれるので、水漏れや床下浸水を防ぐことができるので安心です。
単水栓とは、水かお湯のどちらかしか出すことができないカランのことを指します。洗濯機の場合、多く使用するのは水です。洗濯機によってはお湯を使って洗濯物を洗うことができる機種も販売されていますが、水だけで十分だという人も多いのではないでしょうか。
洗濯機で使うのは、水だけで十分だという家庭では、単水栓の設置がおすすめです。単水栓は、混合水栓よりも価格が安いので、洗濯機でお湯を使うことがない場合は単水栓で十分でしょう。
屋外におすすめのカランは、立水栓とキー式水栓です。屋外では、草木に水をあげたり、洗車をしたりなど意外とカランを使う機会が多いです。とくに、頻繁に屋外の水栓を使う人は、使い方に合わせて慎重に設置するカランを決定しましょう。
立水栓とは、長い柱の先にカランが取り付けられている形状の水栓を指します。屋外では、立水栓を設置している家庭も多く、屋外では使い勝手のいいカランのひとつです。
立水栓は高さがあるので、屋外で何かを洗ったり、ホースをつけっぱなしにしたりする家庭におすすめです。立水栓を設置することで、外で汚れ物を洗うことができるようになります。家の中で洗えないものも、立水栓であれば屋外で洗うことができるので、屋外のカランとして立水栓は人気があります。また、近年ではデザイン性のある立水栓も多く販売されているので、庭のインテリアとして活用することも可能です。
キー式水栓とは、蛇口に鍵を差し込まないと水を使用できないタイプのカランを指します。水の出しっぱなしやイタズラが心配な場合は、キー式水栓の設置がおすすめです。
キー式水栓のメリットは、鍵を持っている人しか水を使えないことです。現在、イタズラなどで水を出しっぱなしにされたり、水栓を勝手に使用されていたりする場合は、キー式水栓に変更することで、このようなイタズラ被害への対策ができます。また、屋外にキー式水栓が設置されていれば、防犯意識の高い家という印象を与えることもできます。
カランの交換は、専門の業者に依頼するのがおすすめです。カランを設置する場所や使い方によって最適なカランの種類が異なるので、どのようなカランを設置するかを事前に決めておきましょう。
専門の業者にカランの交換を依頼するときの相場は15,000円から25,000円です。ただし、水栓の種類や工事内容によって費用が変動するので、詳しくは見積もりを取る必要があります。
専門の業者に依頼する場合、費用が高くなる要因になるのはカランの本体費用と工事費用です。カランの本体費用が高くなれば、水栓交換の値段が高くなります。また、元々あるカランとは別の場所にカランを設置したり、単水栓を混合水栓にしたりなどの工事を行うことで、工事費用が高くなります。
カランを選ぶときには、カランの使い方に合わせて機能を選択しましょう。
よく料理をしている人であれば、キッチンのカランをタッチレス水栓にするのがおすすめです。浄水された水を手軽に使いたい場合は、浄水器付き水栓を設置することで、おいしい水を手軽に使用できるようになります。浴室であれば、水を節約したい場合はプッシュ水栓、シャワーの温度を好みの設定にしたい場合はサーモスタット水栓がおすすめです。
ただし、機能がいいカランは本体価格も高いです。本体価格の高いカランを選ぶことで、カランの交換費用が高くなってしまう点には注意しましょう。
どんなカランに交換しようか悩んだら、現在使用しているカランの不満点を考えてみましょう。もし、今使っているカランに不満な点がないのであれば、同じ種類のカランを設置するのがおすすめです。
単水栓から単水栓、壁付けから壁付けなど、同じカランを設置することで、工事費用を安く抑えることができます。なるべく工事費用をかけたくない場合も、同じカランを選択するのがおすすめです。
カランには、用途によって適した商品が異なります。設置する場所やライフスタイルによって、最適なカランが異なります。用途にあったカランを設置して、快適に水仕事ができるようにしましょう。
また、カランによってメリットとデメリットが異なります。カランを交換するときは、メリットやデメリットを確認し、自分や家族の使い方にあった商品を選ぶようにするのがおすすめです。
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