パイプユニッシュを使用しても、トイレのつまりの根本的な解消にはなりません。そこでまずは、トイレがつまる原因とともに、パイプユニッシュを使用した場合にトイレのつまりに対してどのような作用をもたらすのか解説します。
トイレの便器には水がたまっており、水を流すと排水管へ向かって水が流れていきます。トイレのつまりは便器と排水管のつなぎ目で発生する場合もあれば、排水管の奥で発生する場合もありますが、そのつまりの原因は主に次の4つがあげられます。
異物を流してしまったためにトイレがつまるケースも少なくありません。おむつや生理用品などは水分を含むと膨らむ素材が使用されているので、誤ってトイレに流すとつまる可能性があります。
基本的にトイレットペーパーは濡れるとほぐれるように作られていますが、一度に大量に流すとつまる場合があるため要注意です。流せる素材であっても、トイレに流すときの量には気をつけましょう。
節約のために流す水の量を減らしている家庭では、水流が足りないためにトイレがつまるケースもよくみられます。水流が足りないと流れていく途中でトイレットペーパーが残り、つまりが発生しやすくなります。
なかには、トイレに流しても問題ないはずの排泄物がトイレにつまってしまうケースもあるため、気をつけなければなりません。特に、便秘になると排泄物が固くなりやすく、トイレのつまりの原因となる可能性が特に高いです。
パイプユニッシュは、水道の排水管の汚れを掃除するための液体状のクリーナーで、主に、流し台、洗面台、浴室の洗い場などでの使用が想定されています。排水口から適量を注いで15~30分程度放置したあと、水でしっかり流します。排水管の奥のぬめりや臭いを解消できるだけでなく、髪の毛によるつまりの解消にも役立てることが可能です。
ただしパイプユニッシュは、流し台、洗面台、浴室の洗い場などで使用するものであり、トイレのつまりの解消は想定していません。髪の毛、石鹸カス、食べ物などが原因となっているつまりには効果があるものの、トイレットペーパーや排泄物などトイレ特有のつまりの原因には効果を発揮できない可能性が高いです。
状況によっては、パイプユニッシュを使用するとトイレのつまりの解消を促せる場合もあります。パイプユニッシュがトイレのつまりを解消するのに役立つのは、トイレットペーパーや排泄物など、もともとトイレに流していいものがつまりの原因になっている場合です。
なぜ効果があるかというと、パイプユニッシュを使用すればつまったトイレットペーパーや排泄物などがほぐれやすくなるからです。つまりが軽度の場合はそのまま放置していても時間が経てばほぐれていきますが、パイプユニッシュを使用すればより短時間でほぐれやすくなります。ただし、効果があるのは、放置していれば解消される程度のつまりだけです。
一方、本来はトイレに流してはいけないおむつや生理用品が原因となっている場合にパイプユニッシュを使用しても、つまりはほとんど解消できません。しっかりつまりを解消したいなら、パイプユニッシュではなく専用の商品を選んだほうが効果的です。
トイレ以外の水道の排水管のつまりを解消するために作られた他の商品を使用しても、トイレのつまりに対する効果はパイプユニッシュと同様です。
たとえば、「ドメスト パイププロ」(ユニリーバ・ジャパン)や「パイプハイター 高粘度ジェル」(花王)などがあります。どちらも家庭用の使いやすいサイズ感で、価格も200円~550円程度とお手頃です。いずれも、洗⾯所、台所、浴室の排水管のぬめりやつまりを解消するのに向いています。
もともとトイレに使用するために作られているわけではないため、トイレのつまりに使うときは、あくまでも自己責任で使用しなければなりません。
なかには、トイレのつまりを解消する効果が期待できる商品もあります。
たとえば、トイレの排水管のつまりに特化した「トイレ排水管・下水本管クリーナー」(ロービック)があります。つまりの原因が尿石である場合、「デオライトL」(和協産業株式会社)も効果的です。ただし、他の洗剤と混ぜると危険なため、使用時は注意が必要です。いずれも、ホームセンターで取り扱われています。
業務用として販売されている「クイック発泡トイレクリーナー」(Mystery&Melody)もあります。薬局やホームセンターでは販売されていませんが、通販を利用すれば購入可能です。
これら商品の価格は購入先によって前後しますが、およそ1,000~1,800円程度で購入できます。購入するときは注意書きをよく読み、正しく使用するようにしましょう。
トイレのつまりを自分で解決するには、具体的にどのようにしたらいいのでしょうか。状況によりますが、次のような方法を適切に選べばトイレのつまりを直すことは可能です。
