自分で水道修理を行うのは、おすすめしません。水道修理には専門的な知識と技術が必要であり、作業自体は一見簡単そうに見えても、考えなければならないポイントがいくつもあります。
トラブルへの対応を誤るとかえって状況が悪化したり、水漏れが発生したりして二次的なトラブルが起こるおそれもあります。ここでは、自分で水道修理を行うときのリスクと、水道修理業者に依頼するメリットについて解説します。
自分で水道修理を行うことで得られるメリットは、費用を安く抑えられることです。簡単な作業であれば、必要な道具があれば自分で修理できることもあるでしょう。しかし、水道修理の技術や知識がないと失敗する可能性が高いです。
失敗によって水漏れなどの二次的なトラブルが起こることもあり、対応によって結果的に費用がかさんでは本末転倒です。水漏れによって階下まで被害が及ぶと迷惑がかかるだけでなく、損害賠償を請求されることもあります。
部品の交換で済むところを作業中に破損してしまい、丸ごと交換するはめになることもあるでしょう。このように自分で水道修理を行うことには、時間も費用も余分にかかるというリスクがあります。水道修理ではトラブルの原因を特定し、適切に対処することが求められます。
しかし、水道のトラブルの原因はいくつもあるため特定するのが難しく、時間がかかる上に判断を誤ると二次的なトラブルにつながります。配管に原因がある場合は資格を持つ業者でないと修理を行えないため、自分で修理することはできません。このように、自分で水道修理を行うことは非常にリスクが高いといえます。
技術と知識を持つプロが施工してくれる水道修理業者に依頼すれば、安心して任せられます。
専門的な技術や知識に加えて豊富な経験もあるため、迅速に原因を特定してくれるでしょう。トラブルの原因を見極めて、その他のリスクも把握した上で作業を行うので、後々の水漏れといった二次的なトラブルの心配もありません。
特に水漏れは考えられる原因を絞り込む必要があるため経験がないと難しく、自力では根本的な解決に至らないでしょう。アフターサービスのある水道修理業者であれば、施工後のトラブルにも対応してもらえることがあるので、より安心感があります。
今後の使用についてアドバイスを受けることで、再発防止につながります。修理にかかる時間も個人で行う場合よりも短く、自分で工具を準備する必要もなく、施工後の心配も少ないことが、水道修理業者に依頼するメリットです。
水道修理業者に依頼する際の流れを説明します。水道のトラブルが起こったら、まずは止水栓または水道の元栓を閉めましょう。水漏れや水の噴き出しが起こると慌ててしまい、すぐに業者を呼びたくなりますが、止水栓を閉めると水は出なくなるので、被害を最小限に抑えられます。
止水栓は蛇口の近くや流しの下にあることが多く、マイナスドライバーなどで閉めることができます。止水栓が見当たらない場合は、水道メーター付近にある水道の元栓を閉めると給水管からの水の供給が止まります。
水を止めたら、水漏れや噴き出しなどで出た水を拭いておきましょう。そのままにしておくと階下にまで水が浸入したり、床にカビが発生したりすることがあります。水道修理業者に状況を説明できるように、起こったトラブルと箇所、予想される原因を整理しておきましょう。
業者を呼ぶ前にインターネットで情報を収集しておくのもよいでしょう。特に高圧洗浄などが必要になりそうなトラブルの場合は費用が高くなりやすいので、業者ごとの費用を把握しておくことが大切です。
賃貸住宅であれば、管理会社や大家さんに相談するべきです。賃貸住宅の水道設備は貸主のものなので、貸主の負担で修理してもらえることもあります。借主が勝手に工事を行うと契約違反になるおそれがあるので、必ず管理会社または大家さんに相談しておきましょう。
また、火災保険や賃貸管理会社の保険、有償オプションなどに水道修理のサービスが付いていないか確認しておきましょう。水道修理サービスが付帯していれば、費用の負担が軽減される可能性があります。
準備ができたら水道業者に連絡し、見積もりを依頼しましょう。見積もりを取っておかないと施工後に高い料金を請求されるおそれがあるので、必ず見積もりを取ってください。水道業者への連絡は電話やメール、ホームページの専用フォームで行います。
