トイレの汚れを落としたい場合には、原因や汚れやすい部分を事前に把握しておくのが重要です。便器・便座・壁・床など、場所によって汚れがつく原因は異なります。
汚れがつく原因を特定できれば、効率よく洗浄作業を進められます。まずは自宅トイレの汚れを観察し、以下の項目を参考にして黄ばみや尿石、黒ずみ、ホコリなど汚れの種類を特定しましょう。
トイレが汚れる原因には、大きく分けて4つの種類が存在します。以下に汚れの種類や原因を記載しているので、自宅トイレの汚れがどれにあたるか確認してみましょう。
1、ピンク汚れ
ピンク色の汚れは、空気中のバクテリアが便器内で繁殖したものが原因です。
2、水垢汚れ
水垢汚れは、基本的に水道水に含まれているカルシウムから発生する垢が原因となります。カルシウムから発生する垢に空気中のホコリが付着すると、水垢汚れになります。
3、黄ばみ(尿石汚れ)
便器や便座裏、壁、床などに付着した尿を放置すると、固形化して尿石になってしまいます。尿石汚れは便器や便座に頑固にこびりつき、掃除の際に落としにくいので注意しましょう。
4、黒ずみ汚れ
便器の黒ずみは、尿石汚れにカビが入り込んで発生します。カビは嫌な臭いのもとになるだけでなく、健康に悪影響を与える可能性があるので気をつけましょう。
それぞれの汚れの掃除方法についてこちらの記事でも紹介しています。
トイレを掃除する際は、事前に汚れの溜まりやすい場所を把握しておくのがおすすめです。汚れを落とし切れない場合には、掃除後に嫌な臭いが残ってしまう可能性があるので注意しましょう。以下に掃除する際に注意すべき箇所を記載しているので、参考にしてみてください。
1、便座の裏側
便座の裏側は、便器に跳ね返った尿による汚れが溜まりやすい場所です。便座を上げないと目視できず、汚れを見落としやすい箇所でもあるので注意しましょう。また、長期間尿汚れを放置すると、尿石となって落としにくくなるので、定期的なメンテナンスを心掛けるのがおすすめです。
2、便器の淵裏
便器の淵にはかえしが付いており、便座の裏と同じく尿汚れが溜まります。放置すると、尿が尿石に変化して、雑菌繁殖の原因になる可能性もあるので気をつけましょう。
3、さぼったリング
「さぼったリング」とは、便器の掃除を怠ることで、便器内に溜まっている封水の周辺についてしまうリング状の汚れのことです。黒いリング状の汚れは水垢と尿石が原因ですが、雑菌繁殖を促す危険性もあるので、発見したら速やかに洗浄しておくのがおすすめです。
尿汚れを長期間放置すると「尿石」に変化して黄ばみが生じてしまいます。固形化した尿石は、落としにくいだけでなく、雑菌が繁殖する原因にもなるので注意が必要です。尿石はアルカリ性なので、落とす際はトイレ用の酸性洗剤を使用するのが一般的です。
特に付着してから時間がそれほど経っていない場合には、酸性洗剤で充分落とせます。以下に酸性洗剤を使用した掃除方法の手順を記載しているので、参考にしてみてください。
掃除後は、便器の淵裏などに汚れが残っていないか、しっかりとチェックしておくのがポイントです。
尿石の落とし方は上の項目で記載しましたが、こちらでは洗浄する際の注意点について解説していきます。以下に注意点を記載しているので、参考にしてみてください。
1、ゴム手袋を使用する
酸性洗剤や尿石用洗剤が直接肌に触れると、肌荒れの原因となる可能性があります。掃除する際はゴム手袋を着用して行いましょう。
2、掃除中は換気を行う
臭いに敏感な方は、洗剤のツーンとした刺激臭が気になることがあります。尿石を落とす際は、換気扇を回すだけでなく、トイレの窓やドアも開け、風通しをよくした状態で行うのがポイントです。
3、洗剤を混ぜないように気をつける
