トイレの不具合を感じたときにどこを確認することで故障が判明するのか。本項では起きている症状ごとにトイレの部品で不具合が起きていると想定される場所と確認方法、修理・調整の方法を紹介します。
トイレを流した際に水が止まらないようなケースでは下記のような原因が考えられます。ボールタップ、フロートバルブ、レバーの故障の疑いがあるので確認をして必要に応じて交換する必要があります。
トイレタンク内の水位が高すぎる場合、ボールタップに不具合が起きていないか確認をします。まずは浮き玉を持ち上げてください。浮き玉を持ち上げたことで給水管が閉まり、水が止まるようであればボールタップを調整することで改善します。持ち上げても水が止まらないようであれば故障しているおそれがあるためボールタップの交換が必要です。
フロートバルブやレバーの故障を判断する方法は、回したレバーが自然に元の位置に戻るかを確認します。レバーが戻るようであればフロートバルブ側に原因が、レバーが戻らにようであればレバー側の故障の可能性があります。こちらも故障であれば交換しましょう。
トイレの水が流れないときや何かが詰まって流れないような場合は下記のような原因が考えられます。この場合はフロートバルブの鎖、浮き玉、ボールタップ、排水管を確認しましょう。
排水管つまりの場合、異物が原因で起こる場合と上の3つが原因で流す水量が減ったことでつまりが起きる場合があるため確認の際は注意が必要です。排水管が詰まってしまうと状態によっては修理が大掛かりになるため早めの対応が必要です。
フロートバルブの鎖がたるんだり切れたりすると、フロートバルブが持ち上がらず水が便器に流れないため鎖ごとフロートバルブを交換しましょう。また、浮き玉に異物がついていると正しい水位を感知できないため、異物の除去を行い位置を修正する必要があります。ボールタップの汚れも同様で給水管からの水が流れにくくなるので取り除いてください。
トイレのタンクに水が溜まりにくいといったケースではボールタップ、浮き玉、フロートバルブの不具合が考えられ、下記のような症状が現れます。
上の項でも解説したようにボールタップの汚れが原因で給水管から水が流れにくくなってしまっていると自ずとタンクへ水が溜まりにくくなります。浮き玉に異物が引っかかっている場合、タンクの水量が低くても感知ができずに水が溜まらなくなってしまいます。
鎖が指示棒や浮き玉にひっかかるなどしてフロートバルブが正常な位置に戻れないときや損傷してしまったときには蓋の役目が果たせずにタンク内の水が便器へ流れ出てしまうことがあります。位置がずれてしまっているのであれば正しい位置に戻してください。それでも直らないときにはフロートバルブの損傷が疑われるため交換をしましょう。
トイレタンクの水漏れ原因やその対処方法は下記の記事で詳しく解説しているので併せて参考にしてください。
トイレ周辺の床が濡れている場合は下記のような故障が予想され、給水管のナットやパッキン、温水洗浄便座、便器やタンクを確認する必要があります。
給水管とトイレタンクの接合が緩んでいる場合は一度止水栓を閉めてからナットを使って締め直す。もしくはパッキンを交換することで症状が改善することがあります。
温水洗浄便座からの水漏れや便器に入ったひびから水が漏れている場合、自身で直すのは難しいため水道業者へ連絡をして修理してもらうようにしましょう。このケースでは根本的な解決を行うための作業には危険が伴うほかトイレの脱着のような大掛かりな工事が必要です。
またトイレと床の間が濡れていることで水漏れを疑いがちですが故障ではなく結露が原因であることも少なくありません。この場合はドアや窓を開けて換気をして外部との温度差を減らすことで症状が収まることがあります。一度便器を拭いてすぐに水が出てくるようであれば破損を疑いましょう。結露の場合、修理は不要ですが放置することでカビや臭いの原因になります。床が腐食して損傷することもあるので拭き取って乾燥させてください。
便座がガタつく場合は下記のような原因が考えられるので便座の裏側や便器との接合部分をよく確認してください。