業者によっては365日、24時間体制で運営しているところがあるので、夜間に相談することもできます。見積もり金額に納得したら、修理を依頼して料金を支払います。施工の前後には、修理の箇所や内容について説明してもらいましょう。
一般的に水道修理業者に頼めることは、以下のとおりです。
これらのトラブルについて、詳しく説明します。
蛇口のトラブルとしては、以下のようなものが挙げられます。
水漏れには、蛇口の先端および根元から出る軽微な水漏れと、蛇口に亀裂が入ることによる激しい水漏れがあります。蛇口の先端および根元からの水漏れの原因は、パッキンの劣化であるケースが多いです。
お風呂に採用されることが多いサーモスタット混合水栓の水漏れは、交換するバルブカートリッジが生産終了となっているものが多いため、蛇口ごと交換するケースもあります。
洗濯機のホースと蛇口をつなぐニップルという部材の劣化によって、水漏れが起こることもあります。グリスという部材同士の摩擦を減らす潤滑油の不足や金属パーツのサビ、水道水に含まれる成分の結晶化、パッキンの劣化、バルブカートリッジという部品の劣化が原因で、ハンドルやレバーが固くなって動かせなくなることもあります。
これらの蛇口トラブルの修理・交換を水道業者に依頼した場合の費用相場(2022年3月時点)は、以下のとおりです。
費用に幅があるのは、蛇口本体や交換するパーツの価格が異なるからです。
お風呂の主な水道トラブルは、以下のとおりです。
排水口などのつまりが起こると、悪臭が漂ったり水の流れが悪くなったりして、ひどいときには逆流することもあります。お風呂でのつまりの主な原因は髪の毛や石鹸カスで、その場合は業務用の強力な薬剤を使用します。
このようなつまりの解消にかかる費用の相場は、8,000円〜18,000円(2022年3月時点)です。
蛇口やシャワーからの水漏れや水量の異常は、パッキンやホースの劣化によって起こります。蛇口やシャワーの水漏れは部品の交換によって解消され、2022年3月時点の費用相場は3,000円〜30,000円です。蛇口やシャワー本体の価格によって、費用は大きく変わります。
浴槽のひび割れは、浴槽に固いものを落とすことや経年劣化によって起こります。ひび割れた浴槽は交換する必要があり、2022年3月時点の費用相場は1万円~40万円と、浴槽の価格によって費用は大きく変わります。特に、金属製の浴槽の価格は高めです。
浴槽の塗装の費用相場は、9万5,000円〜15万円(2022年3月時点)です。
洗面所の主なトラブルは、以下のとおりです。
洗面所下の湿気や床への水漏れがある場合は、パッキンなどのパーツの劣化や配管のナットの緩みが考えられます。シャワーヘッドや蛇口からの水漏れは、パッキンの交換または本体の交換が必要です。洗面所下から臭気が漂っているなら、排水管内に髪の毛などの異物が流れ込むことによって、つまりが生じていると考えられます。
排水管はS字の形状になっているものが多く、異物を取り出しにくいので、排水管を交換することもあります。洗面所の排水管の交換にかかる費用相場は、20,000円〜40,000円(2022年3月時点)です。
劣化によって洗面ボウルにひび割れが生じることもあり、それが破損や水漏れの原因になります。洗面ボウルにひび割れがあると危険なので交換する必要があり、費用相場は洗面台一式で5万円〜30万円(2022年3月時点)です。
洗面台の下や裏にカビが発生した場合などは、洗面所を撤去してリフォームを行うこともあるでしょう。2022年3月時点の洗面所の撤去費用の相場は3万円〜6万円、洗面所のリフォーム費用の相場は20万円〜100万円です。
キッチンで起こる水道トラブルには、以下のようなものがあります。
キッチンには蛇口や給水管、排水管、排水ホースなど、水漏れが発生する可能性がある箇所が複数あります。これらの箇所でパッキンや部品が劣化していたり、接続が緩くなっていたりすると水漏れが発生するでしょう。このような場合はじわじわと水が漏れるので、発見が遅れることがあります。
排水管がつまることによって、シンク下から悪臭が漂ったり、床と排水管の接続部分から水が漏れたりすることも。これらのトラブルの解消を水道業者へ依頼するときの費用相場は、以下のとおりです(2022年3月時点)。
つまりの解消:4,000円~20,000円
