まず結論からいうと、「エコキュートの故障が多いメーカー」などはありません。自分が使用していたエコキュートが故障すると「もしかしたら自分が購入したメーカーだけ壊れやすかったのでは?次は故障しにくいメーカーのものが良い」などと思うかもしれません。
確かにメーカーによって製造方法が異なるため、多少の違いはあるかもしれませんが、不良品と思われるほどの商品を提供しているとは考えにくいでしょう。
もし「すぐに壊れた」という場合には、メーカーを疑うよりも取り付け業者の施工不良や、使い方が悪かった、メンテナンスをしていなかったといったことに原因があるかもしれません。
例えば、エコキュートの設置については国家資格が必要となりますが、設置工事を請け負っている業者のなかには無資格で施工を行う業者もいるようです。
そのような悪質な業者によって施工されたエコキュートであれば、初期不良や軽微なミスによって後々重大な故障に繋がるといったこともあるかもしれません。
そのため、エコキュートを選ぶ際にはメーカーではなく、安心して依頼できる施工業者を選ぶことや、故障したときのための保証をつけておくことが大切です。
また、エコキュートが故障する主な原因についても理解しておくと良いでしょう。エコキュートの故障として考えられる原因については後述しているので参考にしてください。
エコキュートの故障が多い場合に考えられる原因としては、大きく分けて下記の3つがあります。
「初期故障」とは、設置して間もない時期に起こる故障のことを指し、設置時に何かの手順を誤ったり、配線に異常が合った場合などに起こる不良です。
初期故障の場合はメーカーや取り付け業者でも無償で対応してくれる可能性があるため、一度問い合わせてみましょう。
「摩耗故障」とは、使用回数を重ねることで各部位に摩耗が起こり、水漏れや故障を起こすことを指します。
摩耗故障を起こさないためには、定期的な点検やメンテナンスによる部品の交換などが大切になるでしょう。
「偶発故障」とは、エコキュート設置段階で発生していたわずかな欠陥や問題が、経年により大きな問題となり故障として現れることを指します。
給湯器以外の電化製品でも稀に起こるタイプの故障とされていますが、遡って初期の故障であることを証明することができないため、保証期間を過ぎるとそのまま保証の対象外となるといった厄介な部分があります。
そのため、少しでも異常を感じたり、軽微なエラーが発生した場合でも保証期間内にメーカーによる点検を受けた方が良いでしょう。
エコキュートを故障させないためには、エコキュートの選び方も大切です。
エコキュートの主な選び方としては下記のようなものが挙げられます。
このなかで特に故障の原因となるとすれば「性能と居住地の性能はあっているか」があるでしょう。
エコキュートには主に「一般地仕様」、「寒冷地仕様」、「耐塩害仕様」の3つがあり、それぞれ下記のような地域や場所において使用が推奨されています。
仕様 | 概要 |
一般地仕様 | 最低気温が-10℃までの地域向け |
寒冷地仕様 | 最低気温が−25℃までの地域向け |
耐塩害仕様 | 海までの距離が約300mを超え1km以内なら耐塩害仕様、距離が約300m以内なら耐重塩害仕様がおすすめ |
例えば、北海道のような寒冷地として指定されている場所で一般地仕様のエコキュートを使用していると凍結などのエラーが頻発し、故障に繋がるでしょう。
海が近い場合にも、耐塩害仕様のエコキュートを使用することが大切なほか、なるべく海水や潮風に当たらない場所に設置するなどの工夫をするなどして故障の確率を低下させることができます。
「自分の地域でどれを使えば良いかわからない」という方もいるかもしれませんが、基本的に地域別の推奨タイプは各メーカーがマップにしています。
そのマップに従い、自分が居住している地域に合ったタイプのエコキュートを選ぶと良いでしょう。
もしこのようなポイントを抑えたうえで、より安心して長くエコキュートを使いたい場合にはメーカーが提供する保証サービスに注目すると良いでしょう。
各メーカーの保証期間については以降で紹介するので参考にしてください。
エコキュートのメーカーはさまざまですが、ここでは主な有名メーカーの保証期間を一例として紹介します。
メーカー | 標準保証期間(無料) | 延長保証(有料) |
