給湯器に不具合が生じている場合、現れる症状には次のようなものが考えられます。
■お湯が出ない・湯温が安定しない
経年劣化により何らかの不具合が起きている場合、お湯が出なくなったり、お湯の温度が設定通りに出なくなったりします。
■給湯器の本体から異音がする
ファンモーターに不具合があるときは「ピー」という音、ガス漏れや不完全燃焼を起こしているときには「ボン、ボッ」といった小さな着火音がするケースがあります。
■給湯器が変形している
給湯器内の腐食によりガス漏れが生じると、異常着火を引き起こして給湯器が変形してしまうことがあります。
■給湯器を使用するとガス臭い
ガス漏れや不完全燃焼を起こすと、使用時にガス臭いにおいがすることがあります。
■給湯器から黒い煙が出ている
不完全燃焼を起こしている可能性が高い状態です。一酸化炭素中毒になることを避けるため、すぐに使用を中止しましょう。
■給湯器から水漏れがある
配水管などに亀裂が入っていると、給湯器から水が滴っていたり、給湯器周辺が濡れていたりするケースがあります。
これらは、いずれも給湯器や配管などに不具合が生じているときの症状です。中にはガス漏れや不完全燃焼など危険を伴うものもあるため、異変を感じた際には早めの対処が必要となります。
給湯器が壊れてしまう原因には、主に次の4つが挙げられます。
給湯器の耐用年数は約8~10年です。時間の経過とともに徐々に劣化していくため、使い続ければやがて不具合を起こしてしまいます。
不具合の内容によっては修理で対応可能ですが、10年以上使用している給湯器は、耐用年数の関係上、交換することが多いです。
配管に溜まった水が寒い季節になると凍結し、亀裂や破裂などを招くことがあります。配管が壊れてしまうと水漏れが生じてしまうため、修理が必要となります。
大雨により給湯器内に雨水が入ると、内部に溜まっている埃などが湿気を帯び、不具合に繋がる可能性があります。給湯器は雨が入り込まない構造にはなっていますが、雨の日だけ調子が安定しないときなどは、雨水の浸入が考えられます。
給湯器は号数によってお湯を出す能力が異なりますが、能力を超えた使い方は給湯器の負担になってしまいます。例えば家庭用給湯器を業務用に使ったり、単身世帯におすすめの16号を家族複数人で使用したりすると、給湯器に過度な負担がかかり故障する原因となります。
給湯器に異変を感じたときは、ここで紹介するポイントを確認して対処してみましょう。ただし、対処しても不具合の改善が見られないとき、原因がはっきりしなくて不安なとき、ガス漏れが懸念されるときなどは、業者やガス会社に相談してください。
「水は出るのにお湯がでない」「お風呂の追い炊きができない」など、ガスや給湯器に問題がありそうなときは、次のことをチェックして対処しましょう。
■キッチンのコンロの火がつくか
もしつかない場合は、ガスが止まっている可能性があります。安全装置が作動しているだけであれば、ガスメーターのガイドに沿って復旧させることで使用できるようになります。
■給湯器の電源が入っているか
ガスに問題がない場合は、給湯器の電源が入っているかを確認しましょう。もし電源が入っているにも関わらず、お湯が出ないときは、電源を入れ直して再度操作を行なうことで解消されることがあります。
■水やお湯の水位は適切か
循環口まで水やお湯が入っていないと、空焚きを防止するために、追い炊き機能が作動しません。循環口まで水位を上げてから、改めて追い炊きすることで解消されます。
「リモコンで給湯器をつけても電源が入らない」など電源にトラブルが考えられるときは、次のことをチェックしてみましょう。
■電源プラグが抜けていないか
給湯器の電源プラグが何かしらの理由で抜けている場合、電源がつきません。コンセントに差すことで電源が入り、使用できるようになります。
■給湯器内のブレーカーが落ちていないか
もしブレーカーが落ちていた場合は、スイッチを入れ直すことで電源が入るケースがあります。ただし、スイッチを入れ直しても再度ブレーカーが落ちる場合は漏電の可能性もあるため、業者に相談しましょう。
■全てのリモコンで同じ症状か