トイレのつまりに対処するときは、作業を始める前にトイレの汚水をくみ出しておく必要があります。なぜなら、トイレがつまっていると水が流れていかないため、たまっている水が作業中にあふれてしまう可能性があるからです。忘れずに止水栓も閉め、レバーが動いても水が流れないようにしておきましょう。
他の階にもトイレがある建物では、排水管がつながっています。上の階でトイレがつまると、下の階の排水管が使えなくなる可能性があるため注意が必要です。マンションでトイレがつまってしまったときは、作業の前に管理会社に連絡しましょう。なお、上の階でトイレの水が漏れれば下の階に影響する恐れがあるので、戸建て住宅であっても気をつける必要があります。
ラバーカップは、便器の排水口に押し当てて圧力をかけ、つまりを解消するための道具で、スッポンとも言われています。
最初に、便器の排水口にラバーカップをしっかり密着させましょう。それ以上押し当てられない状態になったら、今度はラバーカップを引っ張ります。
圧力がかかっているので、勢いよく引っ張らないとラバーカップは取れません。水が激しく飛び散る場合もあるため、ご注意ください。あらかじめゴミ袋に切り込みを入れたものにラバーカップを通しておくと、仮に水がはねても飛び散りにくくなります。
この動作を何度か繰り返していくと少しずつ水の流れがよくなり、トイレのつまりが解消されていきます。つまりが改善されてきたら、バケツにためた水をトイレに流してみてください。スムーズに流れていけば、つまりがきちんと解消された証拠です。
ラバーカップはホームセンターやネットショップで1,000円程度で入手できます。100円ショップでも販売されている場合がありますが、品質をよく確かめたうえで購入することをおすすめします。
下記の記事ですっぽんの使い方について詳しく説明しています。
トイレのつまりの解消には、クエン酸も使用できます。クエン酸はお菓子や料理にも使用されており、人体に害を及ぼさないので安心です。アルカリ性の汚れ落としに向いているため、トイレにたまりやすい尿石の掃除に適しています。
クエン酸を使用するときは重曹とともに使うと、つまりを解消する効果をさらに高められます。便器に水を入れたら、先にスプーン1杯分の重曹を入れ、5分程度放置したら、次はスプーン1杯分のクエン酸を入れましょう。泡が出てくるのを確認し、30分程度そのままにしておきます。その後で水を流すと、尿石はもちろんトイレットペーパーのカスや黒ずみなども流すことができます。
クエン酸と重曹は手軽にできる対処法の1つで、薬局やホームセンター、スーパーなどで、数百円程度で購入できます。
つまりの原因がトイレットペーパーや排泄物である場合は、トイレにお湯を流すだけでも、つまりを解消できる可能性があります。
便器は陶器でできているので、高温のお湯を使用するとヒビが入る可能性があります。また、高温のお湯を流すと便器の奥にある排水管を傷めるリスクもあるので、使用するお湯の温度は50度程度にしましょう。
手順は、水を汲み取った便器にお湯を何度か流すだけです。その後、1時間程度経過したら、バケツに汲んだ水を流してつまりが解消できているかどうか確認しましょう。
50度程度のお湯を使用するだけなら特別な道具や洗剤も必要ないため、簡単ですぐにできる応急処置としてもおすすめです。
トイレのつまりは、水流によって解消できる場合もあります。バケツやペットボトルなどに水を汲んで、トイレの排水口に向けて流しましょう。このとき、少し高い位置から水を流すのがポイントです。
また、一度にたくさんの水を流すのではなく、ある程度の量を数回にわけて流していきます。一気に水を流すと便器からあふれることもあるので気をつけてください。スムーズに水が流れているか確認しながら、いつもと同じくらいの正常な水位になるまで繰り返し水を流しましょう。
特に、水流が足りないためにトイレがつまっている場合、水を勢いよく流すとつまりが解消する可能性が高いです。つまりの症状が軽度であれば、まずは水流を利用してつまりを解消できないか試してみることをおすすめします。
トイレのつまりに悩まないためには、普段からつまらないように対策することが大切です。トイレをつまらせないようにするには、次のような方法に気をつけてトイレを使うようにしましょう。
できる限り、トイレにはトイレットペーパー以外は流さないようにしましょう。水に流せる掃除シートもありますが、トイレットペーパーに比べて厚みがあるためつまるリスクが高くなります。どうしてもトイレに流したい場合は、少量ずつ流すようにしてください。
