エコジョーズが故障する原因は細かく分けるとさまざまですが、大まかに分けると下記の3つに分類できます。
それぞれの原因について以下で詳しく紹介します。
初期故障とは、本体の初期不良や設置段階で何かしらの問題が発生することにより、使い始め間もなくに故障することを指します。
基本的に本体の初期不良であればエコジョーズの購入時から約1年間〜2年間の期間で付帯しているメーカー保証が適用になるため、無償で修理に応じてくれるでしょう。
各メーカーにて無料で付帯している標準保証期間と、別途追加料金を支払って加入できる延長保証を、大手メーカーを参照にして紹介すると下記のとおりです。
メーカー | 標準保証期間(無料) | 延長保証(有料) |
ノーリツ | 1年間 ※BL認定品は2年間 |
5年間/7年間/10年間 |
リンナイ | 1年間 ※BL認定品は2年間、対象商品は所有者登録で最大3年間 |
3年間 |
パロマ | 2年間 ※所有者登録によって最大5年間 |
5年間/7年間/8年間/10年間 |
ただし、エコジョーズを設置するにあたって施工した業者のミスによる不具合はメーカー保証の対象外になるため注意しましょう。
設置時の何かしらの原因で故障が起きた場合、設置した業者での依頼になるケースがあります。
初期不良が起こった場合、できるだけすぐにメーカーや業者に問い合わせて補償を受けることをお勧めします。
摩耗故障とは、エコジョーズを使用し続ける過程で部品などが老朽化して起こる不具合のことを指します。
エコジョーズの寿命(耐用年数)はおよそ10年程度とされているほか、部品の一つである「中和器」も10年に一度程度の交換が必要とされているので覚えておきましょう。
中和器とは、お湯を作る過程で発生する酸性の排水を中性に中和する部品のことを指しますが、10年ほどで中和剤(炭酸カルシウム)がなくなり機能しなくなるとされているため、どこかのタイミングで交換のサイン(エラーコード)が表示されます。
摩耗故障のような経年劣化による故障や消耗品の交換はメーカー保証の対象外となるので、基本的に自分で業者に依頼して修理することになるでしょう。
偶発故障とは、設置時などの初期段階に何かしらの小さな不具合が起っているにも関わらず、気づかずにそのまま使用し続けることにより徐々に大きな不具合の原因となって故障に繋がるケースを指します。
実際には初期段階で起こっていた不具合でも、遡ってその不具合の詳細を証明することが難しいため、メーカー保証を遡って適用することも難しいタイプの故障です。
もしエコジョーズに僅かながらでも違和感があったり、気にならない程度の不具合が起こった場合でもすぐにメーカーなどに問い合わせて点検してもらうことが大切です。
エコジョーズが故障した際の対処法は、大きく分けると「自分で対処できる故障」と「自分で対処できない故障」に分けられます。
それぞれの対処法について、以下で詳しく紹介します。
自分で対処できる故障の場合、メーカーの公式ホームページに記載されている内容や取扱説明書などの指示に従って対処しましょう。
例えば「お湯がでない」といった場合、断水や凍結の可能性がありますが、それらが原因の場合は普及を待つことで解消するケースがほとんどです。
そのほか、「お風呂の量が調節できない」という場合には、水位センサーが正常に働かなくなるような使い方をしている可能性があるでしょう。
基本的に自分で対処できる故障では、正しい使い方をすることで故障の原因を解消できます。
一方で、対処しても同じエラーが表示されるケースや、内部の部品に不具合が起こっているケースでは、自分で対処できないことがほとんどなので業者やメーカーへの点検・診断依頼が必要です。
エコジョーズなどの給湯器の故障では、自分で対処できないタイプの故障が発生するケースも多くあります。
主に内部の部品に不具合が起こっているケースでは自分での対処はできません。また、故障の原因がハッキリと分からない場合でも自分で対処するべきではないでしょう。
