まず結論からいうと、エコキュートの配管修理を自分で行うなどのDIYは難しいといえます。
なぜならエコキュートの工事には資格が必要となるケースがあり、資格が必要な作業を無資格で行うと罰則を課される可能性があるからです。
自分で資格を保有している場合や、資格を持っている友達がいる場合でも、エコキュートを自分で修理するにはさまざまなリスクやデメリットがあるためおすすめしません。
必要となる資格や、自分で修理するとどのようなリスクやデメリットがあるかについては以降で詳しく紹介するのでDIYを検討している方は、修理をはじめる前に確認してください。
エコキュートの修理に必要となる資格としては下記のようなものが挙げられます。
必要資格 | 概要 |
第二種電気工事士 | 一般住宅や店舗などで電気工事をする際に必要となる資格 |
排水装置主任技術者 | 排水設備並びに下水道施設の計画・施工・メンテナンスなどをする際に必要な資格 |
ガス機器設置スペシャリスト | ガス機器の設置や交換に必要な資格 |
液化石油ガス設備士 | ガス給湯器の配管を撤去する際に必要な資格 |
工事の内容にもよりますが、エコキュートの配管修理だけに限定するのであれば、必要となる可能性が高いのは「排水装置主任技術者」です。
紹介したように、エコキュートの配管修理には資格が必要となりますが、資格を持っていれば原則として自分で修理できます。
しかし、自分で配管修理するにあたっては下記のようなリスクやデメリットがあることは覚えておきましょう。
それぞれについて以下で詳しく紹介します。
エコキュートは「貯湯タンク」と「ヒートポンプ」の2つのユニットで構成されますが、内部は複雑な構造になっています。
修理する配管の箇所にもよりますが、自分で修理に必要な道具一式を揃えるといった手間があるのはデメリットといえるでしょう。
エコキュートは電気を使用してお湯を作る設備のため、修理中に感電をする危険性や火災が発生する危険性などがあります。
貯湯タンクとヒートポンプはそれぞれが相互に動作し、ひとつの設備として機能しているため「配管だけ修理するので、配管だけの知識で良い」というわけではありません。
エコキュート全体の専門的な知識を持っている必要があります。
また、エコキュートは種類によって60kg〜90kgの重さがあるうえ、貯湯タンクは満水時になると400kg〜600kgほどの人では支えられない重さになります。
修理中に倒れてきて下敷きになるなどの危険性もあるため、自分での修理はおすすめしません。
もし有資格者で、DIYにて修理ができたとしても、施工不良によって後々故障する可能性があります。
エコキュートは自分で分解するなどして修理した場合、メーカー保証期間内でも保証の対象外となるケースがほとんどです。
また、前述のとおりエコキュート全体の構造を理解せずに修理した場合、施工ミスに気づけず意図しない場所が故障するといったことも起こり得るでしょう。
そのため、DIYで修理しようとするよりも、有資格者が在籍するメーカーや給湯器専門業者への依頼をおすすめします。
前述のとおり自分で修理したことによって起こる故障・不具合は基本的に保証の対象外となります。
例えば、エコキュートを販売するメーカーのひとつであるダイキンでは「施工に起因する故障、または施工に起因する本体以外の商品に生じた故障または損害」は保証の対象外となっています。
施工に関しての保証はエコキュート修理・交換業者にて適用できる場合がありますが、自分で修理する場合はすべて自己責任となるため注意しましょう。
エコキュートの配管修理にかかる費用は、工事内容や修理する部品にもよりますが一般的には15,000円〜30,000円ほどが一般的です。
なお、エコキュートの修理には基本的に「部品代+技術料+出張料」の合計が請求されると考えておくと良いでしょう。
しかし、これらの費用は業者によっても異なります。そのため、まずは複数の業者から見積もりを出してもらい、それから比較・検討して決めることをおすすめします。
エコキュートの修理費用の相場についてはこちらの記事でも紹介していますので、是非参考にしてみてください。
エコキュートを故障させないためには定期的な日頃からの点検やメンテナンスが大切です。
修理後にはメーカーが推奨する下記のような方法で日常的なお手入れ方法や点検方法でメンテナンスすることを心がけましょう。
頻度 | お手入れ・点検方法 |
日常的 |
ふろ循環アダプター掃除 |
リモコンの掃除 | |
月に1回程度 |
時刻の確認 |
漏電遮断機の確認 | |
年に2〜3回程度 |
逃し弁の点検 |
貯湯ユニットの掃除 | |
配管の点検 | |
半年に1回程度 | ふろ追いだき配管の清掃 |