酸性洗剤とカビ取り用の洗剤を混ぜると、有毒なガスが発生する危険性があります。人体に被害を与えるガスが発生しないように、事前に使用方法や注意書きをしっかりと読んでおきましょう。
軽度な尿石汚れであれば、「トイレマジックリン」などの中性洗剤で落とせる場合もあります。中性洗剤は、便器の素材にかかわらず使えるのがメリットです。便器以外の場所にも使いやすく、オールラウンドに活躍します。
以下に中性洗剤を使用した際の掃除方法を記載しているので、参考にしてみましょう。
便器に洗剤をかけて、つけ置きしている間に便座などの掃除を行うと効率よく作業が進められます。
尿石汚れが蓄積して便器や便座にこびりついてしまうと、中性洗剤や酸性洗剤で落としにくい場合があります。落としにくさを感じたら、洗浄力に優れた尿石専用洗剤やクエン酸+重曹を使用してみましょう。尿石専用洗剤には、吹きかけてからブラシでこする物やしばらく放置する物などが存在します。
掃除する際は、事前に注意書きや使用方法を読んでおきましょう。また、クエン酸+重曹を使った掃除手順は以下に記載しているので、参考にしてみてください。
尿石専用洗剤やクエン酸+重曹で汚れを落としきれない場合には、耐水性のサンドペーパーで削り落とすのがおすすめです。ただし、便器は陶器でできているので、力を入れてサンドペーパーでこすると傷がつく恐れがあります。耐水性のサンドペーパーを使用する際は力加減に気をつけましょう。
便器はもちろん、便座の裏などの広い範囲に尿石汚れがついている場合には、トイレットペーパーを使うのがおすすめです。トイレットペーパーを使用することで、頑固な汚れを効率よく掃除できるので試してみましょう。
以下にトイレットペーパーを利用して掃除する際の手順を記載しているので、参考にしてみてください。
トイレットペーパーを利用すれば、尿石汚れの内部まで洗剤がしっかりと浸透します。また、つけ置き中に他の場所を掃除できるので、作業効率を高めたい場合にもおすすめです。
トイレ汚れの中でも落ちにくい「黒ずみ」は、カビなどの微生物が原因となって発生します。温度や湿度、汚れなどの環境が揃ってしまうと、カビが発生しやすくなるので注意しましょう。また、カビに尿石や水垢などの汚れが加わると、より落としにくくなってしまいます。
トイレの黒ずみを落とす際は、カビ・尿石・水垢の3つを除去するのが重要なポイントです。以下に黒ずみの原因となるカビ・尿石・水垢を効率よく落とせる洗剤を紹介しているので、参考にしてみてください。
・カビ
塩素系漂白剤
・尿石
酸性洗剤・酸素系漂白剤
・水垢
クレンザー
・複合汚れ
重曹+クエン酸
また、軽度な汚れと頑固な汚れでも、効果的な掃除方法は異なります。以下の項目で効率のよい掃除の仕方を解説しているので、参考にしてみてください。
黒ずみの汚れが軽度な場合は、洗剤で溶かして落とすのがおすすめです。ただし、カビ・尿石・水垢など、ついている汚れの種類によって使用すべき洗剤の種類が異なるので注意しましょう。カビの黒ずみを落とす場合には、塩素系漂白剤が効果的です。
以下に塩素系漂白剤を使った掃除方法を記載しているので、参考にしてみてください。
黒ずみを落としたい場合は、酸性洗剤を使用するのが効果的です。以下に酸性洗剤を使った掃除方法を記載しているので、参考にしてみてください。
また、尿石が原因の黒ずみには、酸素系漂白剤を使ったつけ置きもおすすめです。以下に酸素系漂白剤を使った掃除方法を記載しているので、参考にしてみてください。
さらに、カビ・水垢・尿石が混合した複合的な汚れを落としたい場合は、重曹+クエン酸が便利です。以下に重曹+クエン酸を使った掃除方法を記載しているので、参考にしてみてください。
カビや水垢が原因となっている落としにくい頑固な黒ずみには、塩素系アルカリ洗剤やクエン酸を使用するのがおすすめです。以下に塩素系アルカリ洗剤やクエン酸を使用した掃除の手順を記載しているので、参考にしてみてください。