他のリモコンを操作して給湯器の電源が入るか確認してみましょう。いずれかのリモコンだけが操作できない場合、リモコンの故障が疑われます。操作できるリモコンを用いて電源を入れましょう。
「水が出てこない」「お風呂の温度が安定しない」など、水について気になることがある場合には次のことをチェックしてみましょう。
■元栓や止水栓は開いているか
水道の元栓や止水栓が何かしらの理由で閉じている場合は、開くことで水が出るようになります。また、お住まいの地域で断水している場合も水が出ないため、併せて確認すると良いでしょう。
■給湯器の配管が凍結していないか
配管の凍結で水が出なくなることがあります。自然に氷が溶けるのを待てば、通常通り水を使えるようになります。すぐに解凍したい場合は、配管にタオルを巻き、ぬるま湯をゆっくりとかけて解凍しましょう。
直接熱湯をかけての解凍は、配管の破損に繋がるため避けてください。
■循環フィルターが汚れていないか
循環口のフィルターが汚れていると、浴槽のお湯の温度が安定しなくなることがあります。フィルターを取り外し、歯ブラシなどで水洗いをして汚れを落とすことで、湯温が安定する可能性があります。
「表示がおかしい」「リモコンの操作が効かない」など、リモコンのトラブルが考えられる場合には次のことをチェックしてみましょう。
■リモコンの画面は通常通りついているか
画面の文字や数字の表示が欠けている場合は、液晶パネルの故障が考えられます。操作自体は問題なく行えたとしても、設定温度が見えなくなると火傷をする可能性もあるため、業者への早めの相談をおすすめします。
■エラーコードが表示されていないか
数字や英字などのエラーコードが表示されているときは、給湯器に何かしらの不具合が起こっています。エラーコードはメーカーにより異なりますが、取扱説明書やメーカーサイトなどでエラー内容を確認して対処できるケースがあります。
■操作がどの程度できるか
電源の入切や温度変更など、ある程度の操作ができる場合、リモコン内部の接触不良などが考えられます。強く押したりせず、リモコンの修理や交換を検討しましょう。
「全てのリモコンで操作が全くできない」という場合は、給湯器の電源プラグが抜けている、給湯器内のブレーカーが落ちているということも考えられるため、給湯器周りの確認を行なってください。
メーカーの保証期間内であれば無料で修理を受けられます。保証期間は給湯器購入から1~2年ほどが一般的なので、保証書を確認の上、修理をお願いしてみましょう。
給湯器の耐用年数は約8~10年です。使用から8年経過していないようであれば、不具合の症状によっては交換より修理の方が好ましいケースがあります。
なお、お住まいが賃貸であれば、管理会社やオーナーが業者手配や費用負担をしてくれることもあります。まずは業者や管理会社・オーナーなど、適切な連絡先に相談しましょう。
壊れた給湯器をそのままにしていると、命に関わる可能性があります。給湯器の不具合で不完全燃焼が起きると、一酸化炭素が発生してしまうためです。
一酸化炭素は、濃度によっては数分で頭痛やめまいを引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあるため非常に危険です。無味無臭で、気付きにくいという特徴もあることから、発生させないことが大事です。
また、給湯器が壊れていると水道代やガス代が高くなることがあります。水漏れで水を無駄にしてしまったり、通常以上にお湯を沸かすのに時間がかかってしまったりするためです。水漏れが酷ければ、給湯器周辺が水浸しになって階下まで浸水することもあります。
思わぬトラブルや出費を避けるためにも、給湯器の異変に気付いたらそのままにしないようにしましょう。
給湯器は年月の経過とともに劣化していくため、いずれは交換しなければなりません。しかし、少し意識して使うだけで故障しにくくなり、長持ちさせやすくなります。
ここでは交換時期を早めないための方法を紹介します。
給湯器の給気口・排気口の前にものを置くと、本来の吸排気が上手くできなくなって給湯器に負担がかかってしまいます。負担が大きいほど故障に繋がる可能性も高いため、給湯器の周囲や上下にはものを置かないようにしましょう。