ただし、配管修理のような一部を分解してのお手入れは保証の対象外となるためおすすめしません。
上記のようなお手入れをしたのにも関わらず故障した場合にはメーカー保証が適用されるため、長く安心して使用するためには上記のようなお手入れ方法を参考にしてください。
繰り返しになりますが、エコキュートの配管修理をDIYにて行うことはおすすめしません。
安心・安全にエコキュートを使用するためにも、修理は「メーカー」もしくは「給湯器専門業者」に依頼しましょう。
メーカーと給湯器専門業者のどちらを選べば良いのかや、それぞれのメリット・デメリットについては以下で詳しく紹介するので参考にしてください。
もしメーカーの保証期間内であれば迷わずメーカーに修理依頼を申し込みましょう。
メーカーの保証期間は各社によって異なりますが1年〜2年ほどが一般的ですが、有料にて任意に延長保証を申し込むことができます。
エコキュートを販売している有名メーカー各社の保証期間を一覧にすると下記のとおりです。
メーカー | 標準保証期間(無料) | 延長保証(有料) |
パナソニック | 1年間 | 5年間/8年間/10年間 |
三菱電機 | 2年間 | 5年間/8年間/10年間 |
ダイキン | 1年間 | 10年間 |
コロナ | 2年間 | 5年間/8年間/10年間 |
日立 | 1年間 | 7年間/10年間 |
保証期間内であれば無償で修理できる可能性があるため、まずは使用しているエコキュートのメーカーに連絡することをおすすめします。
一方で、保証期間が過ぎると満額の費用が発生するため、後述する給湯器専門業者も依頼する業者として考えると良いでしょう。
なお、メーカーに依頼するメリット・デメリットを簡単にまとめると下記のとおりです。
メリット | ・製造会社のため安心して依頼できる ・一定にサービスの質が保証されている ・製品に対する知識が豊富 ・専門業者を探す手間が省ける ・保証期間内であれば修理費用を抑えられる |
デメリット | ・保証期間をすぎると修理代が満額かかる ・割引キャンペーンなどがない ・修理・交換はそのメーカーの製品に限られる ・修理・交換業者はメーカー委託になる ・対応時間が限られている場合が多い |
もしメーカー保証期間が終了しているのであれば、メーカーに修理を依頼しても満額の費用が発生するため、給湯器専門業者という選択肢もあります。
給湯器専門業者は24時間年中無休で対応してくれる業者もあるほか、割引キャンペーンなどでメーカーより費用を抑えつつ修理を依頼できる可能性があるでしょう。
給湯器専門業者に依頼するメリット・デメリットをまとめると下記のとおりです。
メリット | ・割引キャンペーンなどがある ・メーカーよりコストを抑えられる可能性がある ・サービスやアフターケアが充実している ・24時間年中無休で対応してくれる業者もある |
デメリット | ・業者が多いため比較・検討に手間がかかる ・悪質な業者もあるため注意が必要 |
上記のなかでも、給湯器専門業者を選ぶ際の不安要素として強いのは悪質な業者に関してではないでしょうか。
実際に、独立行政法人国民生活センターによると、水周りのトラブルを解決してくれる業者には悪質な業者があり、金銭面でのトラブルも年々増加傾向にあるとされています。
例えば、2016年〜2020年までの相談件数や、そのうち電子広告から依頼した業者の比率などを紹介すると下記のとおりです。
年 | 相談件数 | 電子広告が関わるもの |
2016年 | 2,437件 | 19.2% |
2017年 | 2,805件 | 21.7% |
2018年 | 3,386件 | 25.6% |
2019年 | 3,771件 | 28.9% |
2020年 | 5,882件 | 41.1% |
上記のとおり、年々相談件数が増えているうえ、インターネット上の広告(電子広告)が関わっている比率も高くなっていることがわかります。
「広告で安いと謳ってたのに、実際には見積もりと大幅に異なる高額な請求をされた」といったトラブルに巻き込まれないためにも、安心して依頼できる業者選びのポイントを理解しておくことが大切です。
次の項目で業者選びのポイントを詳しく紹介するので、エコキュートの配管修理を検討している方は参考にしてください。
エコキュートの配管修理を依頼する際に、安心して依頼できる業者選びのポイントは下記のとおりです。
それぞれのポイントについてわかりやすく紹介します。
1つ目のポイントは、いつでも依頼できるかどうかです。
エコキュートのような給湯器が故障すると「お風呂に入れない」、「シャワーを使えない」といったほか、炊事にも影響し日常生活が不便になって困るでしょう。