水垢の黒ずみが落ちにくい場合には、クレンザーも効果が期待できます。ただし、クレンザーは研磨剤入りなので、便器を傷つけてしまう危険性があります。便器を傷つけずに頑固な汚れを落としたい場合には、専門の業者へ依頼するのがおすすめです。
掃除後もトイレが臭う場合には、汚れを落としきれていない可能性があります。便座カバーやマットなどのファブリック製品や便器と床の境目、便座とふたの隙間などは、汚れを見落としやすい箇所なので注意しましょう。
以下の項目では、トイレが臭う際のチェックポイントを記載しています。掃除したにもかかわらず、悪臭が解消されない場合には、以下の項目を参考に対処してみてください。
トイレの便座にカバーをつけている場合や床にマットを敷いている場合は、嫌な臭いの原因となっている可能性があります。
便座カバーやマットは素材に布を使用している製品が多く、飛び散った尿や水滴が染み込みやすいので注意が必要です。長期間放置しておくと悪臭の原因になるので、週1~2回を目安に洗濯するのがおすすめです。
便器と床の境目は、はみ出た尿が垂れやすい場所です。また、飛び散った尿や水滴だけでなく、ホコリなどの汚れが蓄積しやすい箇所でもあるので気をつけましょう。便器と床の境目は、長期間汚れを放置すると、悪臭が発生するだけでなく素材が痛んでしまう可能性も考えられます。
定期的にメンテナンスを行って、汚れが溜まらないように注意しましょう。便器と床の境目を掃除する際は、お掃除シートでしっかりと汚れを拭き取るのがおすすめです。また、汚れが蓄積している場合には、「お掃除棒」を使用するのが便利です。
お掃除棒は、割りばしの先端にキッチンペーパーを巻いて輪ゴムで止めたアイテムです。以下にお掃除棒を使用した掃除方法を記載しているので、参考にしてみてください。
便座とふたの隙間に関しても、トイレの中で汚れが溜まりやすい場所として知られています。飛び散った尿や水滴はもちろん、ホコリも溜まりやすい箇所なので注意しましょう。トイレによっては、持ち上げるだけで簡単にふたを取り外せるタイプも存在します。
また、掃除のために隙間の幅を広げられる物もあるので、設置されているトイレの取扱説明書を確認してみましょう。以下に便座とふたを掃除する際の手順を記載しているので、参考にしてみてください。
フタが取り外せない場合には、綿棒で掃除するのがおすすめです。以下に綿棒を使用した掃除方法を記載しているので、参考にしてみてください。
トイレの臭いの原因についてはこちらの記事でも解説しています。
トイレの掃除を怠ると、汚れが蓄積して嫌な臭いが発生してしまう可能性があります。さらに、尿汚れを長期間放置すると、落としにくい尿石に変化してしまいます。定期的なメンテナンスを行って、汚れが蓄積してしまわないよう心掛けましょう。
ただし、仕事や家事で忙しいと、掃除を怠ってしまうこともあります。掃除の理想的な頻度は1週間に1回ですが、汚れの蓄積を予防するためには、トイレ汚れの予防方法を理解しておくのも重要です。以下の項目にトイレの汚れを防ぐ具体的な方法を記載しているので、参考にしてみてください。
便器の黒ずみや排せつ物のこびりつきを予防したい場合は、コーティングが効果的です。陶器でできている便器の表面には、目には見えないような細かい凹凸があります。フッ素やシリコンなどの成分を含んだ「コーティング剤」を使用すれば、便座表面を滑らかにして膜を張り、効果的に汚れを予防できます。
液体やクロスタイプのコーティング剤は、最大約3年間効果が持続します。また、スプレータイプのコーティング剤であっても、効果持続期間は約1ヶ月を有しています。コーティング剤に含まれているシリコンは、固まるとしっかり便器に吸着します。
