水道メーター(量水器)とは、敷地内で使われた水の量を測るための装置です。水道料金を決定するためには定期的に検針を行う必要があるので、各家庭には必ず水道メーターが設置されています。
水道メーターを見ると、黒地に白い文字で書かれた数字や、ダイヤル式の目盛りがついています。これは、いままでに使われた水の量を表示していて、検針の度にこれらの数字の差を見ることで、使用量を確認しています。
水道メーターには、水量を測るだけでなく、水が使われているかどうかを確認する機能があり、そのために付属している部品がパイロットです。
パイロットが時計回りに回転していれば、敷地内のどこかで水が流れていることがわかります。パイロットはふちに赤いプラスチックがついたシルバーの丸い部品で、回転がわかりやすいようになっています。
水道メーターの役割である、水道使用量の確認については、水量の目盛りを読めばわかります。
しかし、水量の目盛りは最低でも立方メートル(1000リットル)単位のため、普通に水を使用していても、観察している短時間で数字の変化を確認することは困難です。
そこで、パイロットを見ればたったいま敷地内に水が流れているかどうかが確認できるようになっています。
家の中のどこでも水道を使っていないはずなのに、パイロットが回っているという場合は、どこかで水漏れをしている可能性があります。このように、水道の使用状況から異常を発見するのがパイロットの役割なのです。
日常的にパイロットを点検すれば、水漏れ発生時にいち早く発見することができますが、多くは検針票や水道料金の請求額から発覚することになります。
普段より料金が高くなっている場合や、検針員からのお知らせがあった際には、水道メーターのパイロットを確認するとよいでしょう。
では、水道メーターはいったいどこにあるのでしょうか。物件の種類によって場所が異なりますので、それぞれ確認していきましょう。
【一戸建て】
一戸建ての水道メーターは、家の入口や駐車場といった、路地に面した屋外に設置されています。金属やプラスチックでできた水色のフタが地面に埋め込まれてあり、「水道」「量水器」などと書かれています。
フタを開けると、水道メーターと元栓があります。水道メーターが汚損しないよう、さらにカバーがついているので、めくって確認します。
【マンション・団地】
マンションなどの場合は主にPS(パイプスペース)に設置されています。PSは配管用のスペースのことで、パイプシャフトとも呼ばれます。電気やガス、水道のメーターなど各種メーターボックスとまとめて設置されている場合はMBPSと記載されていることもあります。
部屋の外の共有通路の壁にPSの扉があります。PSを開くと、床のあたりに水道メーターが設置されています。また、1階の部屋には一戸建てと同様に、地面に設置されている場合があります。
【アパート】
アパートの場合、一戸建てと同じように家の入口や共有通路、駐車場に設置されていることが多いです。ずらりと同じ形のフタが並んでいる場合もありますが、それぞれに部屋番号が記載されているので間違えないよう自分の部屋の水道メーターを確認しましょう。
またアパートの場合、マンションと同じようにPSがある可能性や、全戸分の水道メーターがまとめて一つのメーターボックスに入っていることがあります。水道メーターの場所がわからない場合は管理会社などに確認してみましょう。
ここまで紹介した水道メーターと異なり、最近では液晶表示の水道メーターが設置されている場合もあります。
液晶表示の電子式にはパイロットがなく、その代わり水が流れている間は画面内に黒い四角形やしずくのマークが点滅する仕組みになっています。
パイロットの回転と同じく、水を使っていないのにマークが点滅している場合は水漏れの可能性があります。
きちんと水道を閉めているにもかかわらず、水道メーターを確認したらパイロットが回っているという場合、水漏れが考えられます。
水漏れの原因は、場所によりさまざまです。それぞれ水漏れの確認方法や、起こりやすい原因を紹介します。
まずは、蛇口や水栓(蛇口から水を出すレバーなどの金具)からの水漏れです。
しっかりと水栓を閉めても、水が止まらずポタポタと出てくる場合は、配水管や水栓、水を止める際に使用する止水栓などから水漏れしていると考えられます。
蛇口はキッチンや洗面所、洗濯機、浴室だけでなく家の外に設置されている場合もありますので、家の外に蛇口がある場合はそちらも確認しておきましょう。
水漏れを起こす原因としては、配水管同士や蛇口・水栓をつないでいるパッキンやナットなどの劣化が考えられます。
蛇口を閉めた状態で、蛇口から水栓までしっかりと水分を拭き取ってみて、水がにじみ出てくるかどうかを確認しましょう。目視でわからない場合は、乾燥したタオル類を巻き付けてしばらくおいてみてください。タオルが濡れてくれば、水漏れしていることがわかります。
風呂場は濡れた状態で使うため、日常的に使用していても見つけにくい場合があります。シャワーヘッドからの水漏れは珍しくないため、点検してみましょう。栓を閉じて水気を拭き取った後、シャワーヘッドの穴を上向きにします。水がにじみ出てくれば、水漏れしています。
トイレが水漏れしても、漏れた水が常に下水に流され続けるために気づくのが難しい場合があります。通常、トイレを流した後は、タンクに水がたまれば自動的に水が止まるようになっています。
しかし、タンク内の部品が故障していると水が止まらず、そのまま漏れ出し続けていることがあります。タンク内から水の流れる音が続く場合には、タンク内の部品が故障している可能性があります。