エコジョーズはガス給湯器であるため専門的な知識なしで分解すると火災などの事故に発展する恐れがあるほか、修理にあたっては特定の資格が必要とされる場合もあります。
原因がハッキリと分からない、内部で故障が発生している、自分での対処法が分からないといった場合にはメーカーや給湯器専門業者に点検・修理依頼を出しましょう。
エコジョーズは従来の給湯器より熱効率が高く、ランニングコストに優れているというメリットがあるタイプの給湯器です。
なかには「熱効率が良いから、老朽化や故障するのも早いんじゃないの?」という疑問もあるかもしれません。
結論をいうと、エコジョーズの寿命はおよそ10年程度とされており、ほかのガス給湯器より壊れやすいわけではありません。
ただし、エコキュートのような電気でお湯を沸かす給湯器では約10年〜15年程度が寿命とされているため、それらと比べると少し短いといえるでしょう。
なお、前述したとおり、お湯を作る過程で発生する排水を中和する「中和器」は10年程度に一度の交換が必要な消耗品であり、中和器交換のタイミングで発生するエラーは厳密にいうと故障ではありません。
また、メーカーごとに故障率の違うといった報告などもないことから「エコジョーズは他の給湯器より壊れやすい」とはいえないでしょう。
もし設置後すぐに故障したのであれば、「エコジョーズが壊れやすい」というわけではなく、初期不良の可能性があるほか、設置業者の施工不良などが原因として考えられます。
エコジョーズが故障した際に、修理して使い続けるか、それとも新しいものに交換するか迷う方もいるのではないでしょうか。
基本的にメーカー保証期間中ならメーカーへの修理依頼がおすすめですが、10年程度使用しての故障であれば交換がおすすめです。
エコジョーズが故障した際に修理するか、交換するかの判断基準を簡潔に解説するので参考にしてください。
まず、エコジョーズの故障がどのような原因で起こっているかを見極めることが大切です。
例えば、10年以上使用し続けて故障した場合、そもそもとしてエコジョーズの寿命の可能性があるため交換することをおすすめします。
なお、前述のとおり「中和器」も10年ほどで消耗し、交換が必要になるほか、中和器交換のタイミングに伴うエラーは基本的に故障ではありません。
しかし、中和器を交換しても本体自体が10年以上使い続けているものであれば、中和器交換後も本体のどこかに経年劣化による不具合が発生する可能性があります。
そのため、中和器交換のタイミングや、10年以上使用し続けての故障の場合は本体を新しいものに交換することをおすすめします。
そのほか、10年程度経っていないエコジョーズでも、頻繁にエラーが発生する場合や、修理費用が高額になって維持費が高くなるならば買い換えた方が経済的な可能性があることは覚えておきましょう。
エコジョーズは温水暖房に対応したタイプがあり、温水式の床暖房と併せて使用できるケースがあります。
しかし、床暖房の耐用年数はおよそ30年程度、エコジョーズの耐用年数は10年程度といった違いがあることは覚えておいた方が良いでしょう。
「床暖房が使えなくなった」という際に、同時に「お風呂でお湯がでない」という症状があるならばエコジョーズに不具合が発生している可能性があります。
一方で、床暖房に発生しているエラーをエコジョーズが検知し、リモコンにエラーコードが表示される場合もあるでしょう。
例えば、エラー043が表示されているのであれば凍結を防ぐ「不凍液」という液体が漏れていたり、不足していることを示します。
故障箇所によっては大規模な修理になる場合もありますが、床暖房が故障しているか、それとも給湯器が故障しているかは視覚的に判断しづらいケースも多いので、何が原因になっているか分からない場合は一度業者にて点検してもらうことをおすすめします。
エコジョーズが故障した際に修理や交換に伴ってどのくらいの費用がかかるか気になる方も多いのではないでしょうか。
続いては、エコジョーズの修理や交換にかかる、それぞれの費用の相場について内訳を含めてわかりやすく紹介します。