悪臭の解消 :3,000円~15,000円
水漏れ :10,000円~30,000円
さび :7,000円~15,000円
つまりを解消する際は高圧洗浄機などの機器を使用するケースが多いため、費用が高くなりやすいといえます。
トイレで起こる主なトラブルは、以下のとおりです。
トイレにおいて水漏れが起こる箇所は、給水管の接続部やウォシュレット、便器のひび割れ部です。給水管の接続部分のパッキンや給水管が劣化していたり、ナットの締め付けが緩まっていたりすることで、水漏れが起こります。トイレの水漏れの修理を業者へ依頼するときの費用相場は、4,000円〜18,000円(2022年3月時点)です。
便器に固いものを落とすとひび割れが生じることがあり、その部分から水漏れが起こることもあるでしょう。便器にひび割れなどの破損があれば、交換する必要があります。
便器には一体型、組み合わせ型、タンクレス型があり、一体型やタンクレス型については便座やウォシュレットだけ交換することができないため、便器ごと交換することになります。
洋式トイレの交換にかかる費用相場は5万円〜15万円、タンクレストイレの交換は10万円〜40万円(いずれも2022年3月時点)です。費用は、トイレ本体の価格によって大きく変わります。
トイレに異物を流すとつまり、水が逆流することもあります。トイレつまりの費用相場は4,000円〜8,000円(2022年3月時点)です。
給湯器の主なトラブルは、以下のとおりです。
お湯が出なかったり、お湯がぬるかったりする場合は、給湯器の故障が疑われます。異音が聞こえることもあり、このような症状がある場合は給湯器の修理または交換が必要です。
給湯器本体が変形している場合は、内部に腐食や水漏れなどの不具合が起こっている可能性があります。給湯器周りの水漏れは、部品の劣化が主な原因です。
給湯器の交換の費用相場は給湯器のタイプによって異なり、追い炊き機能なしは6万円〜17万円、追い炊き機能付きは9万円〜25万円、床暖房付きは18万円〜50万円(2022年3月時点)です。交換ではなく修理で済む場合の費用相場は、7,000円〜17,000円(2022年3月時点)です。
排水管や下水のトラブルには、排水栓や排水ホース、フレキシブル管からの水漏れ、配管のつまりなどがあります。水漏れの主な原因はパッキンやホース、配管本体の劣化や、配管のつなぎ目のナットの緩みです。
配管につまりが生じると、排水の逆流が起こったり、悪臭が漂ったりします。排水管・下水のトラブルにかかる費用相場は、配管のつまりが5,000円〜30,000円、悪臭対策が3,000円〜15,000円です。高圧洗浄機を用いた洗浄が必要な場合は8,000円〜20,000円、配管工事が必要な場合は12,000円〜35,000円です(いずれも2022年3月時点)。
水道修理では、相場よりも大幅に高い金額を請求されるといったトラブルが起こることがあります。施工前に見積もりを取らず、料金体系も確認しないまま修理を依頼するのは危険です。
ホームページには安い金額が書かれていても、出張料金や深夜料金が発生することもあるので、基本料金以外の金額も確認するべきです。施工後だと高圧的な態度で料金を請求されることがあり、断りにくくなるので注意してください。
不要な工事をさせようとしつこく迫ってくる業者もいますが、そのような業者には依頼してはいけません。また、突然訪問して無料検査や点検などを口実に家に入り、検査結果を見せて不安を煽り、契約させようとする業者もいます。特に水道局職員を名乗る人物にいわれると、不安になってしまうでしょう。
水道局職員がアポなしで訪問することはないので、もし水道局職員を名乗る人物が突然訪問してきたら、国民生活センターに連絡しましょう。
悪意ある業者に非があることは事実ですが、被害に遭わないように気を付けることも重要です。
水道トラブルで水道業者に修理を依頼する場合は、水道局指定工事店へ依頼することをおすすめします。水道局指定工事店は自治体から指定を受けた事業者であり、国家資格保有者が事業所に置かれているので、一定の技術と信頼があります。
ここでは水道局指定工事店の概要と、非指定業者が行える工事内容との違いを紹介します。