トイレにはおむつや生理用品を誤って流してしまうケースもありますが、そもそもおむつや生理用品はトイレに流せない素材でできているので要注意です。破けてなかの素材が出てきた場合、排水管に張りついてしまうリスクもあります。
また、トイレが子供の遊び場にならないように、くれぐれも気を付けましょう。子供のおもちゃが便器に落ちてつまりにつながることに加えて、子供がケガをしてしまう心配もあるので危険です。
トイレットペーパーを適切に使用していれば、つまりの原因にはなりません。しかし、一度に大量のトイレットペーパーを流すとトイレや排水管のなかでほぐれにくくなり、つまりの原因になる場合があります。
日頃から、使用するトイレットペーパーの長さを意識したり、家族に注意喚起を行ったりして、同じトイレを使う全員が一度に使用するトイレットペーパーの量を減らすようにすることが大切です。
※ウォシュレットはTOTOの登録商標ですが、この記事では便宜上、温水洗浄便座全般をウォシュレットと呼称しています。
普段からウォシュレットを使用するようにすると、トイレットペーパーがつまるリスクを減らせます。というのも、ウォシュレットを使用すると、トイレットペーパーの使用量を減らせるためです。ウォシュレットからは温水が出ているため、トイレットペーパーをほぐしやすくする効果も期待できます。
ウォシュレットを使用すれば必ずトイレがつまりにくくなるとまでは言い切れませんが、トイレットペーパーの使用量を意識しながら使うとより効果的です。
トイレの流れが悪いと感じたときは、次の方法を参考に、つまっているかどうか確認しましょう。同時に、自分で問題を解決できそうかチェックし、業者に依頼すべきかどうか判断する必要があります。
トイレがつまるとレバーを引いても水が流れていかず、タンクから下りてきた水がどんどん便器にたまります。水位が上昇しすぎて便器から水が溢れてしまうこともあり、この場合、排水管のなかでつまりが発生している可能性があります。
トイレットペーパーや排泄物がたまっているときは、時間が経つと流れがよくなる場合もあります。水や50度程度のお湯を流して対処すると、より短時間でつまりを解消できることもあるでしょう。
しかし、水に流せない異物がつまっている場合、いくら時間が経ってもつまりは改善されません。対象物が排水口から見えていて、手の届く位置にあるのなら、ビニール手袋を装着してから慎重に取り除きましょう。
水に流せない異物が奥につまっているのなら、自力で取り出すのは困難です。水があふれるとさらに深刻な事態にもなりかねないため、なるべく早めに業者に依頼してつまりの原因を取り除いてもらいましょう。
トイレの水位が今までに比べて大きく変化している場合、つまりが発生している可能性が考えられます。すでにご説明したとおり、排水管がつまっていると水位が異常に上昇する場合があります。
また、つまりが原因となってトイレの水位が普段よりも下がるケースもあります。これは、つまりにより排水量が安定しないために起こる現象なので要注意です。
タンクの故障により水位が下がることもあります。節約のためにタンクの中にペットボトルを入れておく人もいますが、タンクの中の部品に引っかかって水の流れを滞らせている可能性があります。水位に問題が生じたらタンクの中を確認し、原因があるとわかったときは、正常に作動できる状態にしましょう。
このように自分でできることを試してみても水位がもとに戻らないときは、業者に修理を依頼する必要があります。トイレにはさまざまな部品がついており、仕組みも複雑です。自分で対処できないようであれば無理にいじらず、業者に相談しましょう。
トイレの奥の排水管がつまっていると、ボコボコやボタボタという音がする場合もあります。
基本的に、トイレの水を流すと空気も一緒に排水管を流れていくため、ボコボコやボタボタという音はしません。しかし、排水管のなかに何かがつまっていると水の流れが滞り、空気だけが便器のほうへ戻ってきます。異音の正体は、この戻されてきた空気です。水は少しずつ流れていきますが、通常よりも流れが悪くなっています。
トイレから異常な音がする場合、原因は排水管の奥にあるため、自力でつまりを解決するのはほとんど不可能です。放置しておくと状況が悪化する恐れがあるので、専門の業者へ早めに相談することをおすすめします。業者なら排水管の奥の状態もしっかり確認できるため、確実に原因を突き止めて根本的な解決ができます。
トイレのつまりは自分で解決できる場合もありますが、やり方によっては状況が悪化するリスクもあります。トイレのつまりに独断で対処するとどのようなリスクにつながってしまうのか、ここでおさえておきましょう。
つまった異物を取り出そうとした結果、かえって奥へつまらせてしまうことがあります。排水管の奥に異物がつまると、自力で取り出すのはさらに難しくなってしまうでしょう。
