トイレタンクのみの交換は可能ですが、交換できるかはトイレの種類によります。交換できる場合のトイレの構造や、交換可能な条件について解説します。
トイレには大きく分けて組み合わせ便器と一体型トイレ、タンクレストイレといった種類があり、トイレタンクのみの交換可能なのは組み合わせ便器のみです。組み合わせ便器はトイレの便器部分とトイレタンクが分かれている分離型のため、タンクのみの交換が可能です。
一体型トイレは便器とタンクが繋がっているため、タンクのみの交換ができません。凹凸が少ない一体型トイレは掃除しやすい、デザイン性に優れるなどの利点がありますが、タンク部分だけが故障した場合でもトイレすべてを交換する必要があります。
タンクレストイレはその名の通りタンク部分がなく、給水管とトイレが直接繋がっています。水をタンクに溜める必要がないので連続で水を流すことができ、タンク部分がないためコンパクトでトイレの中が広く感じるのが特徴です。
タンク交換が可能な組み合わせ便器でも、メーカーにタンクの在庫がなければ交換はできません。現在のものと異なるタンクを設置することは可能ですがタンクの水量などの関係で合わないものを設置するとトイレつまりの原因にもなるため便器に合ったタンクかどうかを確かめてから設置しましょう。異なる品番でも交換できるかは業者でないと判断が難しいのでご相談ください。
トイレは次々と新しい物が開発されており、製造年月日が古いトイレはタンク本体やタンク内部品の製造が中止されている場合があります。そのためメーカーにタンクの在庫がない場合は基本的に交換は不可で、便器ごと他の品番のものに交換となります。製造年月日から10年が経過しているタンクは製造が終了していることが多く、在庫がない可能性が高いです。
製造年月日はタンクの側面に記載されている場合が多く、品番と一緒に書かれていることもあります。トイレの説明書にも記載されていますが、わからない場合はメーカーに品番を伝えれば製造年月日を教えてもらえます。
トイレタンクのみ交換する場合の平均的な費用や、業者に依頼した場合の施工費などを紹介します。タンク本体の価格や古いタンクの処分費用、タンクの在庫がない場合のトイレ一式交換や節水トイレについても解説します。
トイレタンクのみ交換する場合の費用は、商品代や業者に頼んだ場合の施工費、古いタンクの処分費を合計して平均6万円ほどです。メーカーによりトイレタンクの価格は異なりますが、タンク本体は2万円~4万円ほどで販売されています。業者に頼んだ場合の施工費は2万円~3万円が相場で、多くは古いタンクの処分費用も含んだ価格です。処分費用の相場は約3,000円~5,000円です。
自身でタンクを処分する場合、トイレタンクの捨て方は自治体により異なりますが、基本的に普通ごみとしては出せません。多くの場合は粗大ごみとして捨てることになり、タンクのサイズによりますが引き取り料金は200円~500円ほどです。普通ごみで出せるかは自治体に問い合わせる必要があり、許可が出た場合自分でタンクを割って小さくしてからごみに捨てることになります。
自治体によっては普通ごみと粗大ごみで受け取り不可の場合があり、不用品回収業者か産業廃棄物業者に依頼するしか捨てられない場合があります。その場合の処分費用は業者によって異なり、2,500円~20,000円と業者により料金はさまざまです。自宅までの回収に使用するトラック代が料金に含まれ高額になるケースがあるので、自分で処分を考えている場合は高額になることを想定しておきましょう。
基本的に水道業者にトイレタンク交換を依頼する場合は処分を頼むことができます。業者に交換を依頼した場合は施工代にタンクの処分費用も含まれることが多いので、合計金額で考えると業者に頼んだ方が安く済むこともあります。
もしタンクの在庫がない場合はトイレ一式を交換することになり、費用は約10万円です。しかしトイレタンクが劣化しているときは、便器部分も同じく劣化している可能性が高いです。タンクを交換したあと便器が壊れたら、今度は便器の交換費用を支払うことになります。
業者に交換を頼んだ場合、タンクのみとトイレ一式の交換費用に大きな差はありません。タンクのみの交換費用は商品代を合わせて約6万円に対し、トイレ一式の交換は約10万円です。今後便器もひび割れたりする可能性を考えると、セットで交換する方が安く済むため同時に行うというのも一つの手です。
トイレ一式の価格は商品代によって大きく変わりますが、安価なタイプで相場は10万円ほどです。業者に交換を頼んだ場合の施工費はおよそ3万円で、処分費が別途3,000円~8,000円必要です。