パナソニック | 1年間 | 5年間/8年間/10年間 |
三菱電機 | 2年間 | 5年間/8年間/10年間 |
ダイキン | 1年間 | 10年間 |
コロナ | 2年間 | 5年間/8年間/10年間 |
日立 | 1年間 | 7年間/10年間 |
※契約料は2020年3月現在のものです。
上記のように、購入から1年間〜2年間はメーカー保証が適用されるため、もし保証期間内の故障であればメーカーに修理・交換の依頼をしましょう。
もしメーカーの標準保証期間で不安が残る場合には延長保証サービスの利用がおすすめです。
それぞれのメーカー保証の延長には別途料金がかかりますが、長く安心して使用したい場合にはつけておくと良いでしょう。
例えば、パナソニックのエコキュートの延長保証料金は下記のとおりです。
年数 | 契約料 |
5年タイプ | 11,524円 |
8年タイプ | 25,666円 |
10年タイプ | 29,700円 |
エコキュートの型や特殊な水質の地域の場合は延長保証に申込みできない場合がありますが、もし延長保証をつけられる場合では基本的に購入時にしか加入できません。
「3年使ってて故障したから延長保証に申し込もう」といったことはできないので注意が必要です。
もし現在使用しているエコキュートが故障したのであれば「修理」もしくは「交換」といった選択肢になると思います。
修理か交換かの判断は難しいと思いますが、下記のような点を目安にすると良いでしょう。
それぞれについて以下で詳しく紹介するので、修理か交換かで悩んでいる方がいるなら参考にしてください。
もし現在使用しているエコキュートが購入から10年〜15年経っているのであれば経年劣化が進んでいる可能性があるため交換をおすすめします。
エコキュートの寿命(耐用年数)は約10年〜15年といわれているため、経年劣化による故障の可能性があるでしょう。
耐用年数を超えて使用し続けていると故障が増える可能性があるほか、修理する際にも型が古いことにより部品が生産中止になっている場合などがあります。
生産中止になっている部品を取り寄せるなどになると修理代が高額になるほか、経年劣化により他の部分にも故障が出てくると修理の頻度が増えるなどして維持費自体が高額になるため注意しましょう。
もしエラーの頻度が多い場合は修理より交換がおすすめです。
エコキュートは複雑な作りをしており、内部の部品や設備などが相互に関連していることがあります。
そのため、一部に故障やエラーが起こると、他の部分に影響するといったことが起こる場合もあるでしょう。
エラーについては、エラーコードによりどこに不具合が起きているかをおおむね理解できますが、内部の不具合の場合は一部ではなく複数の箇所に影響が及ぶ可能性があります。
例えば「エラーが起こったから修理したのに、また新しいエラーが発生して使い物にならない」といった場合には、一つの故障が他の部分に影響することによって起こっている可能性があるでしょう。
エラーが多発すると修理頻度も多くなり、維持費が高くなるので長期的な目線で考えると買い替えの方がお得な可能性があります。
修理を検討し、業者に見積もりを出してもらった段階で修理代が高くなりすぎることが判明したならば交換も視野に入れましょう。
エコキュートの交換にかかる費用はおよそ40万円〜50万円ほどとされています。
設置場所の関係で工事が増えるなどすると高くなる可能性があるほか、業者によっても費用は異なるため40万円〜50万円というのはあくまでも目安ですが、修理代がそれ以上の金額になるのであれば交換も検討してみましょう。
修理にするにせよ、交換するにせよ、いずれにしてもまずは業者から見積もりを出してもらうことが大切です。
見積もりは一社からではなく複数社から出してもらい、おおよその相場を理解してから比較することをおすすめします。
なお、見積もりだけでも料金が発生する業者もあるため、基本的には無料で見積もりをしてくれる業者がおすすめです。
また、こちらの記事ではそれぞれのメーカごとのエラーコードについて解説しているのでエラーコードが出た際の参考にしてください。
エコキュートの修理や交換には国家資格が必要となる作業があります。
そのため、自分で修理・交換することは難しく、基本的に「メーカー」もしくは「給湯器専門業者」のどちらかに依頼することになるでしょう。
