掃除をおこなう前に、まずはぬめりの原因をしっかりと把握することが必要です。代表的な原因は以下の3つです。
人の髪の毛は一日50~100本抜けており、そのうち6割がシャンプー時に抜け落ちていると言われています。排水口のヘアキャッチャーや排水口に流れ込んだ髪の毛には、次第に石鹸カスやアカ、皮脂汚れなどが絡みついていきます。
髪の毛自体がぬめりを発生させるというよりは、ぬめりの原因となる汚れを吸着することでぬめり汚れの増大を加速させてしまいます。
排水口のつまりの原因となる石鹸カスは、シャンプーやボディーソープなどの油脂成分と皮脂汚れが混ざって出来たもので「酸性石鹸」というものです。体を洗うと石鹸と皮脂が合わさり、床や壁に飛び散ったり排水口内へ流れたりして石鹸カスとなって残ります。
ベトベトした黒っぽい汚れがあれば、それは石鹸カス(酸性石鹸)かもしれません。石鹸カスを放置すると排水口にぬめりが発生してしまいます。
アカや皮脂汚れは、体から出る老廃物が蓄積されたものです。お風呂で体を洗うと流れていくため、発生を防ぐことは難しいです。
アカや皮脂汚れの多くは排水とともに流されていきますが、排水口に髪の毛や石鹸カスなどが溜まっているとそこに付着して蓄積しやすくなります。
お風呂はカビが発生しやすい環境です。湿度が70%程、温度が20〜30度であればカビが繁殖しやすくなります。
さらに、石鹸カスやアカ、皮脂汚れなどはカビの栄養源となるため、それらの汚れが溜まっているとカビがどんどん増殖してしまいます。
カビは他の汚れに比べて頑固なため、放置してしまうと汚れが落ちにくくなる点も注意が必要です。
排水口のぬめりを放置してしまうとさまざまなデメリットが生じてしまいます。ここで、ぬめりを放置することによるデメリットを確認し、対処の重要性を確認しておきましょう。
まず、ぬめりを放置すると徐々に大きな詰まりに繋がり、結果的に水の流れる面積が小さくなって流れが悪くなってしまいます。水の流れが悪くなると日々の入浴を快適に過ごすことができません。また、床に溢れた水は体から出た汚れが含まれていますし、場合によっては排水口の汚れが含まれていることもあり綺麗とは限りません。
さらに、排水口が完全にふさがってしまうとつまりや水漏れなどのトラブルに繋がる恐れもあります。例えば、集合住宅で下の階に水漏れ被害が発生してしまうと、賠償責任や強制退去を余儀なくされる可能性もあります。
こちらの記事でもし、マンション等で水漏れ被害の加害者被害者になってしまった際の対応を記載していますので参考にしてみてください。
このように排水口のぬめりを放置することは、快適性だけでなく重大な事態にも繋がりかねないのです。排水口にぬめりが発生しているのを見つけたら、汚れが軽いうちに対処をおこなっていきましょう。
排水口にあるぬめりは水の流れを悪くするだけでなく、悪臭も発生させます。前述の原因が組み合わさると下水のような「どぶ臭さ」が発生し、日々の入浴を快適に過ごすことができません。もし、入浴中に臭いと感じたことがあるのであれば、注意が必要です。
また、悪臭もひどくなれば近隣の住民に迷惑をかけてしまい、ご近所トラブルに発展してしまうかもしれません。排水口のぬめりには早急な対処をおこない、自分や周囲の人が快適に過ごせるようにしていきましょう。
ここからは、実際に排水口のぬめりを取る方法をご紹介します。
日々のお掃除ではなく、ぬめり汚れが溜まっている場合におすすめの方法を4つご紹介します。ぜひ、ご自身にあった方法を見つけてみてください。
現在、排水口用の洗剤としてさまざまな商品が販売されています。排水口用洗剤はぬめりに対して有効な成分が入っており、ぬめりを効果的に落としていくことが可能です。専用薬剤を用いる場合は以下のものを準備しておきましょう。
【用意するもの】
刺激が強い洗剤も多いので、ゴム手袋やマスクを装着して皮膚などを守りましょう。
手順は以下のとおりです。
専用薬剤は有毒なガスを発生する可能性があり、使用する際は細心の注意が必要です。商品に記載されている使用方法と注意事項を厳守して進めていきましょう。
お風呂の排水口掃除におすすめな洗剤は以下の記事で紹介しています。洗剤選びに迷ったら参考にしてください。
お風呂の排水口に溜まったぬめりや石鹸カスによる汚れには、重曹とクエン酸を使用する方法もおすすめです。
専用薬剤は強力な洗浄能力がある分、肌に付着したり空気を沢山吸い込んだりすると人体への悪影響もあります。
その点重曹とクエン酸は人体に無害なため、肌が弱い人や強い化学薬品に抵抗がある人でも安心して使えます。
重曹とクエン酸を振りかけ、お湯をかけると強力な泡が発生します。発生する泡には汚れを浮き上がらせる働きがあり、排水口のぬめりを剥がしていくのです。重曹とクエン酸を用いてぬめりを解消する手順は以下のとおりです。
