トイレの黄ばみは「尿石」と呼ばれますが、まずは発生する原因についてみていきましょう。便器の底やフチについた尿汚れを一定の期間放置していると、尿に含まれる成分が結合してアルカリ性の尿石に変化します。
尿汚れが石灰化して固まった尿石は、他の汚れよりも強固に便器に付着します。黄ばみ汚れは、初期の段階であればトイレ用洗剤やブラシで落とせます。
ただし、長期間放置された場合は便器にこびりついてしまい、なかなか落とせない頑固な汚れになってしまいます。便器についた黄ばみは、化学的に落とすのがおすすめです。ブラシでこする際に力を入れてこすりすぎると、便器を傷つけてしまう可能性があるので注意しましょう。
黄ばみの発生原因を理解できたら、次は汚れが発生する場所をみていきましょう。一口にトイレの黄ばみ汚れといっても、できやすい箇所が存在します。
排泄した際に尿が飛び散りやすい便座の裏・便器のフチ裏・トイレの床・トイレの壁などは、特に尿汚れがつきやすい場所です。放っておくと尿石に変化して落としにくくなってしまうので、注意しましょう。
以下の項目では、トイレの黄ばみができやすい4つの箇所について記載しています。普段トイレ掃除をする際はもちろんですが、自宅トイレの以下の箇所に黄ばみが付着していないか確認してみましょう。
便座の裏は、便器から跳ね返った尿が付着しやすい場所です。女性だけでなく、男性が座って用を足した場合でも尿汚れがつきやすいので注意しましょう。
家族みんなが座って排泄する場合には、便座を上げる機会が少なめです。汚れがついても気づきにくい場所なので気をつけましょう。裏側に付着した尿汚れに気づくのが遅れて長期間放置してしまうと、落としにくい尿石に変化してしまいます。
黄ばみ汚れを予防したい場合には、便座裏の定期的な汚れチェックに加えて、こまめに拭き掃除をするなど清掃を心掛けるのがおすすめです。
便座の裏と同じく、便器のフチ裏も跳ね返った尿が付着しやすい場所です。最近ではフチなしの便器も存在しますが、フチがついている便器を使用している場合は裏側の汚れを必ず確認しましょう。
便器のフチ裏は、上方向から見下ろした状態では汚れが確認できません。知らないうちに尿汚れが蓄積し、石灰化して頑固な尿汚れに変化してしまう可能性があるので気をつけましょう。
トイレを掃除する際は、便器のフチ部分もしっかりとチェックするのがおすすめです。便座裏と同じく、定期的に掃除を行って汚れの付着を予防しましょう。
便器だけでなく、トイレ内の床や壁も黄ばみ汚れが発生しやすい箇所として知られています。
特に男性が立って用を足した場合は、広い範囲に尿が飛び散るので覚えておきましょう。便座裏や便器のフチと同じく、付着した尿汚れを放置すると尿石に変化してしまうので注意が必要です。
また、トイレでスリッパを使用している場合には、床に飛び散った尿が裏側に付着する可能性があります。汚れを周囲に広げてしまわないように気をつけましょう。床と同じく壁面も尿が飛散しやすい箇所ですが、壁紙が防水仕様でない場合には特に注意が必要です。
壁紙やフローリングに尿が染み込んでしまうと、見た目では汚れが判断できません。黄ばみや嫌な汚れの原因となってしまう可能性があるので、こまめな清掃を心掛けましょう。染み込んだ場合は菌の発生にも注意が必要です。
トイレに黄ばみが発生する原因や汚れやすい場所が把握できたら、汚れを落とすためや予防のために実際に掃除を行ってみましょう。
ただし、掃除する前には、便器の材質を確認しておく必要があります。陶器を使っている便器であれば酸性のトイレ用洗剤を使っても問題ありませんが、プラスチック製の場合は素材を傷めてしまう可能性があります。
