エコジョーズへの交換費用は一般的に「本体代+リモコン代+標準工事費+その他工事費」の合計が請求されます。
複数のエコジョーズの交換工事を請け負っている業者のホームページに記載されている価格を参考にすると約15万円〜25万円程度が相場のようです。
しかし、これらの価格はあくまでも参考価格であることは理解しておきましょう。
例えば、本体代は1分間あたりにお湯を沸かせる量や、本体そのものの性能、地域別の特別な仕様などによって価格が異なります。
また、工事費については業者によって設定価格が異なるうえ、お住まいの状況によっては別途工事が必要になることにより追加費用が発生するかもしれません。
このように、エコジョーズへの交換費用は変動することがあるため、具体的な金額を知るためには業者に現地調査をしてもらい、本体代を含めてどのくらいの費用が必要になるか見積もりを出してもらうことが大切です。
複数の業者から見積もりを出してもらえば、ある程度の相場が掴めるでしょう。
そもそもエコジョーズとは何かについて簡単に紹介します。
エコジョーズとはガス給湯器の一種で、従来のガス給湯器よりも熱効率が高い省エネ性の商品です。
エコジョーズと似た名称の承認に「エコキュート」がありますが、エコキュートは電気でお湯を沸かすタイプの給湯器という点でエコジョーズとは大きく異なります。
エコキュートの場合はヒートポンプと貯湯タンクの2つのユニットが一つの設備として機能しますが、エコジョーズの場合はガス給湯器のユニットのみで機能するため、設置のためのスペースも少なくて済むでしょう。
このような違いを含めて「エコジョーズに交換することで具体的にどのようなメリットがあるのか?」については良く理解しておくことをおすすめします。
次の項目でエコジョーズの具体的なメリットを紹介するので参考にしてください。
給湯器をエコジョーズに交換するメリットとしては下記のような点が挙げられます。
それぞれについて、以下で詳しく紹介します。
エコジョーズの特徴は従来のガス給湯器に比べて少ないガスでお湯を沸かせるため、二酸化炭素の排出量が少ない点が特徴的です。
エコジョーズの販売メーカーの一つであるリンナイによると、従来のガス給湯器よりもCO2の排出量が約15%削減できるとされています。(※)
エコジョーズは環境に優しい製品として、自治体によっては変更にあたって補助金を出しているケースもあります。
エコジョーズの特徴の一つはそのコンパクトさにあります。
エコジョーズは電気給湯器やエコキュートなどと比べると本体がコンパクトなので、設置のためにそれほど広いスペースを必要としません。
また、壁掛けできるタイプも多く、設置するための基礎工事なども必要ないケースがほとんどです。
そのため、敷地が狭く貯湯タンクやヒートポンプが設置できない住宅にお住まいの方などにおすすめです。
前述のとおり、エコジョーズは従来のガス給湯器よりも少ないガスでお湯を沸かせるため、ガス代の節約になります。
どのくらいのお得になるかは使用条件などによって異なりますが、リンナイのシミュレーションによると従来型である「RUF-V2400AW」とエコジョーズである「RVD-E2405AW2-1(A)」との比較では年間で15,150円ほどエコジョーズの方がお得とされています。(※)
使用する量にもよりますが、3〜4人以上の家族でお湯の使用量が多い場合などには経済的なメリットが期待できます。
エコキュートではお湯を貯湯タンクに貯めて使用しますが、エコジョーズのようなガス給湯器では必要なときにガスの点火によって加熱されたパイプによってお湯が沸かされる「瞬間湯沸かし器」です。
そのため、「貯湯タンクのお湯が切れた」といったトラブルがなく、家族が多い家庭や知人が泊まりに来るなどしてお湯の使用量が多くなる機会がある家庭などにとっても安心して使える設備です。
前述のとおり、エコジョーズは瞬間湯沸かし器なので、新鮮な水をお湯として使用できます。
貯湯タンクにお湯を貯めて使用するタイプの給湯器の場合、お湯が沸かされて時間がたっている可能性があるほか、長年使用している貯湯タンクであれば汚れなどによって不衛生になっている場合もあります。
飲み水として適しているのはエコジョーズのような瞬間湯沸かし器タイプの給湯器です。
エコジョーズには紹介したようなメリットがある反面、下記のようなデメリットもあります。
メリットだけではなくデメリットについても良く理解したうえで交換を検討してください。
エコジョーズは従来のガス給湯器に比べてランニングコストに優れている反面、導入にかかる初期費用は従来のものより高めとされています。
本体代や工事費用によっても異なりますが、従来のガス給湯器よりも数万円ほど高いと考えておきましょう。
基本的にはこの費用の差は長年使用することによってランニングコストによって回収するという考えになりますが、ランニングコストを含めても恩恵を得られない場合、それほどメリットが少ない可能性があるため注意しましょう。
エコジョーズにおいて恩恵を得られない場合というのは、ガスの使用量(お湯の使用量)が少ない場合です。