どちらにするか迷った時には「保証期間」をひとつの目安にすることをおすすめします。
各メーカーの標準的な保証期間は紹介したとおり1〜2年ほどであり、延長サービスによって最大10年間の保証期間となります。
もし使用しているエコキュートが保証期間内であれば、基本的に修理・交換を依頼する業者はメーカーで問題ありません。
内容にもよるかもしれませんが、保証期間内であれば無償で修理できる可能性もあります。
一方で、保証期間外の場合には修理・交換に伴う代金は満額請求されることになるため、基本的に金銭面でのメリットは少ないといえます。
メーカーに修理・交換を依頼するメリットとデメリットをまとめると下記のとおりです。
メリット | ・製造会社のため安心して依頼できる ・一定のサービスの質が保証されている ・製品に対する知識が豊富 ・専門業者を探す手間が省ける ・保証期間内であれば修理費用を抑えられる |
デメリット | ・保証期間をすぎると修理代が満額かかる ・割引キャンペーンなどがない ・修理・交換はそのメーカーの製品に限られる ・修理・交換業者はメーカー委託になる ・対応時間が限られている場合が多い |
まずメーカーに依頼する大きなメリットは安心感にあります。
割引キャンペーンなどはないものの「悪質な業者に騙された」、「見積もりとは大幅に異なる高額な料金を請求された」といったトラブルに発展する可能性は極めて低いでしょう。
まとめると、もし保証期間内であればまずはメーカーに問い合わせ、保証期間外かつ確実に安心して頼める業者に依頼したいならメーカーがおすすめです。
「給湯器専門業者」とはその名前のとおり給湯器の修理・交換など専門に受注している業者のことを指します。
トラブルの際にはすぐに駆けつけてくれるほか、割引キャンペーンなどもあり、メーカーと比べてお得かつ自分の都合の良い時間などに依頼しやすいのが特徴的といえるでしょう。
給湯器専門業者に依頼するメリット・デメリットを簡単にまとめると下記のとおりです。
メリット | ・割引キャンペーンなどがある ・メーカーよりコストを抑えられる可能性がある ・サービスやアフターケアが充実している ・24時間年中無休で対応してくれる業者もある |
デメリット | ・業者が多いため比較・検討に手間がかかる ・悪質な業者もあるため注意が必要 |
メーカー保証期間が終了しているのであれば、基本的に給湯器専門業者へ依頼することをおすすめします。
なかにはメーカーと比べて大幅に修理・交換にかかるコストを削減できる可能性があるほか、深夜・早朝などでも臨機応変に対応してくれる業者もあります。
ただし、最も注意するべき点は悪質な業者を選ばないようにしっかりした業者を自分で選び、依頼するという点です。
独立行政法人国民生活センターによると、水周りの修理などを依頼する業者から、説明とは違う高額な請求をされたというトラブルの相談は年々増えているとされています。
このような悪徳な業者を選ばないためにも、エコキュートの修理・交換を検討している方は業者選びのポイントについて理解しておきましょう。
業者選びのポイントについては以下で詳しく紹介するので参考にしてください。
エコキュートなど給湯器に関するトラブルは、給湯器を長く使用していれば一度は経験すると思います。
そのため、下記のようなポイントに注目し、しっかりした専門業者を選べるようにしておくことが大切です。
それぞれについて以下で詳しく紹介します。
1つ目は、連絡から対応までのスピードです。
給湯器はお風呂や炊事など、日常生活にとって欠かせないものに関わっているため、すぐに修理・交換したいという方も多いでしょう。
そのため、依頼する業者の対応スピードも大切になります。
もし依頼してから自宅に駆けつけてくれるまでの時間が遅い場合は、その期間エコキュートが使えず、お風呂などに入れないといったケースもあります。
業者のなかには連絡から最短20分程度で駆けつけてくれるサービスもあるため、そのような業者を選ぶことで解決までのスピードも早くなるでしょう。
2つ目は、24時間年中無休で対応してくれるかどうかです。
エコキュートが故障するタイミングがGW中や年末年始などと重なるケースもあるでしょう。
場合によっては深夜や早朝など一般的な業者であれば営業時間外の時間帯にエコキュートが故障して困るといったことも考えられます。