【用意するもの】
ただし、専用薬剤と比べると効果は小さいです。効果よりも安全性を重視するのであればこちらの方法を試してください。または、まずはこちらの方法から試し、効果がなければ専用薬剤を使用するといった方法もおすすめです。
業者は長年培ってきたノウハウと専用器具によって、確実に排水口の汚れやつまりを解消してくれます。自分でやってみたけど思うような効果が得られない場合は、業者へ依頼することがおすすめです。
また、業者への依頼は手間の削減にもつながります。お仕事や子育てが忙しい方はぜひ業者への依頼を検討してください。
業者を選ぶ際は、最低限以下のポイントを抑えておくと良いでしょう。
水道局指定業者に依頼すれば、一定水準以上の技術が保証されます。そして、万が一業者との間でトラブルになった場合には自治体に相談することが可能な点も、安心できるポイントの一つです。水道局指定かどうかは、業者や水道局のホームページで確認しましょう。
また、多数の実績があるということは長きにわたり多くの利用者に支持されていることの証です。実績は施工数はもちろん、創業年数も一つの指標になります。こちらもホームページでチェックしてみましょう。
最後に事前見積もりについてです。基本的に作業を始める前に見積もりを提示してくれる業者が一般的ですが、中には見積もりを提示せず依頼主の許可なく作業を進めるような悪徳業者もいます。必ず、事前に見積もりをもらい内訳や作業内容の説明を受けましょう。また、見積金額が相場よりも安すぎたり高すぎたりする業者は、悪徳業者の可能性が高いので避けたほうが良いでしょう。
見積もりを依頼する場合は、スタッフの対応は丁寧か、説明はわかりやすいかなども一緒に見ておくと良いでしょう。
こちらの記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
では、お風呂の排水口にそもそもぬめりを発生させないことは可能なのでしょうか。
ここではぬめりを発生させないための予防策を5つご紹介します。ぬめり取りの頻度を抑えたいとお考えの方はぜひ参考にしてください。
アルミホイルを小さなボール状に丸めて排水口に入れておくと、ぬめりが発生しにくくなります。
アルミホイルは水に触れると金属イオンが発生し、ぬめりの原因となる雑菌の繁殖を防ぎます。さらに、ボール状のアルミホイルが水流によって動くことで、表面に付いた汚れを落としてくれます。
アルミホイルボールが排水管に流れてしまわないように、大きさや設置場所に注意しましょう。また、1週間ほどで新しいものと交換すると効果が持続します。
前述の通り、排水口の髪の毛はぬめり汚れの原因の一つです。よって排水口に溜まる髪の毛をこまめに捨てること、排水口に流れる髪の毛の量を減らすことは、ぬめり予防に繋がります。
備え付けの目皿やヘアキャッチャーに排水口ネットやシールを設置すると、排水口に流れ込む髪の毛の量を減らすことができる上、ネットやシールを捨てるだけなので掃除も簡単です。
百均やネットショッピングで手軽に購入できるのでおすすめです。
最近では置くだけでぬめり予防ができるグッズが販売されています。
薬剤入りのケースを排水口内に設置し、薬剤が水で溶けだすことでぬめりを防止するものが多いです。
商品にもよりますが、一度設置してしまえば1ヶ月~数ヶ月程度効果が持続するため、少ない手間で長く効果を発揮してくれます。
【商品例】
出典:Amazon
防止グッズを設置してもぬめりを完全に防ぐことができるわけではありません。やはり、ぬめりを防ぐためには定期的な掃除が必須です。
ぬめりが発生する頻度を確認し、無理のない掃除計画を立てておきましょう。しっかりとした掃除であれば半月に1度の頻度が勧められている場合が多いです。
ハウスクリーニングは家の掃除をおこなってくれるサービスです。業者によっては排水口のみの掃除を請け負っていることがあります。もし、掃除をする時間が取れないのであればハウスクリーニングへ依頼しましょう。
ただし、あくまでもハウスクリーニングは掃除サービスになります。もし、排水管の故障や詰まりの発生などトラブルがある場合は水道修理業者への依頼が必要です。
今回はお風呂の排水口にぬめりが発生する原因や掃除方法、予防法をご紹介しました。
ぬめりを放置していると、つまりや悪臭といったトラブルに繋がります。また、つまりが進行すると水漏れトラブルに発展し、最悪の場合には下の階の部屋にまで水漏れ被害が拡大してしまう恐れもあります。
そうならないためにも、本記事でご紹介した掃除方法と予防策から自分に合っているものを選び、ぬめり汚れの対策をおこなっていきましょう。
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