火災保険という名前から、火災による被害でしか利用できないと思ってしまいがちです。しかし、補償内容は多岐にわたり、火災や落雷・風災などの損害に対応。その中に「水漏れ」も含まれます。水漏れはトイレでも発生することがあるトラブルです。
例えばよくあるのが、つまりによるトラブルです。自力で直すことができず、便器内の汚水が溢れることもあるでしょう。すると床や壁紙が汚染されるのはもちろん、アパートやマンションだと隣人や下の階に被害が及んでしまいます。
そのままにしておけないので、浸水したり汚れたりした箇所を修理しなければいけません。損害の原因は水漏れです。したがって火災保険を利用することで、修理費用の負担を減らせる場合があります。
ただ勘違いしてはいけないのが「つまりの修理」は補償されないこと。つまり自体は火災保険と関係がありません。火災保険の対象は「家財」と「建物」になります。よって補償してくれるのは、つまりによって発生した損害です。間違えないよう、注意してください。
後ほど火災保険が適用されるケースを具体的に解説します。
まずは自分が加入している火災保険をチェックしましょう。そもそも火災保険に入ってるかどうかを知らない人もいるはずです。
もしトイレのつまりが原因で修理費用が発生しても、知らなければ利用しないでしょう。それでは加入している意味がありません。
また火災保険と一口に言っても、補償内容は多種多様。保険会社が扱う商品の1つで、会社によって値段や特長も変わってきます。何となくで加入していると、必要だと思う補償が含まれていないかもしれません。
万が一トラブルで火災保険を利用する際、補償されないと困ります。今一度自分がどんな火災保険を利用しているか確認しましょう。
ほとんどの人が加入しているはずの火災保険。何かあった時自分を助けてくれるため、加入の確認は必須です。
確認方法は簡単で、時間もかかりません。方法は以下の6つです。
「保険証券」「保険会社からのハガキ」「支払履歴」は、手元にあるのですぐに確認できるでしょう。ただ加入しているのが怪しい人は、火災保険のものなのかが分かりません。
一方、自分が契約している「銀行」「ハウスメーカー」「不動産会社」であれば、代わって確認してくれる上に確実です。自分で確認が取れない際は、契約している各会社に問い合わせてみてください。
加入の確認ついでに、補償内容も見ておくとよいでしょう。例えばトイレつまりの損害を受けた際、火災保険が利用できるかは商品によって異なります。あらかじめ確認しておけば、トラブルが起きても慌てずに済むでしょう。
一番簡単な確認方法は、加入している保険会社へ問い合わせることです。加入の確認で、自分がどこの保険会社と契約しているか分かったら、そこへ連絡して補償内容や条件など詳しく聞いてみてください。
また契約内容を見直す良い機会にもなります。現状と照らし合わせると、補償内容の更新を検討すべきかもしれません。
ちなみにトイレつまりによる損害は、火災保険に「水漏れ」が含まれていれば補償してくれます。ただし条件や内容次第では、補償されない可能性もあるので確認しましょう。
アパートやマンションに住んでいる人は、普通は物件の契約時に火災保険へ加入しています。ただし管理会社が加入しており、個人での加入が必要ない場合もあります。
したがって、まずは管理会社に問い合わせて確認しましょう。個人で加入しているなら、自分にとって適切な補償内容ではない可能性があるので、内容をしっかりと確認しましょう。
トイレのつまりで発生するトラブルは、火災保険を利用することができます。しかしすべての損害が補償されるわけではありません。トラブル発生時に備えて、適用されるケースを知っておきましょう。
トイレつまりによる被害と言っても、補償されるのは水漏れに関するものだけ。例えば便器内の水が溢れて、床や壁紙を張り替えることになった場合が該当します。
ただしマンションやアパートで、下の階に被害を及ぼした際は別です。「個人賠償責任保険」に入っていれば、補償の対象になります。
「火災保険以外にも加入しなければならないの?」と心配する必要はありません。「個人賠償責任保険」は火災保険の特約です。自分が加入している保険会社に問い合わせれば、火災保険と一緒に契約できます。
下の階に水漏れで被害を出すと、損害費用は予想できません。多額の弁償を要求されてしまった時のためにも、火災保険と共に「個人賠償責任保険」を契約しておくと安心でしょう。
「トイレつまりの被害は火災保険で補償される」「水漏れしても大丈夫!」と、安心してはいけません。状況や条件によっては、補償されないことがあります。
火災保険が適用されない主なケースは、以下の通り。
ただ契約している火災保険で条件が違うため、一概には言えません。詳しい補償内容については、必ず保険会社に確認しましょう。
トイレの故障やつまりは、火災保険の対象外です。したがってつまり修理は、実費の負担になります。なるべくトイレをつまらせないか、軽い症状のうちに対処しましょう。