まずは便座の裏側や接合部分にゴミやほこりが挟まっていないかを確認し、あれば取り除いてください。これだけで改善する場合があります。また、便座の裏側にはクッション材となるゴムが取り付けられており、急な開閉で便器が破損しないような構造になっています。これがなにかのはずみで外れてしまったり、劣化によって高さが不安定になっていることでガタついていることがあります。
便座と便器の接合部がガタついているようなときには繋いでいるナットが緩んでいることがあるので工具を使って締め直してください。ナットは便器の裏側、左右に設置されています。
TOTOではウォシュレット、LIXILではシャワートイレ、Panasonicではビューティ・トワレと呼ばれる温水洗浄便座ですが、水の出方に異常を感じて問い合わせをいただくことも多いです。水の出方に不具合があるような場合はノズルやフィルターの目詰まりが考えられます。
ノズルの目詰まりを自身で直すのであれば「ノズル掃除モード」などのノズルを引き出せる機能を用いて歯ブラシで掃除しましょう。
フィルターは壁や床から温水洗浄便座へ伸びる給水管や給水管の止水栓にあります。ここの作業をする場合は止水栓が閉まっていることを確認してからフィルターを取り外して掃除をしてください。フィルターを取り出すときには止水栓が閉まっていても残っている水がこぼれるため、床にバケツやシート、タオルを敷いて作業をすると安心です。ノズルの出し方やフィルターの位置、外し方は使用しているメーカーや機種によって異なるので説明書を確認しながら作業してください。
便座に座っていても保温機能が作動せず冷たくなってしまう、使用しようとしても自動開閉がされないようなケースでは人感センサーに異常があると考えられます。人感センサーが汚れていて検知できないことや直射日光、夏場の高温が原因で故障している可能性があります。
センサー部分を掃除しても症状が改善しないようであれば故障の可能性があるので専門業者に相談してください。
本項では実際にトイレの部品交換を行う方法を解説します。部品交換の際には製品に合った部品を用意するのはもちろん交換に必要な工具を揃えてから作業をしましょう。
用意するもの
トイレの部品交換を行う場合は必ず止水栓を閉めてから作業をしましょう。止水栓は給水管からタンクへ流れ込む水の調節や栓の役割を持つ部品です。止水栓を閉めることでタンクへの給水が止まり、部品を外したときやなにかトラブルがあったときに水が溢れる事態を避けられます。そのため故障の原因を調べるときにも止水栓を閉めてから行うようにしてください。
止水栓はトイレタンクの裏側、給水管の壁や床付近に設置されています。ハンドルタイプであれば手で、ネジタイプのものであればマイナスドライバーで右回り(時計回り)に回すことで閉められます。作業後はトイレ使用のために止水栓を再度開けることになるので閉めるまでに何回回したかを覚えておくと同じ水量に戻せます。
止水栓を閉めたら温水洗浄便座の電源プラグを抜いておきましょう。部品交換の際には水が飛ぶことがあり、感電を防ぐために電源プラグを抜き、ビニール袋などで包んで高い場所へ置いておくと安心です。電源プラグを触るときには乾いた手で作業してください。
まずはボールタップの交換方法を紹介します。ナットの近くにはパッキンがあるため作業中に落としてしまわないように注意して作業をしてください。新しいボールタップへ交換する場合はパッキンを元の位置に戻すのも忘れずに。ついでに新しいパッキンに交換してしまうのもおすすめです。
作業は上記の養生及び止水栓を閉めた状態から解説します。
続いてフロートバルブの交換方法を紹介します。フロートバルブを交換する場合は付属している鎖ごと交換をします。鎖は若干たるんだ状態が正しい状態で、ピンと張っている状態もたるみすぎた状態もどちらも不具合の原因となるので注意してください。心配な場合は古い鎖と同じ長さにしましょう。