しかし、故障したタイミングが土日祝日やGW、年末年始などで業者が対応してくれないといった可能性もあります。
給湯器専門業者のなかには24時間365日いつでも対応してくれる業者があり、そのような業者をひとつ知っておくだけでも、万が一早朝や深夜、長期休暇中にエコキュートが故障しても焦らずに修理依頼ができるでしょう。
2つ目のポイントは、連絡してから駆けつけてくれるまでの時間です。
給湯器専門業者のなかには、連絡してから最短で20分などの短時間で現場まで駆けつけてくれ、現地にて故障の診断をしてくれる業者があります。
実際に駆けつけてくれる時間については営業所の場所などにもよりますが、早く駆けつけることをサービスのひとつとして徹底している業者を選ぶことで、急な故障で困ることが少なくなるでしょう。
24時間年中無休かつ早急に駆けつけてくれる業者を知っておけば、どんなときでも焦らずに落ち着いて依頼できます。
3つ目のポイントは、修理にかかる費用以外に料金がかかるかどうかです。
基本的にエコキュートの修理にかかる費用の内訳は「部品代+技術料+出張料」ですが、それ以外にも業者によって下記のような費用が発生する可能性があります。
特に、業者選びの際には複数社から見積もりをとって比較することが大切ですが、見積もり料金が発生すると比較する段階でコストがかかってしまいます。
見積もり料金をとる業者が悪質とは限りませんが「まずは見積もりを出してもらい、相場を知りたい」という場合には、無料見積もりに対応している業者がおすすめです。
予想外の出費とならないためにも、上記のような費用については事前に依頼を検討している業者のホームページなどで確認しておきましょう。
4つ目のポイントは、水道局指定の安心できる業者かどうかです。
エコキュートの修理にあたっては対応時間の柔軟性や費用についても気になると思いますが、それよりも「安心して頼める業者か」、「悪質な業者ではないか」というのは重要なポイントでしょう。
安全な業者かどうかの判断基準のひとつとして「指定給水装置工事事業者」であるかどうかを確認しておくことをおすすめします。
指定給水装置工事事業者とは各自治体が認める水道法施行令に定められた基準に合う水道工事ができる業者のことを指し、各自治体ではホームページなどで指定された業者を一覧にして公表しています。
業者によってはどこの自治体に「指定給水装置工事事業者」として指定されているか、公式ホームページにて記載しており、そのようにしっかり記載する業者であれば安心して依頼できるでしょう。
5つ目のポイントは、実績が多くかつ知名度が高いかどうかです。
給湯器専門業者の評判は、公式ホームページを参考にすることも大切ですが、一般の口コミや評判もひとつの判断材料にしましょう。
また、芸能人を起用したテレビCMを放送している業者であれば、芸能事務所が所属タレントをイメージキャラクターとして採用することを認めているということなので、安心して依頼できる可能性が高いといえます。
6つ目のポイントは、有資格者が対応してくれる業者かどうかです。
紹介したとおり、エコキュートの修理・交換には資格が必要となるほか、配管のみなど一部だけの知識ではなくエコキュート全体の知識が豊富なスタッフに修理を任せることが大切です。
悪質な業者に依頼すると無資格かつ知識の浅い職人の修理により施工不良などが起こる可能性があるため、業者選びの際にはその会社に有資格者が在籍しているかを確認しましょう。
公式ホームページにて保有資格の一覧を表記している業者などは比較的安心して依頼できる可能性が高いでしょう。
エコキュートは約10年〜15年が寿命(耐用年数)です。
配管修理を検討する前に、現在のエコキュート使用年数が10年〜15年以上なのであれば交換も視野にいれましょう。
耐用年数を過ぎてエコキュートを使用し続けると、エラーや故障が多発することにより修理回数が増えて結果的に維持コストが高くなる可能性があります。
エコキュートの一般的な耐用年数である10年〜15年は、修理か交換の目安としてください。
結論をまとめると、エコキュートの配管をDIYにて修理することはおすすめしません。
エコキュートの修理・交換には資格が必要になるほか、万が一資格を持っていたとしても自分で修理することには施工不良やトラブルに繋がるといったリスクやデメリットが多くあります。
安全かつ確実に修理するためには業者がおすすめです。まずは「依頼する」ではなく「比較する」という意識で、修理を依頼する業者選びからはじめましょう。
紹介した業者選びのポイントを意識しつつ、まずは無料見積もりをしてくれる業者のなかから選んでみてください。
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