最新のトイレは従来のトイレと比べて節水機能が進化しているため、水道代や電気代などのランニングコストが抑えられます。製造年月日が約20年前のトイレを使っていた場合、節水性の高いトイレに交換したときのコストカットの目安は年間約5,000円~14,000円ほどです。
水道代が安くなる理由は、節水トイレは流す際の水の量が少なく設計されているからです。製造の古いトイレは一度に流す水の量が約13Lも必要なのに比べ、節水トイレは少量の水で流せる構造なので約5Lの水で流せます。トイレリフォームを行うことで費用はかかりますが、10年以上使用することを考えると長い目で見た場合むしろ安くなるようなケースもあります。
タンクレストイレは文字通りタンク部分がなく、給水管と便器が直接繋がっています。タンクレストイレの節水効果が高い理由は、給水管からの強い水圧を利用して少量の水でも一気に流すことが可能だからです。節水機能以外にもスタイリッシュなデザイン性や、タンクがないことで室内が広く感じるコンパクトさで近年人気を博しています。
近年注目を浴びているタンクレストイレのデザインには、各メーカーが力を入れています。トイレの色は白が主流ですが、それ以外のカラー展開や内装に合わせて便器のフタの色を変えられるなどのオシャレも楽しめます。またタンク部分がないため便器の構造がシンプルで、拭き掃除などの日々のお手入れがしやすいというのも利点です。給水管と直結しているので、タンクに水が溜まるのを待たずに連続で水が流せます。
タンクレスへの交換費用は13万円~20万円ほどで、組み合わせ便器や一体型トイレに比べると少し高額です。交換費用が高い理由はタンクレストイレ本体の価格が安くても約10万円で、高いものだと50万円を超えるためです。しかし初期費用はかかりますが、タンクレスに交換すると年間の水道代や電気代が節約できます。
タンクつきトイレに比べて流すときの水の量が3分の1のため、その分水道代も下がり年間約15,000円の節約になる計算です。また節水だけでなく節電機能のあるタンクレスも多く、年間約3,000円~7,000円の電気代の節約になると想定されています。合計すると年間2万円近くの削減になり水道代などのランニングコストが抑えられるため、10年以内にタンクレス導入の初期費用を取り戻せる考えられます。自治体によっては節水トイレに交換する際、補助金や助成金を出している場合もあるので確認してみましょう。申請はトイレの交換前に行う必要があるので、事前の確認が大切です。
一方タンクレスにもデメリットはあり、トイレの部品が故障した場合は部分的な修理ができず、本体を買い替える必要があるなどの欠点があります。ウォシュレットが壊れたり便座がひび割れたりしても、すべて本体に組み込まれているので丸ごと交換となります。タンクがないため、トイレで手洗いができないのも短所のひとつです。
タンクレスは給水管とトイレを直接繋げて流すという構造ですが、トイレの水圧が弱い場合は設置できません。そのため、タンクレスの導入前には必ず水圧の測定が必要です。水圧はセルフチェックでも測定できますが、タンクレス購入後に設置不可となっては大変なので、水道業者などに測定してもらうことを推奨します。
家の2階にトイレがある場合、タンクレスに必要な水圧が足らず設置できない可能性があります。水圧が足りないけれどタンクレスにしたいときのために、ブースターという水圧を上げる装置が存在しています。加圧が可能なブースターを後づけできる場合とタンクレス自体にブースター機能が備わっていることもあり、最近ではマンションなどでもタンクレスを設置できるようになっています。
自分でタンクを交換すれば、業者に依頼した場合の施工費が浮くので安くは済みます。しかし自分で交換する場合は、新品のトイレタンクだけでなく施工に必要な工具も用意しなければいけません。マイナスドライバーなどの基本的な工具のほか、ウォーターポンププライヤーという水まわり専用の工具を用意する必要があります。
トイレタンクは重いので、力に自信のある方以外は1人での作業は難しいです。タンクは陶器製だと10kg~20㎏の重さがあり、落とすと破損するのはもちろん、衝撃によってひびが入るため慎重に作業しましょう。またパッキンの取り付けが甘かったり、ボルトの固定がちゃんとできていなかった場合は水漏れに繋がるので注意しましょう。
業者によってはタンク本体代を低下よりも安く販売していることから、自分で購入するよりも安価の場合があります。その場合施工費用をプラスした合計金額が、自分でタンクを購入した金額とほぼ同じというケースがあります。タンク購入前に業者に見積もりを依頼し、自分で購入した場合のタンク代や古いタンクの処分費、工具の代金などの合計金額と照らし合わせてみてはいかがでしょう。