フロートバルブはゴム部分の棒を穴に挿して設置するタイプやタンク内のリングに鎖を通して設置するタイプなどさまざまです。以前のものがどのように設置されいたかを確認して作業を行いましょう。作業は上記の養生及び止水栓を閉めた状態から解説します。
最後にトイレのレバー交換方法を紹介します。トイレレバーも位置の調整が重要なため古いレバーの位置を確認して作業を進めるようにしましょう。作業は上記の養生及び止水栓を閉めた状態から解説します。
ここまではボールタップやフロートバルブ、レバーなどの代表的な部品交換の方法を紹介しました。トイレの部品交換は自分でも作業できますが、陶器である便器の破損やひび割れのように水道業者へ依頼したほうが良い故障もあります。
どこが原因で不具合が起きているのか、どこから水漏れしているのかが特定できない状況であれば水道業者へ依頼してください。
原因がわからない状態で作業をしても改善しないだけでなく悪化させてしまう可能性があります。症状が悪化したことで余計に費用がかかることもあるので早い段階で業者に依頼をして原因の特定から任せてしまうのがよいでしょう。
また、原因が手の届く範囲ではない場合、その間も水漏れは進行して被害が拡大します。深刻な問題となる前に手を打つためにも早急に原因を特定して修理する必要があります。
便器の破損やひび割れは自分で応急処置を施したとしても根本的な解決にはなりません。きちんと修理しない状態で使用を続けると破損やひび割れ部分から水漏れが起き、より大きな被害につながるおそれがあります。仮に自分で交換をする場合でも、タンク分解して便器を持ち上げるなど技術的にも労力的にも大変な作業です。確実に交換するためにも専門業者に依頼する必要があります。
便器は丈夫に作られていますが陶器製のため衝撃や温度変化によってひびが入ることがあります。便座に座るたびに全体重がかかるので万が一座っているときに破損してしまうと怪我にもつながるため早めに交換をしてしまいましょう。
上で紹介した不具合は特定の部品が原因での水漏れです。複数の部品が原因で起こっているような場合や給水管が折れてしまったようなどうしようもない状態であれば専門業者に依頼したほうがいいでしょう。水漏れ被害は水を止めて終わりではなく内装に影響が出ることもあり、目に見えない部分でも被害が出ている可能性があるので調査してもらいましょう。
トイレの水が流れる大まかな仕組みは、給水管からタンクに水を溜めてその水を便器へ流すというものです。水の流れはタンク内の部品でコントロールされています。
主な部品はボールタップや浮き玉、フロートバルブです。ボールタップは給水管とつながっている部品で、浮き玉はボールタップについている部品です。浮き玉はタンク内の水に浮かんでおり、水を流すことで水量が下がると浮き玉も下がり、これに連動してボールタップが開き、給水管からタンクに水が入ります。これが、タンク内の水量を一定に保つ仕組みです。
フロートバルブはタンクと便器の間にあり、水が便器に流れ込まないように蓋の役割をしています。フロートバルブはトイレレバーと鎖でつながっており、レバーを回すと引き上げられます。これにより、フロートバルブの蓋が開いて水が便器へ流れます。
トイレの水が流れる仕組みを知っていればトラブルが起きたときにどこに不具合が起こっているかを自分で見つけて調整することもできます。
トイレの部品であるボールタップやフロートバルブの寿命は約7年〜10年とされていて細かい部品調整だけでは不具合が再発することがあります。もし長く使用しているトイレであれば買い替えを検討するのも一つの手です。
トイレの不具合は修理すべきか買い替えすべきか自分で判断が難しいことも多いです。イースマイルでは不具合発生時にお電話いただければ最短20分で駆けつけします。24時間365日営業をしているので深夜や早朝でも割増料金なしで安心です。不具合の調査や修理、アドバイスもその場でプロのスタッフが行いますのでまずはご相談ください。出張費や見積もりは無料なので下記から相談お待ちしております。
Copyright©株式会社イースマイル【町の水道屋さん】.All Rights Reserved.