酸性洗剤のなかには強い作用をもつ製品も存在するので、使用は避けて中性洗剤で掃除するように心掛けましょう。また、便器が陶器製であっても、一般的なトイレの便座にはプラスチック素材が採用されています。
特に温水洗浄便座を使用している場合には、プラスチックの部分に酸性洗剤が付着しないように注意しましょう。素材を傷めるのが心配な場合には、プラスチック部を軽く養生しておくのもおすすめです。
トイレの黄ばみは頑固で落ちにくい汚れのため、こまめな掃除で予防するのがおすすめです。
ただし、すでに黄ばみが発生している場合でも、自分で落とす方法は存在します。以下の項目では、酸性洗剤を使用する方法や重曹・クエン酸を使う方法など、3種類の掃除方法ついて紹介しています。
また、作業する際の注意点についても解説しているので、参考にしてみてください。便器の材質をチェックしたら、実際に黄ばみを落とすために掃除を行ってみましょう。
トイレの黄ばみや黒ずみの汚れが頑固にこびりついている場合には、「サンポール」などの酸性洗剤を使用するのがおすすめです。トイレ用酸性洗剤はアルカリ性の尿石に効果的で、洗浄力に優れた製品が存在します。
掃除を行う際は、酸性洗剤に加えて、事前にトイレ掃除用ブラシやゴム手袋も用意しておきましょう。以下に酸性洗剤を使った掃除手順を記載しているので、参考にしてみてください。
汚れが落ちない場合には、トイレットペーパーを使用してパックする方法もおすすめです。以下にトイレットペーパーを使った掃除手順を記載しているので、参考にしてみてください。
洗浄力の高い酸性洗剤は、皮膚に触れると荒れてしまう可能性があります。火傷を負う危険性もあるので、作業を行う際はゴム手袋を着用しましょう。
また、掃除する際は便器内の水位を下げておくのもポイントです。水の中の黄ばみは、洗剤が水で薄まって落としにくくなるので注意しましょう。
酸性洗剤に比べると洗浄力は劣りますが、重曹やクエン酸を使用しても黄ばみを落とせる可能性があります。黄ばみはアルカリ性なので、酸性の性質をもつクエン酸の使用は効果的です。
また、重曹を加えることで泡を発生させれば、同時に尿酸による汚れも落としやすくなります。掃除する際は、重曹・クエン酸に加えて、事前にスプレーボトルやトイレ用掃除ブラシ、水を用意しておきましょう。
以下に重曹とクエン酸を使用した掃除手順を記載しているので、参考にしてみてください。
掃除を行う際は、便器内の水位を下げておくのがポイントです。重曹やクエン酸が水で薄まってしまうと、汚れを落としにくくなるので注意しましょう。
また、汚れが落ちない場合には、放置する時間を延ばしてみるのもおすすめです。それでも落ちない場合には、クエン酸水の濃度を上げたり重曹の量を増やすなどの方法も試してみましょう。
クエン酸の使い方については下記の記事で詳しく解説しています。
トイレ用酸性洗剤や重曹・クエン酸を使用しても効果がみられない場合には、尿石を削り落とす方法もおすすめです。作業を行う際は、ホームセンターで購入できる「耐水性サンドペーパー」を使用するのが一般的です。
ただし、先端に研磨剤がついたアイテムや軽石のような形状のアイテムなど、尿石を削り落とす製品も多数販売されているのでチェックしてみましょう。
尿石を削る際には、力加減に注意しながら行うのが重要です。力を入れすぎると便器を傷つけてしまう可能性があるので注意しましょう。便器の破損が心配な場合には、専門業者に清掃依頼するのもおすすめです。
トイレの酸性洗剤を使用して黄ばみを落とす際は、同時にアルカリ性の洗剤を使用しないように注意が必要です。
重曹とクエン酸が混ざって発生する二酸化炭素ガスは無害ですが、酸性とアルカリ性の洗剤の混合によって発生する塩素ガスは有毒です。危険性が高いので、洗剤の種類や混ぜ合わせなどに十分注意しながら掃除を行いましょう。