自分で交換すると施工費が浮くので費用は安くなりますが、自信がない場合に無理に交換するのは破損リスクなどを考えると危険です。タンクの取り付けは業者でも困難で、施工費の2~3万円はほぼタンクの脱着代です。タンク底の密結パッキンなどの装着でミスをすると再度タンクの交換作業をしなくてはいけなくなるので、各工程ごとに最新の注意を払い作業しましょう。自分での交換が難しいと感じたり不安を覚えた場合は、作業途中でも構わないので業者に交換を依頼してください。
タンク交換を行う場合、トイレの水源である止水栓を閉めてから作業しましょう。止水栓が開いたままだと交換中に水が出続けるためトイレが水浸しになってしまいます。トイレの止水栓はタンクの給水管と繋がっているため、タンクから出る給水管を辿った先に止水栓があります。止水栓の場所はタンクの後方、または壁や床部分から出ている水道管部分に設置されています。
止水栓にはネジタイプとハンドルタイプがあり、どちらも右回りに回すことで閉まります。ハンドルタイプは手動で回し、ネジタイプはマイナスドライバーや10円硬貨、スプーンなどネジの溝にはまるものを使って右に回り切るまで閉めてください。
止水栓を閉める際に大切なのは、閉めるために回した回数を覚えておくことです。タンクへの給水が適量になるよう止水栓で調節しているので、閉めた回数を把握していないと適切な水量に戻せなくなります。給水を再開するときに同じ水量に戻すため、回した数を覚えておくかメモなどに書いておきましょう。
止水栓を閉めてタンク内の水を排水しても、タンクを取り外す際に中に残った水が漏れる可能性があります。また交換後の給水開始後に水漏れすることもあるため、タオルやビニールシート、新聞紙などでトイレの床を汚さないよう養生することが大切です。作業中にシートなどがずれないよう、養生テープなどで床に固定しておくことが望ましいです。
タンク内をあまり掃除していなかった場合、中がカビなどで汚れておりタンクを外した際汚水が飛び散る可能性もあります。床だけでなく壁が汚れる危険性もあるので、トイレ周辺の壁もトイレタンクの高さほどまで養生しておくことを推奨します。
トイレタンクは中の水を抜いても重いので、交換時は落とさないように注意が必要です。タンクの重量は陶器製のもので10~20㎏はあり落とすと割れる可能性が高く、破片で怪我をする危険性もあります。プラスチック製のものでも落とすと破損することがあり、足元に落下した場合は怪我をする確率も高いです。
タンクは落下や壁にぶつかることによる破損率が高いので、安全のためにもタンクの交換は1人ではなく2人で行いましょう。新品のタンクを落としてしまうと買い直しになり、出費も増えるためタンクの設置時は慎重に作業してください。
トイレタンクが経年劣化などでひび割れた場合、パッキンや給水管も同様に劣化している可能性が高いので交換すべきです。パッキンや給水管の寿命は約10年~15年のため、タンクの製造日から以前の交換時期から年月が経過している場合は新品への交換が必要です。パッキンは排水管などの接続部分の水漏れ防止で取りつけられており、劣化するとパッキン部分から水が漏れてきます。
タンク周辺のパッキンは給水管とタンクの接続部分や給水管と止水栓の接続部、タンクと便器を繋げる排水管の接続部分にあります。接続部はナットで固定してあるので、モンキーレンチでナットを外して新しいパッキンと取り替えます。接続部分によってパッキンのサイズや種類も異なるので、間違えて購入しないよう注意しましょう。
パッキンのサイズには注意点があり、サイズが長さや直径ではなく呼び径という特殊な表記で販売されていることがあります。呼び径は直径の長さの平均値で表記されているため、実際に測った長さとサイズ表記に誤差がある場合があります。そのためパッキンの長さを測ってネットなどで購入するとサイズが合わない可能性があるので、型番が分からない場合は実物をホームセンターに持って行き照らし合わせてください。
各パッキンの種類はトイレの説明書やトイレの品番でも調べることが可能なので、品番を頼りにメーカーのHPを閲覧してみましょう。パッキンはどの種類でも200円ほどで購入できます。
パッキンを交換するときは止水栓を閉め、タンク内の水を排水します。それでも配管内には水が残っているので、作業前に床を養生するかパッキンを交換する部分の配管の下にバケツなどを置いて水を受け止めましょう。