エコジョーズは少ないガスでお湯を沸かせるという点でメリットがある給湯器なので、そもそもとして使用するお湯の量が少ないのであればそれほどコスト削減の恩恵を感じられないかもしれません。
家族が多くお湯を使う機会が多いのであればおすすめですが、一人暮らしなどでそもそもお湯の使用量が少ないのであれば従来のガス給湯器でも問題ない可能性があります。
エコジョーズはお湯を沸かす過程でドレン排水(空気が熱を失い凝縮した際に発生する水)が発生するため、下水や雨樋(あまどい)などに配管する必要があります。
ドレン排水は発生した時点では酸性ですが、エコジョーズの部品である中和器によって中性化されて排出されます。
中性化されたドレン排水自体に害はありませんが、そのまま垂れ流しにすると見た目が悪いほか、下のコンクリートや鉄製の設備を錆びさせるなどの被害が出る可能性があるため、ドレン排水工事は必須となります。
お住まいの状況によっては下水や雨樋までの距離が遠いなどでドレン排水工事が難しいケースなどがあるため注意しましょう。
エコジョーズの種類によってはお風呂場の排水設備を利用する方式などもありますが、まずは自分がお住まいの住宅でドレン排水工事が可能かどうかを業者にチェックしてもらう必要があります。
エコジョーズで発生するドレン排水は酸性ですが「中和器」と呼ばれる部品によって中性に中和されて排水されます。
中和器は中和剤(炭酸カルシウム)が含まれているのですが、10年ほど経過すると消耗により機能しなくなるため、交換が必要となります。
つまり、故障の有無に関わらず、約10年に一度程度は部品の交換が必要になるということです。
中和器の交換費用は12,000円〜26,000円程度が相場とされていますが、エコジョーズ本体の耐用年数もおよそ10年ほどとされているため、中和器交換のタイミングで本体も新しくするか悩みどころとなるかもしれません。
ここまで紹介したメリット・デメリットを踏まえ、どんな人にエコジョーズが向いているかについて簡潔に紹介します。
まず、エコジョーズが向いている人の特徴としては下記のとおりです。
エコジョーズは熱効率が良いため、使用すればするほど従来のガス給湯器よりランニングコストの面で恩恵を感じられるでしょう。
そのため、4人家族など1日に使用するお湯の量が多い家庭では経済的なメリットが期待できます。
また、床暖房などを使用している場合にも同じく経済面でのメリットが期待できるでしょう。
また、一般的にプロパンガスは都市ガスと比べてガス代が高いとされているため、プロパンガスを使用している家庭では給湯器をエコジョーズに交換することで年間のランニングコストを抑えられる可能性があります。
一方で下記のような場合はエコジョーズの交換には向いていない可能性があります。
まず、そもそもとして1日のお湯の使用量が少ないのであればエコジョーズを使用してもメリットはそれほど感じられないかもしれません。
エコジョーズは基本的に初期費用が従来のものより高いため、ランニングコストによってその差額の回収が見込めないのであればエコジョーズに交換する必要はないでしょう。
また、マンション住まいなどで排水設備がPS(パイプスペース、パイプシャフト)内にある場合、ドレン排水工事ができない可能性があります。
エコジョーズの種類によってはお風呂の排水設備を代用できるものもありますが、ユニットバスタイプに限られるなど一定の条件があるため注意しましょう。
もしドレン排水工事が難しい場合「壁に穴を開ける必要がある」などして追加工事が発生する場合もあります。
追加工事に伴い、工事費用も高額になると結果的にエコジョーズに交換してもお得ではない可能性があるため注意が必要です。
もしエコジョーズに交換するのであれば、エコジョーズ本体は自分のライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
エコジョーズを選ぶ際に注目するべきポイントとしては下記のとおりです。
それぞれについて以下で詳しく紹介するので、エコジョーズの本体選びに迷っている方は参考にしてください。
メーカーによって名称が異なる場合がありますが、エコジョーズには大きく分けて「給湯専用」、「オート」、「フルオート」の3つのタイプがあります。
それぞれのタイプごとの性能による違いを表にすると下記のとおりです。
性能 | 給湯専用 | オート | フルオート |
お湯はり | ◯ | ◯ | ◯ |
お湯はりの自動ストップ | △ | ◯ | ◯ |
自動おいだき | × | △ | ◯ |
自動足し湯 | × | × | ◯ |
配管の自動洗浄 | × | × | ◯ |
つまり、オート、フルオートなどは本来手動でやるべきことが自動でできる性能が備わっているということです。
ただし、フルオートなど性能が高いものほど価格は高くなる傾向にあるため、予算の範囲内で選ぶことをおすすめします。
エコジョーズにはそれぞれ「号数」が記載されていますが、号数は1分間に沸かすことができるお湯の量を示しています。
例えば、10号であれば10L/分、16号であれば16L/分、20号であれば20L/分、24号であれば24L/分といった具合です。