普段トイレを掃除する時間が取れない場合にもおすすめです。トイレコーティングの価格は、900~2000円が目安です。自分で行うとリーズナブルですが、作業に自信のない場合は、専門の業者に依頼してみましょう。
飛び散った尿が付着しやすい便座裏の汚れを防ぎたい場合は、「尿はねパット」を利用するのがおすすめです。便座に跳ね返った尿を吸収する便利なアイテムなので、尿汚れを防ぎたい場合に利用してみましょう。尿はねパットは、基本的に便器の淵に貼りつけます。
簡単に取りつけられる汚れ防止アイテムとしても人気です。また、便器側面に設置する尿たれ防止用のテープも便利です。一般的な尿はねパットとあわせて使用すれば、尿による汚れを効果的に予防できます。
便器と床の隙間は、垂れた尿やホコリ、毛髪、糸くずなどの汚れが溜まりやすい箇所です。隙間の汚れを予防したい場合には、事前に隙間用のテープを貼るのがおすすめです。隙間用のテープには、無地のタイプだけでなく、おしゃれな柄付きの物まで、さまざまな製品が存在します。
設置する際は、自宅のトイレのデザインにマッチする製品を選びましょう。また、便器と床にぴったりとフィットするトイレマットも販売されています。しっかりとフィットしてずれにくいマットを利用すれば、すき間の汚れ蓄積を効果的に予防できます。
さらに、乾燥するとゴムのように固まるジェルを隙間に流し込むトイレのスキマフィルも便利です。便器や床材の種類のよってはシミが残ってしまうので注意が必要ですが、簡単に剥がせる点もメリットです。
置き型洗浄剤はタンク上の手洗い器に設置するタイプの洗剤で、「トイレマジックリン」や「液体ブルーレット」などが有名です。ただし、基本的にタンク上の手洗い器がないタンクレスタイプのトイレでは使えません。
タンク内の水をウォシュレットに使用する場合も、洗剤の入った水がお尻にあたってしまうので気をつけましょう。また、便器内に設置する弱酸性のトイレスタンプは、尿石などのアルカリ性の汚れを中和します。製品によっては漂白剤が入っている物もあり、黒ずみを防止したい場合にもおすすめです。
またトイレの掃除は毎日少しずつやっていくことで汚れが付きずらくなりとても楽になります。こちらの記事ではトイレ使用後約一分でできる簡単な掃除方法を紹介していますので参考にしてみてください。
トイレの汚れは、長期間放置するほど蓄積して落としにくくなります。自分で落としきれない汚れがある場合には、トイレクリーニングを依頼できる業者を頼ってみましょう。専門業者のトイレクリーニングには、業務用の洗剤や器具が使用されます。
汚れを見落としがちな便器の淵裏や便座裏はもちろん、タンク内部や床、壁などもしっかりと掃除してくれます。トイレクリーニングを業者に依頼した際の費用は、7000~8000円が目安です。また、クリーニングにかかる時間は、1~2時間と比較的短時間で終わります。
頑固な汚れをしっかりと落としたい場合や、掃除の手間を省きたい場合には、専門の業者へ気軽に依頼してみましょう。
今回の記事では、トイレ汚れの種類や掃除方法についてご紹介しました。尿や尿石による黄ばみ、カビによる黒ずみ、水垢や微生物の繁殖によるピンク汚れなど、トイレの汚れにはさまざまな種類が存在します。放っておくと、悪臭の原因になるだけでなく、汚れが蓄積して落としにくくなるので注意しましょう。
トイレの汚れを防ぐには、定期的なメンテナンスが重要です。仕事や家事で忙しい場合には、汚れがつかないようにする予防法も試してみましょう。また、頑固で落としにくい汚れがある場合や、自分で掃除の時間が取れない場合には、専門業者への依頼もおすすめです。
業者のトイレクリーニングであれば、業務用の洗剤や器具による強力な洗浄力が期待できます。
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