他にも、ウォシュレットやタンクへ水を送る給水管の破損や、止水栓の劣化などによって水漏れをしている可能性もあります。
この場合は、先述のように給水管や止水栓をよく拭いて、しばらくしてから水がにじみ出る箇所があるかどうかを確認しましょう。ウォシュレットの破損が疑われる場合、感電の恐れがあるため必ず電源を抜いてから点検してください。
なお、ウォシュレットには自己洗浄機能がついているものがあります。この機能によってノズルを清潔に保つ仕組みになっており、使用時以外にも水を使うことがあります。
家電や給湯器が水漏れの原因となることがあります。洗濯機に給水するための蛇口やホースが劣化して接続がはずれたり、故障したりするなどの原因で水漏れが起こります。
これまでと同様に、蛇口やホースなどをしっかりと拭き、水がにじみ出ないかを確認しましょう。給湯器や温水器も、水道と繋がっているため水漏れを起こす可能性があります。
こちらもパッキンの劣化で給水管から水漏れが起こります。また、室外に設置されているものは冬場に配管が凍ってしまうと、破裂する危険があります。関東より南の、比較的温暖な地域ほど凍結対策がされておらず、気象条件や経年劣化によって破裂が起こりやすいようです。
なお、給湯器や温水器の場合、装置内部の配管が水漏れの原因となる可能性があります。この場合は、むやみに触ると感電や火傷の危険があるので、安全のため専門業者に依頼するのが良いでしょう。
水漏れが見つからないという場合は、家電が水を使っている可能性があります。前述の洗濯機やウォシュレットのほか、水道直結型の浄水器やウォーターサーバー、食器洗浄機などは使用時以外にも自己洗浄などの機能で水を使用することがあります。
そういった機能や、家電内部の故障で無駄に水が使われている可能性があれば、家電の電源を切る、または元栓を閉じて、パイロットを確認してみましょう。その家電に使われる水の量が異常なようであれば、故障と思われます。
蛇口や配水管といった水周りや家電などを点検しても水漏れが見当たらないという場合には、壁の中や床下にある目に見えない配管から漏水している可能性が考えられます。
台所や洗面台のシンクの下にある止水栓が劣化で損傷していたり、栓が完全に閉じられなくなっていたりして水漏れを起こしていることがあります。屋外では凍結による損傷が起きやすいため、冬場に水漏れが起きる原因となります。
一戸建ての場合は、庭にいつも湿っている場所がある、特定の場所にいつも水たまりができているという場所があれば、そこの配管が破損しているかもしれません。
ここまでの方法で原因を特定することができなかった場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。
原因がわからないまま放っておくと、高い水道代を請求され続けるだけでなく、床板や壁、家具などの家財に水が染み入り、損傷させてしまう危険もあります。
壁を開いて配管を点検する必要とするなど、規模の大きな工事が必要となる場合もありますが、家屋が損傷する前に専門業者に依頼した方が、結果的に修理費は安く済むでしょう。
漏水が起こってしまった時の対処法について下記の記事で解説していますので是非こちらもご覧ください。
また、漏水しているかどうか水道メーターボックスをみて確認する方法については下記の記事でも紹介しています。
水漏れが起きている場所や、程度によっては自分で修理することは難しくありません。ただし、手順を間違え、誤って破損させるとかえって被害を広げることもあるため、十分に注意しましょう。
また、工具や部品を調達する費用や手間がかかり、規格にあったものを選ぶためには知識を必要とします。
パッキンの劣化やナットのゆるみであれば、パッキンの交換やナットを締め直すことで水漏れを解決できることがあります。配水管やホース、トイレタンク内部の部品、シャワーヘッドなどの破損・故障も、部品交換で解決が見込めます。
これらの修理に必要な交換部品や工具は、ホームセンターなどの店舗で揃えられます。なお、作業を始める前には必ず水道メーターの近くにある元栓を閉めましょう。アパートなどで複数の水道メーターがある場合は、他の部屋の元栓を閉めないよう注意してください。
水漏れの箇所がわからない、自分で修理するのが難しそうだという場合は専門の業者に依頼することをおすすめします。
特に、無理に自分で作業しようとすると、サビや汚れの固着した止水栓が開閉できなくなったり、外した部品を元に戻すことができなくなる、劣化したナットを締め付け過ぎてかえって配管を傷めてしまうといったことは珍しくありません。
また、構造が複雑な配管や、場所がわかっていても手が届かないような箇所で水漏れしている場合には、自分で直すのは困難です。
水は日常生活に欠かすことができないものです。パイロットの見方が分かれば漏水にも気づきやすいので、上手に利用しましょう。
水道使用量が不自然に多くなった、検針員からお知らせがあった際には、まずパイロットを確認しましょう。水を使っていないのにパイロットが回っていれば、水漏れしている可能性があります。
水漏れ箇所がわからない時は、家の内外をくまなくチェックしましょう。それでも原因が特定できない、または自分で修理するのが難しいという場合には、専門業者に依頼することをおすすめします。
Copyright©株式会社イースマイル【町の水道屋さん】.All Rights Reserved.