初期段階であれば、自力でつまりを解消できます。トイレつまりの直し方は、以下の記事を参考にしてください。
当然ですが、故意によるものが損害原因だと補償されません。普通にトイレを使用していた結果、起こってしまったものだけになります。
故意による水漏れとは、流せないものを無理に流そうとしてつまらせたり、便器を改造した過程で水漏れが発生したりしたケースです。保険会社の判断にもよりますが、基本的には補償されません。
そのため、もし自力でつまりを直せなくなったら、早めに業者に依頼しましょう。悪化させると余計な費用がかかる上、火災保険の適用外とみなされる可能性もあります。
業者を選ぶ際のポイントは、以下の記事で紹介しています。併せて参考にしてみてください。
意外にも経年劣化は、補償の対象外とされることが多いです。トイレの水漏れはつまりだけが原因とは限りません。便器と排水管の継ぎ目にある「パッキンの劣化」や排水管が朽ちて穴が空くこともあります。普段気にしない部分でもあり、劣化に気づくのは難しいです。
「損害が発生したけど、火災保険が適用されなかった」という事態を招かないよう、掃除の際などにトイレの状態をよく確認しましょう。少しでも違和感があるなら、業者によるメンテナンスや修理を実施してください。
またメーカーが推奨している、トイレの使用年数も参考にしましょう。便器を交換すれば、劣化による水漏れを防止できます。
トイレ自体の故障だけでなく、ウォシュレットなどの付属品が故障した際も補償から外れます。火災保険の対象になるのは、水漏れで被害が出た建物や家財です。トイレの付属品は、あくまでもトイレの一部として見られるため、火災保険による保険金で直すことはできません。
ただしトイレの付属品に関しては、メーカーの保証が利用できます。保証期間内なら部品などを無償で交換可能です。設置時に貰った保証書や取扱説明書に保証期間が書かれているので、確認してみてください。
火災保険は入っているだけでは意味がありません。実際にトイレのつまりで水漏れ被害に遭った時、利用してこそ価値を発揮します。
ただ補償の請求方法や手続きの流れなど、理解していない方も多いでしょう。スムーズに保険金を請求するために、手順を紹介していきます。
トイレつまりが原因で水漏れ被害が起きたら、まずは火災保険を契約している保険会社に連絡しましょう。
連絡先は保険証券や保管会社から送られているハガキに記載があります。分からない場合は、契約しているハウスメーカーや住宅ローンを支払っている銀行に問い合わせましょう。
保険会社に連絡したら、主に以下のような事項を報告することになります。
連絡する前に被害の状況などを、メモにまとめておくと良いでしょう。
連絡時に保険会社から、必要な書類の指示があります。後日送られてくる、もしくは保険会社のホームページから印刷しなければなりません。保険金が請求できるかどうかが懸かっているので、漏れなくすべて記載するようにしましょう。
書類を送付したら、後は保険会社からの連絡を待ちます。記載するもの以外にも、被害状況が確認できる「罹災写真」や修理金額が記されている見積もり書が必要になる場合もあります。事前に用意しておくと、書類の提出がスムーズになるでしょう。
保険会社の鑑定人が被害状況を確認します。なぜなら書類だけでは分からないことが多く、妥当な金額を出せないからです。したがって実際に現地へ来て調査します。
鑑定の結果次第で、保険金の請求額が決定。残念ながら支払いできない、という判断を下されるかもしれません。
ただ明らかに被害状況が分かる場合や被害が小さい時は、調査が実施されないこともあります。もし調査の有無が気になる方は、保険会社に聞いてみましょう。
保険会社から補償の確認が完了すると、保険金額が決まります。ただし金額に納得できない場合は、再び査定してもらうことも可能です。保険会社に連絡し、別の鑑定人に調査を依頼しましょう。
無事に被保険者の同意を得られれば、保険金の振り込みが行われます。提示された金額が、指定口座に振り込まれているか確認してください。振り込まれた金額が異なっていたり振り込まれなかったりした際は、すぐに保険会社へ確認をとるべきです。
火災保険はトイレのつまりで利用することができます。しかし、あくまでもつまりによる水漏れで、家財や建物に被害が及んだ時のみです。トイレ自体の故障やつまり修理には適用されません。補償されるかどうか判断できない時は、保険会社に問い合わせましょう。
つまりによる損害は、費用負担が重くなってしまうこともあります。少しでも負担を軽くするためにも、火災保険へ加入状況や補償内容を確認し、必要であれば「保険内容の見直し」「保険会社の変更・更新」も検討しましょう。
ただ一番良いのは、火災保険を使う状況が起こらないことです。トイレをつまらせなければ、実費でトイレを修理する必要もなく、火災保険を使うこともありません。
日頃からトイレの使い方に十分注意し、無駄な出費を発生さないように心がけましょう。
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