水道局指定工事店とは、水道法に基づく給水装置工事を実施できると認められた事業者のことで、正式名称を指定給水装置工事事業者といいます。配管を含む工事を行う際は、指定給水装置工事事業者に依頼する必要があります。
指定給水装置工事事業者に指定されるためには、各事業所に給水装置工事主任技術者を配置し、厚生労働省が定める機械・器具を有していなければなりません。給水装置工事主任技術者は国家資格であり、受験するには3年以上の給水装置工事の実務経験が必要です。
上水道工事は指定給水装置工事事業者が行えますが、下水道工事の場合は指定排水設備工事事業者である必要があります。指定排水設備工事事業者に指定されるには、排水設備工事責任技術者の資格と厚生労働省が定める機械・器具を有していなければなりません。
これらの指定は自治体ごとに行われ、指定された地域でのみ施工が可能です。地域の指定業者以外の非指定業者が特定の工事を行うと、工事した水道が止められるといった罰則が適用されることがあります。
水道局指定工事店について詳しくこちらの記事で解説していますので是非ご覧ください。
水道局指定工事店は、水道工事全般を行えます。上水道工事においては、給水管の新設や種類・経路の変更、水栓の新設・増設、取り外し、撤去が可能です。下水道工事においては排水設備の新設・増設、種類・経路の変更、撤去ができます。
非指定業者は給水管および排水管を変更するといった工事ができないため、指定業者に比べると工事ができる範囲が狭いです。非指定業者が行える工事は、蛇口の交換や劣化したパッキンなどの部品交換、配管のつまり解消、水漏れ修理などで、給水管・排水管の交換せずに済む軽微なものに限られます。
このように、非指定業者が行える工事は簡単なものに限られます。
水道修理業者はたくさんあり、その中から信頼できる業者を選ばなければなりません。水道修理業者選びのポイントは、以下のとおりです。
水道局指定工事店は自治体に認められており、国家資格保有者を事業所に配置しているため、一定の信頼と技術を有しているといえます。
非指定業者が工事を行える範囲は限られており、トラブルの内容によっては対応できないこともあるので、その場合は再度対応できる業者を探さなければなりません。水道局指定工事店であれば工事を行える範囲が広いので、再び業者を探す手間が省けるでしょう。
見積もりを拒んだり、詳細な料金を提示しなかったりする業者には注意が必要です。見積もりを取らないまま工事が行われると、高い料金を請求されても断りにくくなります。見積もり自体が有料だったり、出張料金がかかったりする業者もあるので、事前にそれらを確認しておきましょう。
見積もりは料金の相場を把握するためにも必要なので、少なくとも3社から見積もりを取ることをおすすめします。
施工実績が豊富だと経験があることがわかるので、安心して依頼できます。ホームページに口コミなどが載っていることもあるので、参考にするとよいでしょう。アフターサービスが充実している業者であれば、施工後のトラブルにも対応してもらえるので安心です。
ホームページに会社情報が記載されているかどうかは、業者の信頼性に関わる重要なポイントといえます。記載されている住所が実在するか、業者の電話番号はフリーダイヤル以外にあるかなどを確認しておきましょう。電話番号がフリーダイヤルしかないと業者の指定地域がわからないので、工事を依頼できるかどうかがわかりません。
また、料金が安すぎる場合は基本料金以外の料金が高めに設定されている可能性があるので、基本料金以外にどのような項目があり、それぞれにいくらかかるのかも確認しておきましょう。
水回りのトラブルに見舞われると、早く直したいがために自分で取り組んでしまいたくなりますが、程度によってはさらに悪化させるリスクもあります。水道局指定工事店など、プロの業者に依頼をすれば安心です。しかし依頼時も見積もりを取るなど、業者選びは慎重に行いましょう。
水道修理を自分で行うと施工後の水漏れなどのリスクがあるので、プロに依頼することをおすすめします。依頼する際は水道局指定工事店を選び、相見積もりを取って比較することが大切です。水道修理の後で、高い料金を請求する業者もいます。水道トラブルが起こっても慌てず、信頼できる業者を選んで依頼しましょう。
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