エコジョーズの修理を業者に依頼した場合、一般的には「技術代+部品代+出張料」の合計が修理費用として請求されます。
技術代や部品代は修理箇所や修理の内容によって変動するほか、業者によっても設定されている金額が異なるので、具体的な金額については業者にて見積もりを取ることが大切です。
一般的な業者で提示されている部分ごとの修理費用を一例として紹介すると、下記のような金額がおおよその相場といえます。
修理箇所 | 故障内容 | 修理費用の相場 |
燃焼系 | バーナー劣化、ガス電磁弁の不良など | 14,000円〜33,000円程度 |
電装系 | 基盤不良、配線腐食、断線など | 6,000円〜46,000円程度 |
安全装置系 | 温度ヒューズ、過熱防止装置の不良など | 7,500円〜58,000円程度 |
水制御系 | 流量検知、切替弁などの不良 | 10,000円〜35,000円程度 |
リモコン | 各種リモコンの不具合 | 16,000円〜38,000円程度 |
中和器 | 中和器の消耗 | 12,000円〜25,000円程度 |
あくまでも相場であり、実際にかかる金額と異なる場合もありますが、おおよその金額として参考にしてください。
エコジョーズを修理ではなく交換する場合、一般的に「本体代+標準工事費+その他工事費」の合計が請求され、相場は約15万円〜25万円程度とされています。
ただし、本体代はエコジョーズの性能などによって異なるほか、業者によっても販売価格が異なります。
また、標準工事費とは、エコジョーズの設置に伴う一般的な工事の費用を示しますが、こちらも業者によって異なります。
その他工事費とは、設置場所の状況などによって別途必要になる工事がある場合に追加請求される費用ですが、これはお住まいの状況などによって変動する部分といえるでしょう。
交換の際にも、まずは複数の業者から見積もりをとって比較し、ご自身が納得いく金額で交換できる業者に依頼することが大切です。
エコジョーズもエコキュートと同様に火災保険が適用される場合もありますので下記の記事も是非参考にしてみてください。
エコジョーズを修理・交換した後にも、できるだけ故障なく使用するためには下記のポイントを押さえてエコジョーズを使用しましょう。
基本的に大きな故障に繋がる前に定期的に業者から点検・メンテナンスをしてもらっていると安心して長く使用できるはずです。
また、業者の点検・メンテナンスに加え、ご自身でできるお手入れ方法についても知っておくと良いでしょう。
例えば、エコジョーズを販売している大手メーカーの一つであるノーリツでは、本体が汚れている場合やホコリが付いている場合には濡れた布で拭き、その後十分に水気を拭き取るなどの簡単な掃除・お手入れを推奨しています。
そのほか、下記のような手順で浴槽の循環アダプターのフィルター掃除をこまめにすることについても推奨しています。
誰でもできる簡単な方法なので、日常的におこなうように心がけると良いでしょう。
なお、もしお手入れ中に「エコジョーズに穴が空いている」、「エコジョーズが焦げ臭い」、「中から異常音がする」といった場合には、すぐに業者に点検してもらうことが大切です。
エコジョーズが故障した場合、修理・交換を依頼できる業者は大きく分けると「メーカー」と「給湯器専門業者」があります。
どちらに依頼すればお得かなどについては、状況によって異なるため、判断基準を含めそれぞれの業者のメリット・デメリットについて紹介します。
基本的にエコジョーズがメーカー保証期間中に故障したのであればメーカーに修理依頼を出しましょう。
メーカー保証の対象になる原因での故障であれば、無償や一部負担のみで修理に対応してくれます。
自分で修理業者を探す手間も省けるので、メーカー保証期間中であれば迷わずメーカーへの依頼をおすすめします。
一方、メーカー保証期間外の場合や、保証の対象外となるのであれば修理にかかる費用は満額かかるため、メーカーに依頼するメリットはそれほどありません。
メーカーに依頼するメリット・デメリットを簡潔にまとめると下記のとおりです。