つまりがひどくなったところで業者に依頼したとなると、より大きな手間や費用がかかりかねません。問題を悪化させないためには、無理に自分で対処するのではなく、早めに業者へ相談したほうが確実です。
正しい知識がないなかで自己流の対処法を実践すると、便器や部品を傷める恐れもあります。たとえば、使うお湯の温度を間違っただけでも、便器にひび割れが生じてしまうこともあるのです。
また、トイレの部品に問題があると思って自分で交換しようとした結果、トイレの設備を壊してしまうことも考えられます。専門的な知識があるなら問題ないですが、思いつきで対処しようとすると、より手間のかかる修理が必要になる事態にもなりかねません。
つまりの原因が一気に流しすぎたトイレットペーパーや排泄物であれば、放置しているうちにつまりが解消する場合もあります。しかし、必ずつまりが解消されるとは限らないので、放置しているうちに、かえってつまりがひどくなって水位が上昇しすぎてしまう恐れもあります。
トイレットペーパーや排泄物がつまっていると思っていても、実際はまったく別の異物がつまっていることもあるでしょう。
トイレの水が逆流すると、トイレ以外の場所にまで被害が広がったり、水漏れによって他人に迷惑をかけたりすることもあるため、注意が必要です。
トイレのつまりを解消するために業者に依頼する場合、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。業者を選ぶポイントや対処にかかる時間について説明しますので、業者に依頼するときの参考として役立ててください。
トイレのつまりの解消を業者に依頼するときは、以下のポイントに気をつけましょう。
もっとも重要なのは、業者が自宅のトイレのメーカーの修理に対応できるかどうかです。修理できない業者に依頼しても二度手間になるだけなので、事前に対応しているメーカーを確認する必要があります。
毎日使うトイレがつまればすぐにでも解決して安心したいところでしょう。そうなると、迅速に対応してくれる業者かどうかも大切です。
目安としては、依頼から1時間以内に来てくれるところを探してみてください。トイレの修理に対応している業者は全国にあるので、自分が住んでいるエリアに対応している業者を選びましょう。
業者を選ぶときは、見積もりを正しく行っているかどうかも重要なポイントです。なかには、見積もりをとったにも関わらず、実際に修理した後で追加料金を請求してくるところもあります。
良心的な業者は見積もり書に後から料金を変更しない旨を記載していたり、見積もり料・深夜早朝割増・キャンセル料などは発生しないことを明確に示していたりします。料金サービスについても安心して依頼できる業者を選びましょう。
見積もりの際は、つまりの原因をきちんと説明しているかどうかもチェックしてください。原因があいまいであったりそれに対する対応に問題があったりすれば、見積もりで示された料金に納得できない可能性もあります。業者が説明する内容と料金を照らし合わせたうえで、慎重に判断することが大切です。
トイレのつまりを一刻も早く解消したいと思うと慌ててしまうかもしれませんが、依頼する業者はしっかりと見極めましょう。
業者がトイレのつまりを解消するためにかかる時間は、つまりの原因によっても異なります。
症状が軽ければ便器からつまりの原因を簡単に解消できるので、15分程度で作業が終わる場合も珍しくありません。排水管の奥に異物がつまっているとトイレの設備を外す必要があるため、修理に数時間かかるケースもあります。
これもあくまで目安であるため、実際の状況によって修理にかかる時間はさまざまです。いずれにせよ、なるべく早めに依頼したほうがスムーズに作業が進みます。
トイレのつまりには主に4つの原因として
が考えられます。
つまり自体がトイレの奥で発生している場合も多いため、慣れていない人が適切な対処法を判断するのは簡単ではありません。自分で手間をかけて作業しても、原因に合った対処でなければ効率が悪く、つまりもほとんど解消できないでしょう。下手に対処すれば状況を悪化させる恐れもあります。
トイレのつまりをスピーディかつ根本から解決するには、プロへ相談するのがおすすめです。修理が必要になったときは、実績のある業者を選べば安心してトイレの修理を依頼できます。無料見積りも依頼できるので、初めて相談する場合でも費用面について心配する必要はありません。業者を選ぶポイントを意識しながら、責任をもってトイレのつまりを解消してくれる業者を選びましょう。
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