24時間年中無休で給湯器のトラブルに対応してくれる業者であれば、どのような故障のタイミングであっても安心して連絡できるでしょう。
24時間年中無休で安心して依頼できる業者をひとつでも知っておくことで、今後給湯器が故障した場合でも慌てずに対応できるようになります。
3つ目は、水道局指定の給湯器専門業者かどうかです。
水道局指定の業者(指定給水装置工事事業者)とは、各自治体が認める水道法施行令に定められた基準に合う水道工事ができる業者のことを指し、一定の要件を満たすことで指定給水装置工事事業者として認められます。
つまり水道局指定の業者とは、法律や法令に定められた基準をしっかりと守り、適切な施工ができる業者ということです。
反対に「非指定業者」では、専門的な知見を持ったスタッフがいなかったり、工事に必要になる資格を保有しているスタッフがいないなどして適切な施工ができないことがあるため注意しましょう。
インターネットで検索したときに広告がトップ表示される業者で、一見知名度が高そうに見えても非指定業者の可能性があるため注意が必要です。
なお、エコキュートの修理や工事にも国家資格が必要なため、基本的に依頼する業者は水道局指定の業者となります。
指定給水装置工事事業者は、各自治体によりインターネット上で業者名が公表されています。
依頼を検討している業者の名前が、お住まいの自治体で公表されている一覧に記載されているかを確認すると良いでしょう。
4つ目は、資格を保有しているスタッフがいるかどうかです。
エコキュートの修理・交換は工事内容にもよりますが、下記のような国家資格の保有が必要になるケースがあります。
もし資格を保有していないのにエコキュートの修理・交換を行うと犯罪になるため、エコキュートの修理・交換を依頼する業者を選ぶ際には有資格者を派遣してくれる業者を選びましょう。
エコキュートの修理・交換に資格が必要と知りながら、無資格で施工している悪質な業者もいるようです。
そのような業者を選ばないためにも、しっかりと業者を比較することは大切です。
5つ目は、実際に依頼する修理・交換費用以外に料金が発生するかどうかです。
例えば、エコキュートの交換は基本的に「エコキュート本体費用+標準工事費用+その他費用」の3つの合計金額が請求されます。
しかし、それ以外にも下記のような料金が請求されるケースもあるため注意しましょう。
特に複数の業者を比較するにあたって見積もりをしてもらう方も多いと思いますが、見積もりに料金がかかる業者だと、それだけで出費となってしまいます。
見積もり料金が発生する業者が悪質というわけではありませんが、できるだけ無料見積もりをしてくれる業者から選び、比較検討するとコストを抑えることができるでしょう。
6つ目は、実績豊富かつ知名度が高い業者を選ぶことです。インターネットで検索すればさまざまな給湯器専門業者がヒットすると思いますが、口コミ・評判なども多く見つけられると思います。
また、テレビCMなどを放送している業者であれば比較的安心して依頼しやすいでしょう。
特に芸能人などを起用している場合、一定の信頼度があるため芸能事務所がイメージキャラクターとしてCMに出演することを許可していることが予想できます。反対に違法で質の低い施工や、悪質な営業をおこなっている業者は口コミ・評判が悪い傾向にあります。
ここまで紹介した5つの選び方を含め、実績や知名度も業者を選ぶ際のひとつの要素にすると良いでしょう。
結論をまとめると、エコキュートの故障が多いメーカーなどはありません。もしエコキュートが故障した場合、考えられるのは設置した業者の施工不良や、使用による経年劣化などが考えられます。
特に10年〜15年以上使用してからの故障であれば、エコキュートが寿命の可能性があるため修理ではなく交換をおすすめします。もし長く安心してエコキュートを使用したい場合には、エコキュートを購入する際にメーカー保証の延長サービスを活用しましょう。
また、修理・交換を依頼する業者選びもエコキュートを安心して使用するために大切なポイントです。この記事で紹介した業者選びのポイントを踏まえつつ、修理・交換を依頼する業者を見つけてみてください。
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