メリット | ・製造会社のため安心して依頼できる ・一定にサービスの質が保証されている ・製品に対する知識が豊富 ・専門業者を探す手間が省ける ・保証期間内であれば修理費用を抑えられる |
デメリット | ・保証期間をすぎると修理代が満額かかる ・割引キャンペーンなどがない ・修理・交換はそのメーカーの製品に限られる ・修理・交換業者はメーカー委託になる ・対応時間が限られている場合が多い |
例えば、下記のようなケースでは保証の対象外となるため注意しましょう。
もし保証の対象外となる場合や、メーカー保証期間が過ぎている場合には、後述する給湯器専門業者への修理・交換依頼がおすすめです。
給湯器専門業者とは、給湯器の修理・交換などを専門としてサービスを提供している業者のことを指します。
メーカーとの大きな違いは、本体代や部品代がメーカー小売希望価格より大幅に割引されていることが多い点です。
また、業者によっては24時間365日年中無休で対応してくれるほか、連絡から駆けつけまでの時間が早いなど、臨機応変な対応も期待できるというメリットがあります。
給湯器専門業者に依頼するメリット・デメリットをまとめると下記のとおりです。
メリット | ・割引キャンペーンなどがある ・メーカーよりコストを抑えられる可能性がある ・サービスやアフターケアが充実している ・24時間年中無休で対応してくれる業者もある |
デメリット | ・業者が多いため比較・検討に手間がかかる ・悪質な業者もあるため注意が必要 |
ただし、メーカーと比べた給湯器専門業者のデメリットとして「悪徳業者を選ぶとトラブルに巻き込まれる可能性がある」という点があります。
例えば、見積もり段階ではお得な修理費用を提示し、修理後に高額な修理費用を請求するといったトラブル件数は年々増えているとされているので注意が必要です。
給湯器専門業者に依頼を検討する場合、安心して依頼できる業者の選び方については理解しておいた方が良いでしょう。
修理・交換を依頼する業者において、安心・安全に依頼できるか判断する場合には下記のような点に注目しましょう。
24時間年中無休、すぐに駆けつけてくれるといった臨機応変さに加えて、安全な業者を選びたい場合は「指定給水装置工事事業者」から選ぶことをおすすめします。
指定給水装置工事事業者とは、各自治体が認める水道法施行令に定められた基準に合う水道工事ができる業者のことを指し、一定の基準を満たすことで指定給水装置工事事業者として認定されます。
つまり、指定給水装置工事事業者として認定されている業者であれば、それ以外の業者と比べて安心して依頼できる可能性が高いということです。
各自治体のホームページで指定給水装置工事事業者を確認できるため、依頼前に掲載されているかチェックすると良いでしょう。
また、有資格者が対応してくれる業者であるかのチェックや、客観的な評価として口コミ・評判なども参考にすることをおすすめします。
例えば、テレビ番組で紹介されている業者や、知名度が高い芸能人がイメージキャラクターとして採用されている業者は悪徳業者である可能性がかなり低く、比較的安心して依頼できるはずです。
そのほかでは、無料見積もりに対応してくれる業者であれば「まずは具体的な修理・交換費用を知りたい」というときに便利です。
上記のような点に注目して、見積もりを取ることからはじめましょう。
エコジョーズの故障は大きく分けると「初期故障」、「摩耗故障」、「偶発故障」がありますが、基本的にはメーカー保証期間中であればメーカーへ、メーカー保証期間外であれば給湯器専門業者への修理・交換依頼がおすすめです。
メーカー保証期間外の場合、具体的なかかる費用は故障の内容などによって異なるほか、業者によっても異なるため、まずは複数の業者から見積もりを取ることが大切です。
紹介した安心して依頼できる業者選びのポイントを踏まえつつ、まずは無料見積もりをしてくれる業者を見つけてみてください。
Copyright©株式会社イースマイル【町の水道屋さん】.All Rights Reserved.