また、酸性洗剤には、鼻をつくような刺激臭がする製品も存在します。使用する際は、トイレの窓やドアを開けて、換気をしながら作業をするなど風通しのよい環境を整えておきましょう。
尿が石灰化して尿石に変化してしまうと、頑固にこびりついてなかなか落とせません。トイレの黄ばみ取りに手間をかけないため、普段からこまめな掃除を心掛けるのがおすすめです。
以下の項目では、トイレの黄ばみを予防する方法を3つ解説しています。黄ばみの落とし方だけでなく、予防法もしっかりと把握しておきましょう。
トイレの黄ばみ汚れを予防するには、使用後にこまめな掃除を行うのが重要です。便器内に洗剤をかけてブラシでこするなど、比較的簡単な掃除を定期的に行うよう心掛けましょう。
以下に約1分で終了する簡単な掃除手順を記載しています。
トイレ掃除は、毎日のルーティンにするのがおすすめです。部屋で掃除機をかける際やお風呂を掃除する際などにあわせてトイレ掃除も行うようにしましょう。
トイレを使用した後には、適量の水で流すのがおすすめです。水道代節約のために毎回水を流さなかったり、少量の水で流している場合には、尿汚れが便器内に残ってしまう可能性があります。
尿汚れが蓄積して黄ばみが発生すると、掃除に手間がかかってしまうので注意しましょう。また、洗剤や掃除シートなど清掃の際に余計なコストも発生してしまいます。黄ばみ汚れの原因となる尿は、毎回しっかりと流しておくのが重要です。
トイレの黄ばみはアルカリ性なので、定期的な掃除を酸性洗剤で行うのも予防法として有効です。トイレ用の洗剤は中性の製品が多いですが、酸性洗剤を使って掃除してみましょう。
洗浄力に優れる強力な酸性洗剤を使用する場合は、皮膚や便座などに触れないように気をつける必要があります。面倒に感じる場合には、週1回を頻度の目安として掃除に酸性洗剤を使う方法もおすすめです。
毎日行う簡単な掃除に中性洗剤を使い、週1回程度だけ酸性洗剤を使用して洗浄すれば、作業にかかる手間や便器へのダメージも抑えられます。
トイレの黄ばみ汚れは頑固なため、トイレ用中性洗剤を使用した際はもちろん、重曹・クエン酸や酸性洗剤を使っても落とせない可能性があります。また、耐水性のサンドペーパーで尿石を削り取る方法もありますが、便器が傷つかないように注意が必要です。
自分で黄ばみを落とせない場合だけでなく、洗浄作業を手間に感じる場合には、専門の業者に依頼するのがおすすめです。費用はかかりますが、プロのトイレクリーニングであれば、こびりついた尿石もしっかりと落とせます。
費用相場は7,000~10,000円ほどが相場ですが、業者や作業内容によっても異なります。依頼する際は複数の業者に見積もりを依頼し、安心して頼める事業者を選択しましょう。
今回の記事では、トイレの黄ばみ汚れについてご紹介しました。尿汚れが元となって発生する黄ばみ(尿石)は、頑固にこびりついて落しにくいのが特徴です。こまめにトイレ掃除を行って、黄ばみが発生しないように注意しましょう。
汚れの付着を発見した場合には、重曹とクエン酸を使って洗浄するのがおすすめです。落ちない場合には、洗浄力に優れた酸性洗剤を使用したり耐水性サンドペーパーを使ってみましょう。
ただし、酸性洗剤は皮膚につくと火傷してしまう可能性があります。また、尿石を削り取る際は、便器を傷つけないように力加減に注意が必要です。自分で黄ばみ汚れを落とす自信がない場合にはもちろん、掃除作業を手間に感じる場合には、専門業者への依頼がおすすめです。
Copyright©株式会社イースマイル【町の水道屋さん】.All Rights Reserved.