止水栓のパッキンを交換する際は、止水栓を閉めていてもナットを外した瞬間水が噴き出してしまうので水の元栓を閉める必要があります。元栓は屋外の水道メーター付近にあり、止水栓と同じく時計回りに回すことで閉まります。止水栓のパッキンは2種類あり、三角パッキンとコマパッキンという名称です。止水栓と給水管の間には分岐金具という部品があり、その部分のパッキンも交換が必要です。
給水管の交換前にも止水栓を閉めて排水し、給水管の下部分を養生するか水を受け止めるバケツを用意します。まずはタンク内のボールタップと繋がるナットから緩めてください。ナットが外れない場合、無理に回すとボールタップが破損するので注意しましょう。ナットが固いときは、タンク内のボールタップを押さえながら回してください。
次に下部分のナットを緩めて給水管を外します。新しい給水管を取りつける際、接続部分のパッキンも新しいものに交換しましょう。給水管は約500円~3,000円で販売されており、ホームセンターなどで購入できます。タンク交換を業者に依頼する場合、事前に給水管やパッキンの交換を頼んでおけばすべて行ってもらえます。業者に頼んだ場合の費用は、給水管とパッキンの交換を合わせて1万円ほどです。各パッキンを探して購入する手間や交換時の労力を考えると、1万円プラスですべてお願いできるのはよいかもしれません。
タンクの設置が終わったら、タンク内の部品を正しい位置に調整します。あらかじめ部品が設置されている場合もありますが、基本的に自分ですべて取り付ける必要があり、正しく機能するような調整が必要です。タンク内には水位を調整する部品や、水を流すレバーと連動しタンク内の水を排水する部品などが入っています。タンク内の部品を正しく機能させるには、部品同士を連結させて給水や排水ができるよう正確な設置が必要です。そのためには、しっかりとタンク内の各部品の役割を理解しておくことが大切です。
タンクを購入した際に各部品の取りつけ方が同封されているので、説明書や古いタンクの部品位置なども参考にして部品を設置しましょう。タンク内には給水管と繋がるボールタップという部品があり、しっかり接続されていないと水漏れがおこる可能性があります。給水管とボールタップの間にはパッキンとナットがあるので、きちんと接続されているか確認しましょう。
さらにボールタップは浮き球という部品とも繋がっています。浮き球はタンク内で水中に浮いており、トイレの水が流れると下に下がります。すると浮き球がと繋がるボールタップの給水弁も下がり、タンク内に水が入ってくる仕組みです。浮き球がほかの部品と絡まったりぶつかったりすると給水が正常にできないため、浮き球の位置を調節しましょう。
タンクの底にはフロートバルブという部品があり、タンクの水が排水されないよう栓をする役割があります。フロートバルブが正しく設置されていないとタンク内から水が流れ続けてしまうので、ちゃんと栓として機能するよう設置しましょう。フロートバルブはオーバーフロー管という水位を調整する部品とも繋がっています。さらにトイレのレバーとも連動しており、レバーを動かすことでフロートバルブの栓が開きタンク内の水を便器に排水します。
レバーとフロートバルブは鎖で繋がっているので、鎖がほかの部品に絡まっていると2つの部品が連動しません。鎖が長過ぎたり短か過ぎても排水機能が作動しないので、正しく機能するよう調整してください。設置や調整の際、部品同士がぶつかると破損する可能性があるので注意しましょう。
すべての工程が終わったら止水栓を開け、一度水を流して水漏れがないか確認しましょう。水漏れを起こしたときのため、養生はそのままで確認してください。施工後すぐは問題がなくても徐々に水漏れを起こすこともあるので、すこし時間を開けてからもう一度水を流してみましょう。もし水漏れがあった場合は、各部品のナットの緩みやタンク内の部品がずれていないかなど調べてください。
トイレタンクのみの交換は、組み合わせ便器の場合は可能です。自分で交換する場合は業者に頼んだ場合の2~3万円の施工費が浮きますが、タンクの破損や交換後の水漏れなどのリスクもあります。
タンクのみ交換した場合の費用は約6万円に対し、トイレ一式の交換費用は約10万円と大きな金額差はありません。のちに経年劣化が便器もひび割れたりする可能性を考えると、トイレの一式交換をおすすめします。
水道業者に依頼した場合は便器の劣化状態も調べてもらえるので、見積もりだけでも取ってみてはいかがでしょうか。節水効果の高いタンクレスを検討するにしても水圧の測定が必要なので、迷っていることやわからないことがある場合はぜひ一度ご相談ください。
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