また、もともと給湯器には設置基準というものがあり、周囲に可燃物を置かないように定められています。給湯器によっては排気温度が200度近くにもなるため、火災を起こす可能性があり非常に危険です。
近くに塀があったり、地面に植えている木があったりなどで給湯器とものの距離が近くなってしまう場合には、排気カバーをつけて対策を行なうと良いでしょう。
入浴剤の成分によっては、給湯器や配管を傷めてしまうため注意しましょう。
特に追い炊き機能があるお風呂は要注意です。追い炊き時には、お湯を配管・給湯器・浴槽で循環させて温めます。そのときに入浴剤が入ったお湯だと、含まれている成分も一緒に循環することになるので、配管や給湯器にダメージを与えてしまいかねません。
特に次のような入浴剤は使い方に気を付けましょう。
■硫黄・塩分などが含まれた入浴剤
硫黄は温泉地で売られている入浴剤、塩分はバスソルトなどに含まれており、配管や金属部を腐食させる可能性があります。
■酸化チタンが含まれている入浴剤
酸化チタンは乳白色、白濁色になる入浴剤に含まれていることが多いです。研磨剤の働きをしてしまい、給湯器や浴槽が劣化する恐れがあります。
■発泡系の入浴剤
炭酸ガスが発生する入浴剤は、泡が循環経路に入ると正常に動かなくなる可能性があります。もし使用する場合、追い炊きはガスの発生が完全におさまってからにしましょう。
■花びらなど固形物が含まれる入浴剤
入浴剤に花びらや玩具が入っている場合、配管に詰まると故障の原因になります。
■その他
食物や飲料は細菌やカビの繁殖に繋がるため、ゆずや牛乳などを入浴剤の代わりに使用するのはおすすめしません。もし使用する場合には、配管内で細菌などが繁殖しないよう、追い炊きを避けましょう。
配管を含めた風呂掃除、定期的な点検・メンテナンスを心がけてください。
風呂掃除の際に洗剤や汚れをしっかり洗い流していても、循環口のフィルターや配管内部に汚れがたまっていれば、給湯器が本来の能力を発揮しづらくなってしまいます。そのため、日々の風呂掃除に加え、定期的に配管周りの掃除も行なうようにしましょう。
また、台風や大雨の後は、給湯器内に入り込んだ水で、埃やゴミが湿気を帯びることがあります。時にはそれが原因で不具合が生じることもあるので、極端に強い雨風の後などには、点検を行なうと給湯器が長持ちしやすくなります。
給湯器のお湯を出す能力は号数によって異なります。家庭用の給湯器では16号・20号・24号が使われることが一般的となっており、号数における能力の目安は下記のようになっています。
■16号
単身世帯におすすめの号数です。一度に複数箇所でお湯を使用しない場合に向いています。
■20号
2~3人での暮らしに適した号数です。複数箇所でお湯を使用できます。
■24号
3~5人での暮らしに向いています。複数箇所でゆとりを持ってお湯を使えます。
号数の能力を超えた使い方をしてしまうと、給湯器にはそれだけ負担がかかってしまいます。過度な負担は給湯器の劣化や故障に繋がるため、生活にあった号数を使用するようにしましょう。
号数や給湯器の選び方・費用について知りたい方は、こちらの記事もご参考ください。
様々な対策をしていても、給湯器を交換するタイミングはいずれやってきます。この記事で紹介した簡単な対処法は個人でも試せますが、給湯器の設置や交換には資格が必要です。もし交換が必要になったときには、資格を保有している業者に相談するようにしましょう。
壊れた給湯器をそのままにしておくと、不完全燃焼による一酸化炭素中毒の恐れがあり危険です。故障のときに限らず、いつもと給湯器の様子が違うといった場合にも、早めに業者へ相談しましょう。給湯器の交換をせずにメンテナンスや修理で解決することもあります。
また、もし交換する際には、安全のため、給湯器の設置に必要な資格を持った業者を探すといいでしょう。資格の有無や費用などが気になるときは、まずは気軽にできる電話相談や無料見積もりをお願いしてみてはいかがでしょうか。
こちらはエコキュートの記事ですが業者選の選び方は共通ですので是非参考にしてみてください。
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