号数の選び方は、一度に使用するお湯の量によって選ぶことをおすすめしますが、一つの指標としてエコジョーズを販売しているメーカーの一つであるリンナイでは、使用人数ごとに下記の号数が推奨されています。
号数 | 用途 |
16号 | 1人暮らしで複数箇所での使用をしない |
20号 | 2人家族でたくさんお湯を使うことが少ない |
24号 | 家族4人でシャワーやキッチン、おいだきを使う |
号数も大きくなるほど本体価格が高くなる傾向にあるため、使用量に合わせた号数を選ぶことをおすすめします。
エコジョーズに限らず給湯器にはお住まいの地域に合ったものを選ぶことをおすすめします。
例えば、北海道のような寒い季節に凍結が考えられる地域では「寒冷地仕様」のエコジョーズを、沿岸にあるお住まいで潮風などによって故障の可能性がある場合は「耐塩害仕様」のエコジョーズを選ぶなどです。
環境に合った仕様のエコジョーズを使用していないことが原因で故障の頻度が高くなるとその分修理代やメンテナンスにかかる手間が増えるため、ご自身がお住まいの地域に合った仕様のエコジョーズを選ぶことをおすすめします。
各メーカーでは地域ごとに推奨する仕様をマップで示している場合もあるので、参考にすると良いでしょう。
エコジョーズの本体選び以外では、交換工事を依頼する業者選びのポイントについても理解しておくことが大切です。
悪徳業者に依頼すると、見積もり時に提示された金額とは大幅に異なる高額な請求をされるといったケースもあります。
実際に独立行政法人国民生活センターによると、給湯器を含め、水回りの修理・交換に対応する業者とトラブルになっているという相談件数は年々増えているとされています。
そのような悪徳業者を選ばないためにも、業者を選ぶ際には下記の点に注目しましょう。
交換業者は24時間年中無休で対応してくれ、連絡からすぐに駆けつけてくれるといった柔軟性があるとスムーズな交換が期待できるのでおすすめです。
臨機応変さに加えて、安心できる業者を選びたい場合には水道局指定の業者(指定給水装置工事事業者)を選びましょう。
指定給水装置工事事業者とは、各自治体が認める水道法施行令に定められた基準に合う水道工事ができる業者のことを指し、一定の基準を満たしたことを認められた業者である証拠でもあります。
各自治体では指定給水装置工事事業者の一覧にしてホームページなどで公表しているので、エコジョーズへの交換依頼をする業者選びに迷ったらまずは参考にすることをおすすめします。
また、エコジョーズの設置工事には特定の資格が必要なので、有資格者が在籍しているかどうかも事前に確認しておきましょう。
さらに、業者の公式サイトで公表されている施工実績やインターネット上の口コミ・評判も参考になります。
特に、テレビ番組で紹介されたり、知名度の高い芸能人を起用したテレビCMなどを放送している業者は悪質なサービスを提供している可能性が低く、安心して依頼できる可能性が高いでしょう。
そのほかでは、見積もりやキャンセルに料金が発生するかどうかもチェックすべきポイントです。
見積もりやキャンセルに料金かかるからといって悪徳業者であるわけではありませんが、エコジョーズの交換にあたってまずやるべきことは「複数の業者から見積もりを取って比較すること」です。
そのため、まずは無料で見積もりを出してくれる業者に依頼し、ある程度の相場が把握できた段階でしっかりと依頼できる業者を選定すると良いでしょう。
最後に、エコジョーズへの交換までの一連の流れを簡潔に紹介します。
上記が一般的な流れですが、マンションやアパート住まいの場合、まずは管理者への工事許可が必要になるケースが一般的です。
排水設備の工事に伴い、廊下などの共有スペースの作業が必要になるほか、賃貸の場合は使用できる給湯器が契約によって定められている場合もあるため注意しましょう。
工事などの流れは依頼した業者の指示に従って行われるため、まず自分でやるべきことは下記の2つに絞ることができます。
無料で見積もりを出してくれる業者では、キャンセルしても料金が発生しないため、まずは無料見積もりに対応してくれる業者をいくつかピックアップし、料金の比較をすることからはじめてみましょう。
エコジョーズの交換にかかる費用は一般的に「本体代+リモコン代+標準工事費+その他工事費」合計となり、相場は約15万円〜25万円程度とされています。
しかし、実際にはお住まいの状況や依頼する業者、本体の性能などによっても上下するので、まずは複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。
また、エコジョーズが自分にとって本当にお得かどうかについても、メリットとデメリットを理解したうえで交換を検討しましょう。
もしエコジョーズに交換する場合も、悪徳業者を選ばないように紹介した業者選びのポイントを踏まえつつ、安心して依頼できる業者にエコジョーズの交